おはようございます。
2月も、もう終わりに近づいてますなー。
速いもんだす。
さて、その時、いつものように午後3時過ぎの事務所の大部屋はどこぞのカフェのように華やいでいました。
「ねえ、御島さん。御島さん的には、「いいオンナ」って、どういう定義だと思いますー?」
と、ミユウちゃんが珈琲を持ちながら、事務所の社長の御島さん(31)に質問しています。
「そうねー。どういうオンナかしらねー」
と、御島さん。目にしていた週刊誌をテーブルに置きます。
「ねえ。男性としてはどう思う?池澤くんは、「いいオンナ」の定義をどう考えてるかしら?」
と、御島さんは目の前に座っている池澤くん(24)に振ります。
「え?「いいオンナ」ですか?えーと、まあ、僕の仕事や生活を支援してくれて一緒に歩いてくれる女性ですかね」
「子供も一緒に育てていきたいし、それの出来るオンナこそ、僕的な「いいオンナ」って感じになりますけど」
と、池澤くん。
「なんか、それって、これから結婚するオトコが奥さんに求めたい事って感じね」
と、辛辣姫ユキちゃん(28)。ココアを飲んでいる。
「でも、わたし、それについて思うんですけど・・・結婚した女性っていつの間にか、旦那とも仲良くなくなるし」
「なんか不満たらたらで、ママ友と愚痴を言いながら、美味しいモノを食べているってイメージがあるんですけど・・・」
「旦那はワンコイン亭主で・・・あれは何が原因なんですか?」
と、ミユウちゃん。
「わたし、巷で女性にいろいろインタビューするんだけど、家での会話が無い夫婦ってすっごく多くて」
「・・・大阪府がその割合が一番多いらしいのね」
と、御島さん。
「え?大阪って、皆、おしゃべりじゃん?おばちゃんは特に・・・」
と、僕。
「それが・・・おばちゃん達は外で好きな人とたくさんしゃべるから、家に帰ってまで、旦那としゃべりたくないんだって」
「外でイケメンの若い兄ちゃんとしゃべっているから、いいんだって」
と、御島さん。
「なるほど。そういうもんなんだ」
と、貴島くん。
「つまり、おばちゃんは旦那が嫌い・・・また話が元に戻っちゃったね」
と、僕。
「なぜ結婚した男女は仲が悪くなるのか?・・・なんか永遠の謎のような気がするな」
と、池澤くん。
「わたし、その答えの鍵になるようなシーンを見たことがあるわ。ほら、ライターの渡辺さん(36)、皆知ってるでしょう?」
と、御島さん。
「ええ。仕事仲間ですよね。フリーライターの先輩。事務所にも、しょっちゅう顔を出していますよね」
と、辛辣姫。
「彼女、ゆるちょくんが大好きなのよ。だから、事務所に来て、ゆるちょくんに出会えて、おしゃべり出来るだけで大感動しちゃうんだって」
「ゆるちょくん、気づいてた?」
と、御島さん。
「え?そうなんですか?僕はてっきり彼女は、皆に愛想いいもんだと・・・」
と、僕。
「その彼女が言ってたの。彼女、子供がいないから、家では話す事が無いって。家では気分が下がるからブスッとしているし」
「なんか疲れちゃうのよねって・・・」
と、御島さん。
「ここにもまた、旦那さんとしゃべる事すらしない女性が・・・」
と、貴島くん。
「わたしは「気分が下がる」・・・って所に鍵があるような気がしたの」
と、御島さん。
「旦那相手だと気分が下がる・・・顔すら見たくないって事かしら?」
と、辛辣姫。
「ひとつには、女性は好意を持つ男性以外は、視界に入れたくないと言う事があると思うのね」
「たとえ旦那と言えど結婚してから10年近く経つと・・・特に理性的なカン違いの恋であれば、その期限は4年だから・・・恋は終わっていると見るべきね」
と、御島さん。
「渡辺さんはゆるちょさんには好意を持っているんだ・・・」
と、ミユウちゃん。
「そういう事ね。恋の相手が変わっちゃっているって事でもあるのね」
と、御島さん。
「うん?答えが簡単に出ちゃったような気がする。女性は常に恋している動物だから、恋の相手が旦那以外に移動してしまうと旦那は本能的な存在としては」
「恋する相手では無いから意味が無い。だから、視界にも入れたくない。だから、しゃべる欲求も無い。だから会話が無い・・・そういう事?」
と、貴島くん。
「あら、簡単にするりと解けたわね」
と、御島さん。
「そう言えば、夫婦の会話って必要最低限の事だって、渡辺さんは言ってたわ。「自分は出かけるから夕食の準備は冷蔵庫にしてある」みたいな事・・・」
と、御島さん。
「結婚と言う契約に沿った仕事はしてると言う事ですね」
と、ユキちゃん。
「わたし、そういう結婚したくないなー」
と、ミユウちゃん。
「御島さーん。どうしたら、そういう結婚しなくて済みますか?そういう砂を噛むような暮らしはしたくないんですー」
と、ミユウちゃん。
「それは恋の種類をちゃんと考える事ね。理性的なカン違いの恋は4年が期限だから、そういう恋はしちゃダメね」
「相手の目に落とされる、本能的な恋・・・その恋に毎日落としてくれるような男性を探して、その男性と恋に落ちなさい。それは子宮が選ぶ恋だから」
「毎日がしあわせになるわ」
と、御島さん。
「なるほど・・・だから、渡辺さんはゆるちょさんに恋をしているんですね」
「ゆるちょさんこそ、「サル山のボス力」で女性を恋に落とすタイプの男性ですからね」
と、辛辣姫。
「ゆるちょさん本人は割りと無自覚に女性を恋に落としていますけどね」
と、辛辣姫。
「いやだって・・・僕は単に素敵な女性の目を見つめて話をしているに過ぎないもの・・・目の笑う笑顔が素敵だなあって思いながら」
と、僕。
「女性の目の笑う笑顔を引き出すって事こそ・・・相手を恋に落としているって事だと思いますけどね」
「女性はそんなに簡単に目の笑う笑顔になりませんもの・・・」
と、辛辣姫。
「ゆるちょさんはそういうあたり、割りと無自覚なんですよね。まあ、それがゆるちょさんのいい所でもありますけど」
と、辛辣姫。
「話を戻そう。結婚した男女が仲が悪くなるのは、二人の恋が理性的な恋だったから、4年で恋の魔法が解け・・・奥さんの恋の対象が」
「旦那以外に移ったから・・・それだけですかね」
と、貴島くん。
「わたしも経験あるけど、恋の魔法が解けると・・・ほんと今まで、何だったんだろうって思うわよね」
と、御島さん。
「僕は経験が無いんで聞きたいんですけど、恋の魔法ってそんなに強力なんですか?」
「どんな気持ちのモノなんです?」
と、池澤くん。
「そうね。有り体に言えば、相手を視界に入れるとココロから嬉しくなって、楽しい気持ちが続くのよ」
「頭の中は相手の事でいっぱいになって、毎日毎時間、相手の事を考えちゃうし、それがまた楽しいの。それが恋ってモノじゃない?」
と、御島さん。
「でも、それも長くは続かないわ。生物学の研究者は「長く持って4年」って言ってる」
「だから大抵の結婚した夫婦は・・・それが理性的な恋の場合だと4年で、関係性は変わるの。結婚と言う契約の元、義務的に過ごす生活と言う事になるのね」
と、御島さん。
「だから、それが嫌なら、女性を本能的な恋に落とせる男性・・・ゆるちょくんみたいに威嚇力の高い相手を結婚相手に選べ・・・そういう話になるのね」、
と、御島さん。
「恋の魔法は時が立てば解けるけど・・・そしたら、新たな恋の魔法をかけて貰えばいい・・・そういう発想ですね?」
と、ユキちゃん。
「そうね。その自身の威嚇力で持って、恋の魔法をかけて貰えばいいのよ。だから威嚇力の無い男性はダメなの。威嚇力は女性の本能に恋の魔法をかけるんだから」
「なかなか解けないし、ね・・・」
と、御島さん。
「で・・・その話をふまえた上で・・・男性にとって、「いいオンナ」の定義はどうなるかしら?」
と、御島さん。
「池澤くんの、仕事や生活を支援してくれて一緒に歩いてくれる女性・・・って実現出来るかしら?だって、もし池澤くんと奥さんが理性的な恋で」
「結ばれるとしたら、4年しか恋は続かないから、その女性からの支援は・・・それ以後、義務化しちゃうわよ」
と、御島さん。
「義務的な生活なんて、ミユウちゃんも指摘してるけど・・・ある意味、地獄だからね」
と、御島さん。
「なるほど・・・と言う事はしあわせな結婚って、男性側にも、もちろん、条件があった・・・という事ですね」
と、貴島くん。
「そうね。男性側の本質・・・威嚇力を持つ事。これって、子供の頃からわかるじゃない。子供の頃から威嚇力の強いオトコもいれば」
「まだまだ弱いけど、威嚇力のある男子・・・このあたりは女子は見抜くのよ。だから、女子が大事にする特別な男子って・・・威嚇力のあるオトコなのね」
と、御島さん。
「それに対して、女子がないがしろにする男子は威嚇力が、からっきし無い男性なの。まあ、勉強しか出来ないような男性ね。だいたいスポーツの出来る男性って」
「毎日、目と目の勝負をしているから、威嚇力が成長してくるのよ。だけど、スポーツもやらず、机の上で勉強するだけとか、読書好きなだけの男子って」
「威嚇力が成長するきっかけすら無いから・・・女子にないがしろにされるし・・・オトナになってもずっと同じって事なのね」
と、御島さん。
「なるほど・・・威嚇力マックスな男性に恋に落とされると女性はしあわせになれる・・・威嚇力の無い男性との恋はしちゃいけない・・・と言う話はわかりましたが」
「女性の方はどうなんです?女性は男性の威嚇力を問題にするように・・・女性のそれは何にあたりますか?」
と、貴島くん。
「それは以前にも指摘した事があるけど・・・抱擁力ね」
と、御島さん。
「女性の母性そのものとも言っていいけど、要は、皆を包み込む、大きな人間性と言ってもいいかしら」
「相手の事をまず考えられて、無私の無性の愛を発揮出来る、大きな人間性を備えた女性こそ・・・無限の抱擁力を持っている女性って事になるわ」
と、御島さん。
「なるほど・・・女性に大切なのは、無私の無限の抱擁力なんだ・・・」
と、僕。
「わたしが嫌いな女性の種類って、人間性が小さくて、精神的に弱くて、まず、自分の事ばかり考えて・・・抱擁力そのものが無い女性・・・」
「そういう女性は、まだ、子供って事だもの。オトナの年齢になって、まだそれって事は毎日の成長が無いって事だもの」
「生活態度そのものから、問題があるわ・・・」
と、御島さん。
「そういう思いになるきっかけってあったんですか」
と、ユキちゃん。
「わたしが体調を崩して、病院に入院してた時、たまたま見かけた風景だけど、20代中盤くらいのお母さんがいつも子供・・・女の子と喧嘩してて・・・同じ土俵で喧嘩しているのよ」
「それは親の態度じゃなかったし、気が小さいからすぐ喧嘩するし、すぐ相手のせいにする。子供かよ!ってツッコミを入れたくなっちゃったわ」
と、御島さん。
「で、その親子、その後、どうなったんです?」
と、ユキちゃん。
「ちょっとした問題を起こして、その街に住めなくなって、西の方に引っ越していったけど、風の噂では、両親が離婚して、女の子は施設に引き取られたって話だったわ」
「それって不幸だもの・・・そうはなりたくないわね」
と、御島さん。
「我ばかり強い女性は必ず不幸になる・・・そんな言葉がありますね」
と、貴島くん。
「そうなのよ。結局、周囲の事も考えない、我ばかりのオンナは、周囲から相手にされなくなって・・・街を離れる以外手がなくなるのね。それは不幸になるわ」
と、御島さん。
「結局、わたしが思うのは、女性も男性も自分たちにしあわせを呼びこむタイプの人間じゃなきゃダメって事なの」
「それはその人達の周囲のコミュニティを笑顔に出来る女性や男性って事になるから、男性なら、皆を笑顔にするムードメーカーだし」
「女性なら、皆に愛されるマドンナ・・・人間性が大きく、精神的に強くて、外見も素敵で、責任感が強くて、頭の回転の速い人達って事になるわね」
「皆から愛されるマドンナやムードメーカーって、そういう人達でしょう?」
と、御島さん。
「「サービス精神旺盛」で、「好奇心旺盛」。そして、「チャレンジングスピリッツが旺盛」な、このオトコマエ3要素エンジンを持った女性と男性って事になるわよね」
「そういう女性や男性が結局、人間性が大きく、精神的に強くて、まず、相手の事を考えられる人間になるんだから」
「そのエンジンを子供の頃から持っているって事が大事になるわ・・・経験的に考えて、ね」
と、御島さん。
「その中でも、女性が一番大事にしなきゃいけないのが、無私の無限の抱擁力ですか」
と、僕。
「ええ。結局、女性は男性や子供達を受け止めてあげる事が大事なのね。その大きな器が大事。その大きな器で皆を受け止められる事が女性としての本質になるから」
「・・・その能力をコツコツ大きくしていく事が女性の成長そのものと言う事になるわ」
と、御島さん。
「だから、女性の魅力は抱擁力そのものと言う事になって・・・その抱擁力の無い女性は魅力が無いって事になって、男性に相手にされない事になるのね」
と、御島さん。
「だいたい女性って・・・「美人は3日で飽きる。ブスは3日で慣れる」って言葉にもあるけど、結局、中身が大事なのよ。女性の外見は確かに大事だけど」
「つきあいだしたら、外見はその人である「記号」に過ぎないもの。大事なのは中身で、もちろん、男性や子供達を受け入れる大きな器・・・抱擁力こそが、魅力になって」
「周囲に愛されるって事になるのね」
と、御島さん。
「じゃあ、「いいオンナ」の定義って、「人間性が大きく、精神的に強くて、皆のマドンナになっている、器の大きい抱擁力マックスな美人な女性」って事になります?」
と、池澤くん。
「そうね。とにかく、まず、周囲の気持ちを考えられる女性がいいわね。それも付け加えてほしいわ」
と、御島さん。
「「いいオンナ」とは「人間性が大きく、精神的にも強くて、周囲の気持ちを考えられる皆のマドンナにして、器の大きい抱擁力マックスな女性」で、どうでしょう?」
と、貴島くん。
「いいわね。そんな所じゃないかしら・・・」
と、御島さんは言葉にすると、お茶をグビリと飲んだ。
夜、事務所の近所のバーに、僕と貴島くん、池澤くんの姿がありました。
「あの・・・いいオンナの定義・・・実際、御島さんそのものの事を言ってましたよね」
と、池澤くん。
「そうだなあ。実際、御島さんは皆のマドンナだし、抱擁力マックスだしな」
と、貴島くん。
「御島さん自身、余程、器の小さい女性が嫌いなんだよ」
「あの話以外に、昔、何かあったんじゃないかな」
と、僕。
「でも、ゆるちょさんも・・・会社員時代から、器の大きいマドンナタイプの既婚の女性に多く恋されたんでしょう?」
と、貴島くん。
「そうだね。その経験があったから、御島さんと最初に出会った時、その良さがすぐにわかって・・・行動を共にする事にしたんじゃないかな」
と、僕。
「人を見抜く目を作るのも・・・何事も経験って事ですね?」
と、池澤くん。
「そういう事だね。経験こそ、宝さ」
と、僕は言葉にすると、マンハッタンをグビリと飲み干した。
(おしまい)
2月も、もう終わりに近づいてますなー。
速いもんだす。
さて、その時、いつものように午後3時過ぎの事務所の大部屋はどこぞのカフェのように華やいでいました。
「ねえ、御島さん。御島さん的には、「いいオンナ」って、どういう定義だと思いますー?」
と、ミユウちゃんが珈琲を持ちながら、事務所の社長の御島さん(31)に質問しています。
「そうねー。どういうオンナかしらねー」
と、御島さん。目にしていた週刊誌をテーブルに置きます。
「ねえ。男性としてはどう思う?池澤くんは、「いいオンナ」の定義をどう考えてるかしら?」
と、御島さんは目の前に座っている池澤くん(24)に振ります。
「え?「いいオンナ」ですか?えーと、まあ、僕の仕事や生活を支援してくれて一緒に歩いてくれる女性ですかね」
「子供も一緒に育てていきたいし、それの出来るオンナこそ、僕的な「いいオンナ」って感じになりますけど」
と、池澤くん。
「なんか、それって、これから結婚するオトコが奥さんに求めたい事って感じね」
と、辛辣姫ユキちゃん(28)。ココアを飲んでいる。
「でも、わたし、それについて思うんですけど・・・結婚した女性っていつの間にか、旦那とも仲良くなくなるし」
「なんか不満たらたらで、ママ友と愚痴を言いながら、美味しいモノを食べているってイメージがあるんですけど・・・」
「旦那はワンコイン亭主で・・・あれは何が原因なんですか?」
と、ミユウちゃん。
「わたし、巷で女性にいろいろインタビューするんだけど、家での会話が無い夫婦ってすっごく多くて」
「・・・大阪府がその割合が一番多いらしいのね」
と、御島さん。
「え?大阪って、皆、おしゃべりじゃん?おばちゃんは特に・・・」
と、僕。
「それが・・・おばちゃん達は外で好きな人とたくさんしゃべるから、家に帰ってまで、旦那としゃべりたくないんだって」
「外でイケメンの若い兄ちゃんとしゃべっているから、いいんだって」
と、御島さん。
「なるほど。そういうもんなんだ」
と、貴島くん。
「つまり、おばちゃんは旦那が嫌い・・・また話が元に戻っちゃったね」
と、僕。
「なぜ結婚した男女は仲が悪くなるのか?・・・なんか永遠の謎のような気がするな」
と、池澤くん。
「わたし、その答えの鍵になるようなシーンを見たことがあるわ。ほら、ライターの渡辺さん(36)、皆知ってるでしょう?」
と、御島さん。
「ええ。仕事仲間ですよね。フリーライターの先輩。事務所にも、しょっちゅう顔を出していますよね」
と、辛辣姫。
「彼女、ゆるちょくんが大好きなのよ。だから、事務所に来て、ゆるちょくんに出会えて、おしゃべり出来るだけで大感動しちゃうんだって」
「ゆるちょくん、気づいてた?」
と、御島さん。
「え?そうなんですか?僕はてっきり彼女は、皆に愛想いいもんだと・・・」
と、僕。
「その彼女が言ってたの。彼女、子供がいないから、家では話す事が無いって。家では気分が下がるからブスッとしているし」
「なんか疲れちゃうのよねって・・・」
と、御島さん。
「ここにもまた、旦那さんとしゃべる事すらしない女性が・・・」
と、貴島くん。
「わたしは「気分が下がる」・・・って所に鍵があるような気がしたの」
と、御島さん。
「旦那相手だと気分が下がる・・・顔すら見たくないって事かしら?」
と、辛辣姫。
「ひとつには、女性は好意を持つ男性以外は、視界に入れたくないと言う事があると思うのね」
「たとえ旦那と言えど結婚してから10年近く経つと・・・特に理性的なカン違いの恋であれば、その期限は4年だから・・・恋は終わっていると見るべきね」
と、御島さん。
「渡辺さんはゆるちょさんには好意を持っているんだ・・・」
と、ミユウちゃん。
「そういう事ね。恋の相手が変わっちゃっているって事でもあるのね」
と、御島さん。
「うん?答えが簡単に出ちゃったような気がする。女性は常に恋している動物だから、恋の相手が旦那以外に移動してしまうと旦那は本能的な存在としては」
「恋する相手では無いから意味が無い。だから、視界にも入れたくない。だから、しゃべる欲求も無い。だから会話が無い・・・そういう事?」
と、貴島くん。
「あら、簡単にするりと解けたわね」
と、御島さん。
「そう言えば、夫婦の会話って必要最低限の事だって、渡辺さんは言ってたわ。「自分は出かけるから夕食の準備は冷蔵庫にしてある」みたいな事・・・」
と、御島さん。
「結婚と言う契約に沿った仕事はしてると言う事ですね」
と、ユキちゃん。
「わたし、そういう結婚したくないなー」
と、ミユウちゃん。
「御島さーん。どうしたら、そういう結婚しなくて済みますか?そういう砂を噛むような暮らしはしたくないんですー」
と、ミユウちゃん。
「それは恋の種類をちゃんと考える事ね。理性的なカン違いの恋は4年が期限だから、そういう恋はしちゃダメね」
「相手の目に落とされる、本能的な恋・・・その恋に毎日落としてくれるような男性を探して、その男性と恋に落ちなさい。それは子宮が選ぶ恋だから」
「毎日がしあわせになるわ」
と、御島さん。
「なるほど・・・だから、渡辺さんはゆるちょさんに恋をしているんですね」
「ゆるちょさんこそ、「サル山のボス力」で女性を恋に落とすタイプの男性ですからね」
と、辛辣姫。
「ゆるちょさん本人は割りと無自覚に女性を恋に落としていますけどね」
と、辛辣姫。
「いやだって・・・僕は単に素敵な女性の目を見つめて話をしているに過ぎないもの・・・目の笑う笑顔が素敵だなあって思いながら」
と、僕。
「女性の目の笑う笑顔を引き出すって事こそ・・・相手を恋に落としているって事だと思いますけどね」
「女性はそんなに簡単に目の笑う笑顔になりませんもの・・・」
と、辛辣姫。
「ゆるちょさんはそういうあたり、割りと無自覚なんですよね。まあ、それがゆるちょさんのいい所でもありますけど」
と、辛辣姫。
「話を戻そう。結婚した男女が仲が悪くなるのは、二人の恋が理性的な恋だったから、4年で恋の魔法が解け・・・奥さんの恋の対象が」
「旦那以外に移ったから・・・それだけですかね」
と、貴島くん。
「わたしも経験あるけど、恋の魔法が解けると・・・ほんと今まで、何だったんだろうって思うわよね」
と、御島さん。
「僕は経験が無いんで聞きたいんですけど、恋の魔法ってそんなに強力なんですか?」
「どんな気持ちのモノなんです?」
と、池澤くん。
「そうね。有り体に言えば、相手を視界に入れるとココロから嬉しくなって、楽しい気持ちが続くのよ」
「頭の中は相手の事でいっぱいになって、毎日毎時間、相手の事を考えちゃうし、それがまた楽しいの。それが恋ってモノじゃない?」
と、御島さん。
「でも、それも長くは続かないわ。生物学の研究者は「長く持って4年」って言ってる」
「だから大抵の結婚した夫婦は・・・それが理性的な恋の場合だと4年で、関係性は変わるの。結婚と言う契約の元、義務的に過ごす生活と言う事になるのね」
と、御島さん。
「だから、それが嫌なら、女性を本能的な恋に落とせる男性・・・ゆるちょくんみたいに威嚇力の高い相手を結婚相手に選べ・・・そういう話になるのね」、
と、御島さん。
「恋の魔法は時が立てば解けるけど・・・そしたら、新たな恋の魔法をかけて貰えばいい・・・そういう発想ですね?」
と、ユキちゃん。
「そうね。その自身の威嚇力で持って、恋の魔法をかけて貰えばいいのよ。だから威嚇力の無い男性はダメなの。威嚇力は女性の本能に恋の魔法をかけるんだから」
「なかなか解けないし、ね・・・」
と、御島さん。
「で・・・その話をふまえた上で・・・男性にとって、「いいオンナ」の定義はどうなるかしら?」
と、御島さん。
「池澤くんの、仕事や生活を支援してくれて一緒に歩いてくれる女性・・・って実現出来るかしら?だって、もし池澤くんと奥さんが理性的な恋で」
「結ばれるとしたら、4年しか恋は続かないから、その女性からの支援は・・・それ以後、義務化しちゃうわよ」
と、御島さん。
「義務的な生活なんて、ミユウちゃんも指摘してるけど・・・ある意味、地獄だからね」
と、御島さん。
「なるほど・・・と言う事はしあわせな結婚って、男性側にも、もちろん、条件があった・・・という事ですね」
と、貴島くん。
「そうね。男性側の本質・・・威嚇力を持つ事。これって、子供の頃からわかるじゃない。子供の頃から威嚇力の強いオトコもいれば」
「まだまだ弱いけど、威嚇力のある男子・・・このあたりは女子は見抜くのよ。だから、女子が大事にする特別な男子って・・・威嚇力のあるオトコなのね」
と、御島さん。
「それに対して、女子がないがしろにする男子は威嚇力が、からっきし無い男性なの。まあ、勉強しか出来ないような男性ね。だいたいスポーツの出来る男性って」
「毎日、目と目の勝負をしているから、威嚇力が成長してくるのよ。だけど、スポーツもやらず、机の上で勉強するだけとか、読書好きなだけの男子って」
「威嚇力が成長するきっかけすら無いから・・・女子にないがしろにされるし・・・オトナになってもずっと同じって事なのね」
と、御島さん。
「なるほど・・・威嚇力マックスな男性に恋に落とされると女性はしあわせになれる・・・威嚇力の無い男性との恋はしちゃいけない・・・と言う話はわかりましたが」
「女性の方はどうなんです?女性は男性の威嚇力を問題にするように・・・女性のそれは何にあたりますか?」
と、貴島くん。
「それは以前にも指摘した事があるけど・・・抱擁力ね」
と、御島さん。
「女性の母性そのものとも言っていいけど、要は、皆を包み込む、大きな人間性と言ってもいいかしら」
「相手の事をまず考えられて、無私の無性の愛を発揮出来る、大きな人間性を備えた女性こそ・・・無限の抱擁力を持っている女性って事になるわ」
と、御島さん。
「なるほど・・・女性に大切なのは、無私の無限の抱擁力なんだ・・・」
と、僕。
「わたしが嫌いな女性の種類って、人間性が小さくて、精神的に弱くて、まず、自分の事ばかり考えて・・・抱擁力そのものが無い女性・・・」
「そういう女性は、まだ、子供って事だもの。オトナの年齢になって、まだそれって事は毎日の成長が無いって事だもの」
「生活態度そのものから、問題があるわ・・・」
と、御島さん。
「そういう思いになるきっかけってあったんですか」
と、ユキちゃん。
「わたしが体調を崩して、病院に入院してた時、たまたま見かけた風景だけど、20代中盤くらいのお母さんがいつも子供・・・女の子と喧嘩してて・・・同じ土俵で喧嘩しているのよ」
「それは親の態度じゃなかったし、気が小さいからすぐ喧嘩するし、すぐ相手のせいにする。子供かよ!ってツッコミを入れたくなっちゃったわ」
と、御島さん。
「で、その親子、その後、どうなったんです?」
と、ユキちゃん。
「ちょっとした問題を起こして、その街に住めなくなって、西の方に引っ越していったけど、風の噂では、両親が離婚して、女の子は施設に引き取られたって話だったわ」
「それって不幸だもの・・・そうはなりたくないわね」
と、御島さん。
「我ばかり強い女性は必ず不幸になる・・・そんな言葉がありますね」
と、貴島くん。
「そうなのよ。結局、周囲の事も考えない、我ばかりのオンナは、周囲から相手にされなくなって・・・街を離れる以外手がなくなるのね。それは不幸になるわ」
と、御島さん。
「結局、わたしが思うのは、女性も男性も自分たちにしあわせを呼びこむタイプの人間じゃなきゃダメって事なの」
「それはその人達の周囲のコミュニティを笑顔に出来る女性や男性って事になるから、男性なら、皆を笑顔にするムードメーカーだし」
「女性なら、皆に愛されるマドンナ・・・人間性が大きく、精神的に強くて、外見も素敵で、責任感が強くて、頭の回転の速い人達って事になるわね」
「皆から愛されるマドンナやムードメーカーって、そういう人達でしょう?」
と、御島さん。
「「サービス精神旺盛」で、「好奇心旺盛」。そして、「チャレンジングスピリッツが旺盛」な、このオトコマエ3要素エンジンを持った女性と男性って事になるわよね」
「そういう女性や男性が結局、人間性が大きく、精神的に強くて、まず、相手の事を考えられる人間になるんだから」
「そのエンジンを子供の頃から持っているって事が大事になるわ・・・経験的に考えて、ね」
と、御島さん。
「その中でも、女性が一番大事にしなきゃいけないのが、無私の無限の抱擁力ですか」
と、僕。
「ええ。結局、女性は男性や子供達を受け止めてあげる事が大事なのね。その大きな器が大事。その大きな器で皆を受け止められる事が女性としての本質になるから」
「・・・その能力をコツコツ大きくしていく事が女性の成長そのものと言う事になるわ」
と、御島さん。
「だから、女性の魅力は抱擁力そのものと言う事になって・・・その抱擁力の無い女性は魅力が無いって事になって、男性に相手にされない事になるのね」
と、御島さん。
「だいたい女性って・・・「美人は3日で飽きる。ブスは3日で慣れる」って言葉にもあるけど、結局、中身が大事なのよ。女性の外見は確かに大事だけど」
「つきあいだしたら、外見はその人である「記号」に過ぎないもの。大事なのは中身で、もちろん、男性や子供達を受け入れる大きな器・・・抱擁力こそが、魅力になって」
「周囲に愛されるって事になるのね」
と、御島さん。
「じゃあ、「いいオンナ」の定義って、「人間性が大きく、精神的に強くて、皆のマドンナになっている、器の大きい抱擁力マックスな美人な女性」って事になります?」
と、池澤くん。
「そうね。とにかく、まず、周囲の気持ちを考えられる女性がいいわね。それも付け加えてほしいわ」
と、御島さん。
「「いいオンナ」とは「人間性が大きく、精神的にも強くて、周囲の気持ちを考えられる皆のマドンナにして、器の大きい抱擁力マックスな女性」で、どうでしょう?」
と、貴島くん。
「いいわね。そんな所じゃないかしら・・・」
と、御島さんは言葉にすると、お茶をグビリと飲んだ。
夜、事務所の近所のバーに、僕と貴島くん、池澤くんの姿がありました。
「あの・・・いいオンナの定義・・・実際、御島さんそのものの事を言ってましたよね」
と、池澤くん。
「そうだなあ。実際、御島さんは皆のマドンナだし、抱擁力マックスだしな」
と、貴島くん。
「御島さん自身、余程、器の小さい女性が嫌いなんだよ」
「あの話以外に、昔、何かあったんじゃないかな」
と、僕。
「でも、ゆるちょさんも・・・会社員時代から、器の大きいマドンナタイプの既婚の女性に多く恋されたんでしょう?」
と、貴島くん。
「そうだね。その経験があったから、御島さんと最初に出会った時、その良さがすぐにわかって・・・行動を共にする事にしたんじゃないかな」
と、僕。
「人を見抜く目を作るのも・・・何事も経験って事ですね?」
と、池澤くん。
「そういう事だね。経験こそ、宝さ」
と、僕は言葉にすると、マンハッタンをグビリと飲み干した。
(おしまい)