風になれたら

SUZUKI Bandit1250Sに乗って風になり
中島みゆきや渡辺美里を聴いて風になり
山を歩いて風になる

北アルプス 吊尾根から涸沢へ 最終日

2018-12-01 | 徒歩の旅

10/9 晴れ

夜明け前に目を覚ましてテントの外を覗くと満天の星だった。せっかくなのでシュラフに潜ったままテントの入り口を開けて空を眺めた。標高2300メートルを超える秋の山の空気は冷たい。丁度見える吊り尾根の上をオリオン座が横切って行く。

周囲が明るくなる頃シュラフから這い出てスープ、アルファ米、コーヒーの朝食をとる。6時近くになって朝陽が穂高を照らし出した。今日も快晴だ。これは涸沢岳。

北穂高岳方面はこんな感じで山の斜面の紅葉と朝陽が溶け合っていた。

今日は下るのみ、サクサクと下って行く。登山道は整備されているが濡れた石でツルッと滑って危うく転倒するかと思うことがあった。気が抜けて安全と思われるところが一番危ないのだ。

後ろ髪はないが、何度も何度も少しずつ見えなくなる穂高の稜線を振り返った。登山道は平坦になってシラビソの森を歩く。こんな道も好きだ。

ダーン!と屏風岩、あの裏にあるパノラマコースをいつか歩いてみよう。

徳沢でソフトクリームを食べようと思って徳沢園に寄ると黒板にNEW コーヒーソフトの文字が、コーヒーもソフトクリームも好きなので迷わず注文した。振りかけられたシナモンがいいアクセントになっている。徳沢園には明るい芝生のキャンプ場もあって山行の前泊にもいい感じだ。

上高地に向かう梓川沿いの林道で団体のガイドの方がこんなに明神岳が見えることは滅多にありません、と言っていたのが聞こえた。確かに雲ひとつない青空だ。昨年沢山いたニホンザルが今回はいなかった。どこに行ってしまったのだろう。

登山口の上高地に戻って河童橋から今回歩いた吊り尾根を眺めると思わず顔がにやけそうになった。この2週間後稜線は雪に覆われた。山の季節は本当に一瞬だ。

五千尺ホテルの喫茶室5HORNに寄る。ここは川と山を眺めながら美味しいケーキを食べられるのだ。定番のレアチーズケーキにしようかな、と思ったら栗の渋皮煮タルトなるものがあった。栗には目がないのだ、昔里のくりと言うアイスが好きであった。タルトもコーヒーもとても味わい深かった。また訪れたい場所だ。

上高地バスターミナルで次の便の最後の座席を運良く確保できた。上高地から新島々までバスで行き、そこから松本まで長閑な田園の中をゆっくり行く列車に揺られた。

松本でお土産と地ビールを買って特急に乗り込んだ。座席は八ヶ岳を眺められる左側、ビールを飲みながら今回の山行を回想した。今年は裏銀座と前穂奥穂の縦走をすることができた。北アルプスを訪れる旅はまだ始まったばかりだ。

コメント
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