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大小迫 つむぎの家

よみがえれ!大小迫の里山。 人と人、人と自然をつなぎ、つむぐ「つむぎの家」

寒さいとわぬ綾里っ子

2012年03月20日 | 綾里っ子

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昨日は北風が強く、寒の戻りの様な寒さでしたが、春休みに入ったホナミちゃん兄弟とお友達のアイリちゃんが遊びに来ました。「今日は何して遊ぶの?」と聞くと「千田さんのお手伝いをしたい!」といわれ、畑に植えてあったブロッコリーとカリフラワーのあと片づけをしてもらいました。

土に触れた3人は、その後素手で、泥団子を作り始めました。

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「美味しい団子ができたので千田さん食べてください!」と呼ばれ、黄粉(もみ殻をまぶしたもの)やゴマ、アン入り(青草を丸めたもの)の手作り団子をごちそうになりました。

最初は泥団子の強さと数を競争しようと作り始めたようでしたが、出来上がると壊すのが惜しくなり、私に振る舞ってくれたようです。

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その後、川の中で掘り起こしたごぼうを洗っていると、ホナミちゃんが来て手伝ってくれました。私はゴム手袋をしての作業でしたがホナミちゃんは「大丈夫!」と素手で洗っています。(昨年の震災後の大家族生活を思い出しました。ごぼうは、畑の土の中でも凍らず、この時期までも変わらず食べることができます。この寒さに強いごぼうを掘り起し、少ない食材の中、毎日のようにおじやに入れて食べたことが、昨日のように思い起こされました。)

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冒険が大好きなショウキ君、焼却用ドラム缶の金網の上に、ちょこんと正座し、嬉しそうな顔をしています。「危ないよ!」と声掛けをしたのですが、慎重に金網の強度を確かめている様子でしたのでハラハラしながら見守りました。周りにあるちょっとしたものでも、遊びの材料にする子どもの発想力に驚きながらも、危険なことも理解できるようにしなければと思いました。

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この日は、体を動かしていないと手足が冷え冷えする寒さ。鬼ごっこをしようということになり私も仲間入り。私とショウキ君が鬼になり、二人を捕まえようと追いかけるのですが、私には子どもたちの駆け足にとてもついていけません。アイリちゃんが遠くから「こっちだよオー」と叫んでいます。

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鬼ごっこ遊びをしているうちに、植木さんが牛の世話にやってきました。これまでもつむぎの家に来ていた綾里っ子たちですが、「牛を見たことが無い」と言いだし、植木さんにお願いして見せてもらうことにしました。

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牛舎の中に入り、綾里っ子たちは、初めて間近に牛を見たようで、眼を輝かしながらと植木さんにいろいろな質問をしていました。「牛さんはいま何をしているの?」の質問に、植木さんは「いま、ようやく宿題を終わったので、給食を食べているんだよ」と、ジョークを交えた牛の話をしてもらい楽しそうです。

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午後5時のチャイムが鳴り、お帰りの時間です。氏神様にお参りをしてから帰ろうということになり、氏神様に向かって走っていきました。

お参りを済ませ、ふと前を見ると、お彼岸でお供えしたおはぎが目に入りました。「みんなでこれをごちそうになろうよ!」というと、「えっ?!」という驚きの声。神様のお供えを食べるなんて!とでもいうようにびっくりした様子に、「これは千田さんの手作りおはぎだから大丈夫!、みんなで今日も一日ありがとうと、神様に感謝して食べようよ。」というと、「うん!食べる!食べる!」と2個のおはぎを4人で頬張り、満足顔で帰路につきました。


線路(南リアス線、綾里-恋し浜駅間)探険

2012年03月19日 | 綾里っ子

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昨日、白浜のホナミちゃんの家に行き、用事を済ませた帰り道、ホナミちゃんのおばあちゃんが今だからこそ歩ける線路道を帰る提案をしてくれ、ホナミちゃんと弟のショウキ君そしておばあちゃんと4人で線路を歩いて綾里駅に向かいかいました(南リアス線は、全線不通になっています。でも、平成26年までには開通する予定です)。

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少し歩くとすぐにトンネル(第一白浜トンネル、長さ100m)に入り、薄暗い中ショウキ君はどんどん先へと歩いていきました。

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トンネルを抜けると、ユウカちゃん、ショウゴ君兄弟に出会いました。このトンネルの下がユウカちゃんのお家だそうで、一緒に線路を探険することにしました。

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震災から一年、線路は草木が生い茂っていました。昨年、野草を観察したり食べる体験をした子どもたちは、線路の周りの植物に興味を持ち、ハリエンジュの針をとって鼻の頭にくっつけたホナミちゃんを見て、ショウゴ君も挑戦しています。

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ホナミちゃんはヤマノイモの蒴果をネックレスに、ユウカちゃんは毛の多い珍しい植物を見つけ、観察しています。

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ショウゴくんがガガイモの果袋を見つけました。中にまだ種が入っていましたが雨でぬれ、翼のある種子はあいにくくっつきあい、飛ぶ様子は観察できませんでした。

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「これなんですか?」と重ね着をしたようにボリュームのあるクワの冬芽に興味を持ち、「かわいい!」と葉痕と共に見入っています。

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ホナミちゃんは木に登って「なまけもの!」とじっとしています。ユウカちゃんとショウゴ君は、枯草の中から食べられる植物を懸命に探しています。(ユウカちゃん兄弟は、味覚で植物を知ろうと第一声は「これ食べられますか」と、「食べられるけど生では青臭いよ!とか酸っぱいよ!」と言ってもスイカズラやスイバ、ギシギシを口に含んでいました。)

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ショウゴ君がきれいな粘土石を見つけてきました。「水で溶かして柔らかくして工作ができるよ」とホナミちゃんのおばあちゃんがアドバイス。

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女性軍は線路に座って一休止、ショウキ君は休まずに歩き続け、ショウゴ君は、線路端で何やら見つけたようです。近づいてみると、散弾の薬きょうや釘、そして枯れ枝についていた虫の卵などに興味を示していました。

男の子と女の子では興味・関心が違いますね!

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やはり男の子、ショウキ君とショウゴ君は、コンクリート塀を登り、冒険を楽しんでいます。

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無事に綾里駅に到着しました。

震災以来不通になっている南リアス線ですが、線路内には子どもの背丈ほどの高さのススキや、60㎝ほどに伸びたホウノキが、我が物顔に生え、線路に立ちはだかるようクワの木やハリエンジュが生長ていました。

南リアス線の復旧までには時間がかかりますが、自然は一時たりとも止まることを知らず、変化し続けています。綾里っ子の自然への興味・関心も止まるところを知りません。途中で収穫した「ふきのとう」をお土産に頂き、綾里駅でみんなと別れました。


虫たちの冬越し その4

2012年03月18日 | 昆虫

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カバイロコメツキ

立春を前に、虫たちはどうしているのでしょうか?朽木の中をのぞいてみました。

カバイロコメツキは体に合わせた窪みに身を寄せ、じっと春を待っていました。

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ダイダイヒトフシムカデ

朽木をひっくり返した裏側には小さなダイダイヒトフシムカデが現れ、「寒いよ~」と15対のあしでそそくさと逃げ隠れてしまいました。

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クチキムシ

立ち枯れの樹皮をはぐと、クチキムシが数匹「まぶしいよ!」とでも言っているように暗い穴に逃げ込みました。

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枯木をのぞくと一瞬、幼虫が出てきたと思いましたがよく見ると小さな卵が集まって幼虫に見まごう形で越冬中の卵塊でした。 不明?

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何の幼虫でしょうか、1、5㎝ほどの小さな透き通る幼虫です。 不明?

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朽木の布団の中で暖かそうですね。不明?

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フクログモでしょうか。樹皮のすき間に糸で袋をつくりその中で成体で越冬しています。

成虫で越冬するもの、幼虫や卵で越冬するものと、昆虫たちの冬の過ごし方はさまざまですが、見ようと思わなければなかなか出会えない虫たちの冬越し。「忘れないで! 忘れないで!僕たち 私たちも地球に生きる生き物なのよ!」と語りかけているようです。


綾里っ子 ~秘密基地遊び~その3

2012年03月17日 | 綾里っ子

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前日に引き続き16日の午後も6年生8人、2年生1人の計9人が、基地遊びにやってきました。

17日は綾里小学校の卒業式ですので遊びを早めに切り上げてくれればと思い午後4時過ぎに様子を見に山に入りました。前方に太い丸太を転がしながら運ぶ二人の姿が目に入りました。カイト君とユウト君に「どうするの?」と聞くと「椅子にしたいの」という。緩やかな上り坂で、フーフー言いながら必死で丸太を転がし坂を上っていました。

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お目当ての場所には基地らしきものが出来上がっていました。

ところが丸太を運んできた二人以外は誰もいません。

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砂防ダムにたまった水たまりを分断するように丸太を並べて橋らしきものも出来上がっていました。

「みんなはどうしたの?」と聞くと「会議をしに行ってまた戻ってくる」という。訳のわからぬ状況の中でみんなの帰りを待っていたが一向に戻ってくる気配がなく、3人で山を下りることにしました。

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里地まで下りてくると、みんな集まっていました。「どうしたの?」と聞くと「エイシュン君が帰ってしまって~??」と何があったのか子どもたちの心を読み取れず、明日は卒業式なので、早めに解散してくれればという思いで、みんなと別れました。(後で分かったのですが、エイシュン君が基地作りで意見が分かれ、泣いてしまい、途中で帰ってしまったとのこと。それをみんなで心配して、追いかけたようですが、帰る5時の時間になり、明日以降のこれからのことを相談していたようで、友達を思いやる心を持っている綾里っ子たちでした)

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つむぎの家に着くとホナミちゃんが、友達と一緒にやってきて、3年生がつむぎの家宛てに書いたお便りを持ってきてくれました。

ホナミちゃんはヤマトが大好きで、自分の家でも犬を飼いたいと思っているそうです。

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男の子たちとは別に、里山に遊びに来ていた4年生のミノリちゃんとユウカちゃんが、お迎えに来たお母さんと一緒に3年生が書いたお便りをのぞいています。

子どもたちのお便りには、つむぎの家で行った活動に対する感謝の気持ちがあふれていました。

千田さんへ

「いつもニコニコしている千田さんが大好きです。どんぐりで作ったヤジロベーは、今でもだいじにしています。たくさんいろんなことを教えてくれてありがとうございました。もうすぐ春です。また遊びに行きます。元気でいてください。」サトウユウカ

「ぼくは、さいしょつむぎの家と先生が言ったとき、何だろうと思ったけど、大豆をやりに行ったとき楽しそうだなと思いました。いつもありがとうございます。お体にきをつけてください。」ササキショウタ

幸せ冥利に尽きます。


秘密基地遊び-その2-

2012年03月16日 | 綾里っ子

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昨日の午後1時半過ぎ、子どもたちの声に外に出てみると、一昨日秘密基地遊びをした6年生が、スコップやのこぎりや鉈などの工具や木材持参でつむぎの家にやってきました。

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つむぎの家では遊びに来た子どたちには、約束事として、①必ず声をかけ、②名簿に名前を書く、③後始末をきちんとする、④帰りの時間を守る、ことにしています。

玄関で名簿に名前を書いていますが、一昨日のメンバーにひとり入れ替わった顔ぶれでした。

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「何をして遊んでもいいが、怪我は自己責任、危ないことだけはしない」ことと「遅くとも午後5時には帰ってくること」を約束し、山入りを許可すると、勇んで走って山に向かいました。

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午後の4時になり、日が陰り少し冷え込んできて、辺りは雪がちらつきはじめましたが、子どもたちは一向に帰ってくる気配がなく、様子を見に山に入ってみました。

一昨日の秘密基地とした場所で、雪のちらつく中を、夢中で遊んでいる様子がうかがえました。近づいてみると砂防ダムのそばで、スコップで穴を掘っていました。また、杉枝を集めている子もいました。

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どうやら、落とし穴を作っていたようです。

穴を掘り、そこに細い木の枝を渡し、杉の葉でカモフラージュ、「誰を落とすの?」と聞いても特に目当てはないようです。

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その近くには、間伐した杉の丸木を並べ、秘密基地らしいものもできていました。

これが、君たちの秘密基地?と聞くと、まだ未完成なので、明日、これに屋根をつくるの、とのこと。どうやら、明日もここに来るつもりのよう。

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雪の降りしきる中、杉林の中に弓の的をつくり、矢を飛ばして的当てをしています。

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夢中にになって遊んでいるうちに、自分たちが造った落とし穴に、入ってしまったようです。

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雪の勢いが激しくなると空に向かって口をあけ、雪を口で受け止めて遊んでいます。

寒さも何のその、雪も絶好の遊びの材料にしています。

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落とし穴造りで味をしめた彼らは、今度はスコップで土砂を掘りお越し、自分たちの思い通りの水の流れを作っています。

ことわざで「水を制する者は、天下を制する」と言われますが、子どもたちの水の流れを制するのに夢中になっている姿に、頼もしさを感じました。

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5時近くになり、雪が降ってきても帰る気配がなく、手袋を脱ぎ捨てて素手で夢中になって遊んでいる子どもたち。もっと遊ばせてやりたいと思いながらも、約束り時間が迫ってきており、タイミングを見計らって「今日は雪だからもうそろそろ帰ろうよ!」の掛け声にようやく腰をあげました。

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山を下る途中で、ゲーム機のようなものを見て笑っています。「千田さんも見て!」の言葉にのぞいてみると、お化けの映像が映っていました。「これなあに?」と聞くと「ムービー」と、私にはわけのわからん横文字が返ってきました。

自然の中での基地遊びを夢中でしていた子どもたちも、現代のメカは手放せないのかとちょっぴり寂しく思いましたが、寒い中、3時間たっぷり創意工夫に満ちた自然遊びに取り組んでいた、綾里っ子の姿をたくましく感じました。