イズミル便り

IZMIR'DEN MERHABA

春分の日とNEVRUZ(ネヴルズ)

2007-03-22 08:26:37 | Weblog

「平安と平和、愛をもたらすことを祈って・・・NEVRUZ(YENIGUN)おめでとう」トルコ軍の公式HPより。

3月21日は日本では「春分の日」の祝日でしたね。そろそろ早咲きの桜を見に出かけた方もいらっしゃったのではないでしょうか。春分の日は自然をたたえ、生物をいつくしむ為の祝日で祝日法上では春分日と定められている為、その前年の2月1日に、国立天文台が作成する『暦象年表』という小冊子に基づいて閣議で決定され、官報で発表されるのだそうです。だから年によって20日になったり21日になったりするのですね。国民の祝日となる1948年より前は「春季皇霊祭」といって皇祖の神霊、つまり天皇の先祖を祀るお祭りだったそうです。


トルコ・シヴァス。

ここトルコでは3月21日は「NEVRUZ」と呼ばれ、各地で盛大に色々な行事が行われました。この「NEVRUZ」と言う言葉はトルコ語ではなく元々はペルシャ語起源の「新しい日」と言う意味があるそうです。イランを中心に中央アジアの国からアフリカまで広範囲で祝われているそうです。




アゼルバイジャン。


カザフスタン。


イラン。新年を祝う為の商品で色とりどりのパザル(市)。

トルコでは南東部に多いクルド民族の祝日となっている為、毎年この日はクルド人たちの民族運動で何かと騒動が起こります。今年も何日か前からニュースでは「何かが起こりそうな」報道をしトルコ軍の公式HPではあえて「NEVRUZ」の文字とともに「YENI GUN」と言うトルコ語を表記しトルコとして祝う姿勢をアピールしていました。そして南東部へは軍隊が大移動をしているという報道も。

 
首都アンカラにあるTRTでの公式行事。

 NEVRUZの火に点火するエルドアン首相。

朝からトルコの国営放送TRTではエルドアン首相を初め多くの閣僚達も参加した公式行事や中央アジアの国々を中継で結びその祝典の様子を全世界へと放送していました。NEVRUZと言うとこの辺では路地のような狭い道路に火を焚いてその上を子供達が飛ぶ姿を見かけることがあります。公式行事でもエルドアン首相が火を点火しその上をおじさん大臣達が飛んだり(エルドアン首相は腰痛の為飛べません)、鉄を打ったり、卵を叩き合ったりしていました。写真をご覧になって感じられるかもしれませんが、イスラム教の行事とは少し雰囲気が違います。これはイスラム以前のゾロアスター教の新年の祝祭に由来するからの様です。


トルコ・エルズルムの小学校。

夕方のニュースでは「何かある、何かが起こると言われていたNEVRUZ、もちろんあちこちで石が飛んだり、火炎瓶が投げられたりはしました、でも大事には至りませんでした!」と言っていましたが石や火炎瓶が飛ぶことが大したことではないのがトルコなんでしょうか。


トルコ東部の町ハッカリではこの日の行事が禁止された。暴動を防ぐ為に役所の前を守る軍隊。

何かと問題を起して、国情を揉めさせたい一部の人がいることは確かでしょう。トルコ軍のポスターのように「平安と平和、愛」が普通のこと、特別に言う必要がなくなるNEVRUZが毎年続くといいなあと思った一日でした。






 
トルコ・セルチュク大学にて「春の娘」。

 




本日の写真はANADOLU AJANSI(アナドルアジャンス)のHPから拝借しました。

30 コメント

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サワディ~カ~ (takoome)
2007-03-22 11:14:00
そちら方面の「春の祭典」面白いですね、<m(__)m>
タイの春・・・・・いつなんやろか?
カレンダーには書いてますけど(?_?) 
タイの温度で四季はあるんでしょうが、
やっぱり春は桜と行きたいものです。

ところでこちらは・・・・
来月、水掛祭り「ソンクラン」です。すでに、汗ダラダラ。


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お祭り~~!! (maviko)
2007-03-22 15:52:56
いろんなお祭りがあるんですね!!
どの写真も興味津々!民族衣装がステキングです!!

どの国もそうですが世界中の人々が仲良くなってほしいものです。同じ地球に住んでる人間なのに。。。
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Unknown (harika)
2007-03-22 18:26:20
おはよ。
Nevruzって、純粋に季節のお祝いっぽいのに、石や火炎瓶が飛ぶの?政治・宗教系の祭日ならわかるけど、なんだか不思議。
ゾロアスター教の風習が残っているのも面白いです。古代宗教の名残・・・。このあたりの歴史、すごく興味があります。
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初めまして! (cake)
2007-03-22 20:51:04
こんにちは!cakeと申します。宜しくお願いします。

トルコは、イスラム教のお祭りしかやらないのかと思ってました。面白いですね。それに、各国の衣装も素敵です。
こちら日本では、春分の日はお墓参りが主体で一日が過ぎて行きます。日の丸を掲げる家も少なくなりました。1軒だけ見つけて、感心してました。
トルコの家庭では、祝日に国旗を掲げる事はあるのでしょうか。
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 (エミリア)
2007-03-22 22:58:45
イタリアでも3月21日は
暦の上で春が来たと言われます。
今年は満開の桜の花に大量の雪が
積もってしまった地域もありました。

美しい&ゴージャスな民族衣装ですね。
お祭りに赤色は必須カラーですよね。
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Unknown (不思議な世界旅行)
2007-03-23 04:19:03
もとはゾロアスター教ですかあ。
歴史・文化・世界情勢と盛りだくさんの内容で
勉強になります(けっして嫌味ではありませんので!)。

私は今週末は花見(咲いてないけど・・・・・・)・来週はスキーの予定です。
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takoomeさん (yukacan)
2007-03-23 04:57:24
サワディ~カ~。
火を飛び越えることや鉄を打つこと、卵をぶつけ合うことの意味などもう少し調べたかったのですが、保留中です。タイには春があるのですか!去年のttakoomeさんの春は日本ででしたよね。早いなあ一年。水掛祭りも4月でしたか。
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mavikoさん (yukacan)
2007-03-23 07:50:35
衣装の色がきれいですよね。いっきに春が来たと言う感じです。アオザイはスレンダーmavikoさんにお任せして、私はこの手の民族衣装を一度着てみたいわー。

でもやっぱり日本って平和、日本人って穏やかだと思います。
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harikaさん (yukacan)
2007-03-23 08:02:56
今日は順番間違えませんよー!
純粋に春のお祭りなのにそれを政治に利用しようとする人がいるんでしょうね。何か騒ぎを起さないと気がすまない人もいるみたいだし…。
ゾロアスター教って私もこの辺り興味があります。研究しようか。
イスラム教以外の民間信仰や原始宗教のようなものを認めない人たちにとっては興味ない行事なんでしょうね。イズミルなんて静かなもんでした。私にはこの「認めない」と言うのがよくわかりません。
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cakeさん (yukacan)
2007-03-23 08:10:15
こんにちは!ご訪問&コメントをどうもありがとうございました!
トルコでほかに宗教がからんでないお祭りってあるかなあ。戦争に勝ったとか救国記念はありますねえ。
でもこういう純粋に春の訪れを喜び豊穣を願うお祭りっていいですよね。政治に利用して欲しくないです。
中央アジアの国々ではお墓参りをする人たちもいるようです。日本はもう日の丸を掲げている家はほとんど見ませんよね。トルコはすごいですよー。NEVRUZは、公式な祝日ではないので余り見かけませんでしたが公式な祝日はどこの家も窓やベランダに国旗をさげます。しかも巨大な国旗もあって圧巻です。この風景を見るとにわか愛国者(トルコ人になりきって)になっちゃうんですよ。
また遊びにいらしてくださいね。
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