おじさんの映画三昧

旧作を含めほぼ毎日映画を見ております。
それらの映画評(ほとんど感想文ですが)を掲載していきます。

噂のモーガン夫妻

2024-04-17 07:51:12 | 映画
「噂のモーガン夫妻」 2009年 アメリカ


監督 マーク・ローレンス
出演 ヒュー・グラント サラ・ジェシカ・パーカー
   サム・エリオット メアリー・スティーンバージェン
   エリザベス・モス マイケル・ケリー
   ウィルフォード・ブリムリー セス・ギリアム

ストーリー
メリル・モーガン(サラ・ジェシカ・パーカー)は、マンハッタンで数千億円の物件ばかりを扱う不動産会社の女社長である。
夫のポール・モーガン(ヒュー・グラント)は、全米屈指の敏腕弁護士。
常にニューヨーク中の噂の的となっているモーガン夫妻である。
週刊誌の表紙を飾ることも珍しくない2人は人も羨む完璧な超セレブカップルだった。
だが、そんな満ち足りた幸せな日々も、ポールの浮気が発覚して過去のものとなってしまう。
冷め切ってしまった妻メリルの気持ちを、プレゼント攻撃で何とか取り戻そうとするポール。
その夜も、夜景の美しいレストランに妻を誘い、関係の修復に懸命に努めていた。
だが、その帰り道、思わぬ事態が2人を襲う。
殺人事件を目撃してしまい、殺し屋・ヴィンセントに二人は狙われることになってしまった。
犯人に顔を見られた2人は、警察の“証人保護プログラム”により、身分を隠してワイオミング州のレイという田舎町へ向かうことになる。
ポールとメリルはそこで、ウィーラー夫妻にかくまわれるが、夫のクレイは頑固そうな顔つきの無口な男性で、妻のエマは銃マニアだった。
人間よりも牛や馬の方が多い田舎で2人きり。
生まれながらのニューヨーカーから見ると、まるで異星人のような農村の住人たち。
彼らとの交流や、大自然との出会いの中で、2人の関係には変化が生まれてくる。
だが、メリルは夫に告げられない、ある事実を抱えていた。
さらに、2人の後を追ってくる殺人者。
その恐怖に怯えながら、命の危険をともに乗り越えた末に、2人が辿り着く結婚の真実とは……?


寸評
主演のヒュー・グラントはベネチア映画祭で主演男優賞を取ったし、サラ・ジェシカ・パーカーはテレビドラマの主演を務めたこともあるので、両者ともにそこそこの人気俳優なのだろうが、この作品ではミスキャストだと思う。
日本人好みでないのか、僕好みでないのか、どうもこの二人にはしっくりこないものがあった。
ロマンティック・コメディとしては着想が面白いし、脚本も不十分ながらもそれなりに練られていると思うのだが、その面白さが十分に昇華しているとは思えなかった。

モーガン夫妻は別居中のセレブ夫妻だが、夫のポールが敏腕弁護士である事、妻のメリルがセレブ相手の不動産業を営む辣腕女社長であることは画面を見る限りよくわからない。
彼等の秘書の存在でそれを感じさせる程度である。
ポールの秘書は男性で、メリルの秘書は女性で、彼等はどうやら恋人らしいのだが、圧倒的な女性上位の関係で、いつも女性が上から目線で指図しているのがコメディらしい。
日本人にはあまり受けないであろうアクの強い笑いを提供している。
一方でサスペンス・タッチのコメディ映画とも言えるのだが、サスペンス部分に関しては全くの付け足しでハラハラするような描写はない。
彼等を保護するニューヨークの警察官が存在感のあるものだったら、シリアスな刑事ドラマになってしまう恐れがあったのか、どこか間の抜けたような警官を登場させている。
このキャスティングは意図されたものだろう。

モーガン夫妻はニューヨークのセレブだが、向かった先は似ても似つかぬワイオミングの片田舎である。
ワイオミングと言えば名作西部劇「シェーン」の舞台となったところではないか。
ワイオミングのレイは「遥かなる呼び声」が聞こえてきそうな牧歌的な町である。
ニューヨークの光景が時折挿入され、ワイオミングの景色との違いを強調する。
星空はプラネタリウムのように広がっており、町の人たちはいつでも貸せるように車のキーも掛けっぱなしにしているような人ばかりだ。
かくまってくれることになったウィーラー夫妻は西部劇から抜け出てきたような夫婦である。
彼等の家で生活することになったモーガン夫婦は言い争いが絶えないが、どこか仲が良い風でもある。
彼等夫婦とウィーラー夫妻の関係が面白いが、ここをもっと徹底的に描いておけば素晴らしいコメディ映画になっていたような気がする。
夫婦がよりを戻すシリアスなドラマではないのだから、もっと大笑いしたかった。
クスリと笑うコメディを狙ったのかもしれないが僕はイマイチ乗れなかった。

暗殺者は盗聴装置を用いてモーガン夫婦の居場所を突き止めるが、サスペンスとしての盛り上がりはない。
純粋サスペンスではないのでそれは当然かもしれないが、暗殺者がレイに到着してからは中途半端だった。
笑いを取るでもなく、それにしてはあっけなく捕まってしまうなどだが、これが米国流の笑いなのかもしれない。
主人公たちの顔立ち、セリフ回し、演技・・・。 どれをとっても何か違和感を持った作品だった。
ベースは面白いと思うのだがなあ・・・。


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