ジグザグ山歩き

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レイチェルの結婚

2009-08-31 21:42:19 | 映画
精神疾患を抱えた人や家族の苦悩は大きい。その背景も何か深い過去があったりする。それを描いたのが「レイチェルの結婚」であるといえる。薬物依存症の治療施設を退所したキム(アン・ハサウェイ)は、姉のレイチェルの結婚式を控えた実家へと戻る。しかし、家族や新郎新婦の友人等が集っているが、みなの違和感のある態度を感じ、緊張感が走る。つまり、キムの存在が家族の緊張や衝突を引き起こしていく。お互いに眠っていた内面の葛藤がキムの存在によって、露になってくる。つまりそれぞれのトラウマが葛藤として出てくるのである。そこでおきる家族間の心理的な葛藤や苦悩がリアルに描かれている。精神的な疾患は、周りはなかなか理解しにくい、というよりはキムのようなパーソナリティ障害を抱えている人の全てを受け入れるのは非常に困難である。そこで衝突が生じたりする。それでも一触即発で、犠牲も出やすい面もあるが、こうした病気は苦悩や葛藤を避けて、過去を埋もれたままにしていては、克服されていかないのかもしれない。レイチェルの結婚をきっかけにして、何かが動いたようにも感じた。
また、この結婚式には白人、黒人、アジア人と様々な人種が集っている。レイチェルの夫は黒人である。自然になっている。黒人の大統領が生まれたアメリカである。時代の変化を感じる。
 シドニー・ルメットの娘ジェニー・ルメットが脚本。ジョナサン・デミ監督が「最も美しいホームビデオ」を目指し、リハーサル無しでの撮影で作られている。人間の内面の暗い部分を抉り出しているが、今のアメリカ社会の中で、共感する部分とか何か訴えるものがあると思われる。こうした低額で作られた小規模な映画であるが、アン・ハサウェイはアカデミー賞にノミネートされ、この映画も色々な賞をとって、高い評価を得ている。

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