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こ と の 端

散文でロジックを
環境 経済 エネルギー 電気 教育 などの "E" に関するちょっと気になったこと

学 習 以 前

2017-02-05 05:47:41 | Weblog
強者の論理は愚か者の指標

弱者の行為は臆病者の証

力に恃む国家

そして国民は

それであるが故に

相互で

勝手にぶつかり合い

消耗戦へと突入して

国力を最終的に

脆弱なものにする


ソ連という特異な国家群が

一方的に内部崩壊してしまったために

アメリカは同盟関係を維持する理由を

一日で失ってしまい

イデオロギー対立に代わる

別の敵対勢力の台頭

を密かに希求するよう追い詰められた

仮想敵という名の

架空の存在を急遽捻出し

有事に備えておくための

合理的理由をアメリカの納税者である国民へと

押し付けた


日米同盟の維持

を目的とする米高官側からの

合意に関する

再確認交渉が

90年代当初

新聞紙上を賑わせていたものだった

先日の訪日は

当時のそれと

状況がよく似ている


バブル経済が潰れたことに

誰も気づいていなかった

その時代

92年になってさえ

土地を買いあさる勢力が

地上げと呼ばれる土地買収を

熱心に続けていたほど

土地神話に対する信仰は

底堅く

日本経済に致命傷となる

負の経過

を積み上げさせていた頃のこと


日本経済の著しい成長ぶりが

ソ連型共産主義体制を

大いに差別化するものとして使われ

経済格差を毎日のように

見せつけられていた計画経済圏で

制度欠陥の存在を

日本の繁栄が

決定的なものにしていた

そんな時代のことだった


ソ連が脆弱化したことを察知した

米政権は89年

政治的対立による反目

の増長合戦を募らせていた事態を憂慮し

それによる軍事費の増大を

互いに抑制する目的で

俗受けする軍縮

についてそれぞれの都合で

抵抗なく合意した


ソ連の経済が

再構築を意味する

ペレストロイカを実施しても

一向に回復しなかったために

国民の信認を失った

共産党書記長だったゴルバチョフは

失脚して幽閉されてしまい

大統領制への移行がその後円滑に進み

エリツィンがロシアの新大統領

に就任した


アメリカの大統領は

軍産複合体制の利益代表を兼ねていた

パパブッシュだったが

軍縮の合意が現体制にとって

強い下押し圧力となったことから

新たな敵を創出する必要に

アメリカは俄かに

強く迫られるようになっていた


イラクの独裁者を背後で唆す

行為を人知れず行い

クェートに侵攻させる形で

占領を進めていた八月から

翌年の春にかけて

湾岸戦争を主導して

戦闘の様子

を映像で世界中へ

具に報道させたことにより

アメリカの持つ軍事力の優越性を

世界中に誇示し

米軍の存在意義を示した後

湾岸戦争を

短期戦で終結させた

そのことが後のイラク戦争へと

繋がってゆくこととなる


この時の攻撃で米軍の戦闘能力の高さ

を世界が知ることとなり

反米国家の最右翼

を自認していた

リビアのカダフィをアメリカに帰順させ

アメリカの力による平和

所謂パクスアメリカーナの再定着を

内外に示す結果を引き寄せた


この時の戦費調達で増税を行ったことから

米国民の信認を失い

逆に反感を買ってしまった

パパブッシュは

一期四年で退くこととなり

後を襲った民主党のクリントン政権が

双子の赤字で苦しんでいた米経済を

ロシアという新市場を得たことで

リセッションから抜け出させ

ルーブル経済圏をドル経済圏へと取り込み

<なにはともあれ>

アメリカを黒字国家へ導いた


こうして繁栄を取り戻したアメリカは

ブッシュジュニアの時代となったのだが

就任した年の新会計年度の最初の月に

同時多発テロ

所謂9.11を引き起こし

その報復戦とイラク進攻を

続けざまに行って

アメリカの財政を赤字へと再び転落させ

不足するようになった戦費の調達を

増税以外の方法で賄わざるを得なくなり

原油相場を五年に亘って

高騰する状態へと

共和党政権が

WTIを誘導して

高め続ける一方的な経過を

国際経済全体へと押し付けた


地下資源を決済するための通貨

となっていたドルの特性を利用して

原油相場を高値誘導させ

ドルの需要を

それにより人為的に拡大し

国際経済に負の圧力を

アメリカが意図せずに与えた

ということができるだろう


その結果

ドルの属性となった過剰流動性は

更に一層高まり

ドル余り現象を嵩じさせて

アメリカ本土で

サブプライムローンを焦げ付かせてしまった


リスク回避の目的で債権を証券化した

ということが

不良債権の規模を

誰にも分からないほど巨額なもの

へと押し上げた

こうして

デフォルトが確定した段階で

証券化した債権のすべてを

一瞬で

焦げ付かせる事態へと至らしめた


これがリーマンショック

を経済史に残すこととなり

国際経済から成長を奪い

デフレ圧力を強めて

先進諸国の失業率を同時に高め

導入済の付加価値税を引き上げ

その行為で経済活性を逆に失う

という展開を導き

安定飛行へと移っていたEUから

英国を離脱させる結果を得ただけでなく

成長を続けていた国際経済の足を引っ張り

アメリカにトラムプという名の

大統領を誕生させた


力を誇示することで成り立つ

パワーポリティックス

に依存する国際社会が

信用経済を成り立たせていた

その枠組みに重大な

根源的というべき打撃を与え

エネルギーコストを長期間高めつづけたことにより

可処分所得を必然的に圧迫し

雇用の質を劣化させ

雇用機会も失って

貧困を起源とする破戒活動へと

テロリスト予備軍を走らせ

ISという組織を

米軍が中東から去った機会に乗じて

宗教で正当化した実体をもたない

自称国家として宣言させ

宗教による世界支配を試みた


身勝手な解釈で合法化された

偏った宗教認識の関与

が問題の深刻さを増幅し

修復し難い対立を

宗派間相互へと与え

ISと自ら名のる勢力に

信仰の証明を破壊で行う

という手段を通じて

際立たせていくことで

有利な条件を手に入れようとする

第三勢力を結集させ

対立する勢力同士が

互いに潰し合う

という関係性で惑星を満たそうとし

劣悪な様相を

一層濃くする経過を

浅慮による攻撃性が

戦争難民を大量に生み出した


これら一連の変化には

指導者の劣化以外に

原因と呼ぶべきものは

見当たらない


濫觴を求めて川を遡れば

教育のあり方

へと一直線で辿りつく

思考力を失った指導者は

判断を誤ったことすら

理解することが

そもそもできない

その極端な事例が

アメリカの新大統領の姿に見られる

ということを

凝縮された事実

が雄弁によく物語る


力に恃む者すべては

力によって潰え去る

驕る平家は久しからずの譬えの如く

万物は有為転変して

接して定まることはない


帝国主義は必ず破綻し

犠牲とされる生命の数が増えると

その後になって

復興期が

何事もなかったかのようにして訪れ

しばしの間繁栄を閲した後に

対立を理由とする覇権の掌握

を求める行為が繰り返し

訪れる


このサイクルを断ち切るために

必要なことは

環境負荷を生まない

優良な電源の開発

によるエネルギーコストの低下と

それによる安定した経済的繁栄

の実現を前提とする

平和本位制と呼ばれる

未来型の枠組み

の創設以外に

選択可能で有効な方法は

他にない


力の差を前提とする支配体制は

遅かれ早かれ

必然的に行き詰る

歴史による学習を無効にしたのは

知識を競う形式の

欧米型の教育制度


知識の量を増やす教育が

利益の獲得競争を引き出し

世界中の市場が規模の拡大を目指し

グローバル化するような姿勢

を是として無批判に受け容れた


日本ではアベノミクスで国力を奪われ

アメリカではトラムプノミクスで

世界中を早速苦しめている


環境負荷を排除する電源は

エネルギーコストをゼロにして

コスト競争力を生産国へと賦与し

可処分所得を引き上げる

温室効果ガスの生産は止まり

自然災害の増悪による

社会資産の喪失もまた治まる


基準点となるものとは何か

ということを見失ってきた文明が

現状の不具合を

目に見えるようなカタチにして

文明の覚醒を促すようになったとき

新文明に相応しい

あるべき枠組みの創設が

そのときはじめて

可能な状態となる
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