「卒業」 1967年 アメリカ
監督 マイク・ニコルズ
出演 ダスティン・ホフマン
キャサリン・ロス
アン・バンクロフト
マーレイ・ハミルトン
ウィリアム・ダニエルズ
エリザベス・ウィルソン
バック・ヘンリー
エドラ・ゲイル
ウォルター・ブルック
ストーリー
学問でもスポーツでも、賞という賞を獲得して、ベンジャミン(ダスティン・ホフマン)は大学を卒業したが、それがなんのためなのか、彼は疑問を感じ、将来に対する不安でいらだっていた。
だが、そんなベンジャミンの心も知らず両親は盛大なパーティーを催した。
口先だけのお世辞やへつらいにいたたまれず部屋に逃げこんだベンジャミンを、ロビンソン夫人(アン・バンクロフト)が追いかけてきた。
この誘惑はベンジャミンにとって強い刺激となり、数日後、彼は自分の方からデートを申し込んだ。
こうして2人は、しばしばホテルで会うようになった。
だが、この2人の関係は、ロビンソン夫妻の娘エレーヌ(キャサリン・ロス)が学校休みで戻ってから、大きく崩れていった。
両親の勧めで、初めはいやいやながらエレーヌとつき合ったベンジャミンだが、その可憐さ、清純さに次第に本気で愛するようになった。
娘の恋に嫉妬したロビンソン夫人は捨身の妨害に出て、ベンジャミンとの関係を明らかにした。
ショックを受けたエレーヌは学校へ戻り、そのエレーヌをベンジャミンは追った。
だがそこは、ロビンソン夫妻が娘と結婚させようとしているカール(ブライアン・エイブリー)という青年がいた。
それでもベンジャミンは、エレーヌを追ったが、とうとうエレーヌとカールの結婚式が挙行されることになった。
寸評
手元に残っているパンフレットに記した日付を見ると1968年8月25日となっている。
僕はまだ高校3年生で、たぶん夏休み最後の映画として見に行ったのだろう。
直接的なシーンのない作品だが、それでもロビンソン夫人の艶めかしい誘惑シーンにドキドキしたことを思い出す正に思春期真っ只中の作品だった
ペンフレンドだったキャサリン・ロスばりの美人のⅠさんと京都に行く機会があってこの作品を語り合ったことも思い出すが、結婚したこともあってⅠさんとはいつの間にか音信不通となってしまった。
サイモン&ガーファンクルの唄う「サウンド・オブ・サイレンス」のメロディに乗って映画が始まるが、当時新鮮に感じたそのサウンドでもって冒頭から引き込まれたが、今聞いてもこのサウンドはいい。
サイモン&ガーファンクルが1966年にリリースしたアレンジ・バージョンの「スカボローフェア」も流れる。
歌詞の内容が字幕で流れる作品も数多くあるが、この作品では歌詞の内容は全く示されないので自分で調べるしかないのだが、調べてみるとその内容も作品にマッチしたものであったことが分かる。
(ベンがエレーヌのもとへ車を疾走させるシーン)
Are you going to Scarborough Fair?
Parsley, sage, rosemary and thyme
Remember me to one who lives there
For once she was a true love of mine.
スカボローの市へ行くのですか?
パセリ、セージ、ローズマリー、タイム
そこに住むある人によろしく言ってください
彼女はかつての私の恋人だったから
冒頭のHello darkness, my old friendで始まる「サウンド・オブ・サイレンス」も、ベンの不安な気持ちを代弁しているものだったことも分かる。
そんなことはどうでもいいと思えるくらい、この作品におけるサイモン&ガーファンクルのサウンドはよくて貢献度は計り知れないものがある。
「ミセス・ロビンソン」も映画のために書かれた曲ではなかったが、すっかり映画の為の曲となってしまった。
そう、この映画の主演はロビンソン夫人のアン・バンクロフトなのだ。
満たされない生活を送っているロビンソン夫人が強引にベンを誘惑するさまが面白い。
ロビンソン夫人は娘のエレーヌを嫌っているようなのだが、なぜそんな確執が生まれたのかは不明のままだ。
そんなことを無視して話はどんどん進んでいくテンポの良さもある。
公開当時、アメリカのブルジョアジーはこんなにも退廃的かと思ったりもしたが、同時にあこがれを感じたことも事実で、再見するとストーリー自体が息子の卒業祝いのパーティを開いたり、プールやバーのある家に住んでいる裕福家庭のたわごとであったことがかえって良かったのではないかと思えてきた。
最初は微笑んでいた二人が最終的に不安げな表情で終わるラストシーンも思わせぶりでいい。
略奪婚のピカイチ映画である。
監督 マイク・ニコルズ
出演 ダスティン・ホフマン
キャサリン・ロス
アン・バンクロフト
マーレイ・ハミルトン
ウィリアム・ダニエルズ
エリザベス・ウィルソン
バック・ヘンリー
エドラ・ゲイル
ウォルター・ブルック
ストーリー
学問でもスポーツでも、賞という賞を獲得して、ベンジャミン(ダスティン・ホフマン)は大学を卒業したが、それがなんのためなのか、彼は疑問を感じ、将来に対する不安でいらだっていた。
だが、そんなベンジャミンの心も知らず両親は盛大なパーティーを催した。
口先だけのお世辞やへつらいにいたたまれず部屋に逃げこんだベンジャミンを、ロビンソン夫人(アン・バンクロフト)が追いかけてきた。
この誘惑はベンジャミンにとって強い刺激となり、数日後、彼は自分の方からデートを申し込んだ。
こうして2人は、しばしばホテルで会うようになった。
だが、この2人の関係は、ロビンソン夫妻の娘エレーヌ(キャサリン・ロス)が学校休みで戻ってから、大きく崩れていった。
両親の勧めで、初めはいやいやながらエレーヌとつき合ったベンジャミンだが、その可憐さ、清純さに次第に本気で愛するようになった。
娘の恋に嫉妬したロビンソン夫人は捨身の妨害に出て、ベンジャミンとの関係を明らかにした。
ショックを受けたエレーヌは学校へ戻り、そのエレーヌをベンジャミンは追った。
だがそこは、ロビンソン夫妻が娘と結婚させようとしているカール(ブライアン・エイブリー)という青年がいた。
それでもベンジャミンは、エレーヌを追ったが、とうとうエレーヌとカールの結婚式が挙行されることになった。
寸評
手元に残っているパンフレットに記した日付を見ると1968年8月25日となっている。
僕はまだ高校3年生で、たぶん夏休み最後の映画として見に行ったのだろう。
直接的なシーンのない作品だが、それでもロビンソン夫人の艶めかしい誘惑シーンにドキドキしたことを思い出す正に思春期真っ只中の作品だった
ペンフレンドだったキャサリン・ロスばりの美人のⅠさんと京都に行く機会があってこの作品を語り合ったことも思い出すが、結婚したこともあってⅠさんとはいつの間にか音信不通となってしまった。
サイモン&ガーファンクルの唄う「サウンド・オブ・サイレンス」のメロディに乗って映画が始まるが、当時新鮮に感じたそのサウンドでもって冒頭から引き込まれたが、今聞いてもこのサウンドはいい。
サイモン&ガーファンクルが1966年にリリースしたアレンジ・バージョンの「スカボローフェア」も流れる。
歌詞の内容が字幕で流れる作品も数多くあるが、この作品では歌詞の内容は全く示されないので自分で調べるしかないのだが、調べてみるとその内容も作品にマッチしたものであったことが分かる。
(ベンがエレーヌのもとへ車を疾走させるシーン)
Are you going to Scarborough Fair?
Parsley, sage, rosemary and thyme
Remember me to one who lives there
For once she was a true love of mine.
スカボローの市へ行くのですか?
パセリ、セージ、ローズマリー、タイム
そこに住むある人によろしく言ってください
彼女はかつての私の恋人だったから
冒頭のHello darkness, my old friendで始まる「サウンド・オブ・サイレンス」も、ベンの不安な気持ちを代弁しているものだったことも分かる。
そんなことはどうでもいいと思えるくらい、この作品におけるサイモン&ガーファンクルのサウンドはよくて貢献度は計り知れないものがある。
「ミセス・ロビンソン」も映画のために書かれた曲ではなかったが、すっかり映画の為の曲となってしまった。
そう、この映画の主演はロビンソン夫人のアン・バンクロフトなのだ。
満たされない生活を送っているロビンソン夫人が強引にベンを誘惑するさまが面白い。
ロビンソン夫人は娘のエレーヌを嫌っているようなのだが、なぜそんな確執が生まれたのかは不明のままだ。
そんなことを無視して話はどんどん進んでいくテンポの良さもある。
公開当時、アメリカのブルジョアジーはこんなにも退廃的かと思ったりもしたが、同時にあこがれを感じたことも事実で、再見するとストーリー自体が息子の卒業祝いのパーティを開いたり、プールやバーのある家に住んでいる裕福家庭のたわごとであったことがかえって良かったのではないかと思えてきた。
最初は微笑んでいた二人が最終的に不安げな表情で終わるラストシーンも思わせぶりでいい。
略奪婚のピカイチ映画である。