先日急逝した姉のその後の諸々や、住まいとしていた県営の集合住宅の最終始末など、複雑多岐にわたる作業がなかなかはかどらない。
喪主としての勤めは滞りなく果たしてはいるのだが、なにぶん、予測なき突然の終焉のため、姉自身の意思や希望など話しを訊いておく間もなかった。そんなわけで、数ある遺品の多くをどのように処理するのか、どの時点で最終処理業者に任せるのか、最終判断は私が下すことになるのであろうが、色々悩ましき日々でもある。
今日は、実の妹と、生前の姉の最も近くにいて親しくしていた姪らとともに姉の家の鍵を開け、少しばかり遺品の整理をした。
さすが女性の独り暮らし。あるはあるは、「これは何のために取っておいたのかねー」「まあ、こんなものまで引き出しにしまい込んで」などなど。また、こんなに豪華な装飾品をたくさん持っていたんじゃね、など弟の私から、というか男の眼からみたら、生活様式や日々の暮らしそのものが実に幅広く雑多であると同時に、きらびやかで華やかで優雅な生活痕がうかがえる。『女やもめに花が咲く』とは言い得て妙、まさしくその通り。
姪や妹が目を光らせるのはほかならぬ貴金属類である。都会暮らしが長かった姉の生活ぶりを反映した数々。その中からお気に入りの品々が自分たちのバッグに収められた。これもまた亡き姉への供養でもある。生前に愛用した思い出の数々を、縁深い人が受け次いで久しく活用することは、姉も望むところであろう。
それにしても84歳の突然死は早すぎる。おふくろさんなどは、84歳と言えばまだまだ現役でちんちろ衣料品店を切り盛りしていた。そして100歳を生きた。ま、人それぞれ、人生それぞれ。長いのが佳しとは言い難い。結局はそこそこ、ほどほどがよろしいようで。