趣味は読書。

気ままな読書記録と日々思うこと、備忘録

「ズームーデイズ」井上荒野

2009年12月22日 | 
主人公は30歳女性、一応小説家。
2作目がなかなか書けずにいる。
妻子持ちの‘カシキ’と切れないまま
8歳年下の‘ズームー’と一緒に暮らし始める。
‘ズームー’‘アームー’とお互いを呼び合いながら
『仲良しごっご』を続けた7年間の日々のお話です。

いつものように慣れた荒野さんの文章で
長くないのでもっとすーっと読めるかと思っていました。
こんなに読み進めるのが遅くなったのは
第一作目以来のことです。
(一作目は私には苦手な感じだったのです。)

でも、あの本とは違うのです。
読んでいて、苦しくなってくるのでした。
まるで荒野さんの吐露を受け止めているみたいで。

主人公が小説家で、「父神病」として小説家の父親が登場したり
まさに荒野さん?と思わせるような設定です。
だからといってフィクションだよね、と読むのですが
どうもいつもの様には上手く行きません。

それがもし作家の手管ならば
大成功です。
私には荒野さんの心の叫びが届いて来るようで
とても苦しくて仕方ありませんでした。
その気持ちに共鳴してしまい
それがまた何故なのか、分からずに読み終えた感じです。

他の人の読後感想が、とても気になる本でした。。