7) 撫ぜる、寝かせる、起こす、立てる(自立)、支える行為とは?
陶芸作業で使う言葉は、当然ですが暴力的な物のみが、用いられている訳ではありません。
優しい言葉も多く用いられています。
① 撫(な)ぜる行為とは?
主に作品の表面や縁などを、滑らかにしたり綺麗にする為に行います。仕上げの際に多い行為
です。
) ある程度乾燥した作品では、単に指先に水を付け、軽く表面を撫ぜるだけで、平らに
滑らかに成ったり、光沢が出たりする事もあります。水で表面の土をわずかに溶かし、発生
した泥を塗る事で、表面が滑らかになったり、光沢が出たりします。
) 轆轤挽きや、手捻りであっても、素地が軟らかい場合には、鹿皮などの「なめし皮」を
水に付け、表面を撫ぜる方法が取られます。特に器の縁は唇が当たる為、滑らかさが要求され
ます。轆轤作業では最後に必ず、縁周辺を撫ぜて仕上げます。尚、「なめし皮」は、単に
表面を綺麗にするだけでなく、土を締め傷を消し、形を整え強度を増す役目も担います。
) 縄文や弥生式土器に見られる磨製土器は、半乾きの段階で丸みのある川原の石などで擦り
表面の凸凹を無くし、磨く事で光沢を出した物です。又、表面の気泡(小さな穴)などを潰し
土を締め、水漏れを防ぐ効果もあります。
) 轆轤挽きでは、最初に泥を出し、手や指が良く滑る様にする必要があります。
水を付けた掌(てのひら)で、回転した轆轤上の素地(粘土)を撫ぜ上げるだけで、少しずつ
泥(ぬた、どべ)が発生します。これを数回繰り返す事で、十分土の表面が滑り易くなり作業
がし易くなります。この際、掌に力を入れない事が肝要です。更に轆轤作業では表面の泥を
剥ぎ取る事になりますので、常に泥を付けるか、新たに泥を発生させる事が大切です。
その際にも表面を撫ぜる様にする事が肝要です。
② 寝かす行為とは?
) 粘土類は一般に、土を数年間寝かせてから使うと、使い易くなると同時に、作品の傷や
割れを防ぐと言われています。それ故、著名な作家さん達が行っています。更に、貴重な
作品を作る際や、手間隙掛けて作った作品では、なるべく失敗しない様に、十分寝かせた土を
使うそうです。土を常に湿らせた状態で寝かせる事で、黴(カビ)や微生物などのバクテリア
が繁殖し、その分解物や排泄物などで、粘りが出ると言われています。
) 再利用する土も、数日から数週間寝かすと使い易くなります。轆轤作業で出た削りカス等
は腰が無くなっている場合が多いです。そのまま乾燥しただけの土では、大物を作り難く
なっています。その為、新たな土と混合させて使うか、寝かせてから使うと良いと言われて
います。
) ご自分で探した土を使用する際にも、直ぐに使用するのでは無く、土を寝かせてから
使うと良いと言われています。
) 市販されている土は、長年寝かせた物では有りませんが、作品を作り易くする為や、
傷や割れが発生しない様に、調合されていますので、必ずしも寝かす必要はありません。
そのまま直ぐに使用する事ができます。当然ですが、この土を寝かせる事で更に使い易くする
事ができます。
③ 起こす、自立、支える行為とは?
以下次回に続きます。
陶芸作業で使う言葉は、当然ですが暴力的な物のみが、用いられている訳ではありません。
優しい言葉も多く用いられています。
① 撫(な)ぜる行為とは?
主に作品の表面や縁などを、滑らかにしたり綺麗にする為に行います。仕上げの際に多い行為
です。
) ある程度乾燥した作品では、単に指先に水を付け、軽く表面を撫ぜるだけで、平らに
滑らかに成ったり、光沢が出たりする事もあります。水で表面の土をわずかに溶かし、発生
した泥を塗る事で、表面が滑らかになったり、光沢が出たりします。
) 轆轤挽きや、手捻りであっても、素地が軟らかい場合には、鹿皮などの「なめし皮」を
水に付け、表面を撫ぜる方法が取られます。特に器の縁は唇が当たる為、滑らかさが要求され
ます。轆轤作業では最後に必ず、縁周辺を撫ぜて仕上げます。尚、「なめし皮」は、単に
表面を綺麗にするだけでなく、土を締め傷を消し、形を整え強度を増す役目も担います。
) 縄文や弥生式土器に見られる磨製土器は、半乾きの段階で丸みのある川原の石などで擦り
表面の凸凹を無くし、磨く事で光沢を出した物です。又、表面の気泡(小さな穴)などを潰し
土を締め、水漏れを防ぐ効果もあります。
) 轆轤挽きでは、最初に泥を出し、手や指が良く滑る様にする必要があります。
水を付けた掌(てのひら)で、回転した轆轤上の素地(粘土)を撫ぜ上げるだけで、少しずつ
泥(ぬた、どべ)が発生します。これを数回繰り返す事で、十分土の表面が滑り易くなり作業
がし易くなります。この際、掌に力を入れない事が肝要です。更に轆轤作業では表面の泥を
剥ぎ取る事になりますので、常に泥を付けるか、新たに泥を発生させる事が大切です。
その際にも表面を撫ぜる様にする事が肝要です。
② 寝かす行為とは?
) 粘土類は一般に、土を数年間寝かせてから使うと、使い易くなると同時に、作品の傷や
割れを防ぐと言われています。それ故、著名な作家さん達が行っています。更に、貴重な
作品を作る際や、手間隙掛けて作った作品では、なるべく失敗しない様に、十分寝かせた土を
使うそうです。土を常に湿らせた状態で寝かせる事で、黴(カビ)や微生物などのバクテリア
が繁殖し、その分解物や排泄物などで、粘りが出ると言われています。
) 再利用する土も、数日から数週間寝かすと使い易くなります。轆轤作業で出た削りカス等
は腰が無くなっている場合が多いです。そのまま乾燥しただけの土では、大物を作り難く
なっています。その為、新たな土と混合させて使うか、寝かせてから使うと良いと言われて
います。
) ご自分で探した土を使用する際にも、直ぐに使用するのでは無く、土を寝かせてから
使うと良いと言われています。
) 市販されている土は、長年寝かせた物では有りませんが、作品を作り易くする為や、
傷や割れが発生しない様に、調合されていますので、必ずしも寝かす必要はありません。
そのまま直ぐに使用する事ができます。当然ですが、この土を寝かせる事で更に使い易くする
事ができます。
③ 起こす、自立、支える行為とは?
以下次回に続きます。
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