おはようございます。
GWも、終盤ですね。
最後も、のんびり過ごしたいですね。
さて、その時、僕らは事務所の近所の和風居酒屋の個室にいました。
「ゆるちょさん。ゆるちょさんって女性にインタビューするの得意じゃないですか」
「初対面の女性でも、躊躇なく話せるっていうか、女性を笑顔に出来る。それって、ぶっちゃけ、どうやって、そのチカラを身につけたんですか?」
「あるいは、ゆるちょさんって子供の頃から、女性と話すの、得意だったんですか?」
と、池澤くん(24)。ビールを飲んでいる。
「当然、まさか・・・だよ。僕も、10代とか20代は、当然、女性にモテてなかったし、特に25歳から30歳は僕の暗黒時代で」
「女性から、蛇蝎の如く嫌われてた時代だった。当時、僕は、仕事のストレスでひどく太ってたし、人生の目標さえ、失いかけてたから」
「目が死んでたしね。当然、女性は嫌ってたよ、僕の事を・・・」
と、僕。
「じゃあ、どうして、そういう最悪の状態から、今の状況みたいに、V字回復したんですか?」
と、池澤くん。
「まだまだ、僕が太っていた時代のある時、30歳くらいの頃かな。通勤の車の中で、僕は「はた」と考えたんだ」
「「人生は、このまま待っていたとしても、誰かがどうにかしてくれるモノじゃない。自分ですべて作るべきなんだ。自分で動かなくっちゃ人生には反映されないんだ」ってね」
と、僕。
「なるほど。それは極当然の事ですね。言うのは簡単だけど、やるのは大変そうですけどね」
と、池澤くん。
「そうだね。でも、自分の人生なんだぜ。よく言うだろ。「やるのは今しかねー」って奴さ」
「自分の人生が終わる時に、「あの時、こうしておけば・・・」なんて、僕は思いたくないからね・・・」
「僕は、何かに怯んで、何かが出来なくて、それを人生で悔やむのが一番嫌いなんだ」
と、僕。
「それは、わかります・・・」
と、池澤くん。
「その時、思ったよ。「もう、僕には導いてくれる教師も教授もいないんだ。自分を導くのはもう自分だけなんだ。だとしたら、このまま一生太っていて」」
「「女性に不快な顔を、されつづける人生でいいのか?お前の美意識はそれを選ぶのか!」って、自分に怒りを感じてね」
「それで動き出した。それがすべてのきっっかけだったかな・・・」
と、僕。
「ゆるちょさんは、自分の人生に対する美意識がハッキリしている方ですからね・・・怒りが行動の原点になる・・・」
と、辛辣姫(28)。
「で、とりあえず、その時、僕が考えていたのは、「太っていると女性に人気が無いようだ。だったら、この太っている状況を解消してみよう。何かが変わるかもしれない」ってね」
「それで、しんどいけれども、朝早起きして、2時間くらい、毎日自転車で、海岸線を走るようにしたんだ。当時、ダイエットの本を買い込んで・・・いろいろな資料から」
「「リバウンドの起こらないダイエットは、有酸素運動」と言う情報に辿り着いていてね。それで、真面目に有酸素運動を試してみたってことだよ。そしたら、1年くらいかけて」
「27キロくらいの脂肪を燃やす事が出来た。その分、軽くなれたし、身体もスポーツ向きのスタイリッシュな身体になれたから」
「・・・そのまま、自転車を趣味にして、レーサータイプの自転車にのめりこんだりして・・・僕は自然とサイクリストになっていった」
「・・・そこがそもそもの人生の岐路だったんだね」
と、僕。
「それが30歳の頃でしたよね」
と、辛辣姫。
「そ。そういう頃だった」
と、僕。
「ゆるちょさんは、一度「これだ!」って理解すると頑固に目標を達成する迄、やりきりますからね。その頑固さ。そこがゆるちょさんの強さでもありますよ」
と、ミユウちゃん(25)。
「僕は、シンプルに、普通の男性になりたかった。それだけ」
「普通にMサイズの服が着れる人間になりたかったんだ」
「その恋い焦がれるような気持ちは・・・太っていた事のある人間にしかわからないかもしれない」
と、僕。
「で、普通にMサイズの服が着れるようになったら、いい事が次々とたくさん起こったんですよね?」
と、辛辣姫。
「まず、普通におしゃれを楽しめるようになったよ。太っている頃は苦労してね。どうやっても、見た目に、おしゃれにならないからね」
「それが・・・普通にMサイズの服が似合うようになったから、選択の範囲も広がって、好きな服が着れるようになった」
「いろいろなコーディネートも楽しめるようになった。さらに言えば、スポーツを手軽に楽しめるようになったし、サイクリストであるだけで、しあわせになれた」
と、僕。
「それはどういう?」
と、池澤くん。
「春が来て、自転車に乗れるようになると・・・身体の細胞一つ一つが、本当に喜んでいるように感じてね。楽しくて楽しくて、仕方がなくなるんだ」
「それは、生まれて初めて感じた喜びでさ・・・好きなスポーツを楽しめるって、こんなに素敵な事なんだって本当に感激したよ」
「その感覚は体験した事の無い人間にはわからない・・・と言う事実を理解したんだ。だから新たな考え方や生活の仕方など、いろいろ変わったね」
「ま、ある意味、そこから、僕の人生は変わっていったんだ・・・」
と、僕。
「そして、湘南中を自転車で走り回っていたら、女性に普通に注目されるようになって、その視線にも負けないようになって」
「・・・まあ、度胸がついたんだね。そしたら、自分の目が、いつしか「ヒカルの君の目」に進化していて・・・そこから、女性に恋されるようになった」
「そんな因果関係があるなんて、僕は全く知らなかったから、ビックリしたけど、経験したからこそ、それがわかるようになったんだね」
と、僕。
「経験するからこそ、わかるようになる事って一杯あるんですね。言葉で聞いていてもわからない事がたくさんあるように・・・」
「その「ヒカルの君の目」の話だって・・・ほんと、経験してみないとわからない事ですもん」
と、辛辣姫。
「経験する事こそ、僕らの学校であり、大学だよ。そこから逃げてちゃ、僕らは普通に生きた事にもならないよ」
と、僕。
「そうですね。本当に・・・経験は宝ですね」
と、辛辣姫。
「ま、それが30歳の夏の出来事って感じだけどね。そこまでたどり着くには随分、時間がかかったよ」
と、僕。
「それがゆるちょさんの「恋愛V字回復」の秘密って所ですね。でも、ゆるちょさんが大事だと感じているのは、そういう外的な経験も必須だけど」
「女性によって、自分が持っていた価値観を進化させる事が出来た・・・って所にあると考えているんですよね?」
と、辛辣姫。
「ああ。僕はよく覚えているんだけど・・・大学2年くらいの時に、どっかのお嬢さん大学と合コンしたんだ。その時の事を僕は明快に覚えている」
と、僕。
「その頃って、合コンがたくさんあったんだそうで・・・今の僕らには、ちょっとハードルの高い会です。それは・・・」
「もう、絶滅していますもん。合コン・・・」
と、池澤くん。
「まあ、あの頃はネットすら無い状況だったからね。と、なると男女の出会いって、せいぜい合コンって事になるんだ」
「今はネットで異性と話したい気持ちのガス抜きが出来るけど、当時は、直接会う事でしかガス抜きは出来なかったんだ」
「ま、それがよかったと思うけどね。僕的には・・・」
と、僕。
「で、そのお嬢さん大学との合コンの時、目の前の座った少し鼻高々系の女性と話していて、その彼女が少し得意そうに「わたし、この夏休み、ヨーロッパのXXの街を回ってきたのよ」」
「って言ったわけ。そしたら、僕はなんと「その国だったら、XXとXXが有名で、有名な音楽家はXXで、チョコレートケーキの有名な場所だよね・・・」って言っちゃったんだよね」
と、僕。
「ゆるちょさん・・・やっちゃいましたね・・・」
と、ミユウちゃん。
「ああ。今なら、その事がよくわかるんだけど・・・当時は、まったくわからないアンポンタンだったから、当然、そういう振る舞いになったんだよ。笑っちゃうけど」
と、僕。
「え、どういう事です?僕にはわかりかねますが」
と、池澤くん。
「まあ、いいわ。ゆるちょくんの話、聞いてなさい」
と、御島さん(31)。
「当時、僕の頭の中は、「子供の男性の価値観」のまま、だったんだ。つまり、「子供の男性の価値観」では、「相手よりも知識がある事が人間として、かっこいい」と思っていたんだ」
と、僕。
「その価値観から未だに抜けられない、子供な大人が・・・巷にはたくさんいますよ。自分が子供だと言う事にまったく気づいていないダメな大人が、ね」
と、辛辣姫。
「だから、ゆるちょさん、自分の知識をプレゼンして、その相手の女性にカッコいい所を見せる事が出来た・・・と勘違いしちゃって」
「・・・あまつさえドヤ顔すらした・・・って所だったんですね。その時」
と、ミユウちゃん。
「そ。完全にその女の子のメンツを潰したというか・・・そりゃ、その女性に不快な顔をされるし「この人、わかっていないダメなオトコね」みたいな顔をされたよ」
「当然の報いだけどさ。でも、僕は当時、そのオンナの子がどうしてそんな顔をするのか、てんでわからなかったんだよ・・・アンポンタンだろ・・・」
と、僕。
「だって、それ、19歳の頃の話でしょ?「子供の男性の価値観」が大人の価値観に成長するのは・・・だいたい社会に出て、社会の本当の価値観に出会った頃からだから・・・」
「まだ、「子供の男性の価値観」でいることはしょうがないですよ」
と、辛辣姫。
「ま、そう言ってくれるのはありがたい事だけど、学生時代はまだガキだったよ。僕も、考え方が」
「そりゃ、女性にまともに相手にされないよ・・・」
と、僕。
「そういう男性、今でもたくさん巷にあふれてますね。「何で俺の良さがわからないんだ?」みたいな顔を皆してる」
と、ミユウちゃん。
「つまり、価値観なんだよな。僕はその時、明らかに間違った価値観・・・「子供の男性の価値観」を持っていた。それに気づく事が出来なかったんだよ・・・」
と、僕。
「じゃあ、その時、ゆるちょさんはどう振る舞えば、正解だったんですか?御島さん」
と、池澤くん。
「そうね。そのゆるちょくんの相手の女性を仮にケイちゃんとするわね。そのケイちゃんは、その時、何故、ヨーロッパのとある国に旅行した話をしたのかしら?」
「それが重要ね」
と、御島さん。
「それはどういう事ですか?ユキさん?」
と、池澤くん。
「ふ。そうね。女性と言うのは、基本、男性に褒められたくて、話すのよ。そのケイちゃんは、ゆるちょさんに褒められたかったの」
「だから、ケイちゃんとしては、「わたし、この歳で、ヨーロッパのある国に行ってきたの。エライでしょ?」と言ったの」
「ゆるちょさんに「すごいね。まだ、大学一年生なのに。すごいじゃん」って、当然言われたかったんでしょうね」
「それがゆるちょさんが知識の面で張り合ってきたから、「何こいつ、何もわかっていないじゃない」と言う判断になって、ムカついた」
「・・・そういう所でしょう」
と、辛辣姫。
「そう。そうなんだよ。それが女性のおしゃべりの基本中の基本なんだよね。女性は気に入った男性に褒められたい。だからこそ、そのネタを展開する」
「展開された男性は、そのネタを使って、女性を褒めれば・・・女性は納得し、笑顔になれる。それが女性との話し方の基本中の基本。その事に僕はまだ、気づけていなかった」
と、僕。
「でも、その時、ケイちゃんに不快な顔をされた事で、その時の僕の振る舞いが、失敗だった事を知り、後で、女性のしゃべり方を理解し、納得し、成長する事につながるんだ」
「もっともそれは随分後の話になるんだけどね。30歳越えて、「ヒカルの君の目」を備えて女性に恋されるようになった以降、僕は随分女性の事を知るようになるんだけど」
「その後だからね。女性を理解するのにも、随分、時間がかかったよ」
と、僕。
「すいません。じゃあ、その「子供の男性の価値観」・・・「相手よりも知識がある事が男性として、かっこいい」と言うのは、男性だけが密かに正しい!って思っている価値観で」
「・・・女性からすると・・・ひょっとして何の意味も無いって事なんですか?」
「つまり、全然、カッコよく無い事だと?」
と、池澤くん。
「当然、そうよ。ネットが無い時代なら、「知識がある」と言うのは、ある程度価値があったかもしれないけれど、ネットのある今なら、わからない知識も瞬時に探す事が出来るわ」
「だから、それほど、意味はないの・・・それに知識があった所で・・・女性からすれば、一切、男性の価値にはならないのよ」
と、辛辣姫。
「うーん、わかりやすい具体例をあげるわね。例えば、山手線に乗っている時に、目の前の男性が「有楽町ってさ。織田信長の弟で、織田有楽斎ってのがいるんだけど」」
「「そいつが屋敷を持っていたのが、有楽町のあたりで・・・織田有楽斎にあやかった名前なんだよね」・・・って、そういう知識をいきなり誇示してきたら」
「あなた、どう思う?知識の受け売りに過ぎないし、そんな話、突然、押し付けられても・・・それまで、美味しいパンケーキの話をしていたのに、脈絡も無視しているし」
「「どうだ、俺ってこんな知識もあるんだ。エライだろ」って言う雰囲気が丸見えで、女性としは不快でしょ?オトコってこういう事をやっていて、女性を常に不快にさせるのよ」
「女性が何故、いつも男性に対して怒り狂っているか、その理由、わかった?」
と、ミユウちゃん。
「確かに・・・それが知識がある事を誇るって事なのか・・・」
と、池澤くん。
「そうよ。そんなだから、知識を誇る男性を女性は嫌うのよ」
「女性を常に不快にさせてる事に気づかない、自分勝手なオヤジだから・・・」
「だいたい、織田有楽斎なんて、わたしの人生にこれっぽっちも関係ないし・・・時間の無駄でしょ?」
と、御島さん。
「そうですね。それは自分勝手ですね」
「だから、女性はおっさんの「うんちく」話を、蛇蝎の如く嫌うのか・・・」
「男の考え方と、女性の考え方は、こうも違うんだ・・・」
と、貴島くんが唸る。
「それにね・・・男性の価値とは唯一、「女性を本能から笑顔に出来る事」だけだもの。例えば結婚をしていて、子育て中の夫婦であったと」
「しても、家族を養いながら、奥さんと子供達に尊敬され、愛され、家族として、本能的に笑顔になれる・・・それを実現出来るのが、男性の価値だもの」
と、辛辣姫。
「ね、そうですよね、御島さん」
と、辛辣姫。
「その通り。奥さん、と子供たちに尊敬され、理解され、愛される父親こそ、本当に価値のあるオトコだわね」
と、御島さん。
「だから、オトコとオンナ同士として、考えるなら、女性を本能から笑顔に出来る事が価値なんだから・・・男性は、是非、女性を笑顔に出来るおしゃべりを実現しないとね」
と、御島さん。
「で、ゆるちょさんを例にとって、考えると・・・まず、男性は、女性の方から喜んで視界にいれたい男性にならないとダメね」
「「恋とは、男性がプレゼンし、女性が落ちるモノである」の法則から言っても、男性は女性にいい感情を持たれて・・・女性の方から積極的に笑顔を向けられる存在に」
「なっていなければ、いけないわ。ある意味、女性が積極的に求めるオトコになっておく事が必要です」
と、辛辣姫。
「・・・って言うと、その具体的な方策は?」
と、池澤くん。
「それこそ、恋の魔法をかけるアイテム・・・「ヒカルの君の目」の装備よね。それが必須」
と、辛辣姫。
「ゆるちょさんが「ヒカルの君の目」を装備した以後、多くの女性に笑顔を自然に貰えるようになったのも、多くの既婚の女性に恋されたのも、すべて」
「「ヒカルの君の目」と言う恋の魔法アイテムを装備したからと考えられるわ。それ程、このアイテムは強力なの」
と、辛辣姫。
「実際、そのゆるちょくんの目で見られると、ホント、女性は弱いわね。その目で見つめられるとすごく嬉しくなっちゃうの。本能的に、ね」
「だから、ずっと一緒にいたくなったりする。ずっとしゃべっていたくなる。それこそ、言わば恋の魔法のチカラと言うモノね・・・」
と、御島さん。
「だって、誰だって、女性ならば、好きな俳優さんが近くにいたら、ずっと一緒にしゃべっていたくなるでしょう?「ヒカルの君の目」って、そういうチカラがあるのよ」
と、御島さん。
「ゆるちょくんは、自然に隠されたそういう仕組み、因果関係を独自に見つけ出した。そして、それを自分の人生に応用している。すごい事だと思うわ」
「「待っているだけの、毎日に流されるだけのオトコ」には、絶対に出来ない事だわ」
と、御島さん。
「「恋の魔法」もゆるちょさんが自分自身の経験から探りだしたんですよね。あれは確かに、経験者にしかわからない。あの恋の魔法の解けた時のビックリ感と言えば」
「「わたし、何でこんなオトコ追っかけていたんだろう」って普通に思うし。恋の魔法がかけられているウチは、あんなに楽しかったのに」
「それが解けると・・・驚く程、くだらない事をしていた自分に腹が立ちますよ」
と、辛辣姫。
「でも、「ヒカルの君の目」を持っている男性は、何度も恋の魔法をかけられるから、結局、女性を永遠にしあわせな気持ちにさせておく事が出来る」
「つまり、女性の恋には、男性側の「ヒカルの君の目」は必須アイテムと言う事が出来るんですよね?」
と、ミユウちゃん。
「そうね。それと・・・ゆるちょさんは女性を笑顔に出来る、おしゃべりの方法を熟知している」
「結局、それって、ゆるちょさんが、たくさんの女性とたくさんのおしゃべりをしてきて・・・その中から、「こうやると女性は嬉しがってくれるらしい」って言う」
「おしゃべりのやり方を見つけ出してくれてる。・・・女性は自分を主人公にしてくれて、そこに自分の好きなテーマでおしゃべりされると、テンションマックス状態に」
「なるんですよ。わたしだったら、美味しいスィーツの新しい店の話とか・・・自分の好きな話題が一番盛り上がれる・・・それをその女性ごとに探し出せていて」
「そういうネタを的確に振ってくれるのが、ゆるちょさんですから・・・楽しいはずですよ」
と、辛辣姫。
「「ヒカルの君の目」を持っている。目の前の女性の好きな話題も知っていて、それを振って楽しくおしゃべりしてくれる。シンプルですけど、その二つが揃えば」
「女子はテンションマックスになれちゃいますよね」
と、ミユウちゃん。
「誰だって、好きな話題を振られて・・・シンデレラのように、主人公に扱って貰えたら、テンションアゲアゲになるのは、当然だわ」
と、御島さん。
「そういう事をしてくれたのは、多分、その女性にとって、お父さんが最後なのよ。そういうお父さんのサービスこそ、女子達は大好きだったから」
「それを実現してくれるやり方にテンションが上がっちゃうんだと思いますよ、女性達は」
と、辛辣姫。
「それにゆるちょくんは、女性を喜ばせる会話をさらっと挟んでくるから・・・女性は結局、褒められたいから・・・それに類する言葉を貰えると、途端に表情が輝くわ」
「女子との話し方をゆるちょくんは良くわかってるの」
と、御島さん。
「それに比べて女性の事をわかっていない男子は・・・自分の好きな趣味の話や、自分がいかに仕事が出来るか、尊敬出来るかとか・・・自慢話ばかり。しかもドヤ顔」
「・・・女性を不快にする事だらけで、女性に嫌味を言っているとしか思えませんよね・・・」
と、ミユウちゃん。
「あるいは、本当の事を言う事に固執するとか。「俺は知ってるんだ。本当は、あれって、こうなんだ」みたいな話を自慢気に話すでしょう?」
「「それは俺しか知らないんだ」みたいな話とか・・・結局、自分を自慢する話ばっかりなのよね、オトコって」
と、御島さん。
「オトコの話は、相手中心の話でなく、自分中心の話の押し付けですよね。だから不快なんですよ。要は自分勝手なんだもん」
と、ミユウちゃん。
「・・・女性のおしゃべりの基本は、女性が楽しい気分になればいい・・・だから、あえて本当の事なんて言う意味ないのよね」
「たまに無粋なオトコが、本当の事を言って、女性の夢をつぶすような事をするけど、どうして、オトコってバカなのかしら。女性の気持ちがいちいちわかっていない」
と、御島さん。
「男性って、「嘘はつかない。本当の事を言えばいい」みたいな間違った価値観を持っているんですよ。ここでも男性は間違った価値観を持っていて、女性を不快にさせている」
「ゆるちょさんの最初の間違いの例と同じですね」
と、ミユウちゃん。
「結局、あれかしら。男性って、洞察力があまりに無いでしょう?女性の中身を察しながら、女性を笑顔にするような言葉を出すと言う事がさっぱり出来ない」
「むしろ、自分の価値観の押し付け・・・価値観ハラスメントしか出来ない男性が増えているって事かしら。そもそも、そういう男性がばかりだった印象があるけれど」
と、御島さん。
「男性って、「俺は他人と違ってエライんだ」って言う、井の中の蛙的な思想を持っている人間が殆どだって聞いた事がありますよ」
「ほんとはエラクもひとつも無くて、空気が読めなくて、皆の邪魔者になっているだけなのに・・・あるいは「真面目」と言う下らない価値観に逃げ込んで」
「面白みの無い人間になっているだけのオトコとか・・・それって面白い事に要はゆるちょさんの言う所のふしあわせスパイラル一直線の」
「「俺エライ病」患者と「逃げ込み者」そのものでしょ?関わりには、絶対なっちゃダメですね」
と、辛辣姫。
「女性は好きなオトコに対して、いろいろやってあげたいんですよ。手伝ってあげたい。そして、相手の男性を笑顔にしてあげたい」
「それが女性の素朴な思いです。だから、女性のそういう素朴な気持ちを引き出してあげる男性が女性としても、必要だって事になるんです」
「ちょっとくらいの嘘も、それで自分や相手の男性が笑顔になれるなら、スパイスとして効かせてもいい。それくらいの軽い気持ちでいるのが、女性なんです」
と、辛辣姫。
「だから、女性って、自分を主人公にしてくれて、おしゃべりしてくれるのが嬉しいですよね。そういう事が出来る男性が好きなんですよね。よく女性の気持ちがわかってる」
「「ミユウちゃんって、アイスチョコモナカが好きだって言ってたよね」って言ってくれて、そこから話を広げてくれる・・・そんな感じの男性が好きです」
「中には、自分の好きなモノの話を強引に押し付けてくる男性っているじゃないですか。「自分はあれが好きで、あれの良さはここで。あの年のこれはよかった」みたいな」
「わたし、そういう評論家みたいな男性、大嫌いです。そんな話も面白くもないし・・・女性の好きな物を探って、その女性を主人公にして、楽しませてくれる」
「それこそが、女性を楽しませるおしゃべりのイロハだって事が全然わかっていない」
と、ミユウちゃん。
「いずれにしろ、女性が好きな男性に何かしてあげる・・・っていうカタチは変わらないわよね。女性は男性に対して「好き」か「興味なし」の感情しか持たないから」
「そこはシビアかなって、思いますね。「興味なし」の男性は一切視界に入れないから・・・会話も交わさないから・・・」
と、辛辣姫。
「結局、そこだと思いますよね。キーは」
と、ミユウちゃん。
「自分が社会に出てみて・・・一般の女性から、どう評価されているか?それを知る事から、女性との恋は始まるんじゃないですかね」
「それをまず知って、自分を高める方向に進む人と、自分の評価を知るのが怖くて、いつまでも、それを知る事から逃げている人・・・その違いは、以後の人生的にも」
「大きな違いを生むと思いますけどね。やっぱり、自分を客観的に評価出来る・・・強い人でなければ・・・男性としては失格のような気がします」
と、ミユウちゃんは、結論のように言い切った。
「恋とは、男性がプレゼンし、女性が決めるモノ・・・結局、男性の人生の評価も、女性が決めるモノって事になるんですかね?」
と、辛辣姫。
「多分、そうね。だから、女性に愛される男性は、しあわせになれるの。女性に興味を持たれない男性はしあわせになれないの・・・多分、そういう事」
「違う?ゆるちょくん」
と、御島さん。
「僕は好きな女性達と一緒にいれれば、それでいいよ。それは甘え過ぎかな?」
と、僕。
「ま、いいんじゃない。現実的に言えば・・・今はそれで充分かもね」
と、御島さんは、ビールを飲みながら、笑顔で言った。
(おしまい)
GWも、終盤ですね。
最後も、のんびり過ごしたいですね。
さて、その時、僕らは事務所の近所の和風居酒屋の個室にいました。
「ゆるちょさん。ゆるちょさんって女性にインタビューするの得意じゃないですか」
「初対面の女性でも、躊躇なく話せるっていうか、女性を笑顔に出来る。それって、ぶっちゃけ、どうやって、そのチカラを身につけたんですか?」
「あるいは、ゆるちょさんって子供の頃から、女性と話すの、得意だったんですか?」
と、池澤くん(24)。ビールを飲んでいる。
「当然、まさか・・・だよ。僕も、10代とか20代は、当然、女性にモテてなかったし、特に25歳から30歳は僕の暗黒時代で」
「女性から、蛇蝎の如く嫌われてた時代だった。当時、僕は、仕事のストレスでひどく太ってたし、人生の目標さえ、失いかけてたから」
「目が死んでたしね。当然、女性は嫌ってたよ、僕の事を・・・」
と、僕。
「じゃあ、どうして、そういう最悪の状態から、今の状況みたいに、V字回復したんですか?」
と、池澤くん。
「まだまだ、僕が太っていた時代のある時、30歳くらいの頃かな。通勤の車の中で、僕は「はた」と考えたんだ」
「「人生は、このまま待っていたとしても、誰かがどうにかしてくれるモノじゃない。自分ですべて作るべきなんだ。自分で動かなくっちゃ人生には反映されないんだ」ってね」
と、僕。
「なるほど。それは極当然の事ですね。言うのは簡単だけど、やるのは大変そうですけどね」
と、池澤くん。
「そうだね。でも、自分の人生なんだぜ。よく言うだろ。「やるのは今しかねー」って奴さ」
「自分の人生が終わる時に、「あの時、こうしておけば・・・」なんて、僕は思いたくないからね・・・」
「僕は、何かに怯んで、何かが出来なくて、それを人生で悔やむのが一番嫌いなんだ」
と、僕。
「それは、わかります・・・」
と、池澤くん。
「その時、思ったよ。「もう、僕には導いてくれる教師も教授もいないんだ。自分を導くのはもう自分だけなんだ。だとしたら、このまま一生太っていて」」
「「女性に不快な顔を、されつづける人生でいいのか?お前の美意識はそれを選ぶのか!」って、自分に怒りを感じてね」
「それで動き出した。それがすべてのきっっかけだったかな・・・」
と、僕。
「ゆるちょさんは、自分の人生に対する美意識がハッキリしている方ですからね・・・怒りが行動の原点になる・・・」
と、辛辣姫(28)。
「で、とりあえず、その時、僕が考えていたのは、「太っていると女性に人気が無いようだ。だったら、この太っている状況を解消してみよう。何かが変わるかもしれない」ってね」
「それで、しんどいけれども、朝早起きして、2時間くらい、毎日自転車で、海岸線を走るようにしたんだ。当時、ダイエットの本を買い込んで・・・いろいろな資料から」
「「リバウンドの起こらないダイエットは、有酸素運動」と言う情報に辿り着いていてね。それで、真面目に有酸素運動を試してみたってことだよ。そしたら、1年くらいかけて」
「27キロくらいの脂肪を燃やす事が出来た。その分、軽くなれたし、身体もスポーツ向きのスタイリッシュな身体になれたから」
「・・・そのまま、自転車を趣味にして、レーサータイプの自転車にのめりこんだりして・・・僕は自然とサイクリストになっていった」
「・・・そこがそもそもの人生の岐路だったんだね」
と、僕。
「それが30歳の頃でしたよね」
と、辛辣姫。
「そ。そういう頃だった」
と、僕。
「ゆるちょさんは、一度「これだ!」って理解すると頑固に目標を達成する迄、やりきりますからね。その頑固さ。そこがゆるちょさんの強さでもありますよ」
と、ミユウちゃん(25)。
「僕は、シンプルに、普通の男性になりたかった。それだけ」
「普通にMサイズの服が着れる人間になりたかったんだ」
「その恋い焦がれるような気持ちは・・・太っていた事のある人間にしかわからないかもしれない」
と、僕。
「で、普通にMサイズの服が着れるようになったら、いい事が次々とたくさん起こったんですよね?」
と、辛辣姫。
「まず、普通におしゃれを楽しめるようになったよ。太っている頃は苦労してね。どうやっても、見た目に、おしゃれにならないからね」
「それが・・・普通にMサイズの服が似合うようになったから、選択の範囲も広がって、好きな服が着れるようになった」
「いろいろなコーディネートも楽しめるようになった。さらに言えば、スポーツを手軽に楽しめるようになったし、サイクリストであるだけで、しあわせになれた」
と、僕。
「それはどういう?」
と、池澤くん。
「春が来て、自転車に乗れるようになると・・・身体の細胞一つ一つが、本当に喜んでいるように感じてね。楽しくて楽しくて、仕方がなくなるんだ」
「それは、生まれて初めて感じた喜びでさ・・・好きなスポーツを楽しめるって、こんなに素敵な事なんだって本当に感激したよ」
「その感覚は体験した事の無い人間にはわからない・・・と言う事実を理解したんだ。だから新たな考え方や生活の仕方など、いろいろ変わったね」
「ま、ある意味、そこから、僕の人生は変わっていったんだ・・・」
と、僕。
「そして、湘南中を自転車で走り回っていたら、女性に普通に注目されるようになって、その視線にも負けないようになって」
「・・・まあ、度胸がついたんだね。そしたら、自分の目が、いつしか「ヒカルの君の目」に進化していて・・・そこから、女性に恋されるようになった」
「そんな因果関係があるなんて、僕は全く知らなかったから、ビックリしたけど、経験したからこそ、それがわかるようになったんだね」
と、僕。
「経験するからこそ、わかるようになる事って一杯あるんですね。言葉で聞いていてもわからない事がたくさんあるように・・・」
「その「ヒカルの君の目」の話だって・・・ほんと、経験してみないとわからない事ですもん」
と、辛辣姫。
「経験する事こそ、僕らの学校であり、大学だよ。そこから逃げてちゃ、僕らは普通に生きた事にもならないよ」
と、僕。
「そうですね。本当に・・・経験は宝ですね」
と、辛辣姫。
「ま、それが30歳の夏の出来事って感じだけどね。そこまでたどり着くには随分、時間がかかったよ」
と、僕。
「それがゆるちょさんの「恋愛V字回復」の秘密って所ですね。でも、ゆるちょさんが大事だと感じているのは、そういう外的な経験も必須だけど」
「女性によって、自分が持っていた価値観を進化させる事が出来た・・・って所にあると考えているんですよね?」
と、辛辣姫。
「ああ。僕はよく覚えているんだけど・・・大学2年くらいの時に、どっかのお嬢さん大学と合コンしたんだ。その時の事を僕は明快に覚えている」
と、僕。
「その頃って、合コンがたくさんあったんだそうで・・・今の僕らには、ちょっとハードルの高い会です。それは・・・」
「もう、絶滅していますもん。合コン・・・」
と、池澤くん。
「まあ、あの頃はネットすら無い状況だったからね。と、なると男女の出会いって、せいぜい合コンって事になるんだ」
「今はネットで異性と話したい気持ちのガス抜きが出来るけど、当時は、直接会う事でしかガス抜きは出来なかったんだ」
「ま、それがよかったと思うけどね。僕的には・・・」
と、僕。
「で、そのお嬢さん大学との合コンの時、目の前の座った少し鼻高々系の女性と話していて、その彼女が少し得意そうに「わたし、この夏休み、ヨーロッパのXXの街を回ってきたのよ」」
「って言ったわけ。そしたら、僕はなんと「その国だったら、XXとXXが有名で、有名な音楽家はXXで、チョコレートケーキの有名な場所だよね・・・」って言っちゃったんだよね」
と、僕。
「ゆるちょさん・・・やっちゃいましたね・・・」
と、ミユウちゃん。
「ああ。今なら、その事がよくわかるんだけど・・・当時は、まったくわからないアンポンタンだったから、当然、そういう振る舞いになったんだよ。笑っちゃうけど」
と、僕。
「え、どういう事です?僕にはわかりかねますが」
と、池澤くん。
「まあ、いいわ。ゆるちょくんの話、聞いてなさい」
と、御島さん(31)。
「当時、僕の頭の中は、「子供の男性の価値観」のまま、だったんだ。つまり、「子供の男性の価値観」では、「相手よりも知識がある事が人間として、かっこいい」と思っていたんだ」
と、僕。
「その価値観から未だに抜けられない、子供な大人が・・・巷にはたくさんいますよ。自分が子供だと言う事にまったく気づいていないダメな大人が、ね」
と、辛辣姫。
「だから、ゆるちょさん、自分の知識をプレゼンして、その相手の女性にカッコいい所を見せる事が出来た・・・と勘違いしちゃって」
「・・・あまつさえドヤ顔すらした・・・って所だったんですね。その時」
と、ミユウちゃん。
「そ。完全にその女の子のメンツを潰したというか・・・そりゃ、その女性に不快な顔をされるし「この人、わかっていないダメなオトコね」みたいな顔をされたよ」
「当然の報いだけどさ。でも、僕は当時、そのオンナの子がどうしてそんな顔をするのか、てんでわからなかったんだよ・・・アンポンタンだろ・・・」
と、僕。
「だって、それ、19歳の頃の話でしょ?「子供の男性の価値観」が大人の価値観に成長するのは・・・だいたい社会に出て、社会の本当の価値観に出会った頃からだから・・・」
「まだ、「子供の男性の価値観」でいることはしょうがないですよ」
と、辛辣姫。
「ま、そう言ってくれるのはありがたい事だけど、学生時代はまだガキだったよ。僕も、考え方が」
「そりゃ、女性にまともに相手にされないよ・・・」
と、僕。
「そういう男性、今でもたくさん巷にあふれてますね。「何で俺の良さがわからないんだ?」みたいな顔を皆してる」
と、ミユウちゃん。
「つまり、価値観なんだよな。僕はその時、明らかに間違った価値観・・・「子供の男性の価値観」を持っていた。それに気づく事が出来なかったんだよ・・・」
と、僕。
「じゃあ、その時、ゆるちょさんはどう振る舞えば、正解だったんですか?御島さん」
と、池澤くん。
「そうね。そのゆるちょくんの相手の女性を仮にケイちゃんとするわね。そのケイちゃんは、その時、何故、ヨーロッパのとある国に旅行した話をしたのかしら?」
「それが重要ね」
と、御島さん。
「それはどういう事ですか?ユキさん?」
と、池澤くん。
「ふ。そうね。女性と言うのは、基本、男性に褒められたくて、話すのよ。そのケイちゃんは、ゆるちょさんに褒められたかったの」
「だから、ケイちゃんとしては、「わたし、この歳で、ヨーロッパのある国に行ってきたの。エライでしょ?」と言ったの」
「ゆるちょさんに「すごいね。まだ、大学一年生なのに。すごいじゃん」って、当然言われたかったんでしょうね」
「それがゆるちょさんが知識の面で張り合ってきたから、「何こいつ、何もわかっていないじゃない」と言う判断になって、ムカついた」
「・・・そういう所でしょう」
と、辛辣姫。
「そう。そうなんだよ。それが女性のおしゃべりの基本中の基本なんだよね。女性は気に入った男性に褒められたい。だからこそ、そのネタを展開する」
「展開された男性は、そのネタを使って、女性を褒めれば・・・女性は納得し、笑顔になれる。それが女性との話し方の基本中の基本。その事に僕はまだ、気づけていなかった」
と、僕。
「でも、その時、ケイちゃんに不快な顔をされた事で、その時の僕の振る舞いが、失敗だった事を知り、後で、女性のしゃべり方を理解し、納得し、成長する事につながるんだ」
「もっともそれは随分後の話になるんだけどね。30歳越えて、「ヒカルの君の目」を備えて女性に恋されるようになった以降、僕は随分女性の事を知るようになるんだけど」
「その後だからね。女性を理解するのにも、随分、時間がかかったよ」
と、僕。
「すいません。じゃあ、その「子供の男性の価値観」・・・「相手よりも知識がある事が男性として、かっこいい」と言うのは、男性だけが密かに正しい!って思っている価値観で」
「・・・女性からすると・・・ひょっとして何の意味も無いって事なんですか?」
「つまり、全然、カッコよく無い事だと?」
と、池澤くん。
「当然、そうよ。ネットが無い時代なら、「知識がある」と言うのは、ある程度価値があったかもしれないけれど、ネットのある今なら、わからない知識も瞬時に探す事が出来るわ」
「だから、それほど、意味はないの・・・それに知識があった所で・・・女性からすれば、一切、男性の価値にはならないのよ」
と、辛辣姫。
「うーん、わかりやすい具体例をあげるわね。例えば、山手線に乗っている時に、目の前の男性が「有楽町ってさ。織田信長の弟で、織田有楽斎ってのがいるんだけど」」
「「そいつが屋敷を持っていたのが、有楽町のあたりで・・・織田有楽斎にあやかった名前なんだよね」・・・って、そういう知識をいきなり誇示してきたら」
「あなた、どう思う?知識の受け売りに過ぎないし、そんな話、突然、押し付けられても・・・それまで、美味しいパンケーキの話をしていたのに、脈絡も無視しているし」
「「どうだ、俺ってこんな知識もあるんだ。エライだろ」って言う雰囲気が丸見えで、女性としは不快でしょ?オトコってこういう事をやっていて、女性を常に不快にさせるのよ」
「女性が何故、いつも男性に対して怒り狂っているか、その理由、わかった?」
と、ミユウちゃん。
「確かに・・・それが知識がある事を誇るって事なのか・・・」
と、池澤くん。
「そうよ。そんなだから、知識を誇る男性を女性は嫌うのよ」
「女性を常に不快にさせてる事に気づかない、自分勝手なオヤジだから・・・」
「だいたい、織田有楽斎なんて、わたしの人生にこれっぽっちも関係ないし・・・時間の無駄でしょ?」
と、御島さん。
「そうですね。それは自分勝手ですね」
「だから、女性はおっさんの「うんちく」話を、蛇蝎の如く嫌うのか・・・」
「男の考え方と、女性の考え方は、こうも違うんだ・・・」
と、貴島くんが唸る。
「それにね・・・男性の価値とは唯一、「女性を本能から笑顔に出来る事」だけだもの。例えば結婚をしていて、子育て中の夫婦であったと」
「しても、家族を養いながら、奥さんと子供達に尊敬され、愛され、家族として、本能的に笑顔になれる・・・それを実現出来るのが、男性の価値だもの」
と、辛辣姫。
「ね、そうですよね、御島さん」
と、辛辣姫。
「その通り。奥さん、と子供たちに尊敬され、理解され、愛される父親こそ、本当に価値のあるオトコだわね」
と、御島さん。
「だから、オトコとオンナ同士として、考えるなら、女性を本能から笑顔に出来る事が価値なんだから・・・男性は、是非、女性を笑顔に出来るおしゃべりを実現しないとね」
と、御島さん。
「で、ゆるちょさんを例にとって、考えると・・・まず、男性は、女性の方から喜んで視界にいれたい男性にならないとダメね」
「「恋とは、男性がプレゼンし、女性が落ちるモノである」の法則から言っても、男性は女性にいい感情を持たれて・・・女性の方から積極的に笑顔を向けられる存在に」
「なっていなければ、いけないわ。ある意味、女性が積極的に求めるオトコになっておく事が必要です」
と、辛辣姫。
「・・・って言うと、その具体的な方策は?」
と、池澤くん。
「それこそ、恋の魔法をかけるアイテム・・・「ヒカルの君の目」の装備よね。それが必須」
と、辛辣姫。
「ゆるちょさんが「ヒカルの君の目」を装備した以後、多くの女性に笑顔を自然に貰えるようになったのも、多くの既婚の女性に恋されたのも、すべて」
「「ヒカルの君の目」と言う恋の魔法アイテムを装備したからと考えられるわ。それ程、このアイテムは強力なの」
と、辛辣姫。
「実際、そのゆるちょくんの目で見られると、ホント、女性は弱いわね。その目で見つめられるとすごく嬉しくなっちゃうの。本能的に、ね」
「だから、ずっと一緒にいたくなったりする。ずっとしゃべっていたくなる。それこそ、言わば恋の魔法のチカラと言うモノね・・・」
と、御島さん。
「だって、誰だって、女性ならば、好きな俳優さんが近くにいたら、ずっと一緒にしゃべっていたくなるでしょう?「ヒカルの君の目」って、そういうチカラがあるのよ」
と、御島さん。
「ゆるちょくんは、自然に隠されたそういう仕組み、因果関係を独自に見つけ出した。そして、それを自分の人生に応用している。すごい事だと思うわ」
「「待っているだけの、毎日に流されるだけのオトコ」には、絶対に出来ない事だわ」
と、御島さん。
「「恋の魔法」もゆるちょさんが自分自身の経験から探りだしたんですよね。あれは確かに、経験者にしかわからない。あの恋の魔法の解けた時のビックリ感と言えば」
「「わたし、何でこんなオトコ追っかけていたんだろう」って普通に思うし。恋の魔法がかけられているウチは、あんなに楽しかったのに」
「それが解けると・・・驚く程、くだらない事をしていた自分に腹が立ちますよ」
と、辛辣姫。
「でも、「ヒカルの君の目」を持っている男性は、何度も恋の魔法をかけられるから、結局、女性を永遠にしあわせな気持ちにさせておく事が出来る」
「つまり、女性の恋には、男性側の「ヒカルの君の目」は必須アイテムと言う事が出来るんですよね?」
と、ミユウちゃん。
「そうね。それと・・・ゆるちょさんは女性を笑顔に出来る、おしゃべりの方法を熟知している」
「結局、それって、ゆるちょさんが、たくさんの女性とたくさんのおしゃべりをしてきて・・・その中から、「こうやると女性は嬉しがってくれるらしい」って言う」
「おしゃべりのやり方を見つけ出してくれてる。・・・女性は自分を主人公にしてくれて、そこに自分の好きなテーマでおしゃべりされると、テンションマックス状態に」
「なるんですよ。わたしだったら、美味しいスィーツの新しい店の話とか・・・自分の好きな話題が一番盛り上がれる・・・それをその女性ごとに探し出せていて」
「そういうネタを的確に振ってくれるのが、ゆるちょさんですから・・・楽しいはずですよ」
と、辛辣姫。
「「ヒカルの君の目」を持っている。目の前の女性の好きな話題も知っていて、それを振って楽しくおしゃべりしてくれる。シンプルですけど、その二つが揃えば」
「女子はテンションマックスになれちゃいますよね」
と、ミユウちゃん。
「誰だって、好きな話題を振られて・・・シンデレラのように、主人公に扱って貰えたら、テンションアゲアゲになるのは、当然だわ」
と、御島さん。
「そういう事をしてくれたのは、多分、その女性にとって、お父さんが最後なのよ。そういうお父さんのサービスこそ、女子達は大好きだったから」
「それを実現してくれるやり方にテンションが上がっちゃうんだと思いますよ、女性達は」
と、辛辣姫。
「それにゆるちょくんは、女性を喜ばせる会話をさらっと挟んでくるから・・・女性は結局、褒められたいから・・・それに類する言葉を貰えると、途端に表情が輝くわ」
「女子との話し方をゆるちょくんは良くわかってるの」
と、御島さん。
「それに比べて女性の事をわかっていない男子は・・・自分の好きな趣味の話や、自分がいかに仕事が出来るか、尊敬出来るかとか・・・自慢話ばかり。しかもドヤ顔」
「・・・女性を不快にする事だらけで、女性に嫌味を言っているとしか思えませんよね・・・」
と、ミユウちゃん。
「あるいは、本当の事を言う事に固執するとか。「俺は知ってるんだ。本当は、あれって、こうなんだ」みたいな話を自慢気に話すでしょう?」
「「それは俺しか知らないんだ」みたいな話とか・・・結局、自分を自慢する話ばっかりなのよね、オトコって」
と、御島さん。
「オトコの話は、相手中心の話でなく、自分中心の話の押し付けですよね。だから不快なんですよ。要は自分勝手なんだもん」
と、ミユウちゃん。
「・・・女性のおしゃべりの基本は、女性が楽しい気分になればいい・・・だから、あえて本当の事なんて言う意味ないのよね」
「たまに無粋なオトコが、本当の事を言って、女性の夢をつぶすような事をするけど、どうして、オトコってバカなのかしら。女性の気持ちがいちいちわかっていない」
と、御島さん。
「男性って、「嘘はつかない。本当の事を言えばいい」みたいな間違った価値観を持っているんですよ。ここでも男性は間違った価値観を持っていて、女性を不快にさせている」
「ゆるちょさんの最初の間違いの例と同じですね」
と、ミユウちゃん。
「結局、あれかしら。男性って、洞察力があまりに無いでしょう?女性の中身を察しながら、女性を笑顔にするような言葉を出すと言う事がさっぱり出来ない」
「むしろ、自分の価値観の押し付け・・・価値観ハラスメントしか出来ない男性が増えているって事かしら。そもそも、そういう男性がばかりだった印象があるけれど」
と、御島さん。
「男性って、「俺は他人と違ってエライんだ」って言う、井の中の蛙的な思想を持っている人間が殆どだって聞いた事がありますよ」
「ほんとはエラクもひとつも無くて、空気が読めなくて、皆の邪魔者になっているだけなのに・・・あるいは「真面目」と言う下らない価値観に逃げ込んで」
「面白みの無い人間になっているだけのオトコとか・・・それって面白い事に要はゆるちょさんの言う所のふしあわせスパイラル一直線の」
「「俺エライ病」患者と「逃げ込み者」そのものでしょ?関わりには、絶対なっちゃダメですね」
と、辛辣姫。
「女性は好きなオトコに対して、いろいろやってあげたいんですよ。手伝ってあげたい。そして、相手の男性を笑顔にしてあげたい」
「それが女性の素朴な思いです。だから、女性のそういう素朴な気持ちを引き出してあげる男性が女性としても、必要だって事になるんです」
「ちょっとくらいの嘘も、それで自分や相手の男性が笑顔になれるなら、スパイスとして効かせてもいい。それくらいの軽い気持ちでいるのが、女性なんです」
と、辛辣姫。
「だから、女性って、自分を主人公にしてくれて、おしゃべりしてくれるのが嬉しいですよね。そういう事が出来る男性が好きなんですよね。よく女性の気持ちがわかってる」
「「ミユウちゃんって、アイスチョコモナカが好きだって言ってたよね」って言ってくれて、そこから話を広げてくれる・・・そんな感じの男性が好きです」
「中には、自分の好きなモノの話を強引に押し付けてくる男性っているじゃないですか。「自分はあれが好きで、あれの良さはここで。あの年のこれはよかった」みたいな」
「わたし、そういう評論家みたいな男性、大嫌いです。そんな話も面白くもないし・・・女性の好きな物を探って、その女性を主人公にして、楽しませてくれる」
「それこそが、女性を楽しませるおしゃべりのイロハだって事が全然わかっていない」
と、ミユウちゃん。
「いずれにしろ、女性が好きな男性に何かしてあげる・・・っていうカタチは変わらないわよね。女性は男性に対して「好き」か「興味なし」の感情しか持たないから」
「そこはシビアかなって、思いますね。「興味なし」の男性は一切視界に入れないから・・・会話も交わさないから・・・」
と、辛辣姫。
「結局、そこだと思いますよね。キーは」
と、ミユウちゃん。
「自分が社会に出てみて・・・一般の女性から、どう評価されているか?それを知る事から、女性との恋は始まるんじゃないですかね」
「それをまず知って、自分を高める方向に進む人と、自分の評価を知るのが怖くて、いつまでも、それを知る事から逃げている人・・・その違いは、以後の人生的にも」
「大きな違いを生むと思いますけどね。やっぱり、自分を客観的に評価出来る・・・強い人でなければ・・・男性としては失格のような気がします」
と、ミユウちゃんは、結論のように言い切った。
「恋とは、男性がプレゼンし、女性が決めるモノ・・・結局、男性の人生の評価も、女性が決めるモノって事になるんですかね?」
と、辛辣姫。
「多分、そうね。だから、女性に愛される男性は、しあわせになれるの。女性に興味を持たれない男性はしあわせになれないの・・・多分、そういう事」
「違う?ゆるちょくん」
と、御島さん。
「僕は好きな女性達と一緒にいれれば、それでいいよ。それは甘え過ぎかな?」
と、僕。
「ま、いいんじゃない。現実的に言えば・・・今はそれで充分かもね」
と、御島さんは、ビールを飲みながら、笑顔で言った。
(おしまい)