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大小迫 つむぎの家

よみがえれ!大小迫の里山。 人と人、人と自然をつなぎ、つむぐ「つむぎの家」

自然が造るアート(森の美術館)

2012年03月15日 | 樹木

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里山の南尾根コースのあちこちに、古い切り株が顔をのぞかせています。

何年経っているのでしょうか? 苔むしてしわだらけの株、森の歴史を感じます。

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風雪にさらされ、間もなく自然に帰っていくでしょうか。

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こちらは、「わしは、子や孫たちの生長をを見つめているのだ!」とでも言いたげな表情です。

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さまざまな表情の切り株のアートをお楽しみください。

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大きな口をあけ、何かを訴えているのでしょうか?

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どうぞ、ここに花を活けてください!とでもいっているのでしょうか。

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長年手入れを怠り、風倒木や立ち枯れの多い森ですが、広葉樹の切り株が、風雪に耐え、土にかえる前の美しさを見せています。

かつてはこの森を彩った木々たちに思いをはせ、自然が造りだした切り株の造形美に心惹かれました。


冬越しの木々 ~冬芽と葉痕~その21

2012年03月14日 | 樹木

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ヤマボウシの冬芽と葉痕

ヤマボウシの冬芽は2枚の芽鱗が向き合い、毛が多く一見、裸芽に見えます。葉痕は三日月形で全体では筆ペンのようですね。

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ヤマボウシ(ミズキ科)

ヤマボウシは白い花弁のように見える苞を頭巾に、つぼみを坊主頭に見立てて法師を連想した名前であるとか。樹皮は成木になるにつれはがれ落ち、褐色や灰色の斑模様になります。9月頃赤く熟した実は食べられます。

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ヤマウコギの冬芽と葉痕

ヤマウコギの頂芽は、卵形で4~5枚の芽鱗に覆われ無毛、葉痕は三日月形で葉痕下から鋭いトゲがほぼ直角に出ています。

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ヤマウコギ(ウコギ科)

ヤマウコギの樹皮は、円形や割れ目形の皮目が多くごつごつしています。杉林の林内のあちこちに生え、鋭いトゲが行く手を阻み厄介者ですが、春の山菜の一つ「ウコギ飯」の楽しみに残しておきました。

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ムラサキシキブの冬芽と葉痕

ムラサキシキブの冬芽は裸芽で、2枚の葉が向き合い粉のような毛でおおわれています。葉痕は小さな円形で維管束痕が真ん中に一つ突き出し「春が来たらこのボタンを押して教えてね!」と言っているようです。

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ムラサキシキブ(クマツヅラ科)

ムラサキシキブは、紫色の果実を紫式部に例えた名前とか。樹皮は、小さな皮目が多く、枝には細かい毛が生え全体が白っぽく見えます。果実は紫色に色づき花よりもはるかに目立ちます。

裏山ではマンサクの花が、庭ではフクジュソウが咲きました。ここ数日、温かな日が続きましたが今朝は霜が降り、冷え込みました。暑さ寒さを繰り返しながら訪れる季節がやってきたようです。


~秘密基地遊び~  綾里っ子高学年

2012年03月12日 | 綾里っ子

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日曜日の午後、つむぎの家の周りを走り回る子どもたちの声が聞こえてきた。なにやら「隠れ鬼」をしている様子、しばらくして外に出てみると、山裾の片隅に5~6人が集まって、枯れ枝を集めている様子に「何しているの?」と聞くと「秘密基地作り」と返ってきました。

「秘密基地を作るなら、もっといい場所あるよ。行ってみる?」の問いかけに目を輝かせ「行きたい!」と言いだしたので、整備した奥山に案内することにしました。メンバーは6年生6人と2年生のユウト君の総勢7人、ユウト君以外は初めての山入りです。

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昨日、ホナミちゃんたちが遊んだ小川は、子どもたちにとってやはり魅力的な場所のようで、林道に近い川に下りてまず水と戯れていました。

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そして、この冬整備した旧棚田跡に来ると、開けた空間に歓声をあげながら走り出しました。

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しばらくすると、棚田の中央に集まり何やら、秘密会議を始めました。私は付かず離れず見守っていましたが、棚田の全景を見せたいと思い、「まだ上のほうに続くよ」と言うと「上まで行きたい!」と整備をした最上部へと移動しました。

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棚田の最上部まで来た彼らは、さらに上の砂防ダムが目に入り、土砂に埋まった河原に下りていきました。ここは、この冬整備した沢沿いの一番上の場所で、つむぎの家からは歩いて15分ほどかかり、私も好きな場所です。

ここは、ワサビ田として、またシドケやウド、アイコなどの山菜が採れる場所で、これからここをさらに整備する予定なので、「ここがいい!」と言われ、秘密基地に占領されてはと一瞬「ドキリ!」としましたが、気に入ったなら仕方がないと遊ばせました。

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早速、基地作りをするのかと思っていましたら、男の子たちはそれぞれ思い思いのことを始めました。

サワガニを探して川で遊ぶ子、間伐した杉枝を集める子、石遊びをする子

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そして、木材を組み、櫓のようなものを立てている子もいます。

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森に来て冒険心が芽生えたのでしょうか、剣になるような木を見つけると早速、手に取ってチャンバラごっこを始めました。

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一方では、砂防ダムにたまったため池に、小石を投げ入れ水切り競争をしています。

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こちらでは、輪切りの杉板を見つけ、それを盾に、武道の練習でしょうか?

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ひとしきり遊んだ後、刈り取った笹の上に転がって日光浴、温かそうですね。

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午後5時のチャイムが鳴ったので、「お家の人たちが心配しているので今日はこれくらいで終わりにしよう」と声をかけ、山を下りることにしました。でも子どもたちはまだ遊びたい様子で、帰る途中、やはり川で水遊びを始めました。

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名残惜しそうに林道を下って、それぞれの自宅へと向かう綾里っ子たち。

彼らはまもなく中学生です。今のところつむぎの家には、中学生の出入りはなく、この子たちが中学生になってもつむぎの家にやってくるかどうかは分かりませんが、今後に向けてのきっかけになればと考えています。

卒業間近の忙しい6年生たちにとって、自然の中で遊ぶ魅力を感じてもらえたでしょうか?高学年の遊びの中身もわからず、私がどこまで近づけるのか不安の中でのかかわりでしたがこの子たちが中学になっても遊びに来てくれることを願っています。


里山に遊びに来たホナミちゃん親子

2012年03月11日 | 綾里っ子

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土曜日(10日)にホナミちゃん親子がつむぎの家に遊びに来ました。前日、ホナミちゃんとお母さんがつむぎの家にやってきて、明日(10日)遊びにきていいかと目を輝かせており、楽しみにしていました。

明け方から雪が降り続いていましたが、9時過ぎには止んできて、小学3年生のホナミちゃんを頭に1年生のショウキ君、3歳のサッちゃんとお母さんがやってきました。そこで、この冬に整備したばかりの小川や旧棚田を案内しました。川が目に入ると早速ホナミちゃんとショウキ君は川に下りて遊び始めました。

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南尾根口の丸木橋から上流に来ると、ホナミちゃんは石に生えていたコケに興味を示し、ショウキ君は木肌が半分はがれた小枝に見とれています。

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この日も川の水は冷たく、私は手袋を離せないでいましたが、ホナミちゃんは素手で水の感触を楽しんでいるようです。

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ホナミちゃんは、 豆のような形のコクサギの実を見つけ「これなんですか?」と、水の流れでえぐられた川の窪みをのぞいては不思議がり、 上を見上げては杉の木の葉からのこもれびや滴り落ちるしずくに気づき、自然の中での興味・関心は尽きませんでした。ショウキ君は、川の上流へと一人でどんどん移動していきました。

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川の上流域で、ホナミちゃんとショウキ君が二人並んでジイーと川の流れを見つめていました。二人の瞳には、どのように映っていたのでしょうか。カメラのファインダー越しには、自然の中にゆったりと身を置く、二人の優しい表情が映っていました。後方には今朝降った雪がうっすらと積もっています。

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川べりから林道に出ると、ホナミちゃんが小さな木の切り株についていたキノコ(キクラゲ)見つけ、「これ、なあに?」と聞き、「これはキクラゲといって食べられるキノコよ」と教えると、お土産に持って帰りました。

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ホナミちゃんは、森林整備で間伐したばかりの真新しい杉の年輪を数えています。その側で弟のショウキ君がお姉さんの行為をじっと見つめています。

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らせん状にツルが絡んだ杉の木肌を見てホナミちゃんは驚きの声をあげています。足元に転がっているフジヅルは、杉の立木に絡まっていたツルを切り落としたものです。

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ショウキ君が、整備地に転がっていた4mほどの長さの和竹を、持って帰ると言いだし、兄弟3人で山から降ろしてきました。

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途中、棚田の栗の木で足を止め、ショウキ君は木登りを始めました。ホナミちゃんは今度は木の枝に生えた緑の苔に興味を示し、しっとりと水を含んだ苔を指で押しています。

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サッちゃんは、コケの胞子についた輝くしずくを「きれい!」と指さしています。このときは、ホナミちゃんは、お姉ちゃんの顔になって、優しくサッちゃんと一緒に見つめていました。

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ひとしきり遊んだ後、つむぎの家に戻ることにしました。「さあ帰ろう!」と言ったとたんにショウキ君は自分が見つけたワダケを持って駆け下りていきました。その後を追ってサッちゃんとホナミちゃんが走っています。

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お昼を挟んで、午後からは山から運んできた竹で竹細工。

ショウキ君の要望で、そうめん流しの道具、たけばし、竹コップをつくり、ホナミちゃんは弓を作りたいと言いだし、一緒につくりました。

二人並んで出来上がった弓で、どちらが遠くまで矢が飛ぶか競争です。

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ホナミちゃんが飛ばした矢が遠くへと飛び「ヤッター!」と歓声を上げています。ショウキくんも負けじと頑張っていました。二人とも"ロビンフット風"に竹で作った矢筒に矢をいれて、弓の名人に成りきっていました。

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午後の3時を回っても子どもたちの興味と遊びは尽きないようでしたが、また来ることを約束して、3姉弟は帰宅の途に就きました。

子どもたちの感性に刺激されながら、寒さを忘れて久しぶりに遊んだ休日でした。


冬越しの木々 ~冬芽と葉痕  その20

2012年03月10日 | 樹木

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ミヤマガマズミの冬芽(花芽)

ミヤマガマズミの花芽は赤い芽鱗で覆われ、内側の芽鱗には毛が生えていて暖かそうです。今にも中から花の妖精が出てきそうですね。

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ミヤマガマズミの葉芽と葉痕

葉痕は、三角形で目がつりあがった顔に見えますね。上目づかいで葉芽の生長を温かく見守っているようです。

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ミヤマガマズミ(スイカズラ科)

ミヤマガマズミは、高さ3m位の落葉低木、果実は秋に赤く熟し、食べられます。

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コハウチワカエデの冬芽と葉痕

コハウチワカエデの冬芽は、膜質鱗片に半分ほど覆われ、暗紫色の美しい冬芽が互いに向き合い、ヒソヒソとささやき合っているようです。葉痕は三日月形で細く目立ちません。

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コハウチワカエデ(カエデ科)

コハウチワカエデは、葉の形を鳥の羽で作った小型のうちわに見立ててこの名があります。樹皮は白っぽい褐色で縦にすじ状の浅い裂け目が入っています。

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ヤマザクラの冬芽と葉痕

ヤマザクラの冬芽は、水滴形で芽鱗の先が少し開いています。葉痕は半円形で維管束痕は上側に寄り、丸い目のキョロちやんです。

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ヤマザクラ(バラ科)

ヤマザクラの樹皮は赤紫色を帯びた褐色で横長の皮目が目立ちます。この樹形は風雪に耐えてきた歴史を感じます。見上げるような高木のヤマザクラの花を愛でるのは難儀ですが、ヤマザクラで覆われた山容の景色は、幽玄ですね。

輝く命を秘めながら、今は沈黙の存在である冬芽、来たるべく春にはどんなすてきな命の輝きを見せてくれるのでしょうか?