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私の映画玉手箱(番外編)なんということは無い日常日記

なんということは無い日常の備忘録とあわせ、好きな映画、韓国ドラマ、そして
ソン・スンホンの事等を暢気に書いていく予定。

義兄弟

2010-03-02 21:16:12 | 映画鑑賞
義兄弟というタイトルのこの映画。
ストーリーを考えると、家族を思うという共通点から、二人の男が偽兄弟から義兄弟になるという映画でもあり。

国家情報院?の職員ハギュン(演:ソン・ガンホ)が手に入れた情報は、北の工作員が裏切った北の工作員の元に踏み込むというもの。その場を取り押さえようとするハギュン。
その踏み込みの場所に工作員の下っ端メンバーとして乗り込むことになるジウォン(演:カン・ドンウォン)
しかし情報が漏れていたためにお互いの思惑は破綻することに。

自分のチームだけで解決しようとしたハギュンは罷免に。計画がばれたことで裏切り者と呼ばれることになったジウォンは姿をくらますことに・・・・

本格的な話は、2人がベトナム人などの不法就労者が働く、ある工場で再会する6年後に始まる。

お互いがお互いの6年前の素性を知っているにも関わらず、お互いが6年間という時間と距離を隠れ蓑にして、何も知らなかったことにして生活を一緒にして仕事を一緒にするようになるのだ。
不法就労者を捕まえるという警察の手先のような仕事をやっているハギュンの仕事を手伝い始めるジウォン。
力技で仕事をしているハギュンと違い、「警察じゃないんだから、人道的に説得して」と不法就労者達の心を掴むジウォン。

仕事を一緒にしているうちに、お互い気心もしれ、親しさも感じるようになっていく二人だが、勿論6年前の立場の違いは消すことが出来ない。未来は作れても過去は消せないのだ。6年の出来事が再び二人の前に立ちはだかることになり・・・

***
こんな風に書くと、重々しい映画を想像してしまうが、語り口はかなりソフトだと思う。
ソン・ガンホは芸達者ゆえ、妻に逃げられた男、子どもの事を気にしつつも新しい父親と子どもの関係を気にする元父親という、家族を忘れられない男をキチンを見せてくれる。
カン・ドンウォンは、ナイフを振るうことも戸惑う初々しい工作員(工作員に初々しいという形容詞は不適格かもしれないが)姿と、6年潜伏した後の工作員の寡黙な姿を見せてくれる。
俳優二人に目新しい挑戦はないように思う。物語の深刻さは根底にあっても語り口のソフトさと、いい意味で観客の期待を裏切らない俳優二人の姿で、非常に見やすい映画になっていると思う。
でも、そんな見易さは、ある意味ちょっと軽いとも思える節あり。
それがこの映画のよさでもあり、弱点でもあるかなと思ったりする。