「ゆるちょ・インサウスティ!」の「海の上の入道雲」

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「新国立」問題は、日本が戦争突入する構図と全く同じ!

2015年07月18日 | 時事ネタ

さて、その時、僕は雑誌記者レイカちゃん(31)と、イケメン貴島くん(29)とで、

事務所の近所にあるバー「奏」で、お酒を飲んでいました。

「今回、迷走していた「新国立」の件、安部首相が、事実上、「白紙ベースに戻す」と明言し」

「「オリンピックは、皆が喜べるモノにしたい」と言葉を重ねました」

「そして、ネックだった「ラグビーワールドカップ」の「新国立」での開催を断念し、でありながら」

「「ラグビーワールドカップ」の日本国としての全力の開催を明言しましたね」

と、レイカは言葉にする。

「今回の件は、まるで、日本が第二次世界大戦に引き込まれていった・・・その構図とほぼ一緒だ。そういう状況をまざまざと見せつけてくれたよ」

「皆が行ってはいけない道だと思っているのに・・・日本文化の悪弊が出た・・・そう感じる出来事だったよ」

と、僕は言葉にする。

「確かに・・・報道ベースでしか状況は掴めませんでしたが・・・予算はどんどん膨れ上がり」

「人々はいろいろなコメントを発しながら、それでも、そのコメントはブレーキにならない」

「管轄する下村大臣も、都知事である舛添要一氏も、それについて一言も無く・・・プロジェクトの責任者たる安藤忠雄氏に」

「至っては、「訳わからん」的な言葉を出す始末・・・この鵺的な症状とは・・・まさに、戦争に突入していった」

「74年前の日本と一緒ですよ・・・」

と、貴島くんは言葉にする。

「この場合のキーワードは、森元首相の権力と顔・・・ラグビーワールドカップ開催と言う言い訳」

「国の事を考えず、自分の保身しか考えない、「俺エライ病」の官僚や、多くの人間達・・・権力に弱い、言われるがままの民間業者・・・」

「そして、その背後にあるのが、「国をあげての祭りだから、恥ずかしい事は出来ない」と言う一見、正当な理由・・・」

と、僕。

「様々な要因が絡み合って、今回の戦争突入的症状を生み出していた・・・そういう話ですね」

と、レイカ。

「そういう事になるな」

と、僕はブランデーを少し口に含んだ。


「この件、日本文化的な説明が欲しいですね」

と、レイカ。

「うん。考えてみよう」

と、僕。ブランデーをさらに口に含む。

「今回の鵺的症状を生み出した、背景にあるのは、要は自分を動かす理由があった・・・手段の目的化もいいところだな」

「日本人と言うのは、そのやさしさ、及び、サービス精神旺盛な故に、バカ真面目な面があると言う事なんだ」

「特に官僚と言うのは、理由のある命令を受けると、全力で対応してしまう。さらに言えば、その命令の裏側に権力が」

「存在すれば、3万%のチカラを投入して、物事を処理しようとする。官僚の問題点は、その処理が意味するところを」

「一切考えないところにある。「思考停止」状態に陥るんだな。それがどのような結果をもたらすか?など、一切考えず、マシンの用に」

「処理をする結果・・・そのブラックボックス化した処理は、結果、鵺化するんだ」

と、僕。

「これって有り体に言えば、ラグビーワールドカップを日本で開催しようと漕ぎ着けた団体と森元首相の顔・・・」

「この二つが、「新国立」のプロジェクトを鵺化した、と言う事になりますか?」

と、レイカ。

「ま、有り体に言えば、そうだろう?どうもこの森と言う人は、結果も考えなければ、現状も理解出来ない」

「政治家として、最悪の人間のようだな。そう言えば、この人じゃなかったっけ。首相に就任するや、首相の支持率は」

「あっという間に下げ・・・「空気読めない人」と言われ・・・どうも日本の政治風土にたまにこういうタイプの人間が」

「出てきて、責任者になっちゃうから、日本がおかしい事になるんだよ」

と、僕。

「それって、何が原因なんですかね?」

と、貴島くん。

「権力を背景にして、恫喝するんだろうな。周囲の官僚達を」

「「「ラグビーワールドカップ」が「新国立」で出来なかったら、俺の面子を潰す事になると言う事をわかっているんだろうな」・・・この脅しだよ」

「空気を読めない人間が、結果を重視しないばかりか、結果を理解も出来ない人間が、自分の立場の為に周囲を恫喝した結果」

「日本は戦争に追い込まれたんだ・・・個人の「俺エライ病」の人間の面子の為に、日本は戦争したんだよ」

「その構図と今回の構図・・・全く同じじゃないか・・・」

と、僕。

「じゃあ、その責任は、東京オリンピック開催の責任者でもある森元首相の恫喝にあると・・・」

と、レイカ。

「ま、そういう事だろうな。このオトコ、けつの穴が小さいんだよ。自分の面子ばかり考え」

「仕事は丸投げ・・・責任は取らない・・・最悪の日本人だろうな。ま、こんな人間が首相なんてやっていたから」

「当時の日本はダメだったんだよ。実際、東京オリンピックの開催責任者も自分から辞めるべきだろうね」

「メダリストの有森裕子さんを泣かした罪は大きいんじゃない?」

と、僕。

「そう言えば、このオトコ・・・オリンピックに出場中の浅田真央ちゃんに言及して」

「「あの子、大事な所で必ず失敗するんだ」みたいな失言をしていましたね」

と、貴島くん。

「一事が万事、と言う所ですね。このオトコのおかげで、日本人の素敵な祭典たる「東京オリンピック」が犯されそうになったんですから」

「当然、「東京オリンピック」の責任者は、クビですよね」

と、レイカちゃん。

「まあ、「ラグビーワールドカップ」の「新国立」での開催は、見送られたんだから、社会的制裁は受けていると考えるかもしれないな」

「いずれにしろ、権力の問題だよ。下村大臣も、舛添要一都知事も、森元首相の面子を考えて、責任を投げ出したんだから、そっちの罪の方が重いんじゃない?」

と、僕。

「だいたい、スポーツ選手の育成費まで、「新国立」の建築費に突っ込むなんて、そもそも本末転倒もいいところだろう」

「しかも、安藤忠雄氏に至っても、今回の件について「訳わからん」とか言い出して、ケツまくった罪は重いよ。責任者が責任を投げ出すなんて」

「あり得ないだろう、この日本で」

と、僕。

「今回の件、責任を投げ出した責任者は・・・下村大臣、舛添要一都知事、安藤忠雄氏、の社会的制裁は免れないでしょうね」

と、レイカ。

「ま、当たり前の話だね」

と、僕。

「実際、何が起こっていたんでしょう。この件」

と、レイカ。

「日本人は、正当な理由を貰うと・・・後先見ずに、最高度に働いちゃうと言う悪い癖がある」

「例えば、第二次大戦の真珠湾攻撃に関して言っても・・・「戦争は初戦に勝った方が有利」と言う、戦争における鉄則を具現化したに過ぎない」

「だが、第二次世界大戦から、戦争は総力戦になっていた。アメリカはその負けを最大限利用した。「リメンバー・パールハーバー」だよ」

「アメリカ人は、卑怯で黄色人種なサル・ジャップを「リメンバー・パールハーバー」の言葉でその都度、思い出し、戦意を高めていったんだ」

と、僕。

「「敵は人間ではない、サルだ」・・・この思いは容易に敵を殺戮する思いに届く」

「日本にも同じ言葉があったね。「鬼畜米英」・・・ま、そういうもんだ」

と、僕。

「日本人は何故、後先見ずに最高度に動いちゃうんですか?航空機の生産量は6倍。鉄鋼は10倍、電力量も6倍、原油生産量は740倍ですよ」

「そんな当時の米国の分析をしていたら・・・彼我の差は、圧倒的だってわかるんじゃないですか?少なくとも勝ち目はない」

と、貴島くん。

「戦争を始める場合、そういう現状の差をまず、最初に考えて・・・戦争を始めるか否か・・・冷静に検討するモノじゃないんですか?」

と、レイカ。

「面白いな。日本人の気質が見えてきたね。どうも日本人は、そういう合理的な判断が・・・追い込まれると出来ない民族らしい」

「さて、それはどういう現象なんだろうね。いやあ、面白い」

と、僕。

「日本人は戦争での、勝ち負けが大事では無いんですか?それ以上に大事に考えている事があるんですか?」

「今回の「新国立」の件で言えば、「オリンピックは、皆が喜べるモノにしたい」と言う、そもそもの理念が破壊されかかったじゃありませんか!」

と、レイカ。

「少ししゃれを言ってみてもいいかな。まさに今回の件は、「木を見て森を見ず」現象だったんだろうね」

と、僕。

「「木どころか、森の顔ばかり見ていた」・・・僕にはそう思えますけど」

と、貴島くん。

「ふ。なかなか、言い言葉だね。それも合ってる。というか、それかな、本筋は」

と、僕。

「日本人は、人間至上主義なんだよ。どうも一度、その上官を信用してしまったら・・・日本人は分を知る・・・最近はそれも出来ない人間が多いようだけど」

「要は、責任者が戦争の勝ち負けや、基本的理念「オリンピックは、皆が喜べるモノにしたい」と言う考えを根底に考えながら」

「作戦を遂行するものであって・・・下士官は、それに口出しするモノではないと考えるんだよ・・・」

と、僕。

「なるほど・・・それは日本文化的に正しい行いだと思いますね。「上官の言う事は絶対だ。部下が上官の命令に逆らうなどもっての外」的な言説は」

「・・・遠い戦国時代、いや、源平盛衰記の時代でも、そうだったでしょうからね」

と、貴島くん。

「例えば、幕末の時代から、戦前まで、日本人の中でも最も人気のあったヒーローは大楠公・・・楠木正成だった」

「彼は天皇から、声をかけられるや勇躍して、負けるとわかっていても、最後まで後醍醐天皇の為に戦った・・・ここに日本人の人としての最高の美意識がある」

「この場合、勝ち負けは関係ないんだ。つまり、日本人は生きている間はどのようなドラマを演じられるかが問題であり、「天皇の為に死んだ」」

「・・・信じられる人間の為に精一杯戦い、死んだ・・・その個人のストーリーこそが大事で、大局は関係無いと言う事になる・・・だから」

「勝ち負けは関係ない・・・と言う価値観につながるんだ。「自分なりに精一杯やった。後は頼んだぞ」・・・これが出来る事が日本人の最大の美意識につながるんだ」

と、僕。

「責任者が責任を取り・・・部下は、愛した人間の為に、最大限奮闘して死んでいけばいい・・・そういう価値観ですか」

と、レイカ。

「そういう事になる。勝つ責任は、責任者にあるんだ。親方様のみに、その責任はあるんだよ。そして、負けたら、その責めを負って腹を切ればいい」

「そういう価値観だったからこそ、戦争末期のああいう惨烈な状況が生み出されたんだ。ま、「この世の事は、自分が生まれて死ぬまでの出来事」と言う」

「死生観だね・・・日本人特有の・・・」

と、僕。

「それに負けたら負けたで、その責任は自分で取る・・・その強さが日本人にはある」

「だからこそ、敗戦から70年・・・復興後の日本人のがんばりがあった・・・そういう事だ」

「日本人は、それぞれの場所で、猛烈に戦うからね。仕事人だもの・・・日本人は、ね」

と、僕。

「まあ、これも、「人間には分がある」と言う思想から来ているモノだけど・・・だから、今回の「新国立」に関するドタバタの責任は森元首相にあると」

「断言出来るんだ・・・その責任者の元、「新国立」の「見積もり」を作った官僚や建築家達・・・は、クライアントの意思を尊重し、彼のマシーンとして」

「予算を作ったに過ぎない・・・その彼らに非はないよ」

と、僕。

「責任を取る人間が、明確に現れた場合、マシーン達は、与えられた仕事に全力を尽くすのみ・・・それが仕事人、日本人のあるべき姿・・・そういう事ですね」

と、貴島くん。

「そうさ。だから、第二次大戦に関して言えば、責任論は天皇に及ばない。彼はむしろ、戦争開始を決断した人間たちの神輿、あるいは宣伝材料に過ぎなかった」

「つまり、日本においても、実行を決断した人間及び、その後、実質的遂行責任者に責任は移る。まあ、第二次大戦の責任論は今日はとやかく言わないけれど」

「現実的にそういう側面はある事は事実だ。で、「新国立」プロジェクトに関して言えば、森元首相の責任は火を見るより明らか、だろうね」

と、僕。

「問題は「新国立」においての「ラグビーワールドカップ」の主催と言う、無理を押し通したから・・・と言う事でしょうね」

と、貴島くん。

「そうだ。それが一番の問題だよ。「オリンピックは、皆が喜べるモノにしたい」と言う基本理念を忘れ、自らの面子に拘り」

「日本人の為・・・と言う一番大事な目的も忘れ、ただただ、自らの面子の為に、国家的プロジェクトを破綻させた森元首相の責任は大きい」

「結局、公の事を考えずに自分の事しか考えない「俺エライ病」の人間が日本をダメにするんだ」

と、僕。

「でも、それって怖いです。責任者が決まると・・・そのマシーン達は、基本的理念や公の事や、プロジェクトの目的などについて「思考停止」状態に陥るんですね」

と、レイカ。

「ああ。それは、そのマシーン達ひとりひとりが・・・その責任者を過度に信用してしまうからだ」

「「このオトコの為なら、俺は死ねる」・・・その思いが先に立ち・・・自分の目的は、このオトコの為に死ぬこと・・・それだけになってしまうからね」

「つまり、日本人の弱点は、一旦、命をかけられる相手に出会ってしまうと・・・その人間のために自らの命を使う事が、一生の主題になってしまう」

「「思考」を相手に預けてしまい・・・自らは「思考停止者」になってしまうんだ・・・」

と、僕。

「・・・だから、責任者は「純思考者」であり、内外の状況を合理的に把握し、思考し、今決断すべき事を決断しなければならない・・・そういう事になるんだ」

と、僕。

「でも、それってなかなか難しい事ですよね。特に今回の「新国立」のプロジェクトのように、一旦走りだしてしまったら、特に森元首相の権力が介在していたら」

「・・・なかなか、それにブレーキをかける事は出来ない・・・」

と、貴島くん。

「そ。だからこそ、今回の安部首相の決断は、素晴らしかった・・・賞賛に値すると言えるんだよ」

「逆にメダリストの有森裕子さんの涙を見ても、「新国立」のプロジェクトに固執した・・・女性の涙の意味すら、理解できない責任者のおっさんは」

「もう、この国を去る以外に手はない・・・そういう事なんじゃない」

と、僕。

「女性の涙の意味すら、わからないおっさんは・・・そもそも、この世に必要ありませんよ。繊細さの無いオトコは、そもそもダメです」

と、レイカちゃんは冷たく言い放った。

「御意」「御意」

と、貴島くんと僕は静に言葉にした。


(おしまい)


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