「ゆるちょ・インサウスティ!」の「海の上の入道雲」

楽しいおしゃべりと、真実の追求をテーマに、楽しく歩いていきます。

涙。

2014年11月27日 | 毎日のしあわせの為の知恵
おはようございます。

少し悲しい話を書きます。



その時、僕はいつものバーで、マンハッタンをやりながら、考え事をしていました。

そこへ御島さんがやってきます。

「どういう事です?ユキちゃんに聞きました。ソフィーが帰国したまま、もう戻ってこない」

「ゆるちょさんとも別れたって話・・・ユキちゃん泣いていて・・・要領を得ないの・・・」

と、御島さん。

「彼女は二ヶ月前から、精神的なバランスを崩して本国へ戻っていたんだけど、それが随分悪くなってしまったらしくて」

「・・・今では、僕を僕とも認識出来なくなってしまったらしい・・・それで、さ・・・」

と、僕。

「え?どういう事?確か、お盆にはゆるちょさんと楽しく過ごせたって・・・そんな話聞いたと思ったのに・・・」

と、御島さん。

「実は彼女は去年あたりから、精神のバランスを崩すことは多かったんだ。その度に大学を休んで治療をして」

「対処療法的には、がんばっていたんだけど・・・」

と、僕。

「昨年の終わりに本国で信頼していた人物に裏切られてね・・・それが悲しいドミノ倒しを生み」

「随分と彼女の立場が悪くなっていたのは知っていたんだ・・・」

と、僕。

「でも、それでも彼女は戦おうとしていたし、僕も出来るだけのサポートはしたつもりだった」

「でも、春に彼女が帰国した時に決定的な事があったらしくて・・・彼女はその事について、僕に最後まで話さなかった」

と、僕。

「彼女は夏に僕に会った後、帰国して事態の収拾に動いていたんだけど、そこで決定的に精神のバランスを崩して」

「自己崩壊を起こしたらしい・・・かなりひどい目にあったらしいんだ、彼女・・・」

と、僕。

「それって具体的には、どういう事なんです?」

と、御島さん。

「それは僕もわからない・・・彼女の生前・・・いや、彼女が正気の時に、彼女は僕との連絡を取ってくれてる女性に」

「「今の自分をゆるちょに見せたくない。だから、自分は死んだと言ってくれ」と言ったそうだ」

「それ以来、彼女の情報は一切入らなくなった・・・だから、僕もよくわからない事だらけなんだ」

と、僕。

「ソフィー・・・あんなに輝いていたのに・・・ゆるちょさんとはお似合いのカップルだったのに・・・」

と、御島さん。

「人生は無常だ。常に変わっていく。その方向性をいいベクトルにしておかなければ」

「知らず知らず、人生ふしあわせスパイラルに入ってしまう。だから、ひとは今を楽しむしかないんだ」

「昨日までの人生の集大成としての今日を自己ベストで生きるしかないんだ」

と、僕。

「間に入ってくれた女性が言っていた。今では多分街でソフィーに僕が会ったとしても僕こそがソフィーと認識出来ないだろうって」

「それくらい、いろいろな事が彼女にあったんだよ、きっと・・・」

と、僕は少しうつむきながら言葉にする。

「あの輝いていたソフィーが・・・あんなに笑顔の素敵だったソフィーが・・・信じられない・・・」

と、御島さん。

「ソフィーは両親と静に生きているらしい・・・いろいろ諍いの絶えなかった両親とも、少なくとも今はしっくり」

「いっているらしい・・・それがせめてもの慰めだと僕は思っている・・・」

と、僕。

「ごめんなさいね・・・一番悲しんでいるのは、ゆるちょさんなのに・・・」

と、御島さんは涙を流している。

「僕もいつどうなるか、わからない。だから、御島さんの言う通り、今後は、作品に出来るだけ集中するよ」

と、僕。

「そうして。身内とのつながりは、メーリングリストで充分ですもの」

「ブログは気分転換に使うだけに留めて。あなたはもう、そんな場所で文章を書くべき人間じゃないわ」

と、御島さん。

「ゆるちょさん、この事・・・ずっとこころに留めていたのね・・・つらかったでしょう?ゆるちょさんも・・・」

と、御島さんは僕の手を握る。

「いや。・・・何もできなかった事が悔しい事と・・・・あとは今は何も考えられない・・・」

と、僕はマンハッタンを飲む。

「でも、信じられない・・・あの輝いていたソフィーがそんな事になるなんて・・・」

と、御島さんは僕の肩にすがりながら、涙を流した。


僕はただ、黙っているだけだった。


(おしまい)

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