趣味は読書。

気ままな読書記録と日々思うこと、備忘録

『クラウドクラスターを愛する方法』 窪美澄

2013年06月21日 | 
窪美澄さんといえば、『ふがいない僕は空を見た』ですよね~
山本周五郎賞を受賞されたり、本屋大賞2位、さらには映画にもなったりと、
話題になっていました。
興味を持っていましたが、残念ながら未だ読んでいないのです。

図書館の書棚で、本作品を見つけて早速借りてきました。
窪美澄さんの作品を読むのは、これが初めてです。



この『クラウドクラスターを愛する方法』は、表題作の中編と、
「キャッチアンドリリース」という短編の2編から成ります。
どちらも、家庭が壊れている中の大人になっていく子どもが主人公です。

読みながら、最近こういう感じの本が多いな、と思ってしまいました。

読み終わってから結構時間が経っているのですが、
感想が旨くまとまらないのは、そのせいかもしれません。
正直、書くのをやめようかと思っていたのですが・・・。

ふと思ったのですが、もしかしたら、こういった本に、
10代の頃出会いたかったのではないかと。

親の離婚や、不仲や経済的な問題が、逃げられない子どもを直撃する。
逃げ道も無い、助けも無い状況にただただ翻弄されるのみ。
そんな中で、どうやって生きていけばいいのか。
どこに救いはあるのか。
その、理不尽な怒り、空虚な悲しみを感じていました。

それらが、硬く強い筆致ではなく、優しく穏やかに迫ってくるのです。
感性のみずみずしい若い世代に、とてもいい本ではないかと、
そんな風に思いました。。