近頃の日本人は、面と向かって説教されるのは嫌いでも
ドラマ・小説・歌などで説教されるのが大好きなようだ。
「人生の答えはここにある」とか
「人生に答えなんかない」とか
ウィトゲンシュタインに倣って、極めて論理的に考察すると…
「人生の答えは、死である。皆、死に向かって進むのだ!」
これは、明らかな間違いである。
人は、他人が死ぬという事態を経験できても、
自分の死は経験できない。
臨死体験は、死ではない。
まさに、何事も経験できなくなることが死であり、
死は、自らの生における出来事ではない。
答えとは、問いに対するものである。
問いなくして、答えは存在しない。
人生における答えとは、問いが無意味になることである。
今まさに幸せな人は、
「幸せとは何か」という問いを発することはない、
何故なら、その問いは端的に「無意味」となったからw
答えは、まさに問いが無意味になることによってしか与えられないが
「問うこと」自体が、
自意識という厄介なものを持ち合わせた人間の
生きる在り様なのである。
そう、答えは問いの中にあるのだ。
後は、「生きる」ことである。