お歳暮の定番と言われるひとつ
“ 秋深し となりは何を する人ぞ ”
お隣さんも我が家と同じように、壮年のご夫婦二人暮らし。何をされようとお互い似たようなものであろう。
どちらも特に干渉せず、流れる水のごとく、清く爽やかにお付き合いさせてもらっている。
ここではそんな話ではなく、周囲に目をやると、ふとこんな句が頭をよぎる季節になったということ。
そうはいっても飽くまでも季節はまだ秋、晩秋に入ったところである。
それなのに、お隣さんならぬ都会の方では、早々とお歳暮商戦勃発との声が聞こえる。
ちょっと早すぎない?そんなに焦ってお客の取り合いをしなくても・・・ などと言っていたら遅れをとって泣きべそかくのが、この業界の偽らざる姿なのであろう。
「振るだけで 歳暮の中身 当てる妻」・・・毎日新聞中畑流万能川柳より。
いくらなんでも、さてお歳暮に何を贈ろう…という気にはまだなれない。
単に田舎育ちはのんびりしているだけかもしれないが、それにしても、早くもお歳暮商品売り場に列をなす、などというのは如何にも性急過ぎるな~。
出来るなら我が住む町の特産品を贈って喜ばれるのがベストであろう。
となれば、あれしかない。というか、あれは暮れから正月にかけてが最盛期であり、最もおいしい季節である。
あれとは? 言わずと知れた岩国特産「レンコン(蓮根)」である。
3kg・5kg・10kg、そのほか色々箱詰めで全国発送が準備されている。地元の特産品を全国にアピールできる最高の舞台がお歳暮の時期である。
こればかりは、お中元に使えないので、特にお歳暮に力が入る。お中元の時期はまだ田んぼの中で発育中である。
もちろん、大型店舗のような早期予約割引や、全国配達無料などといったサービスや特典は受けられないかもしれない。定番の、洗剤や調味料の詰め合わせ、あるいはビールお酒などの飲み物も悪くはない。
しかし、天下に誇れる味わいを持つ特産品が地元にあるのなら、やはりそちらを優先したくなる。しかも、12月に入って実りきった岩国レンコンの粘りある味わいは格別である。
などと、農家でもない小生がレンコンのPRを力説することもないのだが、そこは、地元可愛さ、地産地消のすすめ、をテーマの食生活改善運動の片棒をかついでみたくなるだけの話である。 ああ秋深し・・・