イズミル便り

IZMIR'DEN MERHABA

CAKIRAGA KONAGI(チャクルアァ コナウ=チャクル様のお屋敷)

2008-07-11 17:22:34 | 

山の上からBIRGIを眺める。

日曜日の朝にしては珍しくさっさと起きた夫、KAHVALTI(朝食)を食べながら「どこかへ行く?」と。「行く行く!でも行き先はどこでもいい!」私。協議の末行き先が二転三転、結局前日TVで紹介されていたODEMIS(オデミシュ)郡BIRGI(ビルギ)にあると言う「CAKIRAGA KONAGI」へ行くことに。ガソリン高騰の折、世界一ガソリン代が高いと言われるトルコですから、なるべく遠出はせず徒歩でつつましく…なんて思っていたのに、結局イズミルからODEMISまでなんと片道約150KMの遠出になりました。



ODEMISを車で走りながら「ここはイズミルの台所だ!」と実感。パザルで買う野菜や果物の多くはODEMIS産と書かれています。なるほど360度広がる畑の風景、そして全くムダに放ってある農地が見られないほど、どこも緑で生き生きと作物が繁っています。街角の電光掲示板では39度を示していましたからそんな時に作業をしている人はいませんが、それでも誰もいない畑には、働き者のODEMISの人たちの気配をひしひしと感じました。





車を走らせること2時間強、ODEMISから更に8キロほど東へ行ったBIRGIの街に入り、BIRGI川に沿ってすぐに「CAKIRAGA KONAGI」は見つかりました。







ODEMISのBIRGIに住むお金持ちの商人CAKIROGLU MEHMET(チャクルオウル メフメット)氏が1761年に建てさせたエーゲ地方の建築様式の建物で1950年までは個人の所有でしたが、その後住む人もなく建物は廃虚同然になってしまったようですが、1977年から修復が始まり1995年に一般に公開されるようになったそうです。




オリジナルの建物とは別の部分にかつての生活の様子が展示してありました。

3階建ての木造の建物でコ型の真ん中に開いたサロン部分、そして両側には部屋があります。1階はお客さんの待合室、使用人たちの部屋、家畜小屋、飼料置場があります。2階は天井が低く、冬の住居として使われたようです。5つの部屋とお手洗いがあります。部屋は客室や子供部屋などで、日の当たる明るい部分が客室、日の当たらないほうには果物を保管すると言う部屋もありました。









3階は天井が高く、夏の住居でしょう。ここは2つの居住区に分かれています。1つは「イスタンブルの部屋」もう一つは「イズミルの部屋」。一説によるとチャクルアァにはイスタンブル出身とイズミル出身の二人の奥さんがおり、二人がいつも故郷の景色を見て寂しくならないようにとそれぞれのパノラマを描かせたのだと言います。イズミルの部屋の日当たりが悪かったのがちょっと不満…。天井や壁には果物や花、景色がびっしりと描かれておりお金持ちのチャクルアァさんは家族を喜ばせたかったのかなあなんて想像してしまいました。


イスタンブルのパノラマ。


こちらはイズミル。日の当たらない部屋のせいかちょっと保存状態が・・・。



出発が遅かったので、街の中をぶらぶら出来なかったのが残念でしたが、ただこのお屋敷を見ただけでも大満足でした。トルコにしては(?)とても丁寧に修復がされており、200年以上昔の木造の建物なのに壁や天井の装飾もオリジナルの色そのままに美しく残っています。





土曜日には週に一度のパザル(青空市)がたち、生鮮品のほかに土地の女性たちが自分で持ち寄った手工芸品などが並ぶそうです。今度は是非土曜日に出かけなければ。




建物の裏側。左側のcafeでチャイを頂きました。




チャクルアァの妹さんのお墓だそうです。道の真ん中に取り残されています。

日帰りで行くにはもったいない魅力的な街ODEMIS BIRGI、もう一度是非訪れたい場所です。




cafeの壁にかかっていたひょうたん。
             






☆現在のイズミル☆