米軍がアフガニスタンから完全に撤退した。2001.9.11の同時多発テロ事件から20年。その頃、私は50歳、まだまだ元気だった。私の生活実感からすると、あれからの20年は長かったような、短かったような。
米軍のアフガンからの撤退は、仕方がない面もあり、歴史の必然でもあった。撤退の大きな要因として働いたのは、膨張主義国家・中国の擡頭である。この軍事大国と対峙しようとすれば、アメリカが余分な軍事的負担の削減に追い込まれることは、火を見るよりも明らかだった。
けれども、あちらを立てればこちらが立たず。中国と張り合うために、タリバンを撲滅しないままアフガンから撤退すれば、アメリカは同盟諸国から信を失い、その分だけ中国に対抗する力を削がれることになる。
かといって盟主国としての威信を保つため、タリバンを撲滅するまでアフガンに駐留しようとすれば、この国は、タリバンとの終わりの見えない泥沼の戦いに足をとられ、とことんまで消耗して、中国と事を構えるどころの話ではなくなるだろう。
進むも地獄、引くも地獄、――二つの地獄の間で、どうしたら良いのか、ほとほと困り果てているというのが、今のバイデン米大統領の心中だろう。
え?それじゃあ、どうしたら良いのか、だって? そんなこと、爺に分かるわけありませんがな。
米軍のアフガンからの撤退は、仕方がない面もあり、歴史の必然でもあった。撤退の大きな要因として働いたのは、膨張主義国家・中国の擡頭である。この軍事大国と対峙しようとすれば、アメリカが余分な軍事的負担の削減に追い込まれることは、火を見るよりも明らかだった。
けれども、あちらを立てればこちらが立たず。中国と張り合うために、タリバンを撲滅しないままアフガンから撤退すれば、アメリカは同盟諸国から信を失い、その分だけ中国に対抗する力を削がれることになる。
かといって盟主国としての威信を保つため、タリバンを撲滅するまでアフガンに駐留しようとすれば、この国は、タリバンとの終わりの見えない泥沼の戦いに足をとられ、とことんまで消耗して、中国と事を構えるどころの話ではなくなるだろう。
進むも地獄、引くも地獄、――二つの地獄の間で、どうしたら良いのか、ほとほと困り果てているというのが、今のバイデン米大統領の心中だろう。
え?それじゃあ、どうしたら良いのか、だって? そんなこと、爺に分かるわけありませんがな。