NHK今日は何の日によれば、1894年4月6日。近代オリンピック提唱の日との事。
団塊が小学生の頃、クーベルタン男爵は、シュバイツァー博士、キューリー夫人、ナイチンゲール、野口英世などに並び称される偉人だった。
「勝つ事より、参加する事に意義あり」のオリンピック精神は、恒久的平和を願っての事に違いないが、20世紀の二つの大戦後も、戦争や紛争は絶えない。
それでも、人類が存続しているのは、独裁政権に対峙して、先述の偉人賢人の存在があったからだろう。
相違を争えば戦争、共通項を温めれば平和。
歴史は、城壁の中の味方の平和を守る為に、壁の外の敵との戦争を決行する。
所謂、平和のために戦争する矛盾。
戦争と平和はセットでやってくる。
混迷の時代に、救世主の如く現れる先導者が、やがて独裁者に変貌するパターン。
映像の世紀で明らかだが、静岡の川勝知事ならずとも、人が人を評価する場合、その人の切り取られた一部分を見て、判断する事が多い。
政治家や有名人を、どれ程知って、我々は評価しているだろうか、一部を切り取って善し悪しを判断しているに過ぎない。
今年は、クーベルタンの母国、フランスはパリでのオリンピック。
太陽王ルイ14世の専制君主時代やナポレオン、パリコミューン時代からヒットラ-に蹂躙された時代まで。
歴史の一部を切り取って見るフランスで、金銀銅メダルだけで評価されるオリンピック。
NHKのど自慢は、合格の三つの鐘と、場を盛り上げた人への特賞がある。
ゴルフでも、ハンデーやブービー賞がある。
「木を見て森を見ず、森を見て木を見ず」ではなく、「木を見て森を見て、森を見て木をみる」
パリ五輪を見て、世界をみる。
世界を見てパリ五輪を見る。
今年は、昆虫の複眼を模して、時の移り変わりを眺めるとしよう。