綾里には「不動滝」という名瀑・名水があります。岩手名水20選にも指定されています。
今回、厳冬の滝を訪れてみました。
不動滝は、雌滝、雄滝の二つの滝があり、二つの滝に挟まれた中央の岩窟に不動尊が祀られた祠(ほこら)があります。
滝に至る途中は、老木が鬱蒼としており、あたかも仙郷に入るがごとき趣きがあります。
上の写真は、途中の小さな滝ですが、あたかも左上の大木(樹齢300年以上のトチノキ)の根元から湧き出しているかの如くです。
滝にたどり着いてまず目飛び込んできたのが、全面結氷した雄滝でした。
高さ15mの滝ですが、厳冬にはこのように凍てつき、白い柱の芸術を見せてくれます。
一方、こちらは雌滝で、すぐ上の老杉(樹齢300年以上)の根元から湧き出しています。この湧き出している清水が、岩手の名水20選に指定されており、私たちもこの清水を汲んできてお茶やコーヒーに愛用しています。
雌滝の湧水は枯れることなくこんこんと流れ出ていますが、この寒さで岩から浸み出た水が、大きな氷柱となって一面に垂れ下がっていました。
中央の祠に、いつの時代からか、不動尊が祀ってあります。昔は、元朝参りや旧の端午の節句には参詣人で賑わったそうですが、今は、元朝参りに訪れる人も少なく、この厳冬の時期にはタヌキやテンなどの動物の足跡だけがうっすらと積もった雪道の参道に残っていました。
それでも、綾里九十九曲峠の入り口近くの鳥居から不動滝までの参道は、石畳で整備されており、落ち葉の敷き詰められた渓谷の小道は、厳寒の季節にもかかわらず温かさがありました。
この不動滝は、海岸から4kmの近さにありますが、幽玄・仙郷の趣きがあり、四季折々の景観と美味しい名水を私たちに与えてくれています。
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