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こ と の 端

散文でロジックを
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五 感 + α

2020-04-26 07:57:37 | Weblog
経済メカニズムを

円滑に成り立たせていた

その仕組み



新型コロナウィルスが唐突に登場し

蔓延するようになってから

それまで恙なく機能していた

仕組みを維持するための

動力

を生みだしていた源が

呆気なく

止まってしまい

世界の様相は

その段階で

一変した

大きく様変わりした仕組み



ひとびとは労働機会を一斉に奪われ

外出することさえままならない

という状況へと

ほぼ一瞬で陥った


自粛という状態に拘禁されたまま

自宅に閉じこもって過ごすことを

国家によって強いられた


ヒトがヒトに近づけば

新型ウィルスに感染する

そのリスクは高まる

肺炎や脳炎などの

さまざまな炎症を引き起こし

高熱で長時間苦しむ

意識混濁が起き

呼吸困難となったのち

短時間で死に至る

そんな事例が

同時的に多発した


このウィルスによる感染

を避けるためには

できる限り外へ出てはならず

屋内で過ごすことが義務となる


店舗からは活気が失せ

歩道からは人影が消え

路上にいるのは動物ばかり

ヨーロッパからの映像は

そう伝えている


必要最小限の外出は可能でも

自粛規制を逸脱すれば

犯罪人と等しい扱いを受ける

多くの国でそうなった

日本の場合

事態はそれほど

深刻化していないものの

感染者の数は

着実に増加する一方

という状況で推移し

死亡したひとの割合は

感染率に連動して変化した


これまでのところ

感染を拡大するリスクを減らす

という対策以外に有効な術はなく

具体的な対抗策は

なにひとつ見当たらない

マスクを装着する義務が

地球のほぼ全域で

防衛手段として推奨された


一斉に行動を自粛するよう

政府と自治体からの要請

が相次いで出されるようになり

実行可能な国から

補償措置が

可及的速やかに適用された


感染率の高い国では

隔離措置が厳密に実施され

病室は満杯状態で患者が溢れ

廊下や屋外のテント

にまで病人が横たわっている

そんな映像が世界中にながされた


最近になってから

感染率

が指標として重要視されるようになり

抗体を保有する感染経験者を

サポート要員として登用する

制度が動き始めた


ウィルスと戦うための武器

である抗体は

感染した経験者でなければ

保有することができない

という理解が次第に深まってゆき

抗体保有の有無を調べた方が

疫学的検査を実施するより

手っ取り早い

という認識が急速に広まった


感染テストを実施するのではなく

血液中の抗体密度

を調べるという方法

が寧ろ注目されるようになってきた


ウィルスは遺伝子コードの

独立した意味のある

断片にすぎない

封筒(エンベロープ)に収容された

RNAを複製するための側鎖

として利用している

球形のエンベロープや

六角錐で足のついたものの中に

収納されていて

細胞核についている穴の何処かから

核内へと侵入し

そこでDNAと結びついて

情報をコピーする


このためウィルスには

自力で遺伝子配列を維持する能力

がなく

寄生するための宿主の存在

を絶対的に必要とした


こうした事情で

感染機会を増やすことだけが

ウィルスとして増殖することを

可能な状態にした

このことは

生物主体として自立する能力がない

という条件があるという意味をもつ


細菌が培地で増殖するものであるのに対し

ウィルスは宿主に寄生することでしか

本来の機能を果たし得ない

寄生するための宿主

がそこに不在であるのなら

繁殖することは固より

遺伝子として存続する

ことすらできない

という条件に縛られている


ペストは細菌であるため

培地となる活性を有する生体内部

に入りこみさえすれば

単独で増殖して仲間を増やせる

ペスト菌やコレラ菌は

ヒトの肉体を

繁殖の媒質として利用することで

種としての勢力を拡大できる

ウィルスは遺伝子コードの断片の一部

であるに過ぎないため

宿主の細胞核内へと入り込まなければ

塩基対(DNAの二重らせん)を利用

することができない

このため

己の遺伝子コピーをつくるためには

宿主の細胞核の中に侵入することで

DNAコードのコピーを

繰り返し量産する必要に

追い立てられる


感染機会を増やすことができないと

生物の前駆体としての役割を

つまり果たせなくなる

この段階に至ってはじめて

パンデミックは終息する


ウィルスがもつこの制約条件は

大航海時代に

新天地を開拓して

植民地化を進め

そこに住んでいた先住民族を

馴致せしめたことで

富を母国スペインへと

積み上げさせる

という歴史を

先例として残した


コロナウィルスがやっている侵略劇は

大航海時代の植民地化プログラム

と相通ずる同根の歴史を

現代に繰り返す

というプロセスと同じ


侵略者は先住民の土地を取り上げ

植民地経営で得た富を

本国へと移転し国家を大いに繁栄させた

ウィルスは宿主の肉体を占領して

自らの遺伝子を大量に複製し

血液に紛れ込ませて

内蔵の細胞核内へと送り込み

そこに炎症を引き起こし

肺炎や脳炎を発症させて

宿主の活性を利用して繁殖する

飽和すれば

別の新たな宿主に感染する

という行為を繰り返す


このプロセスは

ヒトの植民地化と同じことであり

ウィルスが繁栄を急ぐほどに

宿主の活性を自ら損ない

死へと至らしめることになる


己の生存条件を

それと知らずに劣悪化させてしまい

やがて滅んで終息へと至る

道を繰り返し辿り続ける


植民地経営は富の移転を効率化し

最終的に利益の獲得を自ら損なう

ことになる経過を宿命として

与えられている

欲望というものは

このようにして

最終的に持続可能性を

みずから手放すサダメにあるのだ


行為の質に違いはあるが

ウィルスがやっていることは

大航海時代の植民地化プロセス

と変わりがないレベル

それが生む収奪の連鎖

が途切れた時

循環性は断ち切られ

システムとして機能することが

不可能となる


先住民は土地を侵略されただけでなく

疫病を知らずにいた

抗体をもつ機会がまったくなかった

ペスト菌に呆気なく冒され

大量死を余儀なくされて

文明の崩壊を経て

少数民族となって生き延びた


土地と生命を同時に奪われる

という悲惨な末路に先住民族は呑み込まれ

インカ帝国はこうして滅亡した

これと同様の経過は

イースター島でも起きていて

細菌感染に無防備だったということが

そこに成り立っていた

文明の崩壊へと繋がった


ウィルスは遺伝子を乗っ取ることで

自らの複製を大量に生みだし

繁栄をいっとき極めはするのだが

その直後

宿主を失って自らも

消え去る


感染終息を急ぐためには

ピークアウトを早める

に若くはない


征服者たちは土地と暮らしを

合法性を装って収奪する

という経過を植民地へと残した

だがその状態はつづかない

抵抗運動がひとたび起きれば

それが独立運動へと結びつき

植民地だった地域は

民族自決権を行使できる

ような制度へと変化する

これは世界中の至る所で

何度も繰り返し起きていた

普遍的な共通の事例


繁殖行動を最大化しようとすると

その先にまっているのは

滅びの場

というその共通の特徴は

侵略行為のもつ本質を

よく物語るものとなっている


侵略者がそこに生まれると

反撃するための独立運動

が組織化され

やがて統治システムへと

それが跳ね返る

ドイツ軍のフランス侵攻が

パルチザンを生み

西部戦線を東へと後退させた

事例からもその共通の特徴が窺える

免疫反応は抵抗運動の母体


侵略は既存のシステムを破壊し

死者の量産を通じて

混沌を勢いよく押し広げる

ウィルスの感染は

人体への侵略という点で

人の世のあり方と異ならず

最後には繁殖基盤を失って

自らの繁栄の喪失を

それと知らずに差し招く


植民地経営を支えてきたのは

先住民族を隷属させる仕組みだったが

パンデミックは宿主の生存

を必要条件として設定した

この与えられた条件

を有効に利用することで

繁殖効率を最大化しようとする

その強欲

を利用すれば

ウィルスの生存条件を

自発的に喪失させることが

可能となる


ウィルスに一度でも感染しておけば

自動的に抗体となる組織が生みだされ

侵略者に対する反撃を

自律的に何度でも引き起こす

この仕組みを免疫と呼び

生体活性反応の一つとして

位置づけた


キッカケとなったのが

天然痘を撲滅することに繋がった

予防接種というものだった

ワクチンは細菌やウィルスを弱毒化して

ヒトに敢えて感染させることで

抗体を自発的に組織化するための

防衛行為という対抗措置

この免疫を生み出すことは

薬では不可能であり

疫病を意図的に

体内へと取り込むことで

抵抗運動を誘発するという

免疫システムの意味を

正しく理解していれば

有効な使い方はなにか

という条件が見えてくる

大量の知識があっても

知識の意味を理解できないと

良好な結果は得られない


温暖化が止まらずに進み続けているのは

正しい認識がそこになく

誤謬に充ちた理解が蔓延した

ことが災いとなって今に残された

有効解を特定することが

できないことを悟れずに

やみくもに対抗策を繰り出しても

所期の成果は得られない


これら一連の失敗の連鎖こそ

反証となっているメッセージ

五感を研ぎ澄ます訓練を積むことこそが

有害な変化を予防するための

最初のきっかけとなる

これに何かを足すことで

よりよい解が姿をみせる
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