「ゆるちょ・インサウスティ!」の「海の上の入道雲」

楽しいおしゃべりと、真実の追求をテーマに、楽しく歩いていきます。

東京オリンピック・エンブレム問題、結論!

2015年08月07日 | 時事ネタ
おはようございます。

相変わらず暑いですね。

ま、こんな時は、午前中からひんやりとかき氷など食べて・・・のんびり過ごしましょう。

8月、ですねー。


さて、その時、僕とイケメン貴島くん(29)、御島社長(31)、辛辣姫ユキちゃん(28)は、事務所の近所の中華料理屋さんで、

ランチを取っておりました。

「しかし、今回の東京オリンピック・エンブレム問題・・・いろいろな事が勉強になったけど」

「あのドビとか言うベルギー人のデザイナー・・・何あの反応・・・頭が悪すぎて思わず笑っちゃったわよ」

と、御島さん。

「どんな反応だったんですか?その彼」

と、僕。

「「ベルギー人デザイナー、困惑!」って説明されたから、どんな言い分かと思ったら」

「「そんな反論されると思わなかった。だって、どう見ても、似てるじゃん・・・」って涙目になってるのよ?」

「他人の仕事にケチつけたら、反論されるのは、当たり前でしょ?そんなの当然じゃない?違う?」

と、御島さん。

「いや、当然の対応だと思うよ。佐野研二郎氏は、理性的に説明していたし、「盗用など事実無根」と言い切ったのは、当然、当たり前だし、ね」

と、僕。

「これね。微妙に小保方事件が影を落としていると思うの。「「世界的発見!」ってわーって喜んだら、糠喜びだった」って言う」

「ストーリーに日本人が一度懲りているから、同じ日本人に対して疑り深い感じになってるのね・・・バカらしい事だけど」

と、御島さん。

「ま、それぞれ個別に精査していけばいいんですよ。それに日本人は同じ日本人の仕事に厳しいのは、昔からそうでしたから」

「日本人はそういう批判的見方に対して、常に合理的に相手を納得させるトレーニングはして来ていますからね」

と、僕。

「一番批判的な日本人が納得する説明が出来る事が、日本人の仕事人としては、必須な能力と言う事ですね?それ」

と、貴島くん。

「わたしもそれはとても重要だと思う。誰かに否定されて、堂々と自分の仕事の説明を出来る人間と、涙目になる人間じゃあ」

「人間の出来としても、比較にすら、ならないわ。外国人はよく」

「「作者の資質と作品は基本関係ない。いい作品はたとえ、その作者が殺人者であっても作品の評価に関わりはない」と言うけど」

「わたしはそれは間違った考えだと思うわ。その言葉はよく文学作品に与えられる言葉だけどね」

と、御島さん。

「まあ、その言葉の裏にあるのは「殺人や異常愛情の経験者がよい文学作品を書けるのであれば、その作品の評価と作家の人間としての」」

「「評価とは、引き離すべきだ」と言う事でしょうね。例えば、カサノヴァを意識しているとか・・・」

と、御島さん。

「その考え方には、一理ある・・・と、僕は思いますけどね」

と、貴島くん。

「わたしも、それは認めるわ。だけど、殺人や異常愛情の経験が無くても・・・思考の経験を積み重ね、知恵にまで、昇華出来れば」

「そういうストーリーを経験出来れば、作品は作れると思っているの。まさに、今回のエンブレム問題は」

「どのような世界観を裏に持ち、それをエンブレムのデザインと言う知恵のカタチに昇華出来たか・・・そのデザイン以前に」

「その世界観や、知恵へ昇華する思考のストーリーにこそ、価値があるし、そのストーリーを積み上げられたからこそ」

「知恵の昇華のカタチとして、佐野研二郎氏のエンブレムのデザインがあるの・・・その事を理解したの。それこそが、大事よね」

と、御島さん。

「つまり、デザインと言うのは、そのデザインが作られる過程にこそ、価値があるし、その思考のエンジンとしての作者」

「・・・のあり方と言うのは、当然、作品の評価に付随するものだと、言う考えなんですね、御島さんは」

と、僕。

「そ。今回、佐野研二郎氏が東京オリンピックのエンブレムをデザインする上で大事なリスペクトとして」

「東京オリンピックの第一エンブレム・・・へのオマージュを前提にしたと言う話をしていたわ・・・」

「まず、それが今回のエンブレムの、あの日の丸につながるんだから・・・まず、その出発点からして、違うのよね」

と、御島さん。

「そして、そこから・・・エンブレムは、9つの四角形及び、ひとつの円から構成される事を明示したわ」

「それが「基本パーツ」になるのよ・・・そして、その「基本パーツ」のひとつとして、第一エンブレムへのオマージュとした」

「「日の丸」を、人間の心臓の位置に配した・・・そこからすべてが始まっていくの」

と、御島さん。

「その「基本パーツ」を様々に展開する事によって、すべてのアルファベットと数字も表現していく・・・と言う」

「今後の構想も語られましたね」

と、辛辣姫。

「そうなの。結局、世界観もハッキリしているし、今回のエンブレムのデザインがそういう世界観を自身の知恵でもって」

「作り上げた佐野研二郎氏の作品だと言う事が、明らかにわかったのよ。つまり、佐野研二郎氏がこれまで、様々なデザインを」

「作り上げてきた上で、その経験知こそが、今回の東京オリンピックのエンブレムの世界観を作り上げたからこそ」

「このエンブレムの背景に大きく広がる素敵な世界観を提示出来た事がわかったの。納得したのよ・・・」

と、御島さん。

「今回の問題で一番明らかになった事と言えば、デザインの世界と言うのは、デザイナーの知恵で作り上げた世界観の」

「究極的結論あるいは一部をカタチにしたモノこそ、デザインであり、今回のエンブレムのカタチに昇華された知恵だと言う事」

「つまり、よく考えられたエンブレムの背後には、膨大な知恵の積み重ねがあり、それこそが、そのエンブレムの世界観を生むと言う事なの」

と、御島さん。

「だから、大切なのは、東京オリンピックのエンブレムとリェージュ劇場のロゴが似ていると言う事ではなく」

「そのエンブレム、及びロゴの背後に、どれだけの知恵の積み重ねがあり、知恵の集積があり、世界観があるか」

「・・・それを比較することこそ、この東京オリンピック・エンブレム問題の本質だったの」

「・・・そういう真っ当な情報の比較の手法を実施した報道機関が存在したかしら?」

「その真っ当な手法を使用しなかったマスコミは、報道機関としては、存在価値に疑問符が付くのじゃないかしら?」

と、御島さん。

「ま、最近は呆れて、民放の報道は見なくなってしまったから・・・実際は、情報通のスタッフに関連の情報を」

「出して貰っている始末だけど」

と、御島さん。

「御島さんは、情報の分析のプロなんですから、民放の報道に触れる必要はありませんよ」

「その為のスタッフを雇って運用しているんだし」

と、貴島くん。

「まあ、そう言ってくれるとありがたいけどね。わたしも身体が二つも三つもあるとありがたいんだけど」

「さすがにそれは出来ないから・・・」

と、御島さん。

「御島さんの仕事に対する旺盛な貪欲さには僕らも頭が下がりますよ」

「で、それ以外に東京オリンピック・エンブレム事件に言及する事は?」

と、貴島くん。

「あとは、佐野研二郎氏の華やかな受賞歴が明らかになってるんだから、ドビ氏の経歴・・・賞の受賞歴や」

「過去の仕事ぶり・・・あとは現在の収入を押さえておく必要があるんじゃなくて?」

「今回の騒動は、ドビ氏の「日本人に脅しをかければ、金を取れるだろう」と言う安易な発想が彼の行動の原点だと思うもの」

と、御島さん。

「「だって似てるじゃーん」って言って涙目になっていたドビ氏は、まさか、反論されるとは思っていなかったと言う事だから」

「他人の仕事にいちゃもんつけたら、どうなるか・・・これすら、想像出来なかったと言う事でしょう?」

「まず、そこに思い至らない、仕事をしている日本人は、まず、この世にいないわよね・・・」

「このオトコ・・・どんだけクリエイティブから逸脱しているの?クリエイティブの原点は想像力でしょ?」

と、御島さん。

「その想像力が全くなかったんでしょうね。この人、本当にデザイナーなんですか?もう、それすら信頼出来ませんよ」

と、辛辣姫。

「そんなクリエイティブ能力欠如の人間が、仕事出来るベルギーのデザイナー社会って、どんな所なんでしょうね?」

「それにすら、疑念が生じますよ」

と、貴島くん。

「ふ、そうね。彼は、今後、ドンドン追い詰められるでしょうね。だって彼は、ベルギー人の世界すべてに泥を塗ったんですもの」

「やっちゃいけない事をしたベルギー人はベルギー人によって、処理されるんじゃないかしら」

と、御島さん。

「本来なら、この件を依頼された弁護士が、この挙を止めるべきだったんでしょうけどね」

と、辛辣姫。

「まあ、いいわ。あっちの世界はそういう世界なんでしょう」

「とにかく、今回感じたのは、日本人は欧米人にコンプレックスがありすぎって事よ」

「今後はそういう差別的な見方は辞めて、同じ人間として、欧米人も見るべきよ・・・例えば、このドビ氏」

「・・・佐野研二郎氏に反論されただけで、「だって似てるもーん」って涙目って、今まで、どんな仕事ぶりだったの?」

「多分、このオトコ、相当のビビリなのよ。だから、同じ西欧人に対しては、何も言えなかったんでしょ?」

と、御島さん。

「こういう人間の小さいオトコは、自分より明らかに弱い地位にある人間には、滅法強くなるの」

「伝統的に東洋人蔑視の血の流れている彼からすれば、その対象がオリンピックのエンブレムのデザイナーとなり、がっぽり儲けたはずの日本人のデザイナーだったのよ」

と、御島さん。

「だから、上から目線で、高圧的に・・・「盗用」と言う相手の弱みを握ったとカン違いして、日本人デザイナーに脅しをかけてきた・・・金欲しさの為に・・・ですか?」

と、貴島くん。

「そうよ。だいたい、このオトコ、同じデザイナーに対して、デザイナーの命であるオリジナリティ性を否定し」

「「自分のデザインの盗用である」と日本人のデザイナーを非難したら、どうなるかすら、想像できないのよ?ただのバカじゃない・・・」

と、御島さん。

「だいたい、戦闘民族であるサムライ日本人はただでさえ、誇り高き民族よ。さらに言えば、自分の仕事には絶対の自信を持っている」

「特にクリエイティブの世界にいる人間は、絶対に自分のオリジナリティに自信を持っているわ。自信を持っているからこそ、その世界にいられるんじゃない」

と、御島さん。

「そのサムライに対して、「デザインの盗用」だなんて言ったら、当然、相手は、怒り狂うし、売られた喧嘩は絶対に買うなんて言う事も理解出来てなかったんでしょう?」

「頭が悪すぎない?日本人を怒らせたら、怖いわよ。一旦、火がついたら、止まらないモノ・・・ま、紳士ではあるけれど、同時にサムライだから、日本人は」

と、御島さん。

「・・・と、言う事は、このドビ氏・・・その思考回路のレベルは・・・日本人で言えば、幼稚園児レベルですか?」

と、辛辣姫。

「そうね・・・そのくらいかしら。今後はすべての外国人に対して「日本人で言えば・・・10歳程度?」等と言った、日本人変換して」

「相手の人格を見る必要がありそうね・・・」

と、御島さん。

「まあ、それは置くとしても・・・実際、ドビ氏は日本人を怒らせてしまったから・・・今後、どういう事になるのかは、わたしは知らない」

「ただし、今後、日本に対して、こういう出方に出る外国の人間達も増えると言う事だわ。われわれは、そういう人間たちの真意と人間そのものを見抜いていかなきゃいけないの」

「そうやって、初めて、わたし日本人は、「新たな国際人、日本人」として、成長する事が出来るのよ・・・」

と、御島さん。

「日本人は、「人は善意で動いている」とまず、考えますからね。しかし、今回、ドビ氏と言う「最初から悪意で、金を取りに来たクズオトコ」の存在が明らかになった事で」

「日本人への警鐘には、なりますね」

と、辛辣姫。

「ま、そういう事になるかしら・・・」

と、御島さん。


「あと、もうひとつ言及するわね。それは今回、このエンブレムと劇場のロゴを多くの報道機関が「似てる」・・・と言う事で俎上にあげたけど」

「それで、わたし、今回、人間としての質が問われた・・・と言う話だと気づいたのね・・・」

と、御島さん。

「でも、今回の佐野研二郎氏の説明で、デザインそのものも大事だけど、より大事なのは、そのデザインを発想していく過程での、知恵の集積・・・積み重ねだと言う事がわかったわ」

「つまり、ロゴやデザインは、そのデザイナー個人の知恵で作られた世界観から出来てきた、その世界観の一部と考えてもいいと言うこと・・・つまり、より大事なのは」

「エンブレムの裏側にある世界観だったのよ・・・」

と、御島さん。

「ゆるちょくんが、今朝、面白い事を言っていたの・・・それ、もう一回皆に教えてあげて」

と、御島さん。

「事務所の大部屋で、例のエンブレムと、劇場ロゴを見比べていたら・・・まあ、簡単な事に気づいたんです。要は、エンブレムにしろ、ロゴにしろ、大事な目的は」

「それにどういうイメージを持たれるか・・・だって事に。だから、まず、劇場ロゴを見ていたんです。そしたら・・・ベルギーがヨーロッパの国と言う」

「そんなイメージがあったからかもしれないけれど、モーツァルトの「レクイエム」が頭の中に流れてきたんです」

「白と黒の色のシンプルな構成。大事な人が死んだ、お葬式・・・レクイエムが流れる・・・暗い感じの・・・イメージとしては冷たい感じで、冬を予見させる感じ」

「それと劇場を表現する、この「T」と「L」・・・人工的に作られた、作り物としての劇・・・そこには躍動感があるわけでなく、静寂や作り物と言う」

「・・・魂の息吹を感じられない人工物・・・そういう印象を僕はこのロゴに持ったんですね」

と、僕。

「それに対して、佐野研二郎氏のデザインしたオリンピックのエンブレムは・・・まず、この真っ赤な丸が目に飛び込んできました・・・」

「それが人の躍動感を感じさせるんですね。これ、そもそも、人間の心臓そのものが、日の丸として表現されているんですね。だから、僕は躍動感を感じたんです」

「すべての事が、人間の心臓から始まる・・・つまり、このエンブレムは、まず、躍動感ありきの表現なんですよね・・・」

と、僕。

「その躍動感がすべての物事に波及していく・・・イメージ的には、「T」の太めの文体からはチカラ強さを感じるし、金色は、明るい未来をイメージさせます」

「そして、多色刷りな、全体的なデザインからは、楽しい明るい未来を予見出来る・・・ワクワクドキドキをイメージさせて・・・要はこの素敵な色達とワクワクのデザインそのものが」

「融合して、華やかな未来感を、そして、元気になる感じを・・・僕は、このエンブレムに感じたんですね・・・」

と、僕。

「確かに・・・そう言われてみると・・・ロゴ及びエンブレムから、何を感じるか?・・・と言うのは、一番大事なところよね」

「その点をどの報道機関も触れていなかったの?それは本末転倒じゃない」

と、御島さん。

「今回の報道の問題点は、二つあります。ひとつ目は、今、御島さんから、指摘があったように、このエンブレムと劇場ロゴは、そもそも、どんなイメージを表現したのか?」

「・・・と言う最もデザインとしての基本的な要件の論争にならなかった事。その報道がなされなかった事にあります」

と、僕。

「これは何故なのかしら?①報道の現場に、それを理解できる人間がいなかったって事?②専門家に解説を頼んだら、そういう踏み込んだ解説は断った人間が多数だったって事?」

「③責任を取りたくなかったから、そもそも民放の報道はそこまで踏み込まないって事?」

と、御島さん。

「③でしょうね。責任を取らない日本のコミュニティは、すぐに腐る・・・ゆるちょさんの言っていた現象が早くも顕在化していますよ」

と、辛辣姫。

「すいません。今、気がついたんですけど、オリンピック・エンブレムの色についての説明が必要ですね」

「まず、このエンブレムで、大事な事は、選ばれた複数の色達が、素敵な未来を約束している・・・そういうイメージを引っ張っているんです」

「音楽的に言えば、華やかなマーチかな・・・そんな楽しそうなイメージ・・・ここが、このエンブレムの最大の特徴だと思います」

と、僕。

「赤は先にも言いましたけど、躍動感、そして日本そのものを表現しています」

「次に金色。この色・・・実は、とても日本文化的な色なんですね。日本人からすると、金色って、クレムリンの宮殿の色とか東南アジアのお寺の色とか・・・」

「外国のイメージがあるんですけど、実際は、金沢の金箔文化の例を引くまでもなく、あるいは、平泉の金堂の例を引くまでもなく」。

「秀吉の黄金の茶室だってあるし・・・京都へ行けば、やはり、足利義満の金閣寺は見たいし・・・芸術の話をすれば、まさしく琳派の色ですよね・・・」

「まさしく日本文化の色こそ、金なんです。そして、黒はと言えば・・・墨で書いた文字のイメージ・・・すっごく日本的ですよね。だから、このエンブレムの「T」」

「なんとなく、筆で書いたようなハネ・・・のイメージも感じられる・・・もちろん、黒ってお坊さんが夏の間に着る・・・あの薄手の服の色でもあるし」

「黒は日本の正装の色でもあります。さらに余白としての白も・・・日本は白こそが最高の色ですから・・・日本における最高の空間・・・清浄の空間の色こそ、白」

「だから、白も日本的、和の色になるんです」

と、僕。

「つまり、このエンブレムに使われた、赤、金、黒、そして、余白としての白は、まさしく和を表現する色だし、さらに言えば、外国人の意識の中にある」

「日本のイメージも、赤、金色、黒、白って事になるのね?だって、だからこそ、スペインのデザイン事務所が日本支援のロゴマークに金色、赤、黒を使ったって話につながるのね」

と、御島さん。

「そうです。二つ目の問題点として、指摘したいのは、今回の報道からは、そういう文化的な視点がごっそり抜けていた、と言う事です」

「まるで、ニュースの解説になっていませんでした。なぜ、エンブレムに赤、金、黒、白が使われ、スペインのデザイン事務所が「似たのは偶然」と言ったのか」

「「それは「赤、金、黒、白」こそが和を表現する色達だったから、かぶるのは当然」・・・と言う説明があって、報道機関としては、しかるべきなんですよ」

「なのに、そういう文化的背景にすら、一切触れず、結局、「このエンブレムと劇場のロゴは似ていると感じますか?感じませんか?」と言う、誰でも一見理解出来そうな」

「クイズゲームばっかやっていた・・・」

と、僕。

「「似ているか、似てないか」と言う二者択一にした事が、今回の報道の不毛さや、無責任さ、を感じさせるわね」

「大事な文化的背景すら説明せず、エンブレムなどのデザインとは、それを生み出す為の思考の積み重ねによって出来上がった世界観の一部である事」

「エンブレムと劇場ロゴを比べる場合、見た目が「似ているか、似ていないか」ではなく、まず、それぞれのデザインから、イメージされるモノを考察する事が筋である事」

「さらに言えば、そのエンブレム及びロゴを作り出す作業において作られた世界観を比較し、その優劣を見極める事こそ、報道の本筋であり」

「・・・「似ているか、似ていないか」と言う報道に終始した報道機関は、報道機関として、ポンコツだし、センスないし」

「視聴者に正しい情報を提示する義務すら、怠った事になるわ・・・」

と、御島さん。

「・・・だとしたら・・・日本の民放も、ベルギーの報道機関も・・・いい成績は取れない感じですね」

と、辛辣姫。

「日本の民放は視聴率の為に報道している過ぎないのが現状だし、その唯一の手法が「中二の人間でもわかるように簡単な内容にすること」だもの」

「高度な内容を含んだ情報を、劣化させて伝えてもいいって言う、間違った価値観を持っているのが、民放の報道だもの・・・最初から正解を求める事こそ、無理だったのよ」

「劣化した情報など、聞いても意味ないわ。「「風と共に去りぬ」どうだった?って聞いたら「女子が喜ぶ、いい物語だったわ」って言われて・・・「はあ?」って」

「なるのと一緒よ・・・」

と、御島さんは言い抜いた。

「なるほど・・・それが民放の報道ですか・・・」

と、辛辣姫は、ため息をついた。


「あと、ひとついい?今、ゆるちょくんの話を聞いていて・・・気づいちゃったんだけど・・・昔、おバカブームの時に、紳助さんの番組で、クイズがあったじゃない」

と、御島さん。

「ああ、ありましたね・・・スザンヌさんとかが発掘された番組・・・でしたっけ?」

と、貴島くん。

「あそこで、面白い現象が多々あったんだけど、普段何も考えていない子って、別の誰かが答えた答えを、まるで、今、自分で考えた答えとカン違いして」

「自分で言っちゃうって現象が多発したの・・・それ覚えている?」

と、御島さん。

「ああ・・・ありましたね。「鹿児島発祥のスイーツは?」って言われて、「いきなり団子」「いきなり団子」「いきなり団子」って答えが重なったのを見たことがありますね」

と、貴島くん。

「それって「白熊」の事、ですか?」

と、辛辣姫。

「まあ、答えはそうなんだけど・・・要はその現象って、自分でモノを考えない「思考停止者」って耳で聞いたり目で見た事にすぐ引きづられる現象って事なのね」

と、御島さん。

「だから、報道で「似てる」と報道されると・・・「思考停止者」程、「似てる」と言葉にしたがる・・・そういう現象ですか?」

と、貴島くん。

「そう言う事。だから、「思考停止者」からすれば」

「「やっぱ、東京オリンピックのエンブレム、見れば見るほど、リェージュ劇場のロゴに似てるよな。あれ、絶対盗作だぜ。俺わかるもん」って言いたくなるのよ」

「でも、そういうおっさんは、「思考停止者」だから・・・普段、女性に嫌われているから、こそ、そういう事を主張して、自分の評判の挽回をしたくなるのね・・・」

と、御島さん。

「今、現状、日本で問題になっているのは、「高齢者に対する振り込め詐欺」でしょう?つまり、それって「思考停止者」程、普段、誰かにやさしくされた経験が無いから」

「ちょっとやさしくされて、甘えられると、簡単に騙される・・・と言う現実を示しているの」

「要は「思考停止者」は騙されやすいし、犯罪に利用されやすいの」

と、御島さん。

「ま、そういう男女しか、もう、民放のニュースショーなんて見ていないのよ。普段の生活に利用していないの」

「だから、そういう視聴者に合わせて、民放の報道がドンドン劣化していく・・・そういう事なのね」

と、御島さん。

「じゃあ、御島さんに聞きますけど・・・今、この現代で、情報はどう取るべきですか?」

と、辛辣姫。

「新聞とネットだけど・・・大事な事は、その記事の裏側の記者の思いを理解出来る、解説役の人間が絶対的に必要だわ」

「そういう人間を周囲に配置していなければ、情報は諸刃の剣にも、なるから・・・気をつけなければいけないの」

「いつの間にか、自分をスポイルしている・・・なんて事にもなるから」

と、御島さん。

「そういう意味では、今の民放の報道は・・・信用出来ませんからね。皆が、嫌っている理由もそこにあるんでしょうね」

と、貴島くん。

「だいたい、今回の盗作のエンブレム報道って、明らかに情報を劣化させて・・・物事の本質の見誤りを助長する方向へのミスリードよね・・・」

「東京オリンピックそのものに泥を塗り、一介のベルギー人がさも正しいような、報道よ。あたかも佐野研二郎氏が悪いような報道だもの」

「ある新聞記者が質問してたけど、「今回の事で、オリンピックのエンブレムを見る度に今回の騒動を思い出す悪いイメージがついた事についてどう思うか?」って聞いてたけど」

「それって佐野研二郎氏の問題ではなくて、ドビ氏が負うべき責任の話でしょ?そういう所もおかしいのよね。日本人ってすぐに足の引っ張り合いだもの」

「それを助長しているのが、日本のマスコミなんだから、笑っちゃうわ。ま、その程度の存在って事ね」

と、御島さんは言い抜いた。

「要は民放の報道こそが、日本人を思考停止者化しているって事じゃない?これ、早めに訴訟を起こした方がいいんじゃないかしら・・・」

「だって、この問題の本質は「似てる似てない」と言う事は論争の本質でなく、ロゴ、及びエンブレムを生み出す際の思考の過程の優劣・・・それの比較こそ」

「議論の本質なんだから・・・」

と、御島さん。

「明らかに日本国民を意図的にミスリードしているじゃない。思考の劣化を助長させてるじゃない・・・これは日本の為にも、やるしかないわ」

と、御島さん。

「御島さんは、そういう所、怖いからな・・・」

と、僕は苦笑した。

「でも、大丈夫ですよ、御島さん。日本人は皆見ています。理解していますよ」

と、貴島くん。

「だからこそ、たくさんの人間が、皆、テレビを見限って、普段の生活的に、ドンドン雪崩を打って、離れているんですから。もう、その流れは止まりませんよ・・・」

と、貴島くんが助け舟を出した。

「それなら、いいけど」

と、御島さんは、少しだけ、不快な顔をした。


「それでね、逆に・・・普段から、思考している、「純思考者」である、ゆるちょくんは・・・あのエンブレムと劇場のロゴからイメージされるモノを言葉で表現出来るだけでなく」

「その背後にある・・・知恵の集積である世界観こそ大事・・・と言う大事な事実を今朝わたしに教えてくれたの・・・」

と、御島さん。

「ここ数日、仕事で、御島さんとは会えていなかったから・・・今回の事件に対する僕の見解は今日伝えたんだ」

と、僕。

「今回「似ている、似ていない」の議論が、前面に出てたけど、結局、和の色をモチーフにして、日本をデザインすれば、同じような色を選択するんだから」

「似てくるのは、当たり前なのよ。むしろ似てなかったら、おかしいって事になるでしょ?だから、スペインのデザイン事務所のセレクトした色と」

「オリンピックエンブレムの色が似てくるのは、どちらも和を表現する色なんだから、当たり前なのよ。そういう解説すら、なかったんでしょ?今回の報道・・・最悪じゃない」

と、御島さん。

「さらに言えば、オリンピックのエンブレムと劇場ロゴが似ているって主張するドビ氏に至っては、想像力も無ければ、色使いからして、全く似ていないじゃない」

「似て非なるものを見抜けない、このボンクラ・・・もう、クリエイターですら、ないわ・・・よくこんなオトコ・・・ベルギーで生きていらるわね・・・」

「まあ、それはいいわ。和を表現する力強い色を配し、墨で書いたような、力強い「T」・・・そして、躍動する人間の心臓でもある、日の丸・・・」

「それを説明されただけで、東京オリンピック・エンブレムは、レクイエムな劇場ロゴと明らかに違うじゃない・・・その説明すら、報道機関はしてないの?」

「だとしたら・・・さらに民放の報道は、見る意味はないわね・・・人を惑わすだけの存在だもの・・・だとしたら・・・」

と、御島さん。


「それに対して、目で見たモノの意味も理解出来言葉に出来る人間・・・そして、同時にその裏側にあるストーリーすら、見抜く「純思考者」は」

「東京オリンピック・エンブレムの素晴らしさを言葉に出来るばかりか・・・例のドビ氏が、幼稚園児程度の思考しかしていないし」

「日本人に上から目線で喧嘩をふっかけ、金をせびり取ろうとした、クソオヤジだったと言う事すら見抜いちゃう・・・と言う事なのよ」

「だから、わたし達もクリエイターの端くれなんだから・・・ぜひ、そういう人間になっていかなければいけないって事なの・・・」

と、御島さん。

「「似てる、似てない」論争を仕掛けた段階で、このドビって人間は、悪意で、日本人から、金をむしりとろうとしていた極悪人と言う事になりますね」

と、辛辣姫。

「日本人は怖いのよ。だって理不尽は許さないもの」

と、御島さん。

「ま、その対処は、誰かに任せましょう。御島さんの言う通り、日本人は怖いですから・・・」

と、辛辣姫。

「ま、被害者ぶって炎上ビジネスを仕掛けると言うのは、ヨーロッパじゃ、普通らしいですからね」

「だって、最初から被害者を演じてたんでしょ?何か変だと思っていたんですよ。となると、弁護士も、こいつの設計事務所も全員グルでしょうね」

「カネ目当ての「コソ泥集団」。最悪な人間達だな。最初から、日本人を騙すつもりの悪意の集団ですよ」

「ま、それら、すべてを理解した、日本人が怒り狂ったら、どうなるか・・・見ものですね」

と、貴島くん。

「ま、そんな所だろうから・・・僕的には、もう、興味が無くなった・・・そろそろ、次のネタに食いつきたいね」

と、僕は言葉にすると・・・美味しいスペシャル天津丼を笑顔で、食べ終わった。


(おしまい)

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