「ゆるちょ・インサウスティ!」の「海の上の入道雲」

楽しいおしゃべりと、真実の追求をテーマに、楽しく歩いていきます。

ギリシャ神話の最高神ゼウスが魔法をかけたから!

2015年07月01日 | 時事ネタ

さて、その時、僕とイケメン貴島くん、社長の御島さん、辛辣姫ユキちゃんは近所の日本料理屋で、お昼を頂いておりました。

「やっぱり、ここの親子丼は最高だわ。卵がふるふるで美味しいし、鶏肉の味もしっかりしているし」

「ほんと、女性として、しあわせ感じるわ・・・」

と、御島さんは笑顔。

「やっぱりオトコは昼は、がっつり、かつ丼って感じですかね。うん、だしの味が美味しい」

と、貴島くん。

「わたしはお野菜が好きなので、野菜天丼・・・野菜の天麩羅って、やっぱり、美味しいです・・・」

と、ユキちゃんもご満悦。

「いや、この店のカレー丼は、お蕎麦屋さんのカレーな感じで・・・この黄色い感じと、この和風だしのきいたカレーの味、好きだなあ。米が美味しい」

と、僕。


「しかし、このところのギリシャ情勢を見ていると」

「・・・「チプラス政権を国民が選んだ段階でギリシャのデフォルトは時間の問題に入った」ってゆるちょくんは言ってたけど」

「なんか、それが現実化してきそうで怖いわ」

と、御島さん。

「ギリシャは先進国だってニュースで言ってたけど、本当なんですかね?」

「なんだか、インタビューでも、「ギリシャ国民は誇り高い国民だから妥協はしない」とか言ってて」

「なんだか、「このまま就職したら負けだと思うんです」って言う、プーの人間が言うレトリックとそっくりの「問題点のすり替え」しか出来ない人達で」

「結局、遊ぶことしか出来ない、それでいて、責任は拒否するダメオトコみたいな、キリギリスそのものな国民性なんですよね」

「ギリシャって」

と、辛辣姫。

「ま、カネを借りておいて、それが返せないなんて、人間としての尊厳以前の問題ですよ」

「だって、それって盗っ人って事ですからね」

と、貴島くん。

「ギリシャを擬人化したとすれば・・・人に迷惑をかけても、なんとも思わず、人のカネで遊んでいるダメな奴って」

「そんな感じですかね」

と、僕。

「でもさー。以前、ギリシャがデフォルトになれば、負のドミノ倒しが始まるって、ゆるちょくん言ってたわよね?」

「次はイタリア、その次はスペインみたいになって・・・ユーロ圏そのものがメタメタになって、アメリカにもそれが波及して」

「「イスラム国」が勢力をさらに伸ばす事になるかもしれない・・・そんな風に言ってたわよ」

と、御島さん。

「いや、それは可能性の推測と言うモノです。僕は子供の頃から、まず、最悪を想定してから、それをどう回避出来るか」

「その道を探るような推測を広げて・・・生きてきましたから・・・その癖でまず、最悪を考えちゃうんですよね」

と、僕。

「ただ、このニュース、日本人は対岸の火事みたいな意識で見ている気がしますけど、これ、日本人の税金が数千億円規模で消えてしまうって事なんですけどね?」

と、僕。

「え、どういう事ですか?だって日本とギリシャって、そんなに関係が無いはずじゃあ・・・」

「日本が持っているギリシャの国債も10数億円程度しかないって、朝のニュースで解説していましたよ」

と、貴島くん。

「いや、これ、細かく説明するとさ、そもそもギリシャの債務って、40数兆円あるんだけど、それはIMF(国際通貨基金)とかECB「ヨーロッパ中央銀行」とか」

「他にもいろいろ、そういう公的機関に借りまくっているわけ。もう完全に借金でクビの回らなくなった人状態なわけ」

「で、その仲間のギリシャくんが可哀想だからって言って、ドイツのメルケルくんが旗振り役になって借金を返せるようにユーロでお金を支援してたわけ」

「それはそもそもドイツの民間の銀行とかが10兆円規模でギリシャの国債を引き受けていたからなんだよね」

と、僕。

「そうか。ギリシャをつぶしてしまったら、国債なんて単なる紙くずになるから・・・ドイツの銀行が破綻しかねないから」

「メルケルさんは、ドイツの銀行を守るために仕方なく、ギリシャくんを支援したんですね」

と、貴島くん

「そういうこと。で、今日中にギリシャくんは、2200億円をIMFに返さないと債務不履行・・・いわゆるデフォルトになるって話なわけ」

「でも、これ、今日は2200億円で済むけど、明日以降、さらにドンドン返していかないといけないわけで」

「まあ、もし、ギリシャがIMFに2200億円返さなかったら・・・債務不履行になって・・・IMFがギリシャに貸してたお金が焦げ付くって話になって」

「それは確か、全額で10兆円以上あるわけで・・・ここが重要なんだけど、IMFにお金を出している二位の位置にいるのが、日本なのよ」

「まあ、8%かなんかの額を引き受けているわけだから、10兆円の8%って言ったら、8000億円?・・・まあ、正確じゃないけど」

「日本人の税金がその規模でふっ飛ぶって話なわけ。そこを日本人は考えないといけないわけよ。それをわかってこのニュースは受け止めなければいけないわけ」

と、僕。

「えー。それって知っている日本人、絶対少ないっすよ。つーか、なんでそこを報道しないんだろ」

「だいたいギリシャくん確信犯的ですよね。このチプラスってオヤジ、こんだけ借りてたら、絶対借金、返す気ないでしょう?」

と、貴島くん。

「うん。彼が首相になる時に彼の中には、もうシナリオは出来上がっていたはずだよ」

「つまり、彼は借りられるだけ借りて、デフォルトに陥ったら、「ま、しゃーないよね」って言う気満々だったんだよ」

と、僕。

「え、でも、ユーロからの支援を受けられなかったら、ギリシャくんは今後困るんじゃないの?」

「国民の生活とか、どうするつもりなの?チプラスは!」

と、御島さん。

「いや、国が支援を受けられなくても、相手は公的機関だから、なんとか言い訳をして借金をゼロにして貰うと言う腹なんだよ、チプラスは」

と、僕。

「えー?だって、そんな事出来るの?」

と、御島さん。

「まあ、チプラスはドイツのメルケルさんが、10兆円かけて、ギリシャくんを支援してくれたからには」

「その10兆円をただドブに捨てる事はないだろうと踏んでいるわけさ。つまり、ギリシャくんの公的機関への借金をゼロにしてくれるよう」

「メルケルくんも一緒に頼んでくれるだろうって考えているってわけ」

と、僕。

「でも、デフォルトになってしまったら、国民の生活は維持出来るんですか?」

「だって、日々の生活さえ、困難みたいなイメージが見えてきていますけど・・・」

と、ユキちゃん。

「あのね。今、ギリシャくんの国民達が銀行からお金・・・ユーロを引き出しているけどさ、あれってECBがギリシャ中央銀行を通じて」

「各銀行に貸し付けているお金なんだよね、実質的に。まあ、もちろん、カタチとしては預金のある人間だけが」

「お金を引き出せるわけだけど、実質、そのユーロはECBのモノなの。だから、ECB及び、メルケルさんが」

「「しゃーねーな。じゃ、ギリシャくんの為に借金棒引きするか」って決めてくれるのを待っているのが、チプラスくんってそういう話なんだよ」

と、僕。

「えー。それ信じられない。って言うか、デフォルトで、政府に対するお金の支援は止まるけど、民間の支援は続くから、民間の銀行にはお金が入ってきて」

「それでギリシャ国民の生活は担保されるってそういう話ですか?」

と、ユキちゃん。

「有り体に言えば、そういう事。だから、ギリシャ政府も、やばくなったら、民間の銀行から金借りちゃえばいいじゃん・・・くらいに思ってるみたいだし」

と、僕。

「なんですか、それ!ちょっと発想がひどすぎませんか?」

と、ユキちゃん。

「だって、実際、ギリシャくんがデフォルトになっても、困るのは、お金を貸した側なんだよね」

「しかも、ギリシャくんは頭がいいから、外国の公的機関からカネを借りまくっただけだから、デフォルトしても焦げ付いて損をするのは外国人なんだよね」

「さらに言えば、国債だって、外国人が買ってるんだから、損をするのは外国人。ギリシャ人は特に何の被害も無いって、そういう話になるわけ」

と、僕。

「え、でも、それ何かおかしい。貸した側が被害を受けて、借りた側は何の被害もなく、むしろ、借金棒引き出来て、ルンルンなんて」

「絶対にあり得ない・・・」

と、辛辣姫が憤っています。

「だから、少しでもカネを返して欲しい外国人達は・・・ギリシャくんに悪い事が出来なくなるわけよ」

「それをチプラスは有効利用しようとしていて・・・まあ、借金棒引きでなくても、かなり減額して貰って、現実的に返せる額にまで、落とすって」

「事くらいはやるんじゃないの。それでおいてまた、お金を借りたりとか、まあ、むちゃくちゃやるつもりなんだよ。チプラスは」

と、僕。

「えー・・・・その倫理観、まるで理解出来ない」

と、辛辣姫。

「実際、ギリシャは外交カードも切ってきていて、今、現在、ヨーロッパの仮想敵国になっているロシアとも話し合いを持っているし」

「中国とも話し合いを持っている。つまり、ヨーロッパ側に対して、「ギリシャを敵に回すような事はよした方がいいんじゃない?」外交もしてるってわけさ」

「ユーロ側からすれば、一枚岩でロシアに対峙しようとしている矢先・・・ギリシャがロシア側に願えれば、軍事的にも大問題になるからね」

と、僕。

「ギリシャって狡猾・・・侮れませんね」

と、辛辣姫。

「ま、結論的に言えば、最初からカネを返す気なんて一切なかったギリシャと言う国に肩入れしたメルケルくんに問題があったと言う事になるんだろうね」

「ユーロの信用の担保はドイツのメルケルくんが担っていたわけだから・・・それがメルケルくんの責任論になると・・・結構こじれると思うよ」

と、僕。

「と、言う事はIMFを始めとした外国の機関は、最初からカネを返す気のなかったギリシャくんと、その信用の担保になったメルケルくん連合に」

「騙されたって事になるんですか?」

と、貴島くん。

「結果的には、そうなるけどね・・・ユーロの基本理念が甘かったと言う事になるだろうね」

と、僕。

「でも、そもそもユーロの基本理念って、お互いが少しずつパンを持ち寄って共同して繁栄していこうと言う」

「キリスト教が持つ「共存共栄」の理念が下敷きになっているはずなんですけど・・・」

と、貴島くん。

「コミュニティを担えば・・・そこに必ず格差が生じる。優等生であるドイツと劣等生であるギリシャ」

「それは遺伝子の格差でもあるんですね。ドイツにすれば、お金を稼いでも、ギリシャに使われちゃうんだから」

「いい気はしないでしょうね」

と、辛辣姫。

「まんま、アリとキリギリスの寓話通りだよ。結局、「共存共栄」なんて、彼らにとっては夢物語だったんだと言う事になって」

「ユーロの概念そのものが揺らいでいるよ。もっとも現実に則した統治システムでなければ、破綻するのは当たり前だけどね」

と、僕。

「「金持ちけんかせず」のコミュニティにしたら、よかったのかしら。ちゃんとお金を稼げるコミュニティだけを」

「そのメンバーにすればよかったのよ。つまり、ギリシャをユーロに入れたのが最初から間違いだったって」

「そういう結果になっちゃうじゃない?ユーロの概念が甘すぎたのね」

と、御島さん。

「昔、小学校で「徒競走をしない」なんて所があったじゃない?「人間に格差は無い、平等だ」と言う教育をするために」

「徒競走さえさせない学校なんて、わたし的には、絶対あり得なかったけど・・・結果、その小学生達は中学に入って」

「泡を食った・・・だって、「人間に格差はない、平等だ」と教えこまれた小学生達は、勉強なんてしなかった」

「もちろん、その間、遊んでばかりでのびのびと大きくなったけど、そのつけは中学に入って払う事になって」

「その子達の学力に合わせて授業をせざるを得なかった学校側では、学力テストの平均点が著しく下がって・・・」

「周囲の普通に勉強してきた中学生の学力も下がる事になって・・・他人に迷惑ばかりかける存在になって、問題になった」

「・・・って言う話になんとなく似てるわね」

と、御島さん。

「実際は、5人並んで手をつないで、50メートルを走り切って笑顔でゴールする・・・みたいな話だったような気がするね」

「なんか、そうなるともう、気持ち悪い儀式だよ。そんな事させられて洗脳された子供達が可愛そうだよ」

と、僕。

「それは小学校教師の自己満足だったんですね。「人間に格差はない、平等だ」・・・そんな現実を知らないのか」

「知っていて、オナニーしてたのか。それって小学校の教師達による子供に対するモラルハラスメントそのものじゃないですか。ある意味、虐待ですよ」

と、貴島くん。

「それがユーロの妄想って事になりますね。「皆で手をつないで笑顔でゴール」出来るはずだったのに」

「皆、本気で50メートルを走っているから、当然、一位も、ビリもシビアに確定される・・・そういう話ですよね、これ」

と、辛辣姫。

「で、一位がドイツで、ビリがギリシャだった・・・そういう話ね」

と、御島さん。

「最近、「皆で手をつないで、苦難を乗り越え、笑顔でゴール」思想が欧米で蔓延していますよね」

「近頃封切られる「アベンジャーズ」だって、それぞれがマーベル・コミックの主人公で・・・その彼らの「皆で手をつないで」思想、ですもんね」

「でも、確かに共通の敵がいる場合は手を組めますけど、その敵を倒した後はそれぞれ互いを駆逐するのは・・・ヨーロッパでの血塗られた戦争の歴史が証明していますよ」

と、貴島くん。

「そういう意味ではFIFAの巨額賄賂事件だって、「皆で手をつないで笑顔でゴール」のはずだったけど、造反者が出て、ボロが出たパターンでしょう?」

「なんか、そういうヨーロッパの恥部が少しずつ明らかになっているのは、今回のユーロの甘い判断の話も含めて、ひとつの現象化してるって事になるのかな」

と、僕。

「結局、「皆で手をつないで、苦難を乗り越え、笑顔でゴール」思想は続くと思うのよね。このまま、ヨーロッパ中央銀行がユーロの価値を引き下げる措置を」

「続けるとは到底思えないもの。ギリシャの国民投票の結果を見守り、ユーロの示した緊縮財政策を否決されたとしても、なんらかの手は打つはずよ」

と、御島さん。

「なんか、ギリシャのやり方が北朝鮮のやってきた政策に酷似してきたよ。「うちの国がポシャれば、困るのはあんたらだろ!」政策そのものだもん」

と、僕。

「確かに・・・ギリシャがポシャれば、イタリア、スペインと「ポシャれドミノ」が起こる可能性がありますからね」

と、辛辣姫。

「だって、そうしたら、ユーロの価値そのものがボロボロになってしまう。ECの頃から積み上げてきたユーロと言う価値が音を立てて崩れる事になりますからね」

「ヨーロッパ中央銀行がそれを阻止するのか、傷口が大きく開かないうちに「蜥蜴の尻尾切り」政策を発動するのか?・・・その判断が今後の大きな結果を引きずりだしそうですね」

と、貴島くん。

「でも、今回、ユーロによるギリシャの支援が見送られた背景には・・・これ以上融資しても、返済する意思どころか、その条件付けとしての緊縮財政策さえ、飲めないと」

「言うのであれば・・・すでに自転車操業化しているギリシャを支援しても、ポシャるのは時間の問題だし、これ以上、だだをこねられて」

「さらなる支援を引き出されてはたまらないと言う、ユーロ側の本音も見えるって事になりますよ」

と、ユキちゃんは言う。

「いや、だから、チプラスは借金なんて一切返す気ないんだから」

「ドイツのメルケルさんを人質にとって、借金棒引きを引き出す腹なんだから、もう、ユーロの支援なんてそもそもいらないんだよ」

「チプラスがしたい事はただひとつ。借金棒引きをIMFやECBなどの各機関から引き出して、国民の英雄になる事だよ」

「だが、そうは上手くいかない。そういう成果をたとえチプラスが引き出したとしても、今後、ギリシャくんにカネを貸す国はさすがにいなくなるだろう」

「そうなったら、どうだい。そもそもギリシャくんにカネを作れる宛はないし、ECBだって無限にカネを融資してくれるわけもない」

「結果、国民の暮らしは大打撃を受け、チプラスは盗っ人呼ばわりされ、国民から袋叩きに会うシナリオまで行っちゃうかもしれないよ」

と、僕。

「そうなった時、ギリシャくんはどうするかですよね。ユーロ圏に残り、ユーロの新しい支援を乞うのか」

「ユーロを離脱するのか?」

と、貴島くん。

「さすがにそんな事をやったら・・・っていうか、デフォルトを起こした時点で、他国はドン引きなんじゃないの?」

「今回のユーロによる支援打ち切りだって、その答えになってるんじゃないのかな。もうお前、いらんわ的な、ね」

と、僕。

「だいたいさ、ギリシャ神話を思い出しても、結構悪辣な神とかいるからね。はじめから借金を返す気無くて、借金棒引きまで狙うような国だからな」

「日本人の感覚では呆れてモノも言えないよ」

と、僕。

「でも、今朝の報道で言ってましたけど、チプラスは今日の2200億円は払う気はないって言ってましたし」

「もし、国民投票で、チプラスの経済緊縮策否定の方針が否定されたら、退陣するって言ってましたよ」

「これって、ゆるちょさんの見方に乗れば・・・国民を脅して、ユーロ側の示した緊縮財政策を国民に否定させる方向じゃ、ないですか?」

と、貴島くん。

「それって、ゆるちょくんはどう見るの!」

と、御島さん。

「チプラス派が大規模なデモに出ていましたからね。その流れに押されて、国民投票がユーロ側を否定すれば、ユーロは最早引き下がるしかないでしょう」

「そして、その状況に満足したチプラスは、まず、今後のギリシャくんの命運を握る、ECB・ヨーロッパ中央銀行のお偉いさんとの会談をセットし、その感触を確かめてから」

「おもむろにドイツのメルケル首相との会談に入り、借金棒引き策のカードを切る・・・そういう話になっていくように思われますけど」

「まあ、よくわかりませんね。それって結構ヤバイストーリーですもん。ひとつでも前提要素が崩れたら、ギリシャはメタメタになりますからね」

「今でもメタメタだけど」

と、僕。

「でも、そのチプラスのシナリオって・・・すべての不確定な要素が、すべてチプラスの思い通りに行った時に限って成立するシナリオですよね」

「だいたい、今のギリシャ国民の民意って、なにかの統計で見ましたけど、約70%はユーロに残りたいって言う意思を示しているって聞きましたよ」

「つまり、次の日曜日の国民投票で、「チプラスいらない。ユーロに残る」って言う民意が示されれば、チプラス政権は退陣するしかないし」

「ギリシャはどういうカタチであれ、ユーロに残る選択をする事になるし・・・実際、そうなるんじゃないですか?」

と、辛辣姫。

「うん。確かにそうだね。チプラスのシナリオは、危う過ぎる。そうなれば、結局、彼は徒花だった事になる」

「まあ、よく考えてみれば、メルケルさんも、これ以上ギリシャ問題に肩入れしたくないだろうし、チプラスを英雄にする気もないだろうからね」

と、僕。

「いずれにしても、返せる宛のない40兆円ものお金を、外国から借りまくっていたなんて・・・亡国のシナリオそのものですよね」

と、貴島くん。

「ああ。正気の沙汰じゃないよ。その政府のやり方に対して、何の民意も示さなかったギリシャ国民は・・・ま、なにも言うことはないね」

と、僕。

「って言うか、そんなギリシャを支援しようとしたユーロそのものだって・・・メルケル首相だって・・・」

と、御島さん。

「ああ。結局、そんな奴らだったって事だよ。今後はそういう目で見ていけばいい」

と、僕。

「なんだか、FIFAの汚職事件も、今回のユーロのダメダメさも・・・根っこは一緒って感じがしました」

「今後、わたしはヨーロッパの人々をそういう目で見る事にします」

と、辛辣姫。

「しかし、ギリシャ神話も、ギリシャ哲学も、結局、ギリシャを救えなかったんですね」

と、貴島くん。

「そういう意味じゃ、ソクラテスも、プラトンも、僕の尊敬する「知の巨人」アリストテレスも・・・地下でドン引きしているだろうな、今回の事については・・・」

と、僕。

「ギリシャには、カサンドラはいないんですかね?」

と、ユキちゃん。

「いや、いるんだよ。カサンドラは正確な予言は出来るけど、民衆は誰もそれを信じないと言う悪い魔法がかけられているからね。それもギリシャの最高神ゼウスによって、ね」

と、僕。

「・・・と言う事はギリシャはその最高神ゼウスによって、デフォルトに向かっているって事?」

と、御島さん。

「そうとも言える・・・ってくらいの話でしょうね。結局、やった事って自分に戻ってくるって事ですよ」

と、僕。

「チプラスはゼウス気取りなんでしょうか?」

と、辛辣姫。

「人間は神にはなれないよ。そんな事を思ったら、神への冒涜だ。ゼウスからひどい魔法をかけられちゃうだろうな」

と、僕。

「「皆で手をつないで、苦難を乗り越え、笑顔でゴール」と言うユーロの「共存共栄」思想は間違いだった」

「なぜなら、人間は皆、不平等に生まれてくるから・・・そんな話になりそうですね」

と、貴島くん。

「ちょっとくらい頭が良くて、人を出し抜いたとしても、悪事を働いたとなれば、結果的にその人間には鉄槌が下されると言う事だよ」

「ま、最後は現実が決めるんだ」

と、僕。

「「現実を甘く見たら、強烈なしっぺ返しに会う」と言う事よね。わたしも社長として、それをココロに刻みつけて、腹をすえて生きていかなきゃね」

と、御島さん。

「さ、午後もがんばりましょ!」

と、御島さんは皆の勘定書きを持って、一足早く歩き出した。


(おしまい)

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