巨大地震によって生じた未曾有の津波が
東日本沿岸の原子力発電所すべてを襲い
それまで
円滑且つ正常に運転されていた
核分裂によって得た熱による
蒸気発電システムを
一瞬で
役に立たない無価値なものに
してしまった
津波が襲ったこのときを境にして
管理体制に課題を抱えていた原発では
冷却するための熱の制御が事実上不可能になり
崩壊熱の増長を
職員たちはただ扼腕するのみで
呆然と眺めていることしかできなかった
経緯は省くが
結果として水素爆発がおき
頑丈この上なく作られた原子炉建屋の多くが
一瞬で粉々に吹き飛んだ
映像資料はまことに雄弁であった
そもそもの原因は
冷却水を汲み上げるためのポンプに
電力を供給していたディーゼル発電機へ
燃料である軽油を届けられなくなったことにある
津波が
タンクを設置していた場所から
移動させてしまったからだった
瑣末な変化が
厳重に管理されていた原発を
あれよあれよという間に
破壊させてしまったという
想定外の経過が
放射能汚染の発端になっている
まさに
千慮の一失というべきできごとが
国と電力会社の浅慮のほどを
もののみごとに浮き彫りにした
関係者の一部は
ことの重大性を当初より悟っていたようだが
なす術がなかった
その初期段階から
放射能を拡散させる漏洩事故がおきるまで
さして多くの時間はかからなかった
その後になっても管理する側の不首尾はつづき
進捗よりは停滞
という状況がしばらくの間
維持されていた
報道各社は
その事実を克明に伝えている
原子炉の内部でおきるであろう
諸種の反応形態の変化が検討され
当座
水素爆発を遅らせるための措置として
不活性ガスである窒素N2を封入することにより
可燃性ガスである水素H2の比率を引き下げる
という方法がとられた
水素爆発をおこすための水素ガスの濃度は
4乃至5%から75%の範囲
とされている
窒素ガスの封入は
水素ガスの濃度を
5%以下に引き下げるための
便宜的な措置
水素ガスの濃度が今後上がれば上がるほど
窒素ガスによる内圧の増加が
際立っておきる
原子炉容器の内圧がより高まれば
どこかでガス抜きを行って
安全を確保しなければならない
炉外排気を強行すれば
放射性を帯びた窒素ガスが
大気中へと撒き散らされる
水素ガスを発生させたそのメカニズムを
管理する側が理解できていないと
対策の有効性は失われる
窒素ガスで水素ガスの濃度割合を変えることができたとしても
時の経過とともに
水素ガスが更に増えていくのであれば
爆発の危険性は
常に生じていることになる
やるべきことは水素を生成させた原因を特定し
容器内の水素濃度を
速やかに減らす
ということでなければならない
それを可能な状態にすることができれば
窒素ガスを関与させる必要性は消える
問題が見えていないときには
対症療法に活路を見出そうとするものなのだ
応急措置で小康を得ることができたとしても
それで問題が解決した
ということはできない
設計者が見逃していた
水素を生成させたその理由を
いま
突き止めておかなければ
根本的な解決を図ることは
で き な い
窒素ガスを封入したからと言って
安心していられる場合ではない
それは
何の解決策にも
なっていないからである
東日本沿岸の原子力発電所すべてを襲い
それまで
円滑且つ正常に運転されていた
核分裂によって得た熱による
蒸気発電システムを
一瞬で
役に立たない無価値なものに
してしまった
津波が襲ったこのときを境にして
管理体制に課題を抱えていた原発では
冷却するための熱の制御が事実上不可能になり
崩壊熱の増長を
職員たちはただ扼腕するのみで
呆然と眺めていることしかできなかった
経緯は省くが
結果として水素爆発がおき
頑丈この上なく作られた原子炉建屋の多くが
一瞬で粉々に吹き飛んだ
映像資料はまことに雄弁であった
そもそもの原因は
冷却水を汲み上げるためのポンプに
電力を供給していたディーゼル発電機へ
燃料である軽油を届けられなくなったことにある
津波が
タンクを設置していた場所から
移動させてしまったからだった
瑣末な変化が
厳重に管理されていた原発を
あれよあれよという間に
破壊させてしまったという
想定外の経過が
放射能汚染の発端になっている
まさに
千慮の一失というべきできごとが
国と電力会社の浅慮のほどを
もののみごとに浮き彫りにした
関係者の一部は
ことの重大性を当初より悟っていたようだが
なす術がなかった
その初期段階から
放射能を拡散させる漏洩事故がおきるまで
さして多くの時間はかからなかった
その後になっても管理する側の不首尾はつづき
進捗よりは停滞
という状況がしばらくの間
維持されていた
報道各社は
その事実を克明に伝えている
原子炉の内部でおきるであろう
諸種の反応形態の変化が検討され
当座
水素爆発を遅らせるための措置として
不活性ガスである窒素N2を封入することにより
可燃性ガスである水素H2の比率を引き下げる
という方法がとられた
水素爆発をおこすための水素ガスの濃度は
4乃至5%から75%の範囲
とされている
窒素ガスの封入は
水素ガスの濃度を
5%以下に引き下げるための
便宜的な措置
水素ガスの濃度が今後上がれば上がるほど
窒素ガスによる内圧の増加が
際立っておきる
原子炉容器の内圧がより高まれば
どこかでガス抜きを行って
安全を確保しなければならない
炉外排気を強行すれば
放射性を帯びた窒素ガスが
大気中へと撒き散らされる
水素ガスを発生させたそのメカニズムを
管理する側が理解できていないと
対策の有効性は失われる
窒素ガスで水素ガスの濃度割合を変えることができたとしても
時の経過とともに
水素ガスが更に増えていくのであれば
爆発の危険性は
常に生じていることになる
やるべきことは水素を生成させた原因を特定し
容器内の水素濃度を
速やかに減らす
ということでなければならない
それを可能な状態にすることができれば
窒素ガスを関与させる必要性は消える
問題が見えていないときには
対症療法に活路を見出そうとするものなのだ
応急措置で小康を得ることができたとしても
それで問題が解決した
ということはできない
設計者が見逃していた
水素を生成させたその理由を
いま
突き止めておかなければ
根本的な解決を図ることは
で き な い
窒素ガスを封入したからと言って
安心していられる場合ではない
それは
何の解決策にも
なっていないからである
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