YUKI

言語、言語で表現できることすべて

Function

2004-12-31 01:34:26 | Weblog
Eight parts of speechで「8品詞」と学校文法では習ったものだが、品詞とは「語・句・節」の文中での役割・機能のことだから「Function→品詞」ということで、述べていきたい。

学校文法の基本は品詞 Functionに他ならない。
まず、品詞と内容理解について「前置詞句」を例に説明しよう。
I met my aunt in Tokyo.
①私は叔母に、東京で会った。
②私は東京に住んでいる叔母とあった。
前置詞句in Tokyoは、①訳のように「会った」という動詞を修飾する副詞句と解釈できる。
そして、②訳のように「叔母」を修飾する形容詞句と解釈することも文法的に可能である。
①訳が妥当であることが多いだろうが、次はどうだろうか?
At the station, I met my aunt in Tokyo.
この場合 in Tokyoはmy auntを修飾する形容詞句と考えるのが妥当だろう。
なお、At the stationは、文修飾の副詞句である。

前置詞句の機能とは、形容詞または副詞であり、特定の文脈の中で、そのどちらであるかが決定されることになる。
人間の情報処理の1単位をチャンクと呼ぶが、初期段階としては、1つの前置詞句を1チャンクとして捉えることだ。
そして、チャンクごとの品詞決定が、特に意識しなくとも出来るようになるまで、over-learning。
このように「形式」分析が「自動化」することにより、いわゆる「直読直解」が可能になる。

Functionの各論は、「動詞」から始めよう・・・

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Nexus ネクサス

2004-12-29 21:29:49 | Weblog
nexusはイェスペルセンの用語で、簡単に言えば、隠れた主語・述語の関係のこと。
英文の基本は [agent, action, object] だと前述したが、nexusという観点を取り入れれば、英文の句構造にも[agent, action,(object)]のパターンが見られることになる。例えば、
his speech = what he speaks/spoke
「彼のスピーチ」と訳しても、この場合は内容理解が可能だが、「彼が言う(言った)こと」と訳す方が、よりクリアな訳となることが多いようだ。
後者のような訳を「動詞的訳」とか「動詞的に訳す」と呼ぶことにしよう。
nexusがもともと、隠れた主語・述語関係なのだから、「動詞的に訳す」方が自然なのである。

学校文法でよく指摘されるnexusはSVOCだろう。
OCにnexusがある、というものだ。例えば、
I will make you happy. [ You will be happy.]
I saw her cross the street. [ She crossed the street.]
I kept the window closed. [ The window was closed.]
nexusが分かれば、SVOCパターンの英文理解もスッキリ。

その他に、SVO+to不定詞でOとto不定詞にnexusがあることが多い。
I encouraged her to study abroad.
「彼女が留学するように励ました。」
実際に留学したのであれば、「彼女を励まして留学させた。」という訳も可能であろうが、多少ぎこちない訳であれ、前者の方が正確な訳であろう。
ただし、次の例にはOとto不定詞にnexusはない。
I promised her to go there.
「そこに行く」のは私であって、彼女ではない。

句構造にnexusがあるかどうか、見極めることが大事。



  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

前置詞of

2004-12-27 02:14:36 | Weblog
空間的イメージ把握で、その根本概念がほぼ理解できることが多い前置詞の中にあって、「関係性」を表す前置詞であるofは、難しいものだ。
ofは主格・目的格・所有格・同格のすべてを表現できる。
①主格・目的格:the love of Godは、文脈次第で、「主格:神が人々を愛すること」「目的格:人々が神を愛すること」のどちらにもなる。
②所有格:'sは、「生物」や「時」などに使うが、ofは、主に無生物に使う。
the legs of the table
③同格:同じものを指す2つの名詞が並んで、一方が他方を説明する関係。
the city of Rome ローマという都市
また、a story of adventureのように、「~に関する」という意味もある。

他の意味として「距離・分離」「起源」「理由・原因」「材料・構成」「分量」「部分」などがある。
さらに、「副詞句や形容詞句」を作ることもできる。
a man of ability = an able man

これらすべてを「~の」で表現できるだろうか?

入門期こそ、適切な説明と記憶すべき例文が必要なのだ。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

英単語

2004-12-25 14:17:22 | Weblog
「英語の力は単語の力。単語の力は英語の力。」
これは正論だ。しかし、このコミュニケーション能力全盛?の時代にこう言うのは勇気がいることだ。
しかし、問題はもっと根本的なところにある。
日本人学習者が、ある英単語を知っている、とはどういうことを言うのか、きちんと定義されていないのだ。
語彙にはreceptiveとproductiveがある、などという通り一遍の常識ではごまかしきれない問題だ。

ある講座で、語彙力の重要性を強調された、高名な英語教育学者に質問した。
「日本語で、その英単語の意味が言える、ということを目安とする」という解答であった。
それに対し、次のように述べた。
「imaginationの意味を『想像力』と答えた者であっても、『気のせいだよ』という日本語をIt's your imagination,という英語に翻訳できる者は、私が聞いた限りでは全くいなかった。
英英辞典にあるように、語の定義や根本概念を知ったうえで、それらを反映しながら日常場面で使える例文を知っていることが、単語を知っているということではないだろうか?」
「そこまでする必要はないだろう」というのが老大家の意見であったが、「そこまで」ではなく、これが「基本」でなくて、何が「基本」なのだろう。
いたずらに英単語と日本語の1対1対応という「偏見」を植え付けるという意味で、「日本語訳を1つ言えればよい」という指導を入門期に行うことは、むしろ「害」の方が大きいのではないか?

名詞や動詞なども大切だが、根本概念を押さえることで英語力が飛躍的に伸びるのは前置詞だろう。
前置詞は、日本語の「てにをは」にあたると言っても過言ではない。
「前置詞を制する者は英語を制する」





  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Subject 主語

2004-12-23 12:02:29 | Weblog
英語では「主語+述語+目的語」のpatternが最も多用される。
Agent(動作主)+action+objectの概念が、文法の骨組みとして、英語話者の頭脳には、あるのだ。
記号化すれば A→Bのようになる。
English is a language of "word order."
他のヨーロッパ言語と比較して、単語の屈折変化が少ない英語では、「格」すなわち文中の語の役割は、語の位置(語順)が示すことになる。
主格、目的格、同格である。
なお、所有格には屈折変化がある。

語順は、あまりにも当然のことなので、英語話者にとっては、日本人が語順に苦しむ事自体が理解できないようだ・・・

日本語は(A,B)*のように、まず、要素を並べておいて、演算記号としての述語は最後に来るという形が多い。
しかし、「てにをは」などの「助詞」があるため、語順の自由度は、英語と比較して格段に高い。
「てにをは」を知っている、という表現が、マトモな文章が書ける、という意味になるくらいだ。

語順という問題も大きいのだが、それに劣らず、主語の有無という問題も大きい。

和文英訳のコツとして喧伝されているものの一つに、「日本語では省略されている主語を補うこと」がある。
が、そもそも、日本語では主語が省略されているのではなく、主語という概念そのものがないのだという説がある。
「状況独立型」言語であり主語が必須な英語に対して、「状況依存型」である日本語では「状況」すなわち、発話が行われる「場」が支配的なのであって、英語で言う「主語」という概念そのものがないのである、というものだ。

実際、日本語の助詞「は」「が」は、Agentとしての主語を表すものではない。
話題としての「場」を提供しているのだ。
「像は鼻が長い」という有名な例文があるが、その英訳は次の通りであろう。
An elephant's nose is long.
「ウナ丼」を注文するために叫ぶ「僕はウナギだ。」という日本文では、「食堂」という「場」が必須の情報として、埋め込まれている(状況依存)と考えざるを得ない。

確かに、「は」は「特定の話題提供の場を創り出す機能を受け持つのであり」、主語を表すわけではないが、「が」は主語を表すはずだ、と考える向きもあるだろう。
「なにが悲しくて、泣いているの?」
この文の「なにが」は主語だろうか?

日本文に「埋め込まれた」状況を想像し、Agent, action, objectのpatternに当てはめる。
これが無意識にできるようになると、かなり、英語モードに近いのではないだろうか?
つまり、いわゆる「無生物」主語が使いこなせれば、英語に堪能といえるのである。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする