脳のなかの万華鏡  -「共感覚」のめくるめく世界ー

2012-11-23 09:10:07 | 日記

リチャード・E・サイトウィック デイヴィッド・M・イーグルマン著  河出書房新社刊

実は、共感覚についてはもう一冊読んでいた。書棚を探してみた。『共感覚者の驚くべき日常ー形を味わう人、色を聴く人ー』(リチャード・E・シトーウィック著 2002年 草思社刊)がそれだった。著者の名前が微妙に違うが同一人である(詳しくは訳者あとがきを参照)。
さて、共感覚など欠片もない私にはとても想像できない世界なので、旧版では具体的なイメージは持てなくて曖昧模糊のまま本棚に仕舞った記憶しかない。それに比べると、本書は共感覚者自身が数字や文字(これを書記素という)がどう見えるのかカラーで描いた図版が多数掲載されているので、具体的なイメージを持つことが出来た。そればかりではなく、聴覚→色、情動→色といった人たちの図版も掲載されている。その意味では、初心者でも共感覚という理解出来るのではないか。
私が書くことが出来るのはここまでだ。共感覚の研究はまだ発展途上にあるそうで、科学的解明はしばらく先のことになるそうだ。しかし、多くの図版を見ることであなたも共感覚者であることに気が付くかもしれませんよ。
追記 もう一冊同じようなジャンルを扱った本があった。『音楽嗜好症 -誰がために樂は鳴る?ー』(オリヴァー・サックス著 早川書房刊 2010年)。ご参考に。