大小迫 つむぎの家

よみがえれ!大小迫の里山。 人と人、人と自然をつなぎ、つむぐ「つむぎの家」

ヘチマの観察と収穫-4年生-

2013年09月21日 | 小学生の体験学習

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昨日は、4年生がつむぎの家に自分たちが植えたヘチマの観察と収穫にやって来ました。

夏休み前に草取りや水揚げに来て以来の、久しぶりの来園で、その後のヘチマがどのように成っているのか楽しみのようです。そこで、ヘチマ棚へ行く前に、ヘチマの生長をイメージし、大きさを表現してもらいました。

思い思いに両手を使ってヘチマの大きさを現している子どもたちです。


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そして、ヘチマ棚へ移動。

ヘチマを見て「ウワー!」「ウオーッ!」などの驚きの声が飛び交う中、早速観察に入りました。触ったり匂いをかいだり、いろんな形に歓声を上げたりしながら観察記録を書いていました。


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ヘチマ棚からはみ出した茎に、雌花のヘチマを見つけたユウトくん。「ワー、ちっちゃなヘチマだ!」と発見の喜びに浸っています。


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観察が終わったあとは、それぞれに好きなヘチマを各自一本ずつ収穫しました。

ヘチマの長さや重さを測ったりお友達と大きさを比べあったりと賑やかです。


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一本ずつお土産を抱えた子どもたちの最後の楽しみは、ヘチマの試食です。(沖縄では小さなヘチマを「ナーベーラー」といって、ゴーヤとともに食されています。)

小さなヘチマをぬか漬けにして用意し、まず杉山先生に毒見をして頂きました。ヘチマの漬物を口に入れた先生が、おどけて苦しそうな表情を見せると、一瞬こどもたちに緊張感が走りましたが、一転して「美味しそうな表情」になると子どもたちに笑いがこぼれました。


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その後は、みんなで試食、ちょっとクセがありますが、トロミがあって口当たりもよく概ね好評で、オカワリをする子もいて、あっという間に完食になりました。

ヘチマの栽培を通して、観察はもちろんのこと、グリーンカーテンとしての役割や化粧水やたわしにもなり、食べることもできるヘチマの魅力を感じてくれたようです。

あっという間の「理科の観察時間(1時間)」で、子どもたちは、まだつむぎの家の自然に浸っていたかったようですが、次の授業時間のため、ヘチマを両腕に抱えて、帰る子どもたちのイキイキした姿に、私どもも元気をもらいました。



マムシの休眠

2013年09月20日 | 生き物

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今朝、裏山に犬のヤマトと早朝散歩に行きました。すると、カエデの木が3本に株立ちした中にマムシが心地よさそうに休んでいるのが目に入りました。


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熱感知器を持っているマムシですがカメラを近づけても動こうとしません。三角頭に銭形の美しい斑紋を持つ黒マムシです。


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至近距離まで接近し、真上からシャッターを切ってみましたが、やはり身じろぎ一つせずに休眠中です。マムシは本来おとなしい性格のようで危険を感じなければ襲うことはないようです。マムシの寝姿の写真を撮ってそっと山を降りました。


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山を降りてから1時間半後に、マムシが気になり休眠中のマムシを再度見に行きました。するととぐろを巻いた状態から「あーよく寝た」と背伸びするかのように少し体を伸ばしていました。


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マムシの目は眼線がはっきりしていて瞳は縦に長く、少々怖い顔つきに見えますが、根は優しい性格の持ち主のようです。

毒を持つから怖い、毒があるから害獣と人間の身勝手な価値判断で殺傷されないことを祈っています。


綾里小の「祖父母交流会」に参加

2013年09月19日 | 地域交流

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昨日の午前中、綾里小学校で、祖父母交流会が行われ、子どもたちはおじいちゃんやおばあちゃんとの交流体験をしました。1~2年生は「昔の遊び」、3~4年生は「自然の素材を使ってのクラフト」、5年生は「竹馬作り」、6年生は「かまもち作り」と、学年ごとに祖父母と一緒に取り組む楽しい交流会です。

全校生徒117名に対し祖父母の出席者が90名という参加率です。

そんな中、つむぎの家は、3~4年生の「ネーチャークラフト」を担当し、子どもたちや祖父母との作品作りに取り組みました。

写真は、祖父母交流会に入る前に、学校長が子どもたちの日頃の活動の様子についてお話しています。

つむぎの家での学校菜園や米作り体験の様子も、校長自ら撮った写真を展示しながら説明されました。中でも、田んぼの草取り体験では、「有機栽培のために、稲よりも取った草の方が多かった」というお話に「ハッ」としましたが、草取りの時期が遅れたことや、イネそっくりに生えるヒエなどの雑草との戦いを思い出しながら、「これも子供たちの良き思い出かな」と内心ほくそ笑みながら聞き入りました。


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その後、3~4年生は、音楽室に集まり、つむぎの家の紹介や活動の様子、本日のスケジュール等についてパワーポイントで説明を受け、祖父母とともに「ネーチャークラフト」の内容を理解しました。

写真は「つむぎの家にきたことがある人は?」という質問に、3~4年生全員が一斉に手を挙げています。


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その後は、それぞれの教室に移動して、祖父母と一緒にネイチャークラフトに取り組みました。

写真は、3年生の教室で、どんぐりヤジロベーとコマを作っている様子です。どんぐりの大きさや竹ひごの長さの違いで、バランスを保つのに苦労している子もいましたが、一人ひとり時間内に完成してご満悦の様子でした。


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こちらは4年生の教室で、クロモジ・エンジュ・ツバキ・ヒノキなどの小枝を素材に、ナイフ(カッター)を使って鉛筆ホルダー作りに挑戦しています。

今は、教室でも家庭でも「鉛筆削り器」が用意され、鉛筆をナイフで削ることは殆んどないそうです。したがって、カッターを使って削る体験がないため、おじいちゃんやおばあちゃんから削り方を教えてもらっていました。こんなちょっとしたことが、祖父母との会話を弾ませていたようです。


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一足早く、出来上がった作品を持ち寄り、音楽室で作品発表が始まる前の一コマ(3年生)。

思い思いにヤジロベーを操って楽しんでいます。

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いよいよ作品発表が始まりました。3年性の代表が前に出て、難しかったところや嬉しかったことなどの感想を作品を見せながら話しています。


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4年生の代表が、作品を手に木の枝クラフトの感想を述べています。

一人3本の予定のところが、5本も作ったことや、ミニチュアにこだわらず20センチもある鉛筆ホルダーを作った様子が報告されました。

皆、作品を完成させた達成感に満ち溢れていました。

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交流会後のお昼には、子どもたちと一緒に、給食室で作られた心のこもった昼食をご馳走になりました。

綾里小での学校給食は初めての体験でしたが、昼時の全校放送を聴きながら、感謝の気持ちあふれる教室の給食風景に安らぎさえ感じました。

子ども達と触れ合って過ごした半日、私どもにとってもとても有意義な祖父母交流会になりました。


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交流学習の余韻が冷めやらぬ放課後、つむぎの家に、3年生のケイスケくんとヒビキくんがやってきました。

見本として教室に持っていったネーチャークラフトの作品を見て、つむぎの家に行って、もっと自由に作りたいという思いが募ったようで、二人で示し合わせて帰宅後すぐに来たようです。

午後5時までの限られた時間でしたが、いろいろな種類の材料に目を輝かせ、自分の世界に没頭し、作品を仕上げて帰って行きました。昨年の2年生の時は、毎週のように遊びに来ていた彼らですが、3年生になると塾やスポーツなどの活動が多くなり、なかなかつむぎの家に来る時間が取れないようです。4年生からはクラブ活動も始まるので、平日にやって来るのは、ますます困難になっているようです。

でも、つむぎの家では、いつでも受け入れています。自然がいっぱいの中で、体を動かしながら、考え・工夫し、新しいものにチャレンジして欲しいと願っています。


日本茶インストラクラーと気仙茶の会が交流

2013年09月17日 | 地域交流

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昨日は、京都の日本茶インストラクターの方3人が、龍谷大学の伊達先生の紹介で、気仙茶の会の前田さんらと一緒につ「むぎの家」に来てくれました。

北限のお茶の調査と、震災復興の支援の合間に、つむぎの家で気仙茶の会のメンバーと交流しました。

持参した宇治茶をいただきながら、日本茶インストラクターのスペシャリストの林屋さんが「宇治茶」の魅力について話してくれました。


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流派や作法にこだわらず、気軽に美味しく、お抹茶を楽しむための実演を、日本茶インストラクターの辻さんの指導のもとで茶筅を振り、出来上がったお抹茶をいただきました。

*お茶にはビタミンやカテキンなどたくさんの成分が含まれていますが、今回は水に溶ける成分を抽出するために最初に10ccほどの水で抹茶を溶いてからお湯を注いで茶筅を振る方法でいただき、まろやかな甘みを感じました。


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いろんな茶葉の香りを嗅いだり、食味したりと碾茶(てんちゃ)や玉露のの違いについても学びました。抹茶にする前の碾茶は板海苔のように香ばしく、ふりかけご飯にしても美味しくいただけるほどの味わいでした。


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宇治茶勉強会の後は、炉を囲んで気仙茶の会事務局の前田さんが、気仙茶のお点前を披露してくれ、互いに交流しました。

「美味しいお茶とは何か?」「北限の茶、気仙茶の魅力は?」等について、日本茶インストラクターの方々から意見を聞いたり、会員からは「気仙茶の位置づけを明確にし、共通認識を持つ必要性があるのでは?」、「お茶はその地方のそれぞれの良さや多様な味わい方があっていいのでは・・」等々いろんな声が聞かれた交流会でした。

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日本茶インストラクターの伊藤さんは、手揉み茶づくりの道具に興味をもたれ、特に全国に散在する「揉み板」の研究をされている方で、気仙地方の揉み板に関心を示し、つむぎの家の「揉み板」や「焙炉(ほいろ)」、「助炭(じょたん)」などを熱心に見聞していました。


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交流会の合間には、龍谷大学の伊達ゼミの学生さんが、火吹き道具を使って懸命に火起こししている姿がありました。彼は、7月のつむぎの家での「手もみ茶づくり」にも参加してくれ、今回が2回目です。若い方々が震災支援も含め、北限の気仙茶に興味を持って熱心に体験や学習を積んでくれ嬉しく思いました。

昨日は台風18号の影響で、風雨が強く、ムシムシする陽気でしたが、悪条件を吹き飛ばすほどの充実した交流会でした。

皆さんがそれぞれ帰路につく時間帯には、風雨が一層強まり、それぞれ無事に着けたかどうか心配になりましたが、5時過ぎには西の空に台風一過の綺麗な夕焼けが現れました。


ブログ立ち上げから、4周年を迎えました。

2013年09月16日 | 里山風景

本日で、ブログ立ち上げから丸3年が経ちました。

2010年4月、定年を機に岩手の実家にUターンし、里山暮らしを始めました。

その里山整備のため、3ヶ月後に任意団体「大小迫 つむぎの家」を設立。そして、約半年後にはブログを立ち上げ、つむぎの家の活動はじめ自然と共にある里山の暮らしや動植物について発信して参りました。

2013_0905_124019p9050104 裏山のフシグロセンノウ

<あの大震災を体験して>

そんな中、里山暮らしを始めて一年後に東日本大震災に遭遇。つむぎの家では、被災者を受け入れ、「今、できること」を模索しながら毎日無我夢中で過ごしてきました。震災により、2カ月間すべてのライフラインが絶たれた中で、「おてんとさま」とともに寝起きし、自然に寄り添った生活を実践しました。

そこで、電気に頼らない昔ながらの生活が、震災時にも如何に強いかを実感し、里山再生の重要性を再確認しました。

山から流れてくる沢水を飲料水として地域にも供給、薪で沸かすお風呂、いろりの暖、保存野菜や冬越しした作物の自給等と自然と共にある暮らしに助けられました。

<心を癒す里山の大切さ>

また、つむぎの家に遊びに来た当時小学4年生だったMさんが、友だちと里山を駆け巡って遊び、帰り際に「ありがとうございました」と挨拶し、そのあと静かな声で「ここに来るとほっとする!」とつぶやいた言葉が忘れられません。そばにいた友だちが「Mさんの家は、津波で流されてしまったの!」と教えてくれました。

東日本大震災は、文明の機器に頼らない自然に寄り添った里山暮らしの重要性を教えてくれるとともに、子どもたちの心を癒す、大きな役割を担っていることを示唆してくれました。

2013_0914_103254p9140010_3 そば畑

<自然生活が育む動植物との出会いや感動>

これまで無農薬での米作りや野菜作りなどの野良仕事や、荒れ果てた里山の整備などに追われながらの自然生活ですが、都会での暮らしとは違った、ゆったりと流れる季節の移ろいとともにたくさんの動植物との出会いや感動がありました。

 

中でも、農薬や化学肥料に頼らない自然農法による米作りが、如何に多くの生き物たちを育んでいるか、年々増えてきたヘイケボタル、秋空を染めるアキアカネの飛翔と、生き物は人と自然との関わり方で大きく左右されることを身をもって体験しました。つむぎの家に遊びに来る子どもたちも、オタマジャクシやヤゴ、ミズカマキリやイモリなど、泥んこになって水辺の生き物と戯れ、野を駆け巡りカマキリやバッタに目を輝かせている姿に心癒されました。

また今夏は雨が多く低温続きで、畑作の害虫でもあるオカモノアラガイの大発生と食害に悩まされましたが、反面、キノコの女王とも言われるキヌガサタケの大量出現により、その優雅な姿に心躍り、グレバを除いた食味をたっぷりと味わいました。グレバに集まるさまざまな昆虫たちとの出会いも、感動のひとコマでした。

2013_0915_062246p9150007 キバナアキギリ

<共存・共生の道を探りながら>

つむぎの家の里山には、キツネやタヌキ、アナグマやノウサギなどの小動物が生息していることもセンサーカメラで確認できました。ハクビシンやニホンジカの食害には悩まされ続けていますが、引き続き動物との共存の道を探っていかなければと思っています。

 震災を機に綾里小学校への学校菜園としての畑の提供、水田での米作り体験、森林での植樹体験とつむぎの家の里山が、子どもたちの様々な体験の場となりました。次代を担う子どもたちが、遊びや体験活動を通して里山の良さをしっかりと体で感じ取って欲しいと願っています。

東日本大震災で失ったものは計り知れませんが、震災を機に広がった新たな出会いを大切に、今後も引き続き、里山の動植物や子どもたちの様子についてブログで発信してまいります。

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つむぎの家の里山から見た三陸鉄道南リアス線

まだ全線開通にはいたっていませんが盛(さかり)駅発の始発列車、三陸鉄道南リアス線が綾里駅に向かっています。

朝霧の中を汽笛を鳴らして森から現れ森の中へと消えていきます。

たった一両ですが、北リアス線「あまちゃん列車」のようにたくさんの夢を乗せて走る光景が大好きです。