趣味は読書。

気ままな読書記録と日々思うこと、備忘録

「切羽へ」井上荒野  

2009年01月09日 | 
今年初読書は、井上荒野さんの「切羽へ」。
井上さんの作品は初めてです。

とてもとても良かったです。
読み始めてすぐに思いました。
あっ、好きな作家だと。

久しぶりに‘手馴れた作家’の
作品を読んだという感じがしました。

‘切羽’という言葉を知りませんでした。
最初‘せっぱ’と間違えていました。
‘それ以上前に進めない先’という解説に
なるほど。

表現の仕方なのか
言葉の選び方なのか
情景が匂い立つように感じました。
季節の漂う空気や湿気や体温が
そのまますっと運び込まれてくる感覚。

一つ違和感を持ったのは
主人公の年齢です。
若く感じないのです。
同年齢の感じ、作者と近い年齢に
どうしても感じてしまい
そのあたりの設定に戸惑いを覚えました。
ただ単に、自分が若くないというだけなのかもしれませんが。

「妻って人種はきっとみんな妖怪なのね」P-198
この台詞に、笑ってしまいました~
そして、井上さんは結婚されているのかしら、
と思いました。
でも、私も妖怪かも、と思ってしまったのも事実です。

オススメのコメントありがとうございました。
近いうちに、この著者の別な作品も読んでみたいです。。