公営競技はどこへ行く

元気溢れる公営競技にしていきたい、その一心で思ったことを書き綴っていきます。

名人の舞

2006-05-02 17:33:12 | 現場レポート

4月18日、尼崎競艇場へ。

この日は競艇名人戦の初日であった。

過去尼崎では第4回を開催し、そのときはG1を18回も優勝しながらも、SGは無冠で「無冠の帝王」と称された新井敏司が1周2マークでモンスター(野中和夫)を逆転して優勝した大会であった。

住之江で開催されることが多い名人戦だが、いわゆるコアな競艇ファンは尼崎のほうが多いといわれている。したがって住之江は賞金王決定戦がほぼ毎年開催されることなんだし、名人戦は逆にこの尼で頻繁に開催したほうがいいのではないか。

入場前、「オウム返し」ばかりする変なオッサンと話していた。

「尼は(入場料)100円やろ。競輪やったら50円や。」

「そうやな。競輪やったら50円やで。」

「ここのカネは笹川のところへ行くんやで。」

「そうやな。笹川やな。」

ところがそのオッサン、最後はオウム返ししなかった。

「これがなくなるとワシの楽しみがなくなるんや!」

そうか、やはりこういったオッサンが競艇を支えているんだな。

高齢化社会が謳われる日本社会だが、案外、高齢者が楽しめる場所ってないもんな。しかしながら、公営競技場は「昔から」オッサンのたまり場だぞ。そう考えると、これからの高齢化社会を考える上においても大変貴重な施設であるとともに、レジャー産業の中枢を担う重要な事業ではないか。

7回目ともなると、「高齢選手」だけが集結する名人戦のメンバーも随分変わったように感じる。この大会の優勝経験もある野中和夫は実質引退、他にも安岐真人やこの大会の提唱者でもある長嶺豊も引退してしまったな。

去年の大会、蔭山会長を、

「北原君が来てくれました!」

といって大喜びさせた北原友次もこの大会を最後の大舞台と位置づけてまもなく引退した。

名人戦のメンバーも世代交代が確実に進んでいるが、この人だけは「必ず」出場している。峻ちゃんこと加藤峻二。

何せ、第一回から全て出場。峻ちゃんが出なければこの大会は成り立たないというほどの「大御所」レーサーだが、今回も最年長出場選手として登場。

しかし、峻ちゃんの次に年齢が上の万谷章がこの大会を優勝。ついに、競艇界も60歳を超えた選手がG1を制する時代となった。

さてこの日、まずは5レースを買うことに。

当然、峻ちゃんが出ていたから買ったんだが。そして後でなんでこの選手が買えなかったんだろう、と悔やむことに。

それは、このレース2着に入る山内直人が真っ先に競走前練習を行っていたから。

案外こういった選手というのは着に絡むもんなんだよな。

1・2・3・6の2連ボックス+3着総流しといういつもスタイルで挑んだ5レース。

峻ちゃんを差し置いて1コースを取りきった山内。レースは3・村上信二が差して先頭。そして山内がインから残しやがった。スカだ。峻ちゃんは3着。

ガックリきたね。

なかなか立ち直れる機会がなく、その後は10レースを買うことに。

このレースは1・2・3・5のこれまた2連ボックス+3着総流し買い。

結果は後に優勝戦2着に入る3・小林昌俊が1着。2着に吉田、3着に平子が入ってこれは取ったが「損」だよ・・・

ま、ここでこの日は終了。競艇ってどうしても3連単という見方をせねばならないから、儲けたときの喜びは大きいんだけど、スカとか取って損っていう場合だと他競技以上に「疲れる」んだよなぁ。

ま、競艇はほどほどに?


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ポイントを貯めよう!

2006-05-02 09:08:33 | 公営競技論

今や、どこへ行っても「ポイントカード」。

私もANAマイレージカード(Edy)やローソン、ユピ(ファミマ)カード、e-KNET(京阪グループカード)など、いろんなポイントカードを持っており、ポイントカードが使えないところでは買い物しない、というようにもなっている。

とりわけコンビニのポイントカードについては「旅打ち」の際に大変重宝したことはメールマガジンにも書いたが、普段私はそれほどコンビニは利用しない(週刊競馬ブックなど週刊誌を買うときぐらい)。大概はスーパーを利用するんだが、どうしても旅打ちとなると「近くにある」コンビニを利用せざるを得ない。

すると、途中から常宿としていた「東横イン」は一般のホテルとは違ってホテル内にレストランがないので、コンビニの弁当類を買ってきて部屋の中で食べるしかないんだが、弁当だけでなくサイドメニューやお茶なども買うんで、あっという間に10ポイントとか溜まってしまう。

公営競技においても、ポイントカードの雨嵐といった様相。

とりわけ、めったにこれまで行くことがなかった尼崎競艇場へ行き、指定席に入るというのも、一種のポイント狙いみたいなところがあるね。

園田競馬場もそうだね。これまでだったら、年間数回行ったらいいところだったのに、今や毎月必ず行っているもんな。

一方、ポイント制がないところには「行かなくなっている」ね。

おとつい、「サテライト阪神」に行ったところ、競輪の共通ポイントカードがあるというのに、独自にポイントカードを発行していた。「タダ」の一般客でも1ポイント、指定席2ポイント、ロイヤル3ポイントという形でつけてくれる。その「特典」として、10ポイントで指定席の、20ポイントでロイヤル席の料金が「タダ」になる。おまけにポイントカード発行時には指定席無料招待券までくれた。もちろん、会員になるための諸経費は一切「なし」。

今週号の「日経ビジネス」に、日本は今やデフレ基調から脱したという風潮が強まっているが、それを下支えしているのがこの「ポイントカード」ではないかという話が述べられていた。そして「ポイント」というのは値引きには当たらないらしい。

したがって客側も後で多少多めに払った分「返してくれる」という思いから敢えて高めの商品を買っている、そしてそのことが結局は「デフレ脱却」という論調につながっているのではないかというように述べられていた。とすると、本当の意味においてデフレを脱却したとはいえないんではないか。

公営競技においても今は来場ポイントといった程度でしかないが、たとえば、

「舟券でラッキーカードが出たらキャッシュバックします。」

とか、

「電話投票で月10万円購入された方の中から抽選で1名の方に10万円分キャッシュバックします。」

といったものが既に出てきている。将来的にはただ馬券や車券、舟券を買っただけで、

「買った分の何パーセントかは戻ってくる!キャッシュバックサービス!」

なんていうサービスもひょっとしたら生まれてくるんではなかろうか。しかし。

果たして、こんなもので客を釣れるもんなんだろうか?

そりゃ来場サービスぐらいならば大いにやってもいいと思う。しかし公営競技って「バクチ」だぞ。バクチってのは、別にそんなキャッシュバックサービスなんかしなくとも、場合によってはその「何十倍」もの利益を生む可能性のあるものだろ。ま、大概はカネをただむしり取られるだけで終わるもんなんだが。

仮にそんな手を使ってきたとしても、私はさすがにそこまでは「乗らない」。

かつて競輪のウイニングランやオートレースのテレオートでも、

「SG・G1期間中に10万円以上購入された方の中で抽選で3名様に現金10万円をキャッシュバック」

というようなものをやっていたことがあったが、そんな話には一切「乗らなかった」。逆にその期間は敢えて全く買わなかったね。

そもそも、そんなもんで「当たってしまったら」、別に競輪やオートレースなんかやる必要がない。10万円もあるんだったら、投資信託や不足分を自分で買い足して株を買ったほうがよっぽどいいってもんだ。

そして、そんなことをしたところで売り上げなど上がるわけがない。

ポイントサービスにもやはり一定の限度というものがある。そういえば日経ビジネス誌上で今のポイント制至上主義を真っ向否定するケーズデンキの社長がこう述べていた。

「ポイントカード制度は一切考えていない。ポイントカード制度は不必要なコスト高を招くだけ。ひいては、長い目でみればお客のためにもならない。お客というのは自分がどうしてもほしくて、しかも懐具合に合致した値段だったら必然的に買うもの。」

それも今の「ポイント制至上主義」に警鐘を鳴らす意味において一理あり。ま、何事にも「ほどほどに」ということだな。

コメント (3)
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