カルメン・マキ『時には母のない子のように』
その比較的高画質な動画を見つけた。
「本当に親のいない子供にとっては残酷な歌」と言う批判があったという…
思うに、この歌は
・父のない子が
・母との愛憎に満ちた濃密な関係性に絡めとられながらも
・自らを異邦人と感じてしまう
そういう、どこか「未成熟な」人の歌なのだ。
カルメン・マキ、寺山修司がそうであるように。
同様の歌として『戦争は知らない』がある。
この歌は
・父を戦争で失った子が
・父への憧憬を感じ
・母に別れを告げる(自らが母となる)
そういう、「成熟」に向かう歌なのだ。
高校生のマキは、寺山の舞台を観て衝撃を受け入団。
寺山は、マキを主役に抜擢するだけでなく、
詞を朗読させ、歌唱させ…
まさに、完璧な寺山ワールドが炸裂する。
マキ自身、そうしてできた最初のアルバムを
『傑作』と自画自賛。
寺山にしてみれば、カルメン・マキの出現は
自らの文学世界が「受肉」したかのようだったのではないか。
ちなみに、
2015年、64歳の「成熟」し過ぎた?
カルメン・マキが歌う
『時には母のない子のように』の動画…
やはり人生経験のせいか、「歌い上げて」しまうんだね、
余韻・余白の美が薄れている。
しかし、同じコンサートで歌った
『戦争は知らない』は、非常に好ましく聞こえるのである。