こ と の 端

散文でロジックを
環境 経済 エネルギー 電気 教育 などの "E" に関するちょっと気になったこと

知 衰 対 策

2011-02-20 07:47:13 | Weblog
知識の量を

水平方向へと拡張していく今の教育制度は

国民から考えるための能力を退化させ

学生から就業する機会を

取り上げてしまうという結果を生み出した


権威的存在が下した決定に

ただ

従う

のみという慣習を国民に定着させてきたのは

教育の場に効率を持ち込んでから

後に起きたことである


教育が劣化する時

民主々義は衆愚政治と化す

国会は 鑑

事実を正しく見た者は

一定の行動をとろうとする

変化が起きていない現状は

認識が未だ

定まっていないという現実を

指し示す


知識は活かして使うもの

その活用法を

教育の現場で授けてこなかったのだから

変化するさまざまな事象から

意味の推移を

正しく取り出してくることが

できなくなっていた

当然の帰結とせざるを得ない


健全な判断力が不在の時代に

国は劣化する


経済や外交で起きている変化の諸相を

事象から

正しく読み解くためには

背景を構成している要素群の成り立ちを

できるだけ多く承知しておかなければならない


観察力が僅かでも残されているのであれば

変化の動態から

未来を割り出すことは

決して不可能ではない


そこで必要になるのが

判断を促す 

洞察力


状況を変えるための政策が

もし適切なものであったのなら

国がこれほど早く劣化してしまうようなことには

なっていない

誤った政策を続けてきたということが

国の財政に過重債務を積み上げさせたのだ


疑うべきは

知の劣化

ただ ひとつ 


たとえば

止めておくことができない電流を

消費者が節約する努力をすると

発電所で吐き出している二酸化炭素が

何故だか不明なのだが

その分だけ減るという理屈


論理そのものが成り立っていない項目を

そっくりそのまま

受け容れている

異常さに誰一人気付かない


事実関係を確かめるには

火力発電所の燃焼炉の稼働率が

節電に応じて

どのように変化していたのか

というその実態を

数値によって確認すればよい


石油や石炭

天然ガスを燃やしていた量と時間とに関する基礎的なデータを

電力会社に提出させれば済む話

政府は温暖化防止対策費として

巨額の国税を

これまで延々と投じ続けてきた

その結果を確認する方法が

発電で消費した化石燃料の割合

だけに限られている 

というのは

まことに訝しいことである


必要なのは

客観的証明であり

法律の制定などではない


節電したことで

既に熱エネルギーから電気エネルギーとなったものが

元の炭素系資源へと戻ることなど 

ありえない

あるべからざることを前提とした仮定の話が

期待された実効を発揮できる訳がない


温暖化を止めるはずの対策が

却って温室効果を高めさせている

この結果は実に雄弁である

無知に基づく

判断停止が

要するに招いたことであった


節電すると

発電に要した化石燃料がその分だけ減る

という前提で

温暖化を防止するための法律が

事前に制定されていた

という事実が 

当初から存在していた


これは

何を意味することだったのだろうか

発電機は安定した回転数を維持することで

周波数を厳密に保つことができる


節電で燃焼炉の稼働率が下がったのが本当なら

発電機の回転数も同時に下がっていなければならない

それは

周波数の絶えざる変動を意味する


この程度の知的レベルの問題でさえ

まったく見えなくなっている

国際経済の分野で起きているより複雑な要因を

教育に汚染されてきた既存の知識階級に

抽出することができる筈もなかろう


とまらない円高と温暖化

そして

増え続ける一方の

財政赤字と職を求める人々の数とは

それぞれ

認識するための

健全な能力を持たなくなってしまった国会が

自らの手で招き寄せたものなのだ

これを史的必然という


教育のあり方そのものを見直し

思考力を涵養しながら

知の有効利用を

正しく進めていくことができる時代になったとき

有効解へと至る道が

眼前に現れる


問題そのものが見えていなかったのだから

対応する術の当否を判断することも

できななかったのは

道理

ここに問題の本質が埋もれている
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