おはようございます。
もう、すっかり秋の気配ですね。
昨日、夕方、4時頃、都内をへろへろーっと歩いていたんですが、
もう、すっかり、涼しいの。いやあ、シックな秋へ、季節は移ろい始めているんですね。
さて、その時、僕とイケメン貴島くん(29)、社長の御島さん(31)、辛辣姫ユキちゃん(29)、
若いミユウちゃん(25)は事務所の近所のカジュアルイタリアンで、冷製パスタなど頂きながら、ランチをしておりました。
「あのー、ゆるちょさん、ちょっと聞いてみたいから、聞くんですけど」
「ゆるちょさんって、女性からキスされた数と、女性にキスした数・・・どっちが多いですか?」
と、ミユウちゃんが大胆に聞いてくる。
「は?・・・あのね、ミユウちゃんもなんか誤解しているようだから、言っておくけど」
「僕ね、何を聞いても答えられるような、そんな神様みたいな人間じゃないからね?」
「むしろ、聖人君子の逆側の人間だから、僕は・・・」
と、僕。
「だからこそ、キスの数を聞いているんじゃないですか。わたしの予想だと大学卒業時に」
「自分から恋をするのを辞めたゆるちょさんは、その後の数的には、キスされた数の方が圧倒的に上って試算してるんですけど」
と、過激姫。
「なんの試算だよ・・・でも、そうだなあ、真面目に考えると・・・キスされた数の方が圧倒的に上だなあ」
「だいたい、僕は自分からの恋は禁止しているからね。だから、僕からキスする事は稀だし・・・それを考えると、そういう結論になるね」
と、僕。
「でも、ゆるちょくんは、割りと鷹揚で、交通事故的な瞬間的な恋だったら・・・結構、ウエルカムなんでしょう?」
と、御島さん。
「そうですね。僕は恋する事で、相手に迷惑をかけたくないって発想なだけで・・・お互い、その瞬間だけでもしあわせになれるのなら」
「そういうのは有りだなって思っていますよ」
と、僕。
「どこまでも女性思いのゆるちょくんらしい答えね。結局、相手の女性に迷惑をかけなければ、恋をされても、いいわけだ」
と、御島さん。
「はあ。皆が笑顔になれればいいんじゃないですか?・・・僕はそう思っているだけです」
と、僕。
「ゆるちょくんらしいわ。そういうところ、ゆるちょくんはまだ純粋だもんね・・・」
と、御島さん。
「で、実際、どうなんです?キスの数・・・」
と、ユキちゃん。
「会社に入ってから5年は、僕の暗黒な時間だったから、何もなかったけど」
「それ以後は、サイクリストになった辺りから、女性に恋をされ始めて」
「まあ、いろいろあったけど・・・そこから、キスされる事は増えたかな」
と、僕。
「その時期から、「既婚女子」に恋され始めたんですよね?ゆるちょさんは・・・でも、クソ真面目なゆるちょさんは」
「「既婚女子」相手だと、完全なプラトニック・ラブしかしないから・・・でも、それ以外の恋・・・一夜の恋?的な事も結構あったって事ですか?」
「キスされる事が増えたって言う事は・・・」
と、ユキちゃん。
「うーん、お酒の入った席だといろいろあるんだよ・・・恋した女性は特に積極的に動いてくるから・・・」
と、僕。
「ふ。その気持ちはわかるわ」「そういう事を言ってたんですか」
と、御島さんとユキちゃん。
「まあ、キスされたって事で言えば、ミユウちゃんを抜いた皆さんは・・・僕に関しては、結構、ご存知なはずですが・・・」
と、僕。
「そうね。でも、ゆるちょくんって、時に少年のように純粋で、思わずキスしたくなっちゃう時があるのよ・・・」
「それに、わたしも、ゆるちょくんなら、キスくらい余裕で受け止めてくれると踏んでいる一人だけど・・・」
と、御島さん。
「そうですね。女性からしたら、キスって、相手が受け止めてくれる余裕のある男性だからこそ」
「自分の思いを正直に表現できる・・・そういう行為だと思っているんですよね」
「だって、女性っておしゃべりだし・・・自分から動きたいんですよね・・・だから、素敵な相手なら、キスしちゃう」
「・・・そういう自分を受け止めて欲しいって常に思っているのが女性だし・・・」
と、辛辣姫。
「なるほど・・・キスひとつ取っても、女性には、いろいろな思いがあるんですね」
と、貴島くん。
「でも、確かにゆるちょさんって、かなり老練な言葉を吐いたかと思うと、一方で少年のような純粋さを」
「女性に見せる事があるから・・・女性からすれば、その少年のような純粋さについ、うっとりしちゃうって事は」
「あるかもしれませんね。同じ男性の僕だって、つい・・・その魅力に引き込まれそうになる事がありますからね」
と、貴島くん。
「え?そうなの、貴島くん」
と、僕。
「はい。まあ・・・」
と、少し苦笑する貴島くん。
「わたしは、男性って、どこまでもその純粋さを残している男性こそが、魅力的に見えると思っているんですよ」
「ま、ざっくりな話ですけど、大半の男性って、純粋さを残しているどころか、その逆で、すごく偉そうに」
「「自分は仕事が出来て、エライんだ」的なプレゼンをしてくるんですよ・・・」
「御島さん、ユキさん、そうですよね?」
と、ミユウちゃん。
「そうね。「俺は常に仕事で忙しいんだ。エライだろ」的なプレゼンもあるわよね」
と、御島さん。
「確かにそうですね・・・何でオトコって、女性に「俺はエライんだ」ってプレゼンをしてくるのかしら・・・」
「それって女性からしたら、「何、その上から目線。だいたい仕事が出来るなんて、日本人として当たり前の出来事でしょ」って事になって」
「わたし、すぐにキレちゃうけどね」
と、辛辣姫。
「ユキちゃんは、よくサラリーマン時代、キレてたものね・・・上司に楯突くのは、当たり前って感じだったものね・・・」
と、御島さんはくすくす笑う。
「「上司が部下のやる気を削いでどうすんのよ!」って感じでよく思っていましたから・・・それで・・・」
と、辛辣姫。
「まあ、それは正しいんじゃない?まだ、ユキちゃんがサラリーマンの時代、別の部署で僕が話をしていると」
「「ゆるちょくんは、よくあんな「カミソリおユキ」と仕事が出来るな」なんて言われてたよ」
「「「カミソリおユキ」って江戸時代かよ・・・」って僕は苦笑しながら、当時、よく思っていたけどね・・・」
と、僕。
「まあ、わたしも裏で「カミソリおユキ」って言われていたのは知ってましたけど・・・なんかあの人達、やってる事が」
「おかしいんですよ。「考えなし」だし・・・そもそもそういう男性って魅力が、からきし無いし」
と、ユキちゃん。
「頭の回転も悪いし、気の利いたおしゃべりひとつ出来なくて・・・。そっか。何の魅力も自分に無いのに気づいているから」
「そういう男性は「俺はエライんだ」プレゼンでもしなければ、わたしに対抗できないと思ったのかな」
と、ユキちゃん。
「男性って、そもそも、どんな意識で成長しているんですか?成長しているなら、魅力のひとつも確保しているはずなのに」
「サラリーマンオヤジって、それが無いじゃないですか。頭の回転がそもそも悪いし、発想も貧困。なんか、自分の持っている」
「少ない知識の檻に囚われた、囚人って感じなんですよ。さらに言えば、外見が醜いおっさん・・・」
「口も臭いし、服装はくたびれたスーツに、その辺で買った、だっさい靴・・・おしゃれ要素が皆無だし」
「・・・そもそも女性として、近くに寄りたくない・・・あの人達って、日本社会っていうか、女性を舐めているんですか?」
と、過激姫。
「ミユウちゃんの言いたい事はだいたいわかるわ。女性だったら、まず、外見をおしゃれに綺麗にしていようと言う意識を持つし」
「仕事に使う服だって、清潔感をプレゼンして、一部に女性らしさをプレゼンするようにして、自分なりの良さを」
「表現しようとする。そして、自分の得意分野を徹底的に伸ばして自分の強みにしようって意識で、大人になってくる・・・」
「それが女性よね。周囲に埋もれたくないから、自分の強みを伸ばす・・・それって当然の事よね」
と、御島さん。
「だけど・・・今、自分で話してて気がついたけど、サラリーマンオヤジって・・・それとは逆のあり方で・・・埋もれようとしているんじゃない?」
「会社に埋もれようとしているから、無難なスーツ、無難な靴、おっさん同志タバコを吸うから、口が臭い」
「そして、「長いものには巻かれろ」の意識で生きてきたから、いつしか思考などもしなくなり、「思考停止者」に成り果て」
「発想も貧困になる・・・そう読み解けない?」
と、御島さん。
「それって図星だろうね。すべては、「出る杭は打たれる」=しあわせにはなれない・・・って言う発想で、おっさん達は生きているから」
「そういう結果になると言う事なんじゃない?」
と、貴島くん。
「わたし、前にも言いましたけど、「無難」って事が一番、大ーーーーーっ嫌いなんです。もう吐き気がするくらい」
「わたしは、色気の無い男子が一番嫌いで・・・そういう男性って、女性にキスなんかされないでしょう?」
「だから、わたしは、女性にキスされた時期と数こそ・・・その時のオトコの通信簿の「5」だと思っているんです」
と、ミユウちゃん。
「わたし、キスって・・・「恋とは男性がプレゼンし、女性が相手を決める」っていうゆるちょさんの恋の法則から考えて」
「キスも・・・「キスとは男性がプレゼンし、女性が最大に評価した相手に「合格」を与える行為」」
「「その女性の「合格」キスに対して、男性は「ありがとう」の意味でキスを返す」って考えたんです」
と、ミユウちゃん。
「ほう。ミユウちゃん的「キスの法則」だ」
と、僕。
「だから、ゆるちょさんが、今でも女性にキスを貰っているならば、女性的に評価されている素敵な男性って事が」
「言えるのかなって、思って・・・」
と、少し赤くなりながら、ミユウちゃん。
「だって、そうじゃないですか?女性からキスを貰っている大人の男性って、どれくらいいるんです?」
と、きっとした表情のミユウちゃん。
「なるほど・・・確かに、それはミユウちゃんの言う通りね。若い女性からキスを貰える男性もそうだし」
「大人になっても、若い女性からキスを貰える男性って・・・そのオトコの通信簿の「5」獲得には、意味があるわね」
と、御島さん。
「でも、そーか。キスは女性の評価のしるし、なんだ。その男性を評価するからこそ、女性がキスをする・・・」
「そういう意味では、未だに女性にキスされているゆるちょさんは・・・わたしもキスしてるし、それは当然な事よね」
と、辛辣姫。
「あのさ・・・そのしれっとした言い方は・・・」
と、僕。
「でも、それって、服装や雰囲気である程度わかるわよね・・・キスどころか、視界にすらいれたくないオヤジって」
「そもそもそういう格好をしているもの・・・わたしは真っ先に靴を見るけど・・・だっさい靴、履いてるモノね・・・」
と、御島さん。
「でも、まず、雰囲気ですよ。そういうオヤジって、そもそも女性を近づけない雰囲気を持っている」
「多分、女子がそもそも怖いんですよ。女子と一対一で話したこともないし、何を話せばいいかもわからない」
「・・・そっか。だから、そういうオヤジ達「俺はエライんだ」って言うくらいしか、対抗策がなかったのね」
「・・・それでわたしは、その都度、激怒していたんだ・・・」
と、辛辣姫。
「窮鼠猫を噛む状態だったのね、そういうオヤジ達・・・」
「それくらい、弱いオトコ達だったのよ・・・そういうオヤジ達は・・・ユキちゃんを本気で怖がっていたのよ・・・」
と、御島さん。
「って言う事は何?そういうオトコ達って、社会に出た瞬間、会社組織と言う「長いものには巻かれろ」主義で」
「会社の犬に成り下がるから、無難なスーツ、無難な靴、無難な思考の、無難な人間になってしまうって事?」
「それが「思考停止者」を生む土壌って事?」
と、辛辣姫。
「女性が個を充実させようとがんばっている、その後ろで、男性は忍法「無個性化」をやっていた・・・そういう事?」
と、辛辣姫。
「ふ。そうね。言葉にすると、そういう事になるわね・・・で、それを嫌って、その世界から抜けだしてこれたのが」
「「純思考者」であるわたし達って、事よ。そうか・・・あのなんとも言えない嫌な空間の正体は、「思考停止者」の羊の群れって事だったのね」
と、御島さん。
「そういう男性には、女性は絶対にキスしません。それだけは言えますね・・・」
と、ミユウちゃん。
「「思考停止者」は、自らのしあわせの為の思考を放棄した人間だからね。「純思考者」は自ら及び、その彼の属するコミュニティ全体をしあわせにする為に「思考」を重ねる」
「人間だ。だから・・・まあ、そういう事になるのさ」
と、僕は結論的に言葉にした。
「女性って何故、キスってしたくなるんですかね、御島さん・・・」
と、ミユウちゃん。
「ふ。そうね・・・わたし的に答えるとしたら・・・その男性を見ているとキスしたくて、たまらなくなっちゃうから」
「仕方なく、キスしちゃうって感じかしらね・・・本能のささやきが・・・いつしか無視出来なくなるのよ」
「多分、普段から、その男性を見ていると、無意識的に「キスしたいな」って思っているんだと思うの」
「でも、普段はわたしにだって、理性はあるから・・・」
と、御島さん。
「でも、それって、やっぱり、お酒を飲んだ時よね・・・」
「普段抑えていた思いが・・・解放された気分になって・・・ついキスしてしまう」
「それには、普段、いつも自分の気持ちを受け入れてくれている相手への感謝の気持ちもあるし」
「・・・わたしに出来るのは、キスくらい・・・それ以上もいいけど・・・それはあなたが許さないでしょう?って思いがあるから」
「だから、キスするって行為につながるんじゃない?」
と、御島さん。
「それっていずれにしろ、普段から、自分の思いが、その男性に向いているって事が前提条件になりますよね」
「わたしのこころのベクトルが、その男性に向いているから・・・そういうカタチにまで、なっているから」
「・・・その気持ちを伝えたくって、キスって手段に出る・・・わたしは、そういう解釈かな」
と、辛辣姫。
「あとね、わたしが考えているのは・・・そういう男性って、人間性が大きいから、一緒にいるだけで、その男性にやさしく包まれているように感じるのよ・・・」
「だから、本能から嬉しくなって・・・わたしに出来る事なら、何でもしてあげたくなっちゃうから・・・キスしちゃうのよ・・・」
「わたしに出来る事はこれくらい・・・でも、あなたに感謝しているの・・・あなたの横にいるだけで、わたしはこんなにも嬉しいの・・・」
「・・・そんなわたしの素直な思いを相手に伝えたいのね・・・」
と、御島さん。
「そうですよね。自分の特別な思いを相手に伝えたい・・・思いを馳せる相手だからこそ、キスしたくなるんですよね・・・」
と、過激姫。
「いずれにしても、それって、まごころですよね。まごころをあなたに・・・そういう思いが相手の男性へあるから」
「女性はキスしちゃうんだ・・・」
と、辛辣姫が話をまとめた。
「それ聞くと、なんとなく、わかってくるのは、素敵な男性には、女性のこころのベクトルが向かっていくけど」
「ダメなオヤジは、最初から、女性の存在をシャットアウトしている。だから、女性のこころのベクトルも向かう事は一切ない」
「そういう話なんじゃない?」
と、御島さんが、言った。
「それにそういう男性は人間性が小さいんですよ。むしろ、わたし達女性の方が人間的に大きいし、精神的に強くなっているから」
「男性達は本能的に恐怖を覚えて・・・わたし達、成長した女性から、逃げている・・・そういう事ですよ」
「・・・わたしがいつも激怒していた理由がようやくわかったわ・・・」
と、辛辣姫。
「成長できたオトコは、女性に愛されるけど、人間性的に小さいまま、精神的にも弱いままのダメな男性は、成長した女性から、蛇蝎の如く嫌われるって事かしら」
と、御島さんはわかりやすく言葉にした。
「いずれにしろ、大人の男性になって、オトコの通信簿が、「5」になっている、キスされる男性こそ」
「わたし達が、好きになるべき、大人のオトコって、事になりますね」
と、過激姫は、結論的に言い抜いた。
「だってさ・・・」「がんばりましょう、僕らも」
と、僕と、貴島くんは、パスタを食べながら、小さい声で言葉にした。
「でも・・・ゆるちょくんのキスって、結構、甘くって、やさしくて、とろけそうで、素敵よね。やっぱり経験が豊富だから、上手いって事なの?」
と、御島さん。
「はあ?・・・な、何、何、何を言ってるんですか、御島さん。まだ、昼間っすよ・・・」
と、僕はわかりやすく取り乱した。
(おしまい)
もう、すっかり秋の気配ですね。
昨日、夕方、4時頃、都内をへろへろーっと歩いていたんですが、
もう、すっかり、涼しいの。いやあ、シックな秋へ、季節は移ろい始めているんですね。
さて、その時、僕とイケメン貴島くん(29)、社長の御島さん(31)、辛辣姫ユキちゃん(29)、
若いミユウちゃん(25)は事務所の近所のカジュアルイタリアンで、冷製パスタなど頂きながら、ランチをしておりました。
「あのー、ゆるちょさん、ちょっと聞いてみたいから、聞くんですけど」
「ゆるちょさんって、女性からキスされた数と、女性にキスした数・・・どっちが多いですか?」
と、ミユウちゃんが大胆に聞いてくる。
「は?・・・あのね、ミユウちゃんもなんか誤解しているようだから、言っておくけど」
「僕ね、何を聞いても答えられるような、そんな神様みたいな人間じゃないからね?」
「むしろ、聖人君子の逆側の人間だから、僕は・・・」
と、僕。
「だからこそ、キスの数を聞いているんじゃないですか。わたしの予想だと大学卒業時に」
「自分から恋をするのを辞めたゆるちょさんは、その後の数的には、キスされた数の方が圧倒的に上って試算してるんですけど」
と、過激姫。
「なんの試算だよ・・・でも、そうだなあ、真面目に考えると・・・キスされた数の方が圧倒的に上だなあ」
「だいたい、僕は自分からの恋は禁止しているからね。だから、僕からキスする事は稀だし・・・それを考えると、そういう結論になるね」
と、僕。
「でも、ゆるちょくんは、割りと鷹揚で、交通事故的な瞬間的な恋だったら・・・結構、ウエルカムなんでしょう?」
と、御島さん。
「そうですね。僕は恋する事で、相手に迷惑をかけたくないって発想なだけで・・・お互い、その瞬間だけでもしあわせになれるのなら」
「そういうのは有りだなって思っていますよ」
と、僕。
「どこまでも女性思いのゆるちょくんらしい答えね。結局、相手の女性に迷惑をかけなければ、恋をされても、いいわけだ」
と、御島さん。
「はあ。皆が笑顔になれればいいんじゃないですか?・・・僕はそう思っているだけです」
と、僕。
「ゆるちょくんらしいわ。そういうところ、ゆるちょくんはまだ純粋だもんね・・・」
と、御島さん。
「で、実際、どうなんです?キスの数・・・」
と、ユキちゃん。
「会社に入ってから5年は、僕の暗黒な時間だったから、何もなかったけど」
「それ以後は、サイクリストになった辺りから、女性に恋をされ始めて」
「まあ、いろいろあったけど・・・そこから、キスされる事は増えたかな」
と、僕。
「その時期から、「既婚女子」に恋され始めたんですよね?ゆるちょさんは・・・でも、クソ真面目なゆるちょさんは」
「「既婚女子」相手だと、完全なプラトニック・ラブしかしないから・・・でも、それ以外の恋・・・一夜の恋?的な事も結構あったって事ですか?」
「キスされる事が増えたって言う事は・・・」
と、ユキちゃん。
「うーん、お酒の入った席だといろいろあるんだよ・・・恋した女性は特に積極的に動いてくるから・・・」
と、僕。
「ふ。その気持ちはわかるわ」「そういう事を言ってたんですか」
と、御島さんとユキちゃん。
「まあ、キスされたって事で言えば、ミユウちゃんを抜いた皆さんは・・・僕に関しては、結構、ご存知なはずですが・・・」
と、僕。
「そうね。でも、ゆるちょくんって、時に少年のように純粋で、思わずキスしたくなっちゃう時があるのよ・・・」
「それに、わたしも、ゆるちょくんなら、キスくらい余裕で受け止めてくれると踏んでいる一人だけど・・・」
と、御島さん。
「そうですね。女性からしたら、キスって、相手が受け止めてくれる余裕のある男性だからこそ」
「自分の思いを正直に表現できる・・・そういう行為だと思っているんですよね」
「だって、女性っておしゃべりだし・・・自分から動きたいんですよね・・・だから、素敵な相手なら、キスしちゃう」
「・・・そういう自分を受け止めて欲しいって常に思っているのが女性だし・・・」
と、辛辣姫。
「なるほど・・・キスひとつ取っても、女性には、いろいろな思いがあるんですね」
と、貴島くん。
「でも、確かにゆるちょさんって、かなり老練な言葉を吐いたかと思うと、一方で少年のような純粋さを」
「女性に見せる事があるから・・・女性からすれば、その少年のような純粋さについ、うっとりしちゃうって事は」
「あるかもしれませんね。同じ男性の僕だって、つい・・・その魅力に引き込まれそうになる事がありますからね」
と、貴島くん。
「え?そうなの、貴島くん」
と、僕。
「はい。まあ・・・」
と、少し苦笑する貴島くん。
「わたしは、男性って、どこまでもその純粋さを残している男性こそが、魅力的に見えると思っているんですよ」
「ま、ざっくりな話ですけど、大半の男性って、純粋さを残しているどころか、その逆で、すごく偉そうに」
「「自分は仕事が出来て、エライんだ」的なプレゼンをしてくるんですよ・・・」
「御島さん、ユキさん、そうですよね?」
と、ミユウちゃん。
「そうね。「俺は常に仕事で忙しいんだ。エライだろ」的なプレゼンもあるわよね」
と、御島さん。
「確かにそうですね・・・何でオトコって、女性に「俺はエライんだ」ってプレゼンをしてくるのかしら・・・」
「それって女性からしたら、「何、その上から目線。だいたい仕事が出来るなんて、日本人として当たり前の出来事でしょ」って事になって」
「わたし、すぐにキレちゃうけどね」
と、辛辣姫。
「ユキちゃんは、よくサラリーマン時代、キレてたものね・・・上司に楯突くのは、当たり前って感じだったものね・・・」
と、御島さんはくすくす笑う。
「「上司が部下のやる気を削いでどうすんのよ!」って感じでよく思っていましたから・・・それで・・・」
と、辛辣姫。
「まあ、それは正しいんじゃない?まだ、ユキちゃんがサラリーマンの時代、別の部署で僕が話をしていると」
「「ゆるちょくんは、よくあんな「カミソリおユキ」と仕事が出来るな」なんて言われてたよ」
「「「カミソリおユキ」って江戸時代かよ・・・」って僕は苦笑しながら、当時、よく思っていたけどね・・・」
と、僕。
「まあ、わたしも裏で「カミソリおユキ」って言われていたのは知ってましたけど・・・なんかあの人達、やってる事が」
「おかしいんですよ。「考えなし」だし・・・そもそもそういう男性って魅力が、からきし無いし」
と、ユキちゃん。
「頭の回転も悪いし、気の利いたおしゃべりひとつ出来なくて・・・。そっか。何の魅力も自分に無いのに気づいているから」
「そういう男性は「俺はエライんだ」プレゼンでもしなければ、わたしに対抗できないと思ったのかな」
と、ユキちゃん。
「男性って、そもそも、どんな意識で成長しているんですか?成長しているなら、魅力のひとつも確保しているはずなのに」
「サラリーマンオヤジって、それが無いじゃないですか。頭の回転がそもそも悪いし、発想も貧困。なんか、自分の持っている」
「少ない知識の檻に囚われた、囚人って感じなんですよ。さらに言えば、外見が醜いおっさん・・・」
「口も臭いし、服装はくたびれたスーツに、その辺で買った、だっさい靴・・・おしゃれ要素が皆無だし」
「・・・そもそも女性として、近くに寄りたくない・・・あの人達って、日本社会っていうか、女性を舐めているんですか?」
と、過激姫。
「ミユウちゃんの言いたい事はだいたいわかるわ。女性だったら、まず、外見をおしゃれに綺麗にしていようと言う意識を持つし」
「仕事に使う服だって、清潔感をプレゼンして、一部に女性らしさをプレゼンするようにして、自分なりの良さを」
「表現しようとする。そして、自分の得意分野を徹底的に伸ばして自分の強みにしようって意識で、大人になってくる・・・」
「それが女性よね。周囲に埋もれたくないから、自分の強みを伸ばす・・・それって当然の事よね」
と、御島さん。
「だけど・・・今、自分で話してて気がついたけど、サラリーマンオヤジって・・・それとは逆のあり方で・・・埋もれようとしているんじゃない?」
「会社に埋もれようとしているから、無難なスーツ、無難な靴、おっさん同志タバコを吸うから、口が臭い」
「そして、「長いものには巻かれろ」の意識で生きてきたから、いつしか思考などもしなくなり、「思考停止者」に成り果て」
「発想も貧困になる・・・そう読み解けない?」
と、御島さん。
「それって図星だろうね。すべては、「出る杭は打たれる」=しあわせにはなれない・・・って言う発想で、おっさん達は生きているから」
「そういう結果になると言う事なんじゃない?」
と、貴島くん。
「わたし、前にも言いましたけど、「無難」って事が一番、大ーーーーーっ嫌いなんです。もう吐き気がするくらい」
「わたしは、色気の無い男子が一番嫌いで・・・そういう男性って、女性にキスなんかされないでしょう?」
「だから、わたしは、女性にキスされた時期と数こそ・・・その時のオトコの通信簿の「5」だと思っているんです」
と、ミユウちゃん。
「わたし、キスって・・・「恋とは男性がプレゼンし、女性が相手を決める」っていうゆるちょさんの恋の法則から考えて」
「キスも・・・「キスとは男性がプレゼンし、女性が最大に評価した相手に「合格」を与える行為」」
「「その女性の「合格」キスに対して、男性は「ありがとう」の意味でキスを返す」って考えたんです」
と、ミユウちゃん。
「ほう。ミユウちゃん的「キスの法則」だ」
と、僕。
「だから、ゆるちょさんが、今でも女性にキスを貰っているならば、女性的に評価されている素敵な男性って事が」
「言えるのかなって、思って・・・」
と、少し赤くなりながら、ミユウちゃん。
「だって、そうじゃないですか?女性からキスを貰っている大人の男性って、どれくらいいるんです?」
と、きっとした表情のミユウちゃん。
「なるほど・・・確かに、それはミユウちゃんの言う通りね。若い女性からキスを貰える男性もそうだし」
「大人になっても、若い女性からキスを貰える男性って・・・そのオトコの通信簿の「5」獲得には、意味があるわね」
と、御島さん。
「でも、そーか。キスは女性の評価のしるし、なんだ。その男性を評価するからこそ、女性がキスをする・・・」
「そういう意味では、未だに女性にキスされているゆるちょさんは・・・わたしもキスしてるし、それは当然な事よね」
と、辛辣姫。
「あのさ・・・そのしれっとした言い方は・・・」
と、僕。
「でも、それって、服装や雰囲気である程度わかるわよね・・・キスどころか、視界にすらいれたくないオヤジって」
「そもそもそういう格好をしているもの・・・わたしは真っ先に靴を見るけど・・・だっさい靴、履いてるモノね・・・」
と、御島さん。
「でも、まず、雰囲気ですよ。そういうオヤジって、そもそも女性を近づけない雰囲気を持っている」
「多分、女子がそもそも怖いんですよ。女子と一対一で話したこともないし、何を話せばいいかもわからない」
「・・・そっか。だから、そういうオヤジ達「俺はエライんだ」って言うくらいしか、対抗策がなかったのね」
「・・・それでわたしは、その都度、激怒していたんだ・・・」
と、辛辣姫。
「窮鼠猫を噛む状態だったのね、そういうオヤジ達・・・」
「それくらい、弱いオトコ達だったのよ・・・そういうオヤジ達は・・・ユキちゃんを本気で怖がっていたのよ・・・」
と、御島さん。
「って言う事は何?そういうオトコ達って、社会に出た瞬間、会社組織と言う「長いものには巻かれろ」主義で」
「会社の犬に成り下がるから、無難なスーツ、無難な靴、無難な思考の、無難な人間になってしまうって事?」
「それが「思考停止者」を生む土壌って事?」
と、辛辣姫。
「女性が個を充実させようとがんばっている、その後ろで、男性は忍法「無個性化」をやっていた・・・そういう事?」
と、辛辣姫。
「ふ。そうね。言葉にすると、そういう事になるわね・・・で、それを嫌って、その世界から抜けだしてこれたのが」
「「純思考者」であるわたし達って、事よ。そうか・・・あのなんとも言えない嫌な空間の正体は、「思考停止者」の羊の群れって事だったのね」
と、御島さん。
「そういう男性には、女性は絶対にキスしません。それだけは言えますね・・・」
と、ミユウちゃん。
「「思考停止者」は、自らのしあわせの為の思考を放棄した人間だからね。「純思考者」は自ら及び、その彼の属するコミュニティ全体をしあわせにする為に「思考」を重ねる」
「人間だ。だから・・・まあ、そういう事になるのさ」
と、僕は結論的に言葉にした。
「女性って何故、キスってしたくなるんですかね、御島さん・・・」
と、ミユウちゃん。
「ふ。そうね・・・わたし的に答えるとしたら・・・その男性を見ているとキスしたくて、たまらなくなっちゃうから」
「仕方なく、キスしちゃうって感じかしらね・・・本能のささやきが・・・いつしか無視出来なくなるのよ」
「多分、普段から、その男性を見ていると、無意識的に「キスしたいな」って思っているんだと思うの」
「でも、普段はわたしにだって、理性はあるから・・・」
と、御島さん。
「でも、それって、やっぱり、お酒を飲んだ時よね・・・」
「普段抑えていた思いが・・・解放された気分になって・・・ついキスしてしまう」
「それには、普段、いつも自分の気持ちを受け入れてくれている相手への感謝の気持ちもあるし」
「・・・わたしに出来るのは、キスくらい・・・それ以上もいいけど・・・それはあなたが許さないでしょう?って思いがあるから」
「だから、キスするって行為につながるんじゃない?」
と、御島さん。
「それっていずれにしろ、普段から、自分の思いが、その男性に向いているって事が前提条件になりますよね」
「わたしのこころのベクトルが、その男性に向いているから・・・そういうカタチにまで、なっているから」
「・・・その気持ちを伝えたくって、キスって手段に出る・・・わたしは、そういう解釈かな」
と、辛辣姫。
「あとね、わたしが考えているのは・・・そういう男性って、人間性が大きいから、一緒にいるだけで、その男性にやさしく包まれているように感じるのよ・・・」
「だから、本能から嬉しくなって・・・わたしに出来る事なら、何でもしてあげたくなっちゃうから・・・キスしちゃうのよ・・・」
「わたしに出来る事はこれくらい・・・でも、あなたに感謝しているの・・・あなたの横にいるだけで、わたしはこんなにも嬉しいの・・・」
「・・・そんなわたしの素直な思いを相手に伝えたいのね・・・」
と、御島さん。
「そうですよね。自分の特別な思いを相手に伝えたい・・・思いを馳せる相手だからこそ、キスしたくなるんですよね・・・」
と、過激姫。
「いずれにしても、それって、まごころですよね。まごころをあなたに・・・そういう思いが相手の男性へあるから」
「女性はキスしちゃうんだ・・・」
と、辛辣姫が話をまとめた。
「それ聞くと、なんとなく、わかってくるのは、素敵な男性には、女性のこころのベクトルが向かっていくけど」
「ダメなオヤジは、最初から、女性の存在をシャットアウトしている。だから、女性のこころのベクトルも向かう事は一切ない」
「そういう話なんじゃない?」
と、御島さんが、言った。
「それにそういう男性は人間性が小さいんですよ。むしろ、わたし達女性の方が人間的に大きいし、精神的に強くなっているから」
「男性達は本能的に恐怖を覚えて・・・わたし達、成長した女性から、逃げている・・・そういう事ですよ」
「・・・わたしがいつも激怒していた理由がようやくわかったわ・・・」
と、辛辣姫。
「成長できたオトコは、女性に愛されるけど、人間性的に小さいまま、精神的にも弱いままのダメな男性は、成長した女性から、蛇蝎の如く嫌われるって事かしら」
と、御島さんはわかりやすく言葉にした。
「いずれにしろ、大人の男性になって、オトコの通信簿が、「5」になっている、キスされる男性こそ」
「わたし達が、好きになるべき、大人のオトコって、事になりますね」
と、過激姫は、結論的に言い抜いた。
「だってさ・・・」「がんばりましょう、僕らも」
と、僕と、貴島くんは、パスタを食べながら、小さい声で言葉にした。
「でも・・・ゆるちょくんのキスって、結構、甘くって、やさしくて、とろけそうで、素敵よね。やっぱり経験が豊富だから、上手いって事なの?」
と、御島さん。
「はあ?・・・な、何、何、何を言ってるんですか、御島さん。まだ、昼間っすよ・・・」
と、僕はわかりやすく取り乱した。
(おしまい)