こ と の 端

散文でロジックを
環境 経済 エネルギー 電気 教育 などの "E" に関するちょっと気になったこと

負 の 資 産

2013-03-31 09:25:42 | Weblog
物価の上昇を図るためには

消費者の購買意欲を

高めることができなければならない

国民が積極的な買い物ができるような

経済環境を

国が整えてやる

という必要があった

その順当な方法を超越して

物価目標を単に定めることにより

その実現を目指さそうとしても

それは軋轢を増加させ

損失となる部分を徒に

増やすだけのこと


購買の意思決定権をもつ消費者の

意欲に火が点もっていなければ

消費動向は活性化せず

単にものの値段だけが上がって

通貨価値が反対に下がる

というインフレという状況を引き起こす


政策で消費を新たに促すためには

所得の予期以上の増加と

その持続とが

保証されたもの

となっていなければ 

ならない


消費があって

生産がある

この逆は

合理ではない

購買意欲が高まるからこそ

生産意欲と販売意欲とが

刺激されるメカニズム


膠着状態に陥ったデフレから

抜け出す有効な道は

ただ一つ

国民所得の増加をおいて

他にない


物価だけを引き上げたところで

所得の増加が追随してこなければ

消費サイクルを形成することは

できない

国民がインフレ圧力を受けて

疲弊するだけのこと


経済に関する基礎的な知識に基づかない

不正な判断は

すべて誤った結果を導く

経済理論だけで景気を刺激できる

とする姿勢は評価に値するほど勇壮なものではあるが

尊大であり

かつ無謀であるという二つの点に於いて

有害である

といわざるを得ない


空前の暴挙となることが分かっている措置を

絶後のものとするための教訓としなければ

時間と資本の無駄を重ねて

国民の暮らしを

意味もなく圧迫した

というだけのことになる


日本経済に於いて

金融を緩和する余地は既になく

その事実が失われた20年

というまことに粗末な期間を

国と国民とに

過ごすよう強いていた


実質的なゼロ金利が通用しなくなったということが

量的緩和の実施を急がせた

という経緯が厳として存在する

量的緩和の実施によって

デフレが希釈された事実はなく

却って負の螺旋を強める

という経過が残された

失われた10年

という国が学ぶための期間を

単に倍の20年へと増加させた

という点で

量的緩和の実施がもたらした弊害は

きわめて大きなものがある


その状態にある経済環境下で

無制限

かつ

無期限の金融緩和が

政策として実施されることになる

ということなのだから

日本の経済が受けるダメージの大きさは

計り知れないものとなる


それは自明のことなのだ


無効な経済対策を

これ以上続けていく余地はなく

余力はもはや残されていない

現実を正しく認識することができなければ

国はより一層

早く

劣化する


過去の事実を検証する

という役割に縛られた経済学の手法で

未来を規定することは

できないことだし

危険なことでもある


確定した要因を扱うケイザイ学者が

未確定の複合要因を完璧に無視したまま

蒼枯たる理論で

未来を創造することができる

と信じこんだとき

どのような変化が

この国に起きるのだろうか


現代史は政策判断の誤り

とその連鎖の記録で満ち充ちている

バブル経済を破裂させたのは

1989年10月に実施された

閣議での決定である

そこで了承された不動産融資に関する総量規制の

90年4月1日実施の合意が

失われた20年を生み出す

その起点となったそもそもの

原因

三月中に資産を整理することができた者だけが

バブル経済の崩壊から

半年間の猶予期間のあいだに

貴重な資産を守ることができた

だが

その事例は

極めて




また

理由のない侵攻作戦であった

2003年3月20日のイラク侵攻作戦の開始と

その後の戦闘への加担

という判断も

国会が無批判に下した認識の誤りが

関わっている

イラク戦争には大義名分などはなく

大量破壊兵器の配備については

その証拠が欠落し

完璧に不在という状態にあった

その事実は

当時の報道機関が繰り返し伝えており

ドイツとフランスの当時の首相が

共に

アメリカの暴挙に批判的であった

とする記録が公に残されている


更に郵政の民営化という政策も迷走を続け

その果てに

民営化阻止を標榜する国民新党を

この度消す

という無様な経過を生み残すこととなったのだった


民主党政権の見識不足は

前自民党政権より

顕著なものとなっていた

そのことが

国と国民に大きな負担を与えただけでなく

消費税を増税するための下地づくりを

急がせることともなったのだった


デフレが深刻化している現在

消費を抑制する意味を持つ課税強化を

実施することほど

愚かな政策はほかにない

消費税の撤廃

という政策への転換であるのなら

デフレからの脱却は可能だといえる

税率の段階的強化を前提とした

官僚寄りの無謀な政策は

この国のデフレ経済を

より強固なものにするだけなのだ


列記したこれら一連の政策は

すべて誤ったものだった

更に止まらない温暖化を放置し

旧態依然たる環境政策を

慣例的に

継続してきたそのために

有効需要をまったく生み出すことなく

損失の増大というプロセスを

今も尚

続けていなければならなくなった

その不明を恥じる選良は

今にして

皆無


政策判断の誤りは

思考力を養おうとせずに

ひたすら効率化を目指してきた

教育制度の到達点

マークシート方式の便益に頼ってきた

教える側の身勝手な論理が生んだ

知育に偏重したこれまでの教育姿勢が

もたらしたもの

それ以外のなにものでも ない


当事者たちのすべてに

自覚症状などはなく

そのことが

新たな判断の誤り

を国家の胎内に孕ませるよう

盤踞する構造体となって

動かし難く

機能するほどまでの状態になっている


問題の本質を察知した優れた認識は

系外へとスピンアウトする道を選び

弊習に関わることを

自らの意思で避けようとする道を

選び取った

健全な意識体であればあるほど

劣悪なシステムにコミットすることを

避けるものなのだ

それが健全性を担保する

その

なによりの証明となっている


教育は民主主義を劣化させてきた母体

正しくない判断に賛成しよとする多数存在は

それが数的に増加するにつれて

民主制度を自らの手で貶める

平均値の低下は

判断を誤る勢力の増加を通じて

国民の暮らしに

直接作用する

民主主義とは劣化するシステム

であることを意味する


新政権が掲げた脱デフレという目標を

実現させるための手段とされた

有効性を保証されていない

金融緩和の次元を超えた実施

という抽象的な行動が

国民の健全性を賦活する

反面教師となるならば

せめて

幸いとしなければなるまい
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする