旅順攻撃開始は11月21日ということに決められた。
好古の隊は、意見書を出した翌日の朝7時に宿営地を出発し、前進した。
ところが午前十時頃水師営方面から前進してきたらしい、おびただしい数の敵と遭遇し、前面衝突となった。
斥候が双眼鏡をかざすと、やたら大量の敵兵を見つけるんですね。ほんとおびただしい清国兵です。
いやぁ、もうほんと大量の清国兵だわぁ、うれしいはぁ(笑)。すごい映像化です。うれしくて、よだれがでそうです(笑)。
で、戦闘状態に入るわけです。
もう、好古側の部隊が一列横隊になって、走り始めるんですね。いやあ、こういうの映画「二百三高地」以来かも(古!)、
いやいやあ、ちゃんと映像化しています。彼らは基本騎兵部隊なのかな?パンツ赤だけど。
それとも、隊づきの歩兵なのかな?。まあ、よくわかりません、そこらへんは。
たったか、走っております。そして、あるところまでいくと、身を隠して、弾を込めて、射撃準備です。
中隊長らしきひとが、号令します。
「かまえー」皆かまえてます。そうすると、向こう側からおびただしい敵が近づいてくるんですね。
それにしても、すごい量だね。しかも、堂々と立って歩いてくる。もう数おしですか?。しかも、見る見る近づいてくる。
好古さんの部隊は、それにおされちゃって、緊張状態がはげしすぎる感じ?。ま、ちょっとビビってるって感じに見えますねぇ(笑)。
なんか、引鉄にいれてる指も震えている感じだし。それでも清国兵は、ただ銃を構えて歩いてくるだけ。
感情がない感じ。まあ、そんなの見てる方はびびりますわな。
「ねらえー」
みんな緊張します。そして、中隊長さん
「撃てー」
で、皆狂ったように撃ちまくります。でも、まだ、射程外だったんですね。ピュンピュン地面に跳ね返されています。
清国兵もやっと射程圏内に入ると少し背をかがめて近寄ってきます。そして、銃撃戦です、すごいすなあ。
「押出しじゃ、ゆけー」と中隊長さんも必死です。双方死傷者もたくさんでてます。
と勢い余ってでてきちゃった中隊長さん、お約束で、額を射ぬかれて即死します。
「中隊長」と部下が必死に起こそうとしますが、時既に遅しです。
なんてやってるうちに、清国側から、砲弾の雨あられ。兵の数も多いし、さらに砲もあるんだから、そりゃ清国兵の方が圧倒的に有利ですな(笑)。
日本兵は雪崩をうって潰走します。
戦況はのっけから不利である。時が経つにつれていよいよ不利になってきた。
なんて時に、のんきな好古さんは、軍神謙信公に変身し(笑)、ドンパチの中で、酒を飲むという荒行をおこないます。
っていうか、ガクト謙信で見たあのシーンを今度は阿部ちゃん謙信で再現です(笑)。なんて、書きたくなる、
好古さんの戦場酒のシーンです。まあ、原作にもあるシーンなんですけどね(笑)。
「大隊長殿、ここは危険です。もう少しお下がりください」
と必死な思いの部下なわけですが、そんなの気にもしない好古さん、
「お前も飲むか?」と水筒を渡します。
「は」と大隊長のせっかくの気遣いに素直に水筒の中のモノを口に含むと
「これは」と驚く部下さんです。
「支那の酒じゃ」とこともなくいい
「呑まんのなら、返せ」と水筒をとりあげ、思い切り飲むと
「あうー」とか声だしてます。あまりにもおもしろい。おもしろすぐる(笑)。腹かかえて笑っちゃいます。おうおう、軍神降臨だぁ(笑)。
「ひとつ、お伺いしてもよろしいでしょうか」と、突然の質問攻め。
「あー」と言い返しながら、
「大隊長殿の指揮刀ですが」
「これか」と、好古さん指揮刀をぬきます。
「皆が心配しております。大隊長殿は戦時にあっても、何故刀を差さず、その指揮刀のままなのか、と」これ原作では竹光と紹介してたっけ?。
「突撃の指揮をとるものが、これでは不安か?」と、事も無げに言う好古さんです。
「いや」と部下は否定します。
「ええんじゃ、これで」と言われてもポカンな部下です。と好古さん、ちょっとためて、
「馬ひけぇー」「おー」ここカッコよかった。すげえ燃えた。もう、軍神降臨とは、この瞬間を言うのか。
もう謙信公とか、リアルケンシロウとか、花の慶次とか、カッコイイいろんなもんが、合わさってるって感じだよね。
「どちらへ」と部下が聞きます。
「大隊長殿」と言ってもずんずん歩いていくケンシロウです。
「兵が萎縮しちょる。前へ出る」うへー、かっこいー(笑)。
「まさか、おやめください」とこの部下さん、ほとんど意見聞いてもらえないですな。
「危険です。大隊長殿。お止めください。大隊長殿」必死になればなるほど、ガン無視状態で、ちょっと笑ってしまいます(笑)。
「大隊長殿ー」と言ってももう無駄です。
軍神はたった一騎、ズドンズドン、砲撃うける中を平気で走っていきます。もう、謙信公の再来って感じ。むちゃくちゃカッコイーっす(笑)。
その後を部下たちは、砲撃うけて倒れちゃったり、好古さんの部下は大変です。
さて、潰走してきた部下のところまで来ると、軍神は、兵をまとめるため、
大音声を張り上げます。しかし、阿部ちゃん馬の扱いうまいなあ。
「ええか、よーく聞け」なんて言われても兵たちはぐだぐだです。それでもひとり、語る好古さんです。
「あしは、旅順へ行けと言われとるんじゃ。退却という命令は受けておらん」軍神は冷静に語ります。そのうち感情が高まってきてあろうことか、笑いだします。
「わははは。一歩も引きはせんぞな」兵たちは軍神の叱咤激励に、耳を傾けはじめます。みんな、軍神の方を見ています。通訳の熊谷さんも見ています。
「去るものは去れ。責めはせん。じゃが、あしひとりでも、旅順に行くぞぉー」とすかさず、水筒から酒をぐびり。飲み干してしまいます。あれなくなっちった。
それを見ていた熊谷通訳、酒の入った水筒を
「大隊長殿ー」と叫んで投げあげます。その水筒が飛ぶのを見ている兵たちは、やがてしっかりそれを捕まえる軍神を見るのです。そして、
「はははは・・」と笑いながらまた、酒を呑むんですから、この軍神にやられない兵はいません(笑)。
「熊谷」と呼ばれる通訳さん。
「はい」とうれしそうに答えます。
「通訳はいるけんのー。おまえだけはついてこい」と好古さん。
「はい」と通訳さんもうれしそうです。このやりとりを見ていた兵たちも、すっかり戦う気持ちを取り戻しています。好古さんは馬頭を巡らすと、一言、
「前進!」
「ゆけー」部下の兵達もすっかり元気になっています。いやさすが、軍神です(笑)。
「おー」と兵達も気合が入ってきました。と自軍の騎兵と清国兵の騎兵との衝突が起こります。
「騎兵の到着じゃ」好古さんもさすがに気合が入ります。
「我らもいくぞー」と自軍を叱咤します。
「かまえー」と部下が司令します。すると、好古さん、例の指揮刀を抜くと
「いけぇーい」と命令します。自軍はにわかに活気づき、反抗が始まります。なんてやってるところへ、
「敵襲!」と伝令がやってきます。
「旅順本道の両翼より、新たな敵を発見。我が軍を包囲すべく、こちらに向かっております。その数およそ三千」と見るとやたら大軍が。
「敵の主力ではないか」と驚く好古さんです。
「たかが二百の斥候部隊に、そんな大軍がどうして」と部下さんの言う通り。はっきりいってむちゃくちゃです。
「清国軍はいったいなんば考えちょっとか」と、通訳さんも驚きの様子です。
「こりゃ、進軍どころのさわぎじゃありゃせんぞな」と当然な好古さんです。
「その通りです」と素直な突っ込みの部下さん。
「前進命令中止。東方部隊、直ちに撤退準備じゃ」とさっきだした命令を即座に変更です。
「退却準備、退却準備」と伝令が走っていきます。
「稲垣、いくさで最も難しいんは、退却戦じゃ」と、部下さんはさっき命令書を速記してた稲垣くんだったのね。
「勢いに乗った敵は、こちらが逃げ出すとみたら、どっと来る。それを食い止め、整然と引き揚げるんじゃ」と意気軒昂な好古さんです。
「はあ」と稲垣くん。
「よぉし、あしが殿をつとめる」とまた、軍神発言。酒ももう一度飲み干し、気合充分です。
「馬鹿なことをおっしゃらないでください」と稲垣も必死です。
「あしがやらんで、誰がやるんじゃ」うひょー、またまた、超かっちょいー!!。
「退却準備」好古さん、その気です。
「打ち方やめー」と、好古さん、また、勝手に走りだします。
「大隊長殿」と稲垣くん、熊谷さんはついていくのに必死です(笑)。
「援護射撃よーい」と次々に命令をくだしていきます。しかし、阿部ちゃん馬の扱いうまいねえ。単純にかっこいい。
「撃ちやれー」と命令をくだすと、前にでます。
「大隊長殿」と心配顔の稲垣くん。
「かかれー」と好古さん、と自軍を叱咤します。しかし、清国兵は多すぎて、もう、どうにもなりません。騎兵達もつぎつぎとやられています。
「下馬ー」と好古は、叫ぶと、下馬し、自軍の兵を救いにいきます。そうでもしなければ、どうにもならないほど、ズタズタにされていたんです。
好古は同時代の人々から、最後の古武士とか、戦国の豪傑の再来などと呼ばれていた、しかし、
本来はどうなのであろう。彼が松山で送った少年の頃や、大阪で暮らした教員時代、
人々は彼からおよそ豪傑を想像しなかった。穏やかで親切な少年であり、青年であったに過ぎない。
「ひるむな」好古は自軍の兵士を鼓舞し、なんとか連れだそうとします。しかし、砲弾もどんどん落ち、ぼろぼろになります。
勇気はあるいは固有のものではなく、彼の自己教育の所産であったと思われる。
それで、好古のシーンは終了。そのあと、どうなったかは、描かれていないけど、どうなったんだろう?。
とにかく、壮絶な敗北のシーンということですね。
司馬さんが言っているのは、好古は、自分を鍛えて鍛えて古武士や豪傑に仕向けたってことですね。
まあ、若い頃のあの好古にいさんからは、ちょっと今の軍神ぶりは想像できなかったですからね。
そういえば、西郷なんかも、自分で自分を教育してああゆう自分を完成させた、と司馬さんは書いていましたから、
この好古にも同じ匂いを感じたということなんでしょうか。確かに茶碗一個で暮らしてた好古ですから、
自分で自分をそう仕向けたことはその一事でもわかります。自己プロデュースの作品なんですね、好古は。
さて、このシーンについて考えてみましょう。
ここは原作にも書かれているシーンで、その原作を余すところなく映像化したと考えるべきでしょうか。
最初から兵士の数的に不利で、ボコボコにされ、潰走。しかし、酒を飲み、軍神化した好古に大勢を立て直される(それは原作にはない)ものの、
さらにすごい数の敵兵に攻められ、さらにボコボコにされ、最後は下馬して仲間を救うというストーリーですからね。原作を膨らまし、より、
騎兵が未だに兵種として確立していない、発展途上であることを強調し、さらに日本陸軍自体も発展途上ということを強調した
イメージづくりが行われたと捉えていいでしょう。今後、ここから、発展し、さらに強い敵を相手にまわすようになるんですからね。
その発展を今後見せて行く段取りだと考えます。それにしても、阿部ちゃんの軍神ぶり楽しかったです。このひとは臥体がいいから、
騎乗姿がえらくかっこいいですね。いやいや、ほんと楽しかったです。騎乗もうまいし。男子ながら、うへ、かっちょいーと素直に感じてしまいました。
さらに、日本陸軍の弱さを徹底的に見せつけてましたね。それでいて、軍神にあおられると一気にとり戻しちゃう感じとか、
まだまだ、子供な日本陸軍及び騎兵でした。
脚本意図は、とりあえず、陸軍と騎兵はまだまだ発展途上であるということを見せるということと、好古さんの軍神ぶりを見せるということでしょうか。
アゲたのは、好古さんですね。サゲたのは、日本陸軍と騎兵かな。まあ、これくらいサゲとかないと、あとでつよくなるのを描けないですからね。
日本人的美徳という観点からはいかがでしょうか。軍神化については、日本人の美徳とはまた違うものですからね。酒飲んでいくさやっちゃうあたり、
豪傑のイメージですが、古来いくさと酒というのは、日本においてはつきものでしたし、そういう日本的な一風景としてみたほうがよいかも
しれませんね(笑)。
第二軍の旅順攻撃は、21日の拂暁、寒気をついて行われた。半年はかかると言われた旅順要塞は
驚くべきことに、まる1日で落ちてしまった。
勝利の最大の原因は、日本軍の方にない。清国兵の士気の低さにあった。要塞守備兵の大部分は、
金州方面に逃げた。
と部下の兵をつれ、いくさ跡を調査する乃木さんが現れます。敵味方双方の死体が累々と横たわり、遺体を運ぶ者もいる。
そんな中、乃木とその部下達は、遺体に向かって帽子をとり、礼をささげている。そこへ、
「乃木閣下。ついにやりもしたな」
と登場してくるのが、
第二軍参謀副長 伊地知幸介
であったりする。とこれまた、この原作では無農薬いや無能役として描かれる伊地知はんです。村田雄浩さん、
この役者さんは、ドラマ「青が散る」以来ずっと見ていますが好感のもてる役者さんですね。確か独眼竜政宗にも出演してましたよね。
ま、そんなひとが、伊地知はんですか。まあ、どんな伊地知はんをやるのか、ある意味楽しみです。
「旅順城陥落おめでとうございます」
と、万感こもっている伊地知さんなのですが、乃木さんは、あまり表情がありません。ちょっとどういうひとか、とらえにくい感じをうまく
演じてますね。
「陛下もこん歴史的大勝利をきっとお喜びになるにちがいもはん」と伊地知はん、明治天皇LOVEの乃木さんのことを知っていて、うれしがるようにかまし、
「乃木閣下が出征のおり、大本営で詠まれた漢詩ば、思い起こされもんどなあ」と伊地知はん、乃木さんファンであることを暴露、さらに
「確かあの漢詩の結びは、踏破ス支那師百州。閣下なら必ず成し遂げられもんそ」と、さらなる乃木ファンぶりを露呈です。それに対して乃木さんは、伊地知さんの肩を
ポンと叩くだけです。それでも乃木さんにすれば、精一杯の表現という感じがしますね。
乃木と伊地知、この二人は、後の日露戦争の時の第三軍の司令官と参謀長として、
旅順攻略の担当者になった。
と、司馬さんの怨念がささやくようです(笑)。
さて、このシーンは何を描いたのでしょう。
まあ、乃木と伊地知さんの紹介と、その性格をみせるということですかね。
伊地知さんは割とおしゃべりというか、感傷的になる癖がある、ということでしょうか。乃木さんフリークでもあるみたいですね(笑)。そして、乃木は
あくまで無口。感情表現があまりできないひと、というイメージでした。そういう風にみせることで、視聴者にいろいろ考えさせることができますから、
今後、無能役をやるうえで、そのあたりをうまく使おうと考えてるように思われます。アゲもサゲもない、という感じでしょうか。淡々と二人の
紹介にとどめた感じです。日本人の美徳的表現ということに関しては、実は、あの遺体に対する礼というものが、日本人の特徴的な部分でもあるようですね。
中国で大地震がおき、日本の救援隊が応援にいきましたが、同様のことをすると、向こうではめずらしがり、多くの現地のひとがその行為に対して、
非常に感謝した、という記事をみたことがあるので、まあ、欧米では普通だったりしますが、ちょっとだけ言及しておきましょう(笑)。
と、今回の記事はここまで。好古の軍神ぶりを中心にまとめた感じになりました。いやぁ、楽しかったー(笑)。
少しずつ、記事のまとめが進んでいる感じですね。
まあ、これがひととおりすめば、このドラマ、今回で、何が表現されていたか、日本人の美徳とは?などが見えてくるはずです。
それにしても、記事量が多いですねえ。へろへろになってきました(笑)。
ここまで、読んで頂いた方、ありがとうございます。けっこう長いんで、疲れるでしょう。
一番、読者が疲れるんですよね(笑)。
それでは、また、次の記事で、お疲れ様でした。
好古の隊は、意見書を出した翌日の朝7時に宿営地を出発し、前進した。
ところが午前十時頃水師営方面から前進してきたらしい、おびただしい数の敵と遭遇し、前面衝突となった。
斥候が双眼鏡をかざすと、やたら大量の敵兵を見つけるんですね。ほんとおびただしい清国兵です。
いやぁ、もうほんと大量の清国兵だわぁ、うれしいはぁ(笑)。すごい映像化です。うれしくて、よだれがでそうです(笑)。
で、戦闘状態に入るわけです。
もう、好古側の部隊が一列横隊になって、走り始めるんですね。いやあ、こういうの映画「二百三高地」以来かも(古!)、
いやいやあ、ちゃんと映像化しています。彼らは基本騎兵部隊なのかな?パンツ赤だけど。
それとも、隊づきの歩兵なのかな?。まあ、よくわかりません、そこらへんは。
たったか、走っております。そして、あるところまでいくと、身を隠して、弾を込めて、射撃準備です。
中隊長らしきひとが、号令します。
「かまえー」皆かまえてます。そうすると、向こう側からおびただしい敵が近づいてくるんですね。
それにしても、すごい量だね。しかも、堂々と立って歩いてくる。もう数おしですか?。しかも、見る見る近づいてくる。
好古さんの部隊は、それにおされちゃって、緊張状態がはげしすぎる感じ?。ま、ちょっとビビってるって感じに見えますねぇ(笑)。
なんか、引鉄にいれてる指も震えている感じだし。それでも清国兵は、ただ銃を構えて歩いてくるだけ。
感情がない感じ。まあ、そんなの見てる方はびびりますわな。
「ねらえー」
みんな緊張します。そして、中隊長さん
「撃てー」
で、皆狂ったように撃ちまくります。でも、まだ、射程外だったんですね。ピュンピュン地面に跳ね返されています。
清国兵もやっと射程圏内に入ると少し背をかがめて近寄ってきます。そして、銃撃戦です、すごいすなあ。
「押出しじゃ、ゆけー」と中隊長さんも必死です。双方死傷者もたくさんでてます。
と勢い余ってでてきちゃった中隊長さん、お約束で、額を射ぬかれて即死します。
「中隊長」と部下が必死に起こそうとしますが、時既に遅しです。
なんてやってるうちに、清国側から、砲弾の雨あられ。兵の数も多いし、さらに砲もあるんだから、そりゃ清国兵の方が圧倒的に有利ですな(笑)。
日本兵は雪崩をうって潰走します。
戦況はのっけから不利である。時が経つにつれていよいよ不利になってきた。
なんて時に、のんきな好古さんは、軍神謙信公に変身し(笑)、ドンパチの中で、酒を飲むという荒行をおこないます。
っていうか、ガクト謙信で見たあのシーンを今度は阿部ちゃん謙信で再現です(笑)。なんて、書きたくなる、
好古さんの戦場酒のシーンです。まあ、原作にもあるシーンなんですけどね(笑)。
「大隊長殿、ここは危険です。もう少しお下がりください」
と必死な思いの部下なわけですが、そんなの気にもしない好古さん、
「お前も飲むか?」と水筒を渡します。
「は」と大隊長のせっかくの気遣いに素直に水筒の中のモノを口に含むと
「これは」と驚く部下さんです。
「支那の酒じゃ」とこともなくいい
「呑まんのなら、返せ」と水筒をとりあげ、思い切り飲むと
「あうー」とか声だしてます。あまりにもおもしろい。おもしろすぐる(笑)。腹かかえて笑っちゃいます。おうおう、軍神降臨だぁ(笑)。
「ひとつ、お伺いしてもよろしいでしょうか」と、突然の質問攻め。
「あー」と言い返しながら、
「大隊長殿の指揮刀ですが」
「これか」と、好古さん指揮刀をぬきます。
「皆が心配しております。大隊長殿は戦時にあっても、何故刀を差さず、その指揮刀のままなのか、と」これ原作では竹光と紹介してたっけ?。
「突撃の指揮をとるものが、これでは不安か?」と、事も無げに言う好古さんです。
「いや」と部下は否定します。
「ええんじゃ、これで」と言われてもポカンな部下です。と好古さん、ちょっとためて、
「馬ひけぇー」「おー」ここカッコよかった。すげえ燃えた。もう、軍神降臨とは、この瞬間を言うのか。
もう謙信公とか、リアルケンシロウとか、花の慶次とか、カッコイイいろんなもんが、合わさってるって感じだよね。
「どちらへ」と部下が聞きます。
「大隊長殿」と言ってもずんずん歩いていくケンシロウです。
「兵が萎縮しちょる。前へ出る」うへー、かっこいー(笑)。
「まさか、おやめください」とこの部下さん、ほとんど意見聞いてもらえないですな。
「危険です。大隊長殿。お止めください。大隊長殿」必死になればなるほど、ガン無視状態で、ちょっと笑ってしまいます(笑)。
「大隊長殿ー」と言ってももう無駄です。
軍神はたった一騎、ズドンズドン、砲撃うける中を平気で走っていきます。もう、謙信公の再来って感じ。むちゃくちゃカッコイーっす(笑)。
その後を部下たちは、砲撃うけて倒れちゃったり、好古さんの部下は大変です。
さて、潰走してきた部下のところまで来ると、軍神は、兵をまとめるため、
大音声を張り上げます。しかし、阿部ちゃん馬の扱いうまいなあ。
「ええか、よーく聞け」なんて言われても兵たちはぐだぐだです。それでもひとり、語る好古さんです。
「あしは、旅順へ行けと言われとるんじゃ。退却という命令は受けておらん」軍神は冷静に語ります。そのうち感情が高まってきてあろうことか、笑いだします。
「わははは。一歩も引きはせんぞな」兵たちは軍神の叱咤激励に、耳を傾けはじめます。みんな、軍神の方を見ています。通訳の熊谷さんも見ています。
「去るものは去れ。責めはせん。じゃが、あしひとりでも、旅順に行くぞぉー」とすかさず、水筒から酒をぐびり。飲み干してしまいます。あれなくなっちった。
それを見ていた熊谷通訳、酒の入った水筒を
「大隊長殿ー」と叫んで投げあげます。その水筒が飛ぶのを見ている兵たちは、やがてしっかりそれを捕まえる軍神を見るのです。そして、
「はははは・・」と笑いながらまた、酒を呑むんですから、この軍神にやられない兵はいません(笑)。
「熊谷」と呼ばれる通訳さん。
「はい」とうれしそうに答えます。
「通訳はいるけんのー。おまえだけはついてこい」と好古さん。
「はい」と通訳さんもうれしそうです。このやりとりを見ていた兵たちも、すっかり戦う気持ちを取り戻しています。好古さんは馬頭を巡らすと、一言、
「前進!」
「ゆけー」部下の兵達もすっかり元気になっています。いやさすが、軍神です(笑)。
「おー」と兵達も気合が入ってきました。と自軍の騎兵と清国兵の騎兵との衝突が起こります。
「騎兵の到着じゃ」好古さんもさすがに気合が入ります。
「我らもいくぞー」と自軍を叱咤します。
「かまえー」と部下が司令します。すると、好古さん、例の指揮刀を抜くと
「いけぇーい」と命令します。自軍はにわかに活気づき、反抗が始まります。なんてやってるところへ、
「敵襲!」と伝令がやってきます。
「旅順本道の両翼より、新たな敵を発見。我が軍を包囲すべく、こちらに向かっております。その数およそ三千」と見るとやたら大軍が。
「敵の主力ではないか」と驚く好古さんです。
「たかが二百の斥候部隊に、そんな大軍がどうして」と部下さんの言う通り。はっきりいってむちゃくちゃです。
「清国軍はいったいなんば考えちょっとか」と、通訳さんも驚きの様子です。
「こりゃ、進軍どころのさわぎじゃありゃせんぞな」と当然な好古さんです。
「その通りです」と素直な突っ込みの部下さん。
「前進命令中止。東方部隊、直ちに撤退準備じゃ」とさっきだした命令を即座に変更です。
「退却準備、退却準備」と伝令が走っていきます。
「稲垣、いくさで最も難しいんは、退却戦じゃ」と、部下さんはさっき命令書を速記してた稲垣くんだったのね。
「勢いに乗った敵は、こちらが逃げ出すとみたら、どっと来る。それを食い止め、整然と引き揚げるんじゃ」と意気軒昂な好古さんです。
「はあ」と稲垣くん。
「よぉし、あしが殿をつとめる」とまた、軍神発言。酒ももう一度飲み干し、気合充分です。
「馬鹿なことをおっしゃらないでください」と稲垣も必死です。
「あしがやらんで、誰がやるんじゃ」うひょー、またまた、超かっちょいー!!。
「退却準備」好古さん、その気です。
「打ち方やめー」と、好古さん、また、勝手に走りだします。
「大隊長殿」と稲垣くん、熊谷さんはついていくのに必死です(笑)。
「援護射撃よーい」と次々に命令をくだしていきます。しかし、阿部ちゃん馬の扱いうまいねえ。単純にかっこいい。
「撃ちやれー」と命令をくだすと、前にでます。
「大隊長殿」と心配顔の稲垣くん。
「かかれー」と好古さん、と自軍を叱咤します。しかし、清国兵は多すぎて、もう、どうにもなりません。騎兵達もつぎつぎとやられています。
「下馬ー」と好古は、叫ぶと、下馬し、自軍の兵を救いにいきます。そうでもしなければ、どうにもならないほど、ズタズタにされていたんです。
好古は同時代の人々から、最後の古武士とか、戦国の豪傑の再来などと呼ばれていた、しかし、
本来はどうなのであろう。彼が松山で送った少年の頃や、大阪で暮らした教員時代、
人々は彼からおよそ豪傑を想像しなかった。穏やかで親切な少年であり、青年であったに過ぎない。
「ひるむな」好古は自軍の兵士を鼓舞し、なんとか連れだそうとします。しかし、砲弾もどんどん落ち、ぼろぼろになります。
勇気はあるいは固有のものではなく、彼の自己教育の所産であったと思われる。
それで、好古のシーンは終了。そのあと、どうなったかは、描かれていないけど、どうなったんだろう?。
とにかく、壮絶な敗北のシーンということですね。
司馬さんが言っているのは、好古は、自分を鍛えて鍛えて古武士や豪傑に仕向けたってことですね。
まあ、若い頃のあの好古にいさんからは、ちょっと今の軍神ぶりは想像できなかったですからね。
そういえば、西郷なんかも、自分で自分を教育してああゆう自分を完成させた、と司馬さんは書いていましたから、
この好古にも同じ匂いを感じたということなんでしょうか。確かに茶碗一個で暮らしてた好古ですから、
自分で自分をそう仕向けたことはその一事でもわかります。自己プロデュースの作品なんですね、好古は。
さて、このシーンについて考えてみましょう。
ここは原作にも書かれているシーンで、その原作を余すところなく映像化したと考えるべきでしょうか。
最初から兵士の数的に不利で、ボコボコにされ、潰走。しかし、酒を飲み、軍神化した好古に大勢を立て直される(それは原作にはない)ものの、
さらにすごい数の敵兵に攻められ、さらにボコボコにされ、最後は下馬して仲間を救うというストーリーですからね。原作を膨らまし、より、
騎兵が未だに兵種として確立していない、発展途上であることを強調し、さらに日本陸軍自体も発展途上ということを強調した
イメージづくりが行われたと捉えていいでしょう。今後、ここから、発展し、さらに強い敵を相手にまわすようになるんですからね。
その発展を今後見せて行く段取りだと考えます。それにしても、阿部ちゃんの軍神ぶり楽しかったです。このひとは臥体がいいから、
騎乗姿がえらくかっこいいですね。いやいや、ほんと楽しかったです。騎乗もうまいし。男子ながら、うへ、かっちょいーと素直に感じてしまいました。
さらに、日本陸軍の弱さを徹底的に見せつけてましたね。それでいて、軍神にあおられると一気にとり戻しちゃう感じとか、
まだまだ、子供な日本陸軍及び騎兵でした。
脚本意図は、とりあえず、陸軍と騎兵はまだまだ発展途上であるということを見せるということと、好古さんの軍神ぶりを見せるということでしょうか。
アゲたのは、好古さんですね。サゲたのは、日本陸軍と騎兵かな。まあ、これくらいサゲとかないと、あとでつよくなるのを描けないですからね。
日本人的美徳という観点からはいかがでしょうか。軍神化については、日本人の美徳とはまた違うものですからね。酒飲んでいくさやっちゃうあたり、
豪傑のイメージですが、古来いくさと酒というのは、日本においてはつきものでしたし、そういう日本的な一風景としてみたほうがよいかも
しれませんね(笑)。
第二軍の旅順攻撃は、21日の拂暁、寒気をついて行われた。半年はかかると言われた旅順要塞は
驚くべきことに、まる1日で落ちてしまった。
勝利の最大の原因は、日本軍の方にない。清国兵の士気の低さにあった。要塞守備兵の大部分は、
金州方面に逃げた。
と部下の兵をつれ、いくさ跡を調査する乃木さんが現れます。敵味方双方の死体が累々と横たわり、遺体を運ぶ者もいる。
そんな中、乃木とその部下達は、遺体に向かって帽子をとり、礼をささげている。そこへ、
「乃木閣下。ついにやりもしたな」
と登場してくるのが、
第二軍参謀副長 伊地知幸介
であったりする。とこれまた、この原作では無農薬いや無能役として描かれる伊地知はんです。村田雄浩さん、
この役者さんは、ドラマ「青が散る」以来ずっと見ていますが好感のもてる役者さんですね。確か独眼竜政宗にも出演してましたよね。
ま、そんなひとが、伊地知はんですか。まあ、どんな伊地知はんをやるのか、ある意味楽しみです。
「旅順城陥落おめでとうございます」
と、万感こもっている伊地知さんなのですが、乃木さんは、あまり表情がありません。ちょっとどういうひとか、とらえにくい感じをうまく
演じてますね。
「陛下もこん歴史的大勝利をきっとお喜びになるにちがいもはん」と伊地知はん、明治天皇LOVEの乃木さんのことを知っていて、うれしがるようにかまし、
「乃木閣下が出征のおり、大本営で詠まれた漢詩ば、思い起こされもんどなあ」と伊地知はん、乃木さんファンであることを暴露、さらに
「確かあの漢詩の結びは、踏破ス支那師百州。閣下なら必ず成し遂げられもんそ」と、さらなる乃木ファンぶりを露呈です。それに対して乃木さんは、伊地知さんの肩を
ポンと叩くだけです。それでも乃木さんにすれば、精一杯の表現という感じがしますね。
乃木と伊地知、この二人は、後の日露戦争の時の第三軍の司令官と参謀長として、
旅順攻略の担当者になった。
と、司馬さんの怨念がささやくようです(笑)。
さて、このシーンは何を描いたのでしょう。
まあ、乃木と伊地知さんの紹介と、その性格をみせるということですかね。
伊地知さんは割とおしゃべりというか、感傷的になる癖がある、ということでしょうか。乃木さんフリークでもあるみたいですね(笑)。そして、乃木は
あくまで無口。感情表現があまりできないひと、というイメージでした。そういう風にみせることで、視聴者にいろいろ考えさせることができますから、
今後、無能役をやるうえで、そのあたりをうまく使おうと考えてるように思われます。アゲもサゲもない、という感じでしょうか。淡々と二人の
紹介にとどめた感じです。日本人の美徳的表現ということに関しては、実は、あの遺体に対する礼というものが、日本人の特徴的な部分でもあるようですね。
中国で大地震がおき、日本の救援隊が応援にいきましたが、同様のことをすると、向こうではめずらしがり、多くの現地のひとがその行為に対して、
非常に感謝した、という記事をみたことがあるので、まあ、欧米では普通だったりしますが、ちょっとだけ言及しておきましょう(笑)。
と、今回の記事はここまで。好古の軍神ぶりを中心にまとめた感じになりました。いやぁ、楽しかったー(笑)。
少しずつ、記事のまとめが進んでいる感じですね。
まあ、これがひととおりすめば、このドラマ、今回で、何が表現されていたか、日本人の美徳とは?などが見えてくるはずです。
それにしても、記事量が多いですねえ。へろへろになってきました(笑)。
ここまで、読んで頂いた方、ありがとうございます。けっこう長いんで、疲れるでしょう。
一番、読者が疲れるんですよね(笑)。
それでは、また、次の記事で、お疲れ様でした。