当然の事ですが、焼き物(陶芸)の作品は、大きいから価値がある訳では有りません。
使い勝手の良い物は、その用途によって適度の大きさがあります。大きな物は展示用などの他、
大勢人が集まった会場や食事、葬儀の花瓶など、特別な場所や特別の時に使われる場合が多いです
それ故大きな作品は使う機会も少なく、作る事も少なくなり勝ちです。しかし、大きな作品を作る
事は、今まで行ってきたやり方では通用しない場合も多いです。
技術力をアップさせたいと思っていたならば、是非大きな作品に挑戦してください。
小物ならば、どうにか処理できる事でも、大物になると狂いが出たり、割れが発生したりする他、
焼成でも失敗する事が多く、小手先では対応できなくなる事があります。
但し、焼く窯があるのが前提で、自分で大きな窯が無い場合には、どなたかに依頼する事になります。
又、窯に収まる範囲の大きさしか作る事が出来ませんから、注意が必要です。
1) 大きな作品は、横方向もそれなりの困難がありますが、縦(高さ)方向に背の高い作品の方が
より難しくなります。即ち上に乗る重量が大きくなる為、それに耐える強さが必要に成るから
です。又、作品の狂いも発生し易くなります。
尚、展示用の大壷などでは、高さが50cm以下が多いです。 大皿なども直径60cm以下が
多く見受けられます。それ故、ここではこの大きさを一つの目安として考えたいと思います。
2) 大きな作品はどの様に作るか?
① 手捻りで作る場合、特に形に拘りなく、大きな作品を作る事が出来ます。
a) 多くの場合、土を継ぎ足す事で大きな作品に仕上げます。但し、重量の大きい作品は、
上部の重みに耐える様にする必要があり、その為、肉薄に作る事は難しく肉厚に成り易いです
又、全体を軽くする為に、強度に関係しない場所はなるべく肉抜きを行います。
肉抜きの方法は、透彫を施したり、壁の厚みを薄くします。場合によっては筋状の補強(リブ)
を施し、その周囲を肉抜きします。但し、窯の中や、焼き上がった後でも、安定して置ける
事が条件になります。高さや台座(底径)のみでなく、左右のバランスを保つ事も大切です。
b) 部分的に作ってから、各部分を組み立てて大きな作品にする事もあります。
全体の構想がしっかりし、図面化されていれば、各部品をバラバラに作っても、全体の構想を
損なう事は少ないです。短期間に仕上げるには向いている方法です。
c) 下(又は上)部から順番に作り上げる方法もあります。一般的な方法です。
下部をある程度乾燥させ、その上に土を載せても崩れないと判断できれば、その上に土を
載せて形を作ります。土の強度を持たせる為、叩き棒で表面を叩き土を締めます。
d) 全体を作り上げてから、分割して窯に入れる方法があります。
陶壁と呼ばれる作品は、全体を作り終えた後、各部分を切断する方法が取れられます。
一塊の状態の方が、全体の形を把握し易い為です。但し、素地が乾燥し過ぎると切断し難く
なり、もろくなり、壊れ易くなりますので、注意が必要です。
② (電動)轆轤で作る場合、ある程度形は限定されます。
a) 代表的なのが、大皿、大鉢、壷、甕(かめ)、花瓶類で円形を基本とした作品になります。
轆轤で作る場合、一塊の土から一気に作品に仕上げる方法と、土を後から継ぎ足す方法と、
土を分割し別々に作り、繋ぎ合わせる方法などがあります。当然一気に挽き上げる方法では、
大きさに限度があります。
b) 轆轤作業では、使用する粘土の量により、作品の大きさは大きくなりますが、ある一定量以上
になると、作品を高く大きく出来なくなります。その高さはその人の技量によります。
③ 手捻りと轆轤を組み合わせて作品を作る方法。
a) 一般に、大きな作品を作る時に使われる方法です。但し、最終的には、轆轤作業ですので、
作られる作品は上記②と同じ事になる場合が多いです。
b) 土の種類によっては、轆轤で十分土を伸ばす事が困難な物もあります。その際、紐作りの
方法で土を巻き上げてから、轆轤挽きして成形します。
以下次回に続きます。
使い勝手の良い物は、その用途によって適度の大きさがあります。大きな物は展示用などの他、
大勢人が集まった会場や食事、葬儀の花瓶など、特別な場所や特別の時に使われる場合が多いです
それ故大きな作品は使う機会も少なく、作る事も少なくなり勝ちです。しかし、大きな作品を作る
事は、今まで行ってきたやり方では通用しない場合も多いです。
技術力をアップさせたいと思っていたならば、是非大きな作品に挑戦してください。
小物ならば、どうにか処理できる事でも、大物になると狂いが出たり、割れが発生したりする他、
焼成でも失敗する事が多く、小手先では対応できなくなる事があります。
但し、焼く窯があるのが前提で、自分で大きな窯が無い場合には、どなたかに依頼する事になります。
又、窯に収まる範囲の大きさしか作る事が出来ませんから、注意が必要です。
1) 大きな作品は、横方向もそれなりの困難がありますが、縦(高さ)方向に背の高い作品の方が
より難しくなります。即ち上に乗る重量が大きくなる為、それに耐える強さが必要に成るから
です。又、作品の狂いも発生し易くなります。
尚、展示用の大壷などでは、高さが50cm以下が多いです。 大皿なども直径60cm以下が
多く見受けられます。それ故、ここではこの大きさを一つの目安として考えたいと思います。
2) 大きな作品はどの様に作るか?
① 手捻りで作る場合、特に形に拘りなく、大きな作品を作る事が出来ます。
a) 多くの場合、土を継ぎ足す事で大きな作品に仕上げます。但し、重量の大きい作品は、
上部の重みに耐える様にする必要があり、その為、肉薄に作る事は難しく肉厚に成り易いです
又、全体を軽くする為に、強度に関係しない場所はなるべく肉抜きを行います。
肉抜きの方法は、透彫を施したり、壁の厚みを薄くします。場合によっては筋状の補強(リブ)
を施し、その周囲を肉抜きします。但し、窯の中や、焼き上がった後でも、安定して置ける
事が条件になります。高さや台座(底径)のみでなく、左右のバランスを保つ事も大切です。
b) 部分的に作ってから、各部分を組み立てて大きな作品にする事もあります。
全体の構想がしっかりし、図面化されていれば、各部品をバラバラに作っても、全体の構想を
損なう事は少ないです。短期間に仕上げるには向いている方法です。
c) 下(又は上)部から順番に作り上げる方法もあります。一般的な方法です。
下部をある程度乾燥させ、その上に土を載せても崩れないと判断できれば、その上に土を
載せて形を作ります。土の強度を持たせる為、叩き棒で表面を叩き土を締めます。
d) 全体を作り上げてから、分割して窯に入れる方法があります。
陶壁と呼ばれる作品は、全体を作り終えた後、各部分を切断する方法が取れられます。
一塊の状態の方が、全体の形を把握し易い為です。但し、素地が乾燥し過ぎると切断し難く
なり、もろくなり、壊れ易くなりますので、注意が必要です。
② (電動)轆轤で作る場合、ある程度形は限定されます。
a) 代表的なのが、大皿、大鉢、壷、甕(かめ)、花瓶類で円形を基本とした作品になります。
轆轤で作る場合、一塊の土から一気に作品に仕上げる方法と、土を後から継ぎ足す方法と、
土を分割し別々に作り、繋ぎ合わせる方法などがあります。当然一気に挽き上げる方法では、
大きさに限度があります。
b) 轆轤作業では、使用する粘土の量により、作品の大きさは大きくなりますが、ある一定量以上
になると、作品を高く大きく出来なくなります。その高さはその人の技量によります。
③ 手捻りと轆轤を組み合わせて作品を作る方法。
a) 一般に、大きな作品を作る時に使われる方法です。但し、最終的には、轆轤作業ですので、
作られる作品は上記②と同じ事になる場合が多いです。
b) 土の種類によっては、轆轤で十分土を伸ばす事が困難な物もあります。その際、紐作りの
方法で土を巻き上げてから、轆轤挽きして成形します。
以下次回に続きます。