わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

盆器(盆栽鉢) 2(盆栽の種類)

2011-09-14 22:39:46 | 陶芸四方山話 (民藝、盆栽鉢、その他)
「盆栽」とそれを植える器、即ち「盆器」は一体感が無ければ成りません。

 良い「盆器」が、「盆栽」の良さを引き出すとも言えます。

 この「盆栽」には、この「盆器」と決める為には、先ず「盆栽」の事をある程度、知って置く必要が

 有ります。「盆栽」の種類によって、選ぶべき「盆器」も変化するからです。

4) 「盆栽」の種類

  基本的には、鉢の中で健康に成長する事ができる植物ならば、何でも盆栽とする事が可能です。

  しかし、現実的には、特定の樹木に人気が集中しています。

  主な物を挙げると、以下の様な樹木となります。

 ① 樹形を愛でる樹木

   黒松、赤松、五葉松(ごようまつ)、真柏(しんぱく)など

 ② 春の芽立ちや、紅葉など葉の色を愛でる樹木

   「欅(けやき)」「ぶな」「紅葉(もみじ)」や「楓(かえで)」など秋に美しく紅葉する樹木

 ③ 花を愛でる樹木

  「桜」や「梅」「皐月」「椿(つばき)」「海棠(かいどう)」など美しい花を咲かせる樹木。

 ④ 果実をならせる樹木

  「花梨(かりん)」や「柿」「姫りんご」など実のなる樹木。

 ⑤ 美しい実を鑑賞する樹木

   「うめもどき」「ピラカンサス」など

 ⑥ 草花類。 盆栽の部類に入るかは、微妙かもしれません。(単なる鉢植えと見る方も多いです。)

  ) 洋ラン類の仲間: カトレヤの仲間、シンピジウムの仲間、デンドロビウムの仲間、

     オンシジウム、パンダ等です。

  ) 東洋ランの仲間: シュンラン、スルガラン、カンラン などがあります。

 日本以外の国でも、それぞれの国の気候風土に適した樹木が、盆栽として育てられています。
   
5) 「盆栽」の樹形

  同じ「松」や「楓」であっても、環境や成育の仕方によって、その容貌(樹形)が大きく変化します。

  代表的な樹形は、以下の物があります。

 ① 直幹(ちょくかん): 幹が直立している樹形です。荘厳な趣があります。

   松や檜(ひのき)、杉など

 ② 斜幹(しゃかん): 主幹が斜めの樹形です。強い忍耐が感じられます。松や杉など

 ③ 蟠幹(ばんかん): 幹が著しく捩(ねじ)れているもの、幹がうずくまった樹形です。

    枯淡の境地が感じられます。

 ④ 双幹(そうかん)、双樹(そうじゅ): 二本の幹を有します。安定感と調和が認められます。

   紅葉(モミジ)、楓、ブナなど

 ⑤ 寄せ植え: 数本の樹木で構成し、自然な「たたずまい」の林を連想させます。

 ⑥ 根連がり: 一株から数本の幹が伸びています。

   株立ち(かぶだち): 別名は武者立ちとも言う、一本の木が、根元から五本以上分かれている物。

   木瓜・五葉松など

 ⑦ 石付き: 岩場に生えた、粗野な感じの樹形です。 黒松、紅葉(モミジ)など

 ⑧ 懸崖(けんがい)、半懸崖: 崖(がけ)から垂れ下がる樹形です。

   真柏(しんぱく)、紅紫檀、皐月など

 ⑨ 文人木(ぶんじんき): 枝を極端に少なくし、古木の雰囲気を出した物で、幹は一本、

  細いものゆらりと伸ばし、下枝がなく軽やかな感じのを出した物です。

  梅・赤松・五葉松などが、向いています。

 ⑩ 模様木(もようぎ): 幹が前後左右、様々方向に曲り伸びたもの。優しいじ感じが出せます。

  五葉松、紅葉(モミジ)など

以下次回に続きます。
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