HPの閉鎖を計画中の為、それに伴う過去のデータの移行中。結構データ量があるので、突然唐突に過去の話題をアップし続ける予定・・・
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あいつは格好よかった
2004年 ネット小説の映画化
何故か高校生役である。20歳台半ばを過ぎて高校生役、そしてネットで話題の小説の映画化と本人の意思や、努力とは関係ないところでいくつものハードルがあるような気がするが、あえてこの映画に出演することを決めたポイントは何だったのだろう。
映画が公開されるのは2004年7月22日公開
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(以下 2004年7月 ソウルへの旅と同文)
(同時期に公開された@狼の誘惑も同じインターネット小説を原作にしているせいもあり、何かと比較されることが多いようだった。)
あいつは格好よかった(クノムン モシソッタ)舞台挨拶
2004年7月29日(木) 18時25分 三成(サムソン)メガボックス 舞台挨拶
映画のオープニングが始まったと思ったら、急に場内が明るくなり司会の女性が登場。「皆さん早く映画を観たいと思いますが、今日は出演者が挨拶に来ています。」その言葉を促されるように、赤いTシャツにGパン姿のソン・スンホン(宋承憲)を先頭に花美男4人が登場。
(オルチャン、モムチャンというチャンという音の持つ弾けた感じもいいが、私はどちらかというと花美男(コッミナン)という単語の方が好きだ。
チャンという音の持つ弾けた感じもいいが、花美男という漢字の字面から想像をめぐらせるほうがちょっと奥ゆかしいのではという単純な理由なのだが)
遠目から見ても、ソン・スンホン(宋承憲)は少し疲れているように見えた。1箇所につきほんの数分の挨拶とはいえ、公開の1週間ほど前から何箇所も舞台挨拶をこなしているはずだ。観ているほうからしたら短い1回の舞台挨拶でも、出演者にしたら、1日に何度ものことだ。人疲れもするに違いない。私が観た舞台挨拶の後もプチョンとプピョンのCGVで舞台挨拶があるようだった。結局その日は1日9回の舞台挨拶をこなしたらしい)翌日の30日も1日ソウルで舞台挨拶をし、31日はテグ、8月1日は釜山での舞台挨拶が予定されているようだった。
異常な暑さが続いている日本と同様ソウルもとても暑い日々が続いているようだった。(7月29日ソウルも熱帯夜だったようだ)
小さい劇場での挨拶とはいえ、いくつもの携帯のカメラ、デジカメが4人に向けられ、フラッシュがたかれていた。いくつものフラッシュの光が出演者皆の元気を奪うことなく、作品を愛する人が沢山劇場に足を運んでいるという事実が、これからの励みになればと影ながら祈るばかりだ。
日本に帰って来てから紹介されている写真を見ると赤いTシャツ姿のソン・スンホン(宋承憲)は私が思ったよりもかなり元気そうだった。
反対に私は29日(木)12時半過ぎに金浦空港へ着いてから、サムソンのメガボックスでの舞台挨拶まで5時間あまり殆ど座ることもなくいたのだ。
実際ソン・スンホン(宋承憲)を遠目に観ながら、隣の女性たちのように手を振るわけでもなくぼーっと見つめていただけのような気もする。
疲れていたのは結局私だったのかもしれない。
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あいつは格好よかった(クノムン モシソッタ)&狼の誘惑(ヌクテエ ユホク)
あいつは格好よかったとはなんとも凄いタイトルだ。ソン・スンホン(宋承憲)が少しでも格好よく見えなかったら、高校生を演じることに観客が少しでも矛盾を感じたら
、そこで映画そのものが成立しなくなってしまうのだから。演じる側にとったら高いハードルだったに違いない。
あまりにも直接的なタイトルに現実感を持たせるために、実年齢とかけ離れた役を演じるために、ソン・スンホン(宋承憲)がかなり努力したであろうことは想像に難くない。
しかし楽しいコメディに役者の努力の跡が見えるのは似合わないし、無理している感じが画面に出てしまうのはもっといただけない。しかし弾けた高校生を演じる
ソン・スンホン(宋承憲)はワイヤーで吊られるアクションシーンをもこなし、回し蹴りまで見せてくれるのだ。以前撮影された@イルタンティオよりも若々しい感じだった。
そしてやっぱり男前で格好よかった。
ソン・スンホン(宋承憲)演じるチン・ウンソンとチョン・ダビン演じるハン・イェウォン。
何故か親しくなるこの二人を描くのに、特別ロマンティックな風景が用意されているわけではない。
病院のベット、校門の前、カラオケボックス、公園のベンチと二人が一緒の時間を過ごす場所もありきたりだし、出てくる小物もウサギだったり、写真だったり、ペアの携帯
だったりどこにでもあるものばかりだ。
私が特に気に入ったのは、指輪のサイズを調べようとする場面だ。普段悪態をつき悪ぶっていながらも、純情さを感じさせる可愛い場面だと思う。
この普通さ加減と、小さなエピソードを印象的な小物を使いつつ一つの物語に積み上げていく様はネット小説ならではの手法なのだろう。
何故かエンドロールで明かされる秘密があまりにもあっさり描かれている。直接的な題名からは想像出来ない奥ゆかしさだ。
狼の誘惑は平凡な女子高生、そしてその女子高生をを何故か「姉さん」と呼ぶ高校生、平凡な女子高生を何故か好きになる高校生、この三人の物語だ。
主演のカン・ドンウォンが涙を流せば、胸の前で手を合わせ、彼が喧嘩で血を流せばその傷を手当てできないもどかしさを感じつつ手を合わせ、彼がバイクを走らせれば、まるで彼の腰に手を回すかのように胸の前で手を合わせと、こんなにも女子中高生が胸の前で手を合わせうっとるする映画を観たのは初めてだった。観客の女子中高生は本当に映画と現実の区別がついていないかのようだった。本人たちからは映画を楽しんでいると反論されそうだが、カン・ドンウォンに何の思い入れもない私にとっては、うっとりする女子中高生のなかに混じりながら、居場所のない感じの2時間だった。
女子中高生は一緒に出演しているチョ・ハンソンをどれくらい観ていたのだろう。私はドラマ@ナイスガイで見慣れているせいもあり、なんとなく無視されているチョ・ハンソンになかり同情してしまった。彼もそこそこ格好よかったと思うのだが・・・
映画は胸の前で手を合わせうっとりしていても問題ない、とてもシンプルなストーリーだった。
この2本の映画を比べてみると・・・
平凡な女子高生と花美男の高校生の物語と話のコンセプトはほぼ一緒だ。
狼の誘惑がカン・ドンウォン一人にスポットをあてた女子高生志向なのに比べ、あいつは格好よかったの方はソン・スンホン(宋承憲)の格好よさも十二分に描きつつも、チョン・ダビンの普通の女子高生ぶりも可愛らしく描いている。
タンバリンを片手にカラオケに興じる場面などは、カラオケ場面ベストテンを選ぶ機会があるとするなら、間違いなく1位に押したい場面だ。ソン・スンホン(宋承憲)のカラオケ場面は次点といったところか。
笑える場面もあいつは格好よかったの方がふんだんに盛り込まれている。スラングで笑わせる場面もさることながら、ソン・スンホン(宋承憲)が格好をつける場面も笑わせるし、(授業中の携帯場面などのやり取りは最高だ)チョン・ダビンの可愛らしさを残しつつの捨て身の場面(何度も出てくる走る場面はどれも笑わせてくれる)も好印象だ。
カン・ドンウォンのちょっと寂しげな雰囲気と若さをいう素材の良さを活かしきることに重点を置いた狼の誘惑と、演じることによって平凡さと格好よさを表そうとしたあいつは格好よかった。
どちらも大袈裟な主題があるわけでなく、若々しくて、ちょっと楽しくて、そして最後にほろっとさせる。どちらを好むかは本当に見る側の好み一つだろう。