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100% pure モノクロの故郷に、百彩の花が咲いて、朝に夕に、日に月に、涼やかな雨風が吹いて、彩り豊かな光景が甦る。

近江 安土城跡

2006年07月17日 | 千伝。
たまたま、安土城跡と国宝の彦根城を見学してきたので、NHKの「功名が辻」と「フランスの世界遺産宮殿フォンテンブロー」を観て考えてしまった。

日本の城の石垣石段の曲線美とフランスの宮殿庭園の直線美を比較してしまうのである。

安土城は、今まで遠くから眺めていたちっちゃい小山の印象を持っていたが、天まで続くようにみせかけた湾曲した石垣や石段を見ると、よく工夫された城跡だった。

ただ、あの山を中心にして、ほんの三年間で、あの城や城下町楽市楽座を造ったというのは、常軌の沙汰でない。

織田信長は、やはり狂人だったのだろう。(豊臣秀吉も同じく)

そして、自ら国王と名乗るのも理解できるが、あの城、屋敷、地位を残したまま、明智に殺された怨念は、いかばかりかと思う。

戦国の乱世から安土桃山時代・・

戦国の武将の辞世の句に、「夢」とか「雲」とか「山」とか「花」とか詠むのは、受け容れがたい現実を直視すると殺し合いという狂人になっている素性を忘れることができるからだろうか。

栄華を誇った安土城を見たかった。

織田信長が生きながらえていたならば、日本の歴史も、あの界隈(安土、彦根、米原、長浜、関ヶ原、大垣、岐阜)も、随分と変わっていたのであろう。

まさに、功名が辻かもしれない。

ところで、今秋から安土城跡に入るのに入場料が必要になる・・と看板に書かれてあった。

今まで無料だったのが不思議である。

フォンテンブロー宮殿もベルサイユ宮殿も入場料をちゃっかりと徴収される。

曲線美は、防御的で滅びゆくものを避けようとする美しさがある。

直線美は、攻撃的で滅びゆくものを残そうとする美しさがある。

・・そんな事を書きたくなりました。