こ と の 端

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深 層 心 理

2009-07-26 09:58:11 | Weblog
アメリカが日本を

戦後からこれまでの六十数年間

一貫して 

もののみごとに

うまく手懐けていたというのは

敵という名で呼ばれるどこかの国から

突然攻撃を受けることがある

と日本人を信じ込ませておくことに成功していたからだった


敗戦によって日本が与えられた民主主義と平和憲法は

前者が

アメリカに尽くすための政治家を育成する制度へと発展していったのに対し

後者は

アメリカの防衛予算を日本が肩代わりできるようにするための

柔軟な解釈を許すようなものへと変質を遂げていった

その結果として

この国は

アメリカの核の傘が絶対的に必要だ

と勝手に思い込むような世代が増殖し

根拠のない不安に

自ずから怯えるようになっていったのだった

アメリカに尽くす政治を専一に行ってきた所謂55年体制は

次の選挙で

崩壊する

しかし

同根の出自であるということから

新政権がもっている体質も

その本質において

何ら変わりがあるということでもないのだ


問題の本質をどれだけ承知しているのか 

ということが

国の将来を決定する重要なカギとなる


日本がもつべきあたらしいスキームを

次代を担うことになる

あたらしい政権政党は

これから 急いで築きあげていかなければならない

国民は すでに

永く疲弊した状態にある

この機会を有効に生かすことができれば

国の劣化は減速状態へと速やかに遷移するだろう


アメリカの歴史をみると 

それは 侵略者の歴史そのものであった

インディアンと呼ばれるネイティブアメリカンたちは

どのような部族であろうとも

敵という概念そのものをもっていなかった

どこから来たのかさえ分からない

白い肌をした突然の来訪者を

すべての種族が警戒せずに信じ込み

疑うということをまったくしなかった


その隙に乗じた 

のちにアメリカ人と呼ばれるようになった人たちが

侵略と暴行を繰り返し

多くの生命が短期間で奪われたり

望まない結婚を強いられたりしたのだった

その末裔は

少数民族として保護されるようになっているのだが

失われたものの存在を否定することは

できない


そんな不幸な記録が

アメリカの歴史には

あまた残されている


すべてのアメリカ人は

侵略されるということのもつ

その恐ろしさの意味を

侵略する側の視点から

建国以来

具体的に学んできた

西部劇によくでてくるインディアンの襲来とは

侵略された者が

侵略した側に報いるために行った

報復劇というものであったのだが

映画では

もののみごとに

勧善懲悪もののストーリーへとすり替えられてしまっていた


侵略する側であったアメリカは

新たなる未知の侵略者からの襲撃を

とりわけ 忌み嫌う

それは

被侵略者が受けることになる 

この上ない不幸を

逆の立場で体験してきたという

過去の暗い記憶を意識の底にもっていたからであった


インベーダーものの映画がアメリカで殊更流行るのは

侵略を図った異星人たちを撃退するという結末で

それが終わっているストーリーになっていたからなのだ


アメリカが防衛力の増強に必要以上に熱心であったのは

侵略される身分へと落ちることを恐怖する深層心理が

やらせていることである

その証拠が

銃規制をしなければならないことを知りつつも

それを法案とすることを避け続けてきた

というこれまでの経過に明らかだ

侵略者になったときから

誰か分からない敵からの攻撃に備えなければならなくなる

過去に一度でも侵略行為を行った国では

防衛能力を引き下げることに

きわめて強く反対するようになっていかざるを得ないのだ


防衛力の強化について国民の支持を得るためには

具体的な敵が身近にいた方が説得し易い

敵からの攻撃を先に受けておけば

アメリカ人一般の心性は

一致団結して

積極的に敵からの防衛と

報復とに

全精力を付きこんで惜しまない


日本海軍が行った真珠湾への先制攻撃は

アメリカの誘導に乗せられた日本が

アメリカが既にプログラムしていた勝利のためのプロセスを

日本が独自の判断で実行する

という役割を果たすこととなったのである


それと同じ経過がセプテンバーイレブンでもみられた

大量の米軍を中東へ派遣しておくための予算は

原油相場を恒常的に引き上げることで得られた

原油高を極めた末に暴落させたその事実をみるがよい


ドルの発行権を最大化したブッシュ政権は

ドルを市場で大量に余らせたことによって

ドル経済圏そのものに淘汰圧を与えてしまったのである

ドルの通貨供給量は

イラク戦争が始まってから一度も公表された事実が

ない

その状態は今もなお続いている


マクロ経済の研究者たちがこの点に言及していれば

金融危機を事前に回避することはできていたかもしれない

問題のもつその意味を知れば

有効な対策を導くことは容易なのだ


疑うべきは権威なのであって

それが生み出した制度などではなかった

運用する側の理念が偏ったものであれば

その結末は悲惨なものとなる

貧困化と温暖化とは

その途中経過を訴えていた警告だったのである


資源を消費しない未来のエネルギーシステムは

ドル以外の通貨で決済するべきだ

ドル経済圏はアメリカへの富の一極集中を齎し

軍備を拡大するベクトルをより強める

拡大を続けようとする核保有国の実態から

その原因となったものの正体を

早く突き止めておかなければならない

用意されている有効解がもしあるとするならば

それは

おそらく

とても単純なものになるだろう 
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