もう退職されましたが、
伝説の中学英語教師の授業を見る機会にめぐまれました。
まず、授業には毎回、5分早く教室入りし5分遅く終わるのです。
これを3年間!50分授業ですが、実質60分授業。
さらに、英作文専用のノートが3年間で10冊!
普通のノートに、毎日せっせと、生徒達は英文を書くのです。
スキット作りとその発表、スピーチ、色々な活動をしてましたが、
(自分以外で)本当の文法訳読式授業を初めてみました。
指名された中学3年生は、次のように答えていったのです…
「読みます。
On December 1, 1955, Rosa Parks did not give up her seat
to a white passenger.
On December 1, 1955, は副詞句で文頭に出て「強調」です。
1日(ついたち)なので前置詞はonです。
Parks は主語です。
did not give up は述語です。時制は過去です。否定文です。
her seat は 群動詞 give up の目的語です。
to a white passenger は副詞句で、give up を修飾しています。
give up は二重目的語を取りますが、前置詞toを使い、直接目的語である
a white passenger を後置しています。
では、訳します。
1955年、12月1日、ローザ・パークスは自分の座席を白人の乗客に
ゆずりませんでした。」
という具合です。これぞ、文法訳読ですね。
これに加えて英問英答、音読という王道?を突き進むのです。
本来、文法訳読は、そういうものなのですね。
適当な日本語訳でゴマカスものではないのです。
生徒は、その先生の指先どころか、アゴのちょっとした動きでも
よく訓練されたオーケストラのように、活動してましたねぇ。
ただし、休み時間に数名の生徒と
一緒に連れていったイギリス人が会話を試みましたが
ダメでしたね。
ジャズのような即興は無理なのかなぁ。
文法訳読がオーケストラなら、
コミュニケーションはジャズ?
確かにジャズの命は即興だそうで、クラシックの訓練を受けた人でさえ
そのスピードについていけないそうです。
オーケストラ+ジャズ
そこがミソなんだねぇ~