ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

河野太郎と言葉の問題

2021-09-18 11:24:18 | 日記
コーノ君、ーー自民党・次期総裁の最有力候補とされた(こともあった)コーノ君、あんたと言葉の関係はどうだろうか。

河野太郎といえば、だれもが思い浮かべるのは、「脱原発」について熱く語る、次のような言葉だろう。

「東京電力福島第一原発事故を踏まえて、我が国の政治がなすべき第一は、『原発ゼロ』に向かうという決断である。事故後、国民の中に広範に生まれた『原発ゼロ』への思いを受け止め、また、世界に向けて我が国の立場を明確にするためにも、政治が原発ゼロにむけたしっかりとした論議と政策選択を行うべきと考える。
私たち『原発ゼロの会』は、本年3月下旬から、7党9名の衆参両院議員による準備会合を積み重ね、このたび政策論議ための骨子を発表するとともに、広く衆参両院議員各位に『原発ゼロの会』へのご参加を呼びかける。」
(河野太郎のHPより)

コーノ君がこう語るだけだったら、何も問題はない。これは己の政治信条の率直な吐露と見るべきだろう。この政治信条を正しいとみなすかどうかは、また別の話である。

私が問題にしたいのは、コーノ君が総裁選に出馬するに当たって、こうした己の政治信条を(何の説明もなしに)改変したことである。このあたりの事情を、メディアは次のように伝えている。

「自民党総裁選へ出馬を表明した河野太郎規制改革担当相(58)が、『脱原発』などの持論を封印している。奔放な言動を不安視する長老らの懸念を払拭(ふっしょく)し、支持拡大を図るのが狙いとみられる。ただ、持ち味の発信力や改革姿勢が色あせれば、中堅・若手の支持が離れかねないというジレンマも抱える。
『原発を当面再稼働していくのが現実的だ』。河野氏は10日の記者会見で、こう強調。自民党内きっての『原発ゼロ』論者だが、軌道修正した形だ。」
(JIJI.COM 9月11日配信)

「原発を当面再稼働していくのが現実的だ」、だって?これは、あんたが排撃しようとした自民党・原発促進派の主張そのものではないか。敵方に寝返り、敵方の軍門に降る、恥も外聞もないあからさまな転向ーー。記事には「奔放な言動を不安視する長老らの懸念を払拭(ふっしょく)し、支持拡大を図るのが狙いとみられる」とあるが、コーノ君、あんたは人気取りのためなら何でもする、お笑い芸人の同類なのだろうか。

こんなことでは、もうだれもあんたのような変節漢を信用しないだろう。霞が関の官僚たちも、取り巻きの若手政治家たちも、あんたを信じてついて行くなんてことはしないだろう。一般国民ともなれば、言わずもがなである。国家的な政策は、チームを組まなければ実現できない。また、国民の支持がなければ実現できない。コーノ君、それでもあんたは、一国のトップリーダーとして何事かを成し遂げられると信じているのだろうか。「なーに、役人でも部下でも、どなりつければついて来るさ」と思っているとしたら、そいつはとんだ料簡違いだぜ。
コメント
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