大小迫 つむぎの家

よみがえれ!大小迫の里山。 人と人、人と自然をつなぎ、つむぐ「つむぎの家」

ブログ立ち上げから、4周年を迎えました。

2013年09月16日 | 里山風景

本日で、ブログ立ち上げから丸3年が経ちました。

2010年4月、定年を機に岩手の実家にUターンし、里山暮らしを始めました。

その里山整備のため、3ヶ月後に任意団体「大小迫 つむぎの家」を設立。そして、約半年後にはブログを立ち上げ、つむぎの家の活動はじめ自然と共にある里山の暮らしや動植物について発信して参りました。

2013_0905_124019p9050104 裏山のフシグロセンノウ

<あの大震災を体験して>

そんな中、里山暮らしを始めて一年後に東日本大震災に遭遇。つむぎの家では、被災者を受け入れ、「今、できること」を模索しながら毎日無我夢中で過ごしてきました。震災により、2カ月間すべてのライフラインが絶たれた中で、「おてんとさま」とともに寝起きし、自然に寄り添った生活を実践しました。

そこで、電気に頼らない昔ながらの生活が、震災時にも如何に強いかを実感し、里山再生の重要性を再確認しました。

山から流れてくる沢水を飲料水として地域にも供給、薪で沸かすお風呂、いろりの暖、保存野菜や冬越しした作物の自給等と自然と共にある暮らしに助けられました。

<心を癒す里山の大切さ>

また、つむぎの家に遊びに来た当時小学4年生だったMさんが、友だちと里山を駆け巡って遊び、帰り際に「ありがとうございました」と挨拶し、そのあと静かな声で「ここに来るとほっとする!」とつぶやいた言葉が忘れられません。そばにいた友だちが「Mさんの家は、津波で流されてしまったの!」と教えてくれました。

東日本大震災は、文明の機器に頼らない自然に寄り添った里山暮らしの重要性を教えてくれるとともに、子どもたちの心を癒す、大きな役割を担っていることを示唆してくれました。

2013_0914_103254p9140010_3 そば畑

<自然生活が育む動植物との出会いや感動>

これまで無農薬での米作りや野菜作りなどの野良仕事や、荒れ果てた里山の整備などに追われながらの自然生活ですが、都会での暮らしとは違った、ゆったりと流れる季節の移ろいとともにたくさんの動植物との出会いや感動がありました。

 

中でも、農薬や化学肥料に頼らない自然農法による米作りが、如何に多くの生き物たちを育んでいるか、年々増えてきたヘイケボタル、秋空を染めるアキアカネの飛翔と、生き物は人と自然との関わり方で大きく左右されることを身をもって体験しました。つむぎの家に遊びに来る子どもたちも、オタマジャクシやヤゴ、ミズカマキリやイモリなど、泥んこになって水辺の生き物と戯れ、野を駆け巡りカマキリやバッタに目を輝かせている姿に心癒されました。

また今夏は雨が多く低温続きで、畑作の害虫でもあるオカモノアラガイの大発生と食害に悩まされましたが、反面、キノコの女王とも言われるキヌガサタケの大量出現により、その優雅な姿に心躍り、グレバを除いた食味をたっぷりと味わいました。グレバに集まるさまざまな昆虫たちとの出会いも、感動のひとコマでした。

2013_0915_062246p9150007 キバナアキギリ

<共存・共生の道を探りながら>

つむぎの家の里山には、キツネやタヌキ、アナグマやノウサギなどの小動物が生息していることもセンサーカメラで確認できました。ハクビシンやニホンジカの食害には悩まされ続けていますが、引き続き動物との共存の道を探っていかなければと思っています。

 震災を機に綾里小学校への学校菜園としての畑の提供、水田での米作り体験、森林での植樹体験とつむぎの家の里山が、子どもたちの様々な体験の場となりました。次代を担う子どもたちが、遊びや体験活動を通して里山の良さをしっかりと体で感じ取って欲しいと願っています。

東日本大震災で失ったものは計り知れませんが、震災を機に広がった新たな出会いを大切に、今後も引き続き、里山の動植物や子どもたちの様子についてブログで発信してまいります。

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つむぎの家の里山から見た三陸鉄道南リアス線

まだ全線開通にはいたっていませんが盛(さかり)駅発の始発列車、三陸鉄道南リアス線が綾里駅に向かっています。

朝霧の中を汽笛を鳴らして森から現れ森の中へと消えていきます。

たった一両ですが、北リアス線「あまちゃん列車」のようにたくさんの夢を乗せて走る光景が大好きです。