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こ と の 端

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禍 転 じ て

2010-09-19 08:09:46 | Weblog
経済を学んできたはずの者たちが

20年に及ぶ長い年月のあいだ

日本に備わっていた

経済活力を失わせ続けていた


この結果は実に 雄弁である


この国に劣化を始めさせた

その

最も大きな契機となったのは

1990年4月

に施行された

不動産融資に対する総量規制

という浅慮の逸失を生みだした拙い政策

これが土地神話に基づくバブル経済を潰した

直接の原因


その後続くようになった不作為の時代が

失われた十年

と呼ばれるエポックのきっかけとなった

日本の経済史には

無知をものともしない為政者の

数々の顛末が

深く刻みつけられている


これらの経過をみるだけでも

知識階級がもっていた認識のレベルが

どの程度のものであったのか

ということが

よく伝わってくる


経済に関する基礎的な知識を

実際の場に

正しく活かす政策がとられていれば

バブル化した日本の経済を

軟着陸させる程度のことは

難なくできていた


この事実の存在は

経済を知っていることが

ただしい経済政策に結び付くとは限らない

ということを示していた


バブル経済を成り立たせている構造を

認識していなかったからこそ

経済の血液である

流動性の循環を止めてしまった

ということなのだ

血流が止まれば

システムは活性を失い

急速に衰える


その後採用された一連の対策も

傷口を広げるばかりであったため

結果としてこの国の債務残高を急速に増やし

財政赤字の規模を毎年拡大する一方

という状態へと導いた


そもそもの発端は

1971年8月のドルショック

ここを淵源として

多くの不具合が生み出されてきた


金本位制から一方的に離脱することを宣言したアメリカは

変動相場制への移行を推し進め

石油の取引をドルで決済することにより

金に変わる新たな価値を

国際経済の場に生み出した


あれから40年たった今年

地球では異常気象による自然災害が頻発するようになり

日本では国際市場から逃避してきた外国資本の大量流入で

国が望まない円高が

国際金融資本の手によって

意図的に生み出されるような状態になっている


円高とは

つまり

ドル安政策の結果

を意味することなのだ

それを可能ならしめたのは

1985年10月のプラザ合意

日本の土地バブルは

その時から増殖を開始し

五年ほど経ってから

機能不全へと陥り

その後

ゆっくりと終息した

バブルの崩壊を

知識人たちがそれと理解したのは

はるか後になってからのことである


日本の経済を動かしている人たちの認識のレベルは

この程度のものに過ぎなかった

景気の低迷が続いて

デフレ経済になっているいまの現状は

認識の誤謬が原因となって

国が長年にわたり生み出してきたもの


円高は

外資の流入がおきている

ということを意味する

この日本へと逃げてきた国外からの流入資本を

日本の経済成長に活かしてやることにより

ドルに対する不信任を

希釈する効果が引き出せるだけでなく

日本経済を再生復興させ

国際経済を支援する体制を築くことさえ

可能になる

このチャンスを生かさなければ

ドルに対する不信任で

国際経済は破局へと至るのみ


土地バブルを崩壊させたのは

要素の抽出を怠り

要因分析を蔑にした結果であった

判断がきちんとなされていなかったことが

日本経済に備わっていた活性をはぎ取らせた

といえるだろう


その後

急速に起きた次の円高では

流入してきた大量の資本が

主に企業買収のための資本へ振り替えられた

この時に求心力となっていたのが

外でもないホリエモン

と呼ばれた象徴的人物

外資の隠れ蓑の役割を演じていたのだが

法を逸脱する行為に及び

目論見は呆気なく頓挫した


これら

外資の活用法を誤り続けてきた過去に学べば

日本経済を再生させる方法の存在に気付くはず

度重なる為替介入で

日本が保有するドル建ての資産は急増した

だが

その殆どがアメリカの公債となったため

在外資産を機敏に処分することができなくなってしまった


この資産を

政府日銀は勝手に処分することが

できない

長期債を売却すれば長期金利を引き上げ

米国の金融市場に

少なからぬ打撃を与えることになるからだ

換金が可能になったとしても

ドルを円転しなければならず

みずからが円高の原因となる以外の道は

残されていなかった


世界中の資本が

打ち揃って日本へとやってくるこのチャンスを

むざむざ

棒に振ることはあるまい

経済とその力学を正当に活用する方法を採りいれてやれば

日本は世界の救世主になり得る


有効な投資先が日本に欠けていたのだったからこそ

為替差益を国際金融資本が捻出した段階で

資本の流出がおきるような循環を生みだした

ということなのだ

円高の直後に緩やかな円安が起きていたこれまでの経過は

ドル資本の意図とその所在とを

明確に伝えていた


資本の国外流出がおきないようにするには

日本市場に十分なリターンを保障できる市場があれば

よい

投資が投資を呼ぶ展開を再び築くことができたなら

日本は国際経済を牽引する役割を担うだろう


市場介入という常套手段は

国内経済を劣化させ

貧困とデフレを同時にすすめ

国民全体を疲弊させる

最悪の方法なのだ

輸出産業を保護するだけで片付く問題では

ない

節度ある資本の流入を導くには

収益の還流が

その前に制御された状態で

実施されていなければならない


ドルに備わる避け難い属性

即ち

過剰流動性を日本市場へ呼び込むことにより

世界中から押し寄せてくる金融業界からのエネルギーを

経済再生の手段へと転換させる返し技を発動する政策が

この国に いま

最も必要なことである

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