私の映画玉手箱(番外編)なんということは無い日常日記

なんということは無い日常の備忘録とあわせ、好きな映画、韓国ドラマ、そして
ソン・スンホンの事等を暢気に書いていく予定。

ムーブ・トゥ・ヘブン 私は遺品整理士です 第9,10話

2021-06-23 20:58:52 | ムーブ・トゥ・ヘブン 私は遺品整理士です 韓国ドラマ

実の母親を探すために海外からやって来た若い男性。

子どもを育てられない母によって海外に養子に出された彼。しかし、身体が弱かった事が分かると養父母から十二分な愛情を持って育てられる事の無かった彼。

韓国に戻ってきて実の母を探そうとするものの、韓国語の話せない彼にとって、母国ではあっても韓国で頼る人もいない生活は辛かったのだ。一人静かに息を引き取った彼の部屋を片付ける事になるグルとサング。

遺品を遺族に渡すべく、実の母を探そうとする二人だが、グルの出自を考えると複雑な思いに駆られるサング。しかしグルは自分が養子であることを知っており、「父さんは僕に優しくしてくれました」とサングに淡々ととその事を告げるのだ。

そんな風に父の愛情を感じて育ったグルは、父の納骨を勧める弁護士の言葉を理解できず、家を飛び出してしまうのだが、そんなグルをサングは探しに行く事に・・・その中でグルがどんな風に二人の息子になり、どんな風にして育てられたのかを知る事になるサング。

グルが出来ない事を出来るように努力させるのではなく、グルが出来る事を更に伸ばしていくように、少しでも出来る可能性があることを諦める事なく、少しずつ前に一歩進めるようにそばに寄り添って見守っていた2人。

そんな風に二人の愛情を感じて育ち、母が亡くなった後は、父と一緒に暮らしてきたグル。そんなグルに、父親は遺品整理士としての心構えを一つ一つ丁寧に教えていたのだ。グルに生活の糧となる技術を伝え、優しさを伝えて旅立った父。

変化を嫌うグルが、サングを自分の後見人として受け入れる事が出来たのも、サングと一緒に仕事をしていく中で、何かを感じ取る事が出来たからに違いない。

父親は既に亡くなってしまっているのに、父がどんな思いでグルと一緒に生活をしていたのかをずっと暖かい気持ちで感じる事が出来るドラマだった。

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朝鮮戦争をきっかけに始まった海外養子。その後貧困やシングルマザー等の理由でも海外との養子縁組は行われていたとの事。(ピークは1980年代だったらしい)ドラマや映画でも海外に養子に行った子供たちが韓国に戻ってきて両親を探すというエピソードはよく描かれている。


ムーブ・トゥ・ヘブン 私は遺品整理士です 第7,8話

2021-06-06 19:39:02 | ムーブ・トゥ・ヘブン 私は遺品整理士です 韓国ドラマ

賭けボクシングの試合で試合の事故で刑務所に入っていたサングだが、その相手はなんと彼の弟分だったのだ。自分を慕い、同じボクサーの道を歩んだ彼。

彼が刑務所にいる間も意識は戻らなかった彼を手術で助けるために、グルの家の登記簿を持ち出し金の工面をしようとするサング。

彼が頼る先は賭けボクシングの胴元である女性しかいないのだが、彼女は不動産の登記簿を出させるだけでなく、試合を嫌がる彼に試合をすることを強要。しかしそうやって工面した金を持ち、病院に駆け付けるも間に合うことなく息を引き取ってしまう彼。

そんな彼の遺品を整理しながら、彼がボクシングを辞めようとしていたのは怪我を隠してのことだった事、グルの父親である兄と自分を再会させようとしていた事を知ってしまうのだ。

ショックを受け、家に戻らないサングを心配し、生活態度はいい加減だが、優しいところもあると叔父であるサングを「家族がいなくなったら探さなくては・・・」とチラシを作って探そうとするグル。

そんな純粋グルを拉致する事で、サングと連絡を取ろうとする賭けボクシングの胴元の女性。(借金もあり、一度足を踏み入れたら、抜け出せないようになっているのだ・・・)

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グルが一人で外出するのを心配してついて行くサングは、彼が遊園地を一人で巡り、何軒もの飲食店を一人でめぐるのを不思議に思う。しかし最後にある駅に降り立つのを見て、サングはグルが自分の幼い頃の夢を再現している事に気づくのだ。

父親に虐待され寂しい子供時代を過ごしたサングの心の拠り所だったグルの父親。父親が亡くなり、孤児院に行く彼をこっそりと迎えに来てくれるはずだったグルの父親は、約束の駅に現れる事はなかったのだ。

「お父さんは、その日に大きな怪我をして病院に運ばれました。」というグルの言葉から、グルの父親が自分が欲しがっていたナイキの靴を百貨店に買いに行った際にデパートの崩落時期に巻き込まれた事を知るのだ。

それからは、毎年自分の誕生日にはナイキの靴を買ってくれていた事、そしてグルと一緒に「誕生日には遊園地に行って、チキンを食べてピザを食べてジャージャー麵を食べたい」と言っていた自分の夢をかなえてくれていた事を知るのだ。

亡くなった兄のやさしさはそれだけではかった。養子として迎えたグルを愛情を持って育てていた事を知るサング。

このドラマ、色々な愛のカタチを見せてくれる。

 


ムーブ・トゥ・ヘブン 私は遺品整理士です 第5,6話

2021-05-29 21:10:18 | ムーブ・トゥ・ヘブン 私は遺品整理士です 韓国ドラマ

「薬が欲しい」と言い刃物を手にして看護師を人質に取る男性ともみ合いになり、命を落とす若い男性医師。

その彼の部屋を片付けて欲しいとの依頼を受けたグル達だが、父親は遺品はいらない早く片付けて欲しいとの一点張りだ。遺品の中にある手紙を見つけたグルが両親に見せようと思った手紙も父親はあっという間に火にくべてしまう。

医師だった彼のシックな雰囲気の部屋には、歯ブラシが2本、そしてベットには枕が二つ並んでいる。そんな部屋に残されたクラシックコンサートのチラシから、彼の恋人がこの中にいると、亡くなった医師の言葉を届けないとというグルと一緒にコンサート会場に向かうサング達。

医師が亡くなったという言葉に動揺しコンサート会場から突然姿を消したのは男性のチェリストだった。医師の父親はそんな息子を受け入れる事が出来ずに、彼の遺品をすべて処分するようにグル達に頼んだのだった。

「息子が皆と違うことを受け入れる事が出来なかったんだ」というサングの言葉に、「父親は自分の事を受け入れてくれた」と言い、納得が出来ない様子のグル。

自分と新しい一歩を踏み出す事を恐れていた医師の態度にショックを受けていたチェリストだったが、亡くなった彼がペアリングを用意して自分の元に来てくれようとしていた事をグルから聞き、観客にそして彼に向けて演奏をするチェリスト。

そんな様子を見て、サングが向かうのは長期療養を目的にした病院だった。賭けボクシングの試合の事故で人を殺めてしまったのでなく、対戦相手の男性は意識が戻ることなく植物状態で病院に入院していたのだ。

その病院で見かけた老夫婦の部屋を片付ける事になるグルとサング。自分達以外に家族はおらず、警備員のアルバイトをしながら病院に入院する妻を見舞っていた男性。

しかし職を失い、自分の残りの時間が少ない事を悟った夫の取った行動は、3日後の部屋の片づけをグルの会社に頼み、入院している妻を退院させて部屋で二人で睡眠薬を飲む事だった。

サングは夫のそんな行動が許せないものの、狭い場所で花を育てて、警備員の仕事を真面目にこなしていた男性は妻と二人つつましく静かな生活を営んでいたのだ。誰も訪れない寂しい斎場に隣の斎場から花輪を借りてこようとするサング。彼も根っからの悪人ではないのだ。言葉が荒く態度もぶっきらぼうなのも、優しさを示す術を知らないからだけらしい。

そしてグルは遺品の中から過去の名刺の束を見つけ、誰も訪れる事のない斎場に知り合いの人を呼ぼうとする。彼も彼なりの方法で故人を悼もうとするのだ。

人生最後の引っ越しに向き合う事で少しずつ変わっていくサングと、愚直に父から教わった方法で仕事に向き合うグル。


ムーブ・トゥ・ヘブン 私は遺品整理士です 第3,4話

2021-05-25 21:07:55 | ムーブ・トゥ・ヘブン 私は遺品整理士です 韓国ドラマ

老人が床下に残した現金を一枚ずつ乾かし、毎日残した銀行からの払い出しの際の控えを見て老人の思いを感じるグル。

払い出しの控え持って銀行に行き、おばあさんが毎日決まった時間に一定のお金を払い出すことが日課だったことを確認し、更には景品の飴を見つめ、その後街に飛び出していくグル。

「母の遺品はいらない」という息子の言葉をうのみにして、サングが捨ててしまった箱をゴミ捨て場に探しに行き、それを持って息子の元を訪れるグル。

おばあさんが、現金に「息子のスーツ」と書き残していた事。更に毎日立ち寄っていた銀行の景品の飴が近所の洋服店のレジにあった事を見つけて、グルは、おばあさんが息子にスーツを買ってあげようとしていた事を息子に伝えるグル。銀行から突然飛び出したのは、おばさんの家から銀行のそばにある洋服店を探し出す事だったのだ。更に息子が初任給で買ったセーターをおばあさんが一度も手を通すことなく大事に取っていた事もグルにとっては必ず伝えなければならない事だったのだ。

父親から教わった遺品整理士としてやるべき事、遺族に伝えるべき事を一人でもキチンとこなそうとするグル。

賭けの対象となるクラブファイトで人を殺めてしまった事から刑務所に入っていたサングにとっては、グルの行動一つ一つが驚きのようだ。

ただ、サングには借金があるようで、利子を返すために再び違法なクラブファイトに手を染めなければならないらしい。

そんな中、恋人同士の諍いから亡くなってしまった女性の部屋の片づけをする二人。

「殺人事件が起こったマンションでは資産価値が下がる」と近隣の住民には嫌がられ、幼稚園の先生をしていた彼女が生徒たちに残した絵本を子どもに渡そうとしても「子供たちは先生が殺されたと知ったらショックを受ける」と受け取りを快く思ってもらえない。そして同僚の先生は、「二人を引き合わせたのは私」と、彼女に彼を紹介しなければこんな事故は起こらなかったとショックを受けているのだ。

説明書だけはあるのに部屋の中にカメラが無かった事に気づき、そのカメラを探し出す中で、恋人を誤って殺めてしまったという男性の言葉の嘘を見破る事になるグルだが、それも亡くなった人が残した物からその人の暮らしやその人が言えなかった言葉を探し出そうしただけの事なのだ。

自分の仕事に真摯に向き合う姿に涙が出てしまう。

 


ムーブ・トゥ・ヘブン 私は遺品整理士です 第1,2話

2021-05-21 21:32:00 | ムーブ・トゥ・ヘブン 私は遺品整理士です 韓国ドラマ

父親が営む遺品整理士の仕事を手伝うアスペルガー症候群の息子グル。

自分のルール通りに日常を過ごす事にこだわりを持つ息子のグルだが、そんな息子を暖かく見つめ、グルに遺品整理士の仕事を丁寧に教える父。

部屋に入ったら挨拶をし、故人の最後の引っ越しを静かに手伝う二人。
部屋に残された遺品の一つ一つと向き合い、故人がどのような思いで日々を過ごしていたのに思いをはせ、残された家族に遺品を渡す父の姿を見ながら仕事をしてきたグル。

息子は父が作る目玉焼きを食べ、自分が好きな飲み物を飲みと、決まったルーティンがくずれる事を嫌うのだが、そんな息子に目玉焼きの焼き方を教えようとする父。

父は自分に残された時間が少ない事を知り、彼がひとりでも生きていけるように準備をしていたのだが、残された時間は突然終わりを告げるのだ。
独りの越された息子グルの前に現れるのは、出所したばかりの亡くなった父の異父兄弟であるサング。

グルの父の遺言に従い、グルと生活を共にし、遺品整理士の仕事を3か月間手伝えば、ある程度の額の遺産が手に入ると踏んだサングは、いやいやながらグルと同居し仕事を手伝う事になるのだ。

二人一緒の初めての仕事は、床下に現金を隠したまま亡くなった老人の部屋の片づけ。
老人はなぜ、床下に現金を残したのだろう。

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父の教えに従い、遺族の思いを感じようとするグル。

志半ばで亡くなる事になった故人の思いが家族に伝わるように、残された物から故人を感じ、出来るだけ故人の思いに寄り添うように仕事をしている父をそばでみて仕事をしてきたのだ。

綺麗好きなグルの様子を見て来たサングが「なぜ仕事の時は平気なんだ?」と問いただすと、「ここは亡くなった方の部屋だからです。僕の部屋ではないですから」ととてもプロらしい言葉で返事を返すグル。彼らしく仕事に真摯に向き合っている様子が伝わっている言葉だ。