ささやんの週刊X曜日

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

総裁選とエネルギー論争

2021-09-24 11:11:37 | 日記
総裁選を控えた自民党内で、論争が起こった。メディアは次のように伝えている。

「自民党総裁選が告示された。河野太郎氏を支持する小泉進次郎環境相は17日の閣議後会見で、『いまのエネルギー基本計画では日本の産業は成り立たない』と主張する候補者の高市早苗氏に『ひっくり返すのであれば全力で戦う』と反発した。
高市氏は13日のBSの番組で、エネルギー基本計画の改定案を『あれでは日本の産業が成り立たない』と主張し、自分が首相になったときには修正する意向を示した。
これに対して記者から聞かれた小泉氏は、『再生可能エネルギー最優先の原則をひっくり返すのであれば、間違いなく全力で戦っていかなければならない』と反発した。」
(FNNプライムオンライン9月17日配信)

要するに、コーノ一派とタカイチ一派との争い、言い換えれば、再生エネ推進派と原発推進派との争いである。

両派の対立は、今年5月に成立した改正温対法(地球温暖化対策推進法の一部改正案)を出発点にしている。この法律は2050年までにカーボンニュートラル(脱炭素社会化)の実現を目標に掲げるが、そのためには(二酸化炭素を大量に排出する)火力発電を廃止しなければならない。問題は、それに伴って減ると見込まれるエネルギーの供給量を、何によって補うかである。

再生エネ推進派は、これを太陽光、風力、地熱、水力、バイオマスなどの再生可能エネルギーによって補うべきだと考える。

これに対してタカイチ姉さんは、原発推進派の立場から、次のように異を唱えるのである。再生エネはエネルギーの安定的供給につながらないから、これでは日本の産業は成り立たなくなる。エネルギーの安定的供給をめざすなら、日本は再生エネ推進から原発推進へと方向転換しなければならない、と。

しかし、原発推進策にはリスクが伴う。2011年のフクシマ慘事を挙げるまでもなく、原発施設はいったん事故が起これば周辺地域に甚大な被害を及ぼす。被害を受けた地域住民への補償や、事故が起こらないようにするための安全対策を考慮に入れれば、原発は莫大な費用を要する金食い虫になる。この他、使用済み核燃料の処分の問題もある。

「日本の産業を守るため」という大義名分を掲げて、こういう諸々のデメリットを覆い隠そうとするタカイチ姉さんの議論は、どうなのだろう。私には「臭いものに蓋」式の姑息なその場しのぎにしか思えないのだが。

でも、自民党の巨大スポンサーたる産業界の面々は、タカイチ姉さんの発言を頼もしく・好ましく思い、挙って喝采を送るのだろうなあ・・・。

コメント
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