おやじのつぶやき

おやじの日々の暮らしぶりや世の中の見聞きしたことへの思い

『第一回あかね噺の会』・林屋つる子「反対俥」。(「落語鑑賞教室」その2。)

2024-08-11 21:38:24 | 落語の世界

林屋つる子「反対俥」。

※林家つる子

 (中央大学 文学部人文社会学科 中国言語文化専攻)
2010(平成22)年9月林家正蔵に入門
2011(平成23)年3月 前座となる 前座名「つる子」
2015(平成27)年11月1日 二ッ目昇進

さて「反対俥」。

 桂文治の噺、「反対俥」によると、 

 今は無くなってしまった人力車だが、その当時の話です。
 今川(いまがわ)橋で客待ちの居眠りをしている車夫に声をかけた。「万世橋から上野までやってくれ」の注文で、とろりとろりと走り始めた。と思ったが、かじ棒が上がりすぎ車夫は空中で足をばたつかせ、走り初めても提灯が借り物だからと、丁寧にゆっくりと走らせて(歩いて)いる。若い車夫に抜かれると「若い者に花を持たせやしょう」と動じない。今度は年取った車夫に抜かれて「年寄りにも花を持たせましょう」。心臓が悪いので、走ると死んじゃうかも知れません。その時は身寄りがないので、お弔いをお願いします。
 急いでいるので降ろしてもらった。
 「そこにいる若いの、早そうだな」。俺は早いよ、と言うなりかけだした。まだ乗っていないのに・・・。角を曲がって戻ってきた「道理で軽かった」。乗るから「万世を渡って北へ真っ直(つ)ぐやってくれ」、アラよっ、アラよっと走り始めた。風を切って走った。土管を飛び越え、しゃべる車夫の唾が風に飛ばされ客に飛んだ。土手に突き当たり俥はやっと止まったが、そこは埼玉県川口と書いてあった。「『北に』と言われたのでここまで来たが、上野なら戻ります」。
 またアラよっ、アラよっと走り始めた。「こないだは急行列車を追い抜いた」。今は汗が目に入って前が見えない。「止めてくれ」、「勢いが付いているので止まらない。トラックが来たら避けてください」。「お客さん、保険に入っていますか」、「そんなのには入っていないヨ」。「奥さんはいますか」、「二十八だよ」。「二十八で後家さんにしては可哀相。奥さんだけでも私が引き取りましょう」、「冗談言っちゃいけねェ~」。

(この項、「」HPより)

「落語芸術協会」HPでは、

あらすじ

日本橋あたりで上野の駅まで人力に乗った男。最初に乗った俥は遅くてしょうがない。乗り換えると、今度は威勢がよくて早い俥。どんどん飛ばして気持ちいいが、そのうち止まらなくなってしまう。やっとのことで止まると、そこは仙台だった。あわてて引き返すと今度は小田原。「これでは終列車に間に合わない。」「なぁに、明日の一番には間に合いますよ。」

・・・

しかし、今回、かなり改作しています。前半の車夫の話は短くして後の車夫が話の中心に。客の言動を主にして、人力車のとてつもない早さを表現。この落語は、耳で聞くよりも実際に演じる姿を見るのが魅力。

そして、つる子さん。口角、泡を飛ばしての熱演。喬太郎師匠だったら腰をひねってリタイヤーになるに違いなさそう。

ドラム缶を飛び越える仕草、3つ並んでいるのも飛び越える。・・・

ようやく着いたところがなんと「鎌倉」。そのかんに川にそのまま突っ込んで水中を。

さかなのつもり。

「行きたいのは大宮だ」そこで北に引き返す。後ろ向きになって走る。

     

途中で芸者衆にぶつかり、池に落としてしまう。「芸者を上げなよ」「芸者を上げるくらいなら車引きなんぞやってない」というオチ。観客も拍手。お囃子まで入って、

本人も苦笑い。

で終わらず、また走り出し、やっと大宮に。

「いけねえ、土産買うのを忘れた」「ではまた」「待て、懐に生きのいいうなぎが付いてきた」とやっとオチに。

大熱演でした。

2021年に演じていたのと同じようですが、相変わらずの熱演でした。この方の他の演目も見たいものです。

 ※人力車(じんりきしゃ)とは、人の力で人を輸送するために設計された車。

日本では、主に明治から大正・昭和初期に移動手段として用いられたが、現在も観光地などで用いられている。人力俥とも表記する。

(「」HPより)

今や外国人にも大人気。浅草などではひっきりなしに。猛暑の中、若い方が頑張っています。

夏目漱石は「落ちぶれ果てて車引き」などと言っていますが。


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