ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

森友問題 何が名誉毀損なのか

2017-03-25 11:50:10 | 日記
「森友学園の籠池理事長は安倍総理を侮辱した。」
自民党の竹下亘氏が放ったこの言葉は、次の意味に解すればその真意は
理解できる。「籠池理事長は、安倍総理の名誉を傷つけた。」
竹下氏はきっとそう言いたかったのだろう。籠池理事長の「安倍首相か
ら100万円の寄付金を頂戴した」という発言は、たしかに安倍首相の評
判を損なうものとして作用した。ではなぜ、そういうことになったの
か。

その理由は、籠池理事長が自分の窮地を脱するために、この発言を用い
たからである。籠池理事長は、小学校の設置に関する認可申請を取り下
げざるを得ない窮地に追い込まれていた。小学校の設立に安倍首相が積
極的に関与している、という事実を公にすれば、認可を下す官僚機構が
これを重く見て首相の意向を忖度し、その結果、自分は認可申請を取り
下げずに済むようになるかも知れない。籠池理事長はそう考えて、「寄
付金」云々の発言を行ったようだ。

しかし、政権サイドからすれば、一国の首相が一個人の私利私欲のため
に動くなど、あってはならないことである。首相が動くとすれば、それ
はあくまでも「公益」のためでなくてはならない。一国の首相が個人的
な関係によって、それもあろうことか、アブナイ極右思想を媒介にした
思想的関係によって、一民間人の私的事業に積極的に関与したとなれば、
首相の名誉も権威も著しく損なわれ、政敵にとって恰好の攻撃材料にな
る。これはなんとしても防がねば、と竹下氏は考えたのだろう。

政敵からの攻撃を防ぐために、官邸サイドがとったのは、籠池理事長の
発言を真っ向から否定し、寄付金の授受という事実そのものを無かった
ことにするという戦略である。首相夫人という制御不能のリスク要因を
抱えるなか、この戦略がどこまで功を奏するか、今後の展開が見もので
ある。
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